PERとは?意味や計算の仕方・株価の判断方法まで初心者にも分かりやすく解説!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

PERとは、1株価あたりが割安か割高かを判断するための指標です。つまり株価収益率のことを指します。投資をする際に必ず指標として確認するPERですが、どのように見るのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで、PERの意味や計算方法など解説していきます!

目次

  1. PER(株価収益率)とは?
  2. PERの確認方法・使い方
  3. PERとPBRの違いは?
  4. PERの使い方の注意点
  5. PERの活用方法
  6. PERの目安は15倍!!
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1. PER(株価収益率)とは?

PERとは、Price Earnings Ratioの略語で、株価収益率のことです。
株式投資をする際、どのような指標をもとに株価を判断すれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで必要になるのが、PERとPBRです。
どちらも株の割安感を判断するための指標となります。
まずは、PERについて詳しく解説していきます。

PERは何の指標?

PERは、企業の収益に対する株価が1株あたり割安か割高か判断するための指標となります。
PERを活用する際は以下のようなタイミングです。

・投資する株を探すとき
・株を手放すタイミングが知りたいとき
・市場全体が値下がりしているとき

株式投資をするにあたって、PERを活用しなければ得られるはずの利益も見逃してしまい、損益が出てしまうことがあるので理解しておく必要があります。

PERの計算方法は?

PERの計算方法について解説していきます。
計算式は以下の通りです。

PER(株価収益率)=株価÷1株当たりの純利益

PERは、株価を純利益で割って計算することから、「株価が企業の純利益の何倍で購入されているのか」を意味するものとも解釈できます。
PERは、値が低いほど割安となるので、割安のタイミングを見計らって株の購入を検討することが重要です。
また、PERは〇〇年で投資資金を回収できるという見方でも活用できます。
一般的な使い方は、利益の〇〇倍で株価が買われているという解釈ができる一方、現在の純利益の〇〇年分で株価を回収できるという解釈もできるのです。
前述で記載した計算式の「1株あたりの純利益」は1年間の利益を指しています。
具体的な数字を用いた計算式は以下の通りです。
A社PER=1000(株価)÷50(純利益)=20倍
B社PER=1000(株価)÷20(純利益)=50倍
上記をみると、A社の株価は20年で回収することができ、B社の株価は50年で回収することが分かります。
このように、PERは割安感を示すだけでなく、何年で株式購入資金を回収できるかという、確認方法としても活用ができるのです。

2. PERの確認方法・使い方

続いては、PERの確認方法や使い方について解説していきます。
PERの確認方法や使い方を理解することで、どのタイミングで購入し、どのタイミングで売却をするのか判断をすることができます。
タイミングを逃さないためにも、理解しておくことが大切です。
それでは詳しく見ていきましょう。

PERの確認方法

PERを確認する方法は以下の2つが挙げられます。

・証券会社のHP
・投資情報サイトで見る


実際にどのように確認をするのか解説していきます。

証券会社のHP

PERは、以下の証券会社のHPで確認することができます。

・楽天証券
・SBI証券
・マネックス証券
・auカブコム証券


など

PERは、さまざまな証券会社で確認をすることが可能です。

投資情報サイトで見る

PERは、投資情報サイトでも確認できます。
サイトの例は以下の通りです。

・Yahoo!ファイナンス
・MINKABU


ほとんどのサイトでは、「予想PER」と表示されているため、PERは、予想PERの数値で確認しましょう。

PERの使い方

次に、PERの使い方について解説していきます。
PERを理解しても、使い方が分からなければ投資をするにもリスクが高くなってしまうので、確認しておきましょう。
使い方は以下の通りです。

・同企業の過去のPERと比較
・日経平均株価PERと比較
・同業種で比較


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

同企業の過去のPERと比較

PERの使い方1つ目は、同企業の過去のPERと比較することです。
同じ会社でも、利益が一時的に上昇することでPERの値が低くなることがあります。
例えば、資産を売却したことによって利益が一時的に上昇し、PERの値が低くなるというケースです。
このような場合、割安であっても、企業本来の収益力に対して割安であるとはいえません。
そのため、単年の数値だけで判断してしまうと見誤る可能性があるため、過去のPREの推移をみて判断するようにしましょう。

日経平均株価PERと比較

PERの使い方2つ目は、日経平均株価PERと比較することです。
日経平均株価のPERは長年15倍前後で推移していることもあり、PERの目安は15倍といわれています。
ただし、新型コロナウイルスの影響によって、2020年8月から2022年3月時点までは株価が上昇し、1株当たりの純利益が減少したため、日経平均株価のPERは20〜25倍前後で推移しています。

同業種で比較

PERの相場は、業界によって水準が異なるため、同業種で比較をする必要があります。
PERの高い業界は、「1株当たりの純利益」が比較的小さい業界である「小売業」や「サービス業」がみられます。
一方、PERの低い業界は、「石油・石炭製品」や「建設業」など業績の低迷が目立つ業界がみられる傾向にあります。
このように業界によってPERは異なるため、同業種内で比較し判断するようにしましょう。

3. PERとPBRの違いは?

ここからは、投資の際に活用する「PRE」「PBR」の違いについて解説していきます。
PBRも、株式投資を行う際に活用する指標の一つです。
PERとPBRを同時に活用することで、よりどの株式に投資をするのかなどの判断をすることができます。
それでは、PERとPBRの違いについて見ていきましょう。

PBRとは?

PBRとは、Price Book-value Atioの略語で株式純資産倍率のことです。
PBRは、1株あたりの純資産に対して何倍の株価になっているのか比較する指標を指します。
PBRの計算方法は以下の通りです。

PBR=株価÷(純資産÷発行済み株式数)

PBRは、純資産に対する割安感を示す指標で、純資産は短期的に変動することが少ないため、長期投資に向いています。
PERは、利益に対する割安感を示す指標で、利益は短期的に大きく変動することがあるため、短期投資に向いています。
上記のことから、短期投資であれば「PER」、長期投資であれば「PBR」を活用しましょう。

PBR1倍が割安・割高の判断基準

なぜ、PBR1倍が割安・割高の判断基準なのか、前述で記載した計算式に数字を当てはめて見ていきましょう。
例えば、株価が100で純資産が10,000、発行済み株式数が100だったと仮定します。
その場合、PBRは以下のようになります。

PBR=100÷(10,000÷100)=1

純資産10,000を発行済み株式数100で割った数字は、その会社が現時点で解散した場合、株主に戻ってくる1株あたりの金額を指します。
つまり、PBR=1が、理論上の投資段階で会社が解散しても、同額が株主に戻ってくるボーダーラインとなるのです。
そのため、PBRが1を超えると割高、PBRが1を割ると割安とみなされます。

4. PERの使い方の注意点

ここでは、PERの使い方に関する注意点を解説していきます。
PERの注意点を理解していないと、PERを活用しても全く意味がないことになる可能性もあります。
注意点を理解し、正しい使い方をしましょう。
PERの注意点は以下3つです。

・赤字企業にはPERが使えない
・過去の推移や同業他社と比較した上で相対的な分析をする
・大きな特別損失が出た場合はPERが上昇することがある


それでは、それぞれについて見ていきましょう。

赤字企業にはPERが使えない

注意点の1つ目は、赤字企業にはPERが使えないことです。
赤字企業の場合、PER計算の分母となる純利益がマイナスとなるため、そもそもPERを計算することができません。
そのため、赤字企業の場合、PERで割安・割高と判断することができないのです。

過去の推移や同業他社と比較した上で相対的な分析をする

注意点の2つ目は、過去の推移や同業他社と比較したうえで相対的に分析することです。
PERは業界によって数値が大きく異なります。
また、直近の推移でだけで判断してしまうと、株を売却して一時的に推移が上昇しているだけの可能性も考えられます。
そのため、PERを見る際は、過去の推移を全体的に把握し、同業他社と比較したときに推移が低いのか高いのか、相対的に分析することが重要です。
相対的にPERを判断しなかった場合、大きく損益を出す可能性も考えられます。
PERを活用する際は十分に注意が必要です。

大きな特別損失が出た場合はPERが上昇することがある

注意点の3つ目は、大きな特別損失が出た場合PERが上昇することがあることです。
PERの計算式で記載したように、短期間で特異的なことが起きるとPERが大幅に上昇または、減少することがあります。
PERだけで判断してしまうと、本当の企業の価値とは大幅に乖離した数値に影響を受けてしまう可能性があります。
PERを見る上で特に注意しなければならない点になるので、比較対象となる企業を見る際、必ず複数年に渡るデータの推移を確認する必要があるのです。

5. PERの活用方法

PERがどの指標を示すのか理解できたのではないでしょうか。
ここからは、実際にPERの活用方法について紹介していきます。
活用方法は以下の3つです。

・株式投資においての投資判断基準にする
・企業価値評価で使用する
・市場全体が値下がりしている場合


それでは、それぞれについて見ていきましょう。

株式投資においての投資判断基準にする

株式投資をする際は、PERPBRを活用することができます。
PERとPBRを活用し、割安株を探すことが可能です。
その後、適正な価格へと株価が上昇することで利益を得ることができます。
ただし、注意点として、PERとPBRだけで全てを判断するにはリスクがあります。
なぜなら、PERとPBRでは、将来株価が適正価格へと上昇するかどうかの判断はできないからです。
将来、株価が上昇するのかについては、他の指標を活用して考える必要があります。
PERとPBRの指標だけを頼りに投資をしてしまうと、将来的に利益を得られない可能性があるので、別の指標も確認するようにしましょう。

企業価値評価で使用する

企業がM&Aをする際、株価の算定や取引価格の算出をするために、「企業価値評価」を行います。
この企業価値評価をするときに使用されるのがPERです。
投資するうえで企業価値を確かめることは重要になります。
企業価値を知ることができなければ、これから伸びるのか伸びないのか判断できないため、企業価値を確かめたい場合にもPERを活用しましょう

市場全体が値下がりしている場合

市場全体が値下がりしていて株の購入を迷っているときには、PERを活用し割安株を探すことができます。
投資をする以上、割高のときは購入したくありませんが、割安のときは購入をしたい方が多いです。
市場全体が値下がりしている場合、普段は人気のある優良企業でも株価が低下し、PBRが1以下で低迷することがあります。
ただし、優良企業であっても、財務状況を確認して判断をすることも必要です。
優良企業であっても、財務状況によって何かしらの落とし穴がある可能性もあるので、少しでもリスクを抑えるためにも、入念にリサーチを行いましょう。

6. PERの目安は15倍!!

これまでPER(株価収益率)について解説してきました。
PERについて理解をしても、実際に運用をしなければどのように活用すればいいのか分からないこともあります。
そのため、PERについて理解を深めたら、実践を交えながら学ぶことがおすすめです。
知識を深めても活用しなければ意味がないので、覚えた知識をフル活用しましょう。
また、日経平均株価のPERは長年15倍前後で推移していたこともあるので、PERの目安は15倍といわれています。
PERがこの15倍よりも安いのか高いのかが、割安・割高の目安として利用できます。
PERを活用して、リスクが少ない投資を行いましょう。

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