【2023年最新】製菓・製パン業界のM&A動向・実績と事例10選

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

小麦価格の大幅な上昇で揺れている製菓・製パン業界では、多角化や海外進出など、生き残りを目指したM&Aが活発に行われています。本記事では、製菓・製パン業界のM&A動向を解説するとともに、実際に行われたM&A事例・実績を10選紹介します。

目次

  1. 製菓・製パン業界とは
  2. 製菓・製パン業界が抱える3つのテーマ
  3. 製菓・製パン業界の現状とM&A動向
  4. 製菓・製パン業界のM&A事例10選
  5. 製菓・製パン業界のM&Aを成功させるには
  6. まとめ
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1. 製菓・製パン業界とは

製菓・製パン業界とは、菓子やパンを製造・販売する事業者による業界のことです。大手メーカーから個人経営の菓子屋・パン屋まで、幅広い規模の事業者が存在しています。

市場規模は製菓・製パンともにそれぞれ1.5兆円前後で、食品業界全体では21兆円前後です。最大手は山崎製パンで、食品業界全体でも第4位となっています。

製菓・製パン業界のシェアは、山崎製パンやフジパングループなどの大手による寡占状態にあり、中小企業や個人経営のパン屋が残りのシェアを取り合う状況です。

市場規模は比較的安定しており、大きな業界再編も起こっていない状況ですが、小麦価格の大幅な上昇といったインパクトを与える要因もあるので、今後の業界動向は注視していく必要があります。

【関連】パン屋・ベーカリーのM&A・譲渡・売却!事例や動向、価格相場を解説!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

2. 製菓・製パン業界が抱える3つのテーマ

製菓・製パン業界も、ほかの業界と同様、時代の変化に合わせた経営戦略を練っていくことが必要です。近年の製菓・製パン業界が抱えるテーマとしては、主に次の3つが挙げられます。

【製菓・製パン業界が抱える3つのテーマ】

  1. 自社単独での成長の限界
  2. 見た目の美しさやSNSで発信できるストーリーなどの企画力
  3. リスク分散型の企業戦略

1.自社単独での成長の限界

個人経営で一から製菓・製パン業界に参入し、売り上げが伸びて店舗数を増やしていく事例はよくみられますが、自社単独での成長を目指そうとすると、どうしてもどこかで成長の限界がきます。

その主な原因は、店舗数を増やすと経営者が自分でカバーするのに限界が来ることです。製菓・製パン業界は流行の移り変わりが激しいので、一人の経営者が消費者のニーズを把握して、複数店舗の商品の質を維持するのは困難です。

複数店舗を管理するためには人員を増やして会社を組織化する必要がありますが、個人経営の延長でやってきた製菓・パン屋の構造を大幅に変更するとコストが上がり、かえって利益が落ちる危険性もあります。

効率的に店舗数を増やす他の手段としては、M&Aで他社と協働するというのも選択肢のひとつです。大手による寡占状態である製菓・製パン業界で中小規模の店舗が生き残る手段として、M&Aという選択肢を頭に入れておくのは有用でしょう。

2.見た目の美しさやSNSで発信できるストーリーなどの企画力

日本の製菓・製パン業界のレベルはとても高く、おいしいのは当然でそれ以上の付加価値を提供できるかがポイントとなっています。

近年、製菓・製パン業界でヒット商品を生み出す要因となっているのが、SNSなどのいわゆる「インスタ映え」をきっかけとしたブームです。

例えば、2021年にブームになった「マリトッツォ」も、SNSの発信力が大きく後押ししました。大量のクリームをはさんだインパクトある見た目に加えて、シンプルで大量生産しやすいのもブームの要因だといえます。

マリトッツォブームの火付け役となった福岡のパン店「アマムダコタン」のインタビューによると、マリトッツォを売り始めた元々の理由は、コロナ禍において店が混む時間を分散させるために、客が減る時間帯の目玉商品を作ることだったそうです。しかし、それをSNSで発信したところブームとなり、売り上げが一気に伸びました。

このように、適切な発信やストーリー展開をすることで、それをしなければ単なる一商品で終わっていたかもしれない商品をブームにすることも可能となります

これからの製菓・製パン業界で生き残っていくためには、見た目が美しくSNSで発信したくなる商品、またはその商品のストーリー性といった企画力も重要になるでしょう。

3.リスク分散型の企業戦略

新型コロナの影響で多くの業界が打撃を受けましたが、製菓・製パン業界においては、店舗販売をメインとする事業者が特に大きな打撃を受けたといえます。

逆に、家庭向けの菓子・パンを主力にしている企業や、ネット販売でしっかりと顧客をつかんでいる企業は、それほど打撃を受けないか、むしろ売り上げが伸びたところもあるでしょう。

このように、製菓・製パン業界では、商品の傾向や販売チャネルが偏っていると、市場動向に大きな変化が起きた時に対応できないケースがでてきます

今後の製菓・製パン業界では、複数ジャンルの商品や販売チャネルを持つ、リスク分散型の企業戦略が重要になると考えられます。違う強みを持つ企業同士が協働していくなど、リスク分散型の経営体制を構築する手段としてM&Aは大変有用です。

3. 製菓・製パン業界の現状とM&A動向

M&Aを成功させるためには、業界の現状を把握しておくのに加えて、M&A動向をみておくことが大切です。この章では、製菓・製パン業界の現状とM&A動向について解説します。

製菓・製パン業界の現状

製菓・製パン業界の現状としては、次の3つの特徴がみられます。それぞれ詳しくみていきましょう。

【製菓・製パン業界の現状】

  1. 競争の激化
  2. 原材料価格の高騰
  3. 将来的な市場縮小

①競争の激化

製菓・製パン業界は、山崎製パンを始めとする大手がシェアを占めているので、中小の事業者が残りのシェアを取り合っている状態です。

大手の寡占状態は今後も維持されるか、さらに寡占が進む可能性が高く、中小の事業者は生き残りのためにさらなる競争が必要となり、シェア争いが激化していくと考えられます

近年の製菓・製パン業界はどの事業者も商品のレベルが高いので、他との差別化をいかに行うかという方向性で競争が行われると推察されます。

実際、他社が作っていないオリジナル商品の開発に加えて、オーソドックスな食パンなどの商品でも品質や製法に独自性を持たせるといった、さまざまな方向性での差別化が進んでいます。

②原材料価格の高騰

北米での小麦の不作やウクライナ情勢などを受けて、2022年4月から、政府が製菓・製パン業界の各企業に売り渡す小麦の価格が約17%引き上げられました

パンの原料である小麦は、国が買い付けたものを製菓・製パン業界の各企業が購入するシステムになっているので、政府の売り渡し価格の上昇はほぼそのまま原材料費の上昇となります。小麦の大幅な値上げにいかに対応していくかは、今後の製菓・製パン業界の重要な課題です。

ここ数十年で米に対してパンのシェアが伸びましたが、パンは小麦を輸入に頼るため、米に比べて価格が変動しやすいという特徴があります。

今回のような大幅な価格変動は今後も起こる可能性があるので、製菓・製パン業界全体で対策を考えることは重要です。最近は米粉を使ったパンが人気ですが、これは小麦に依存しない業態として非常に有力となる可能性があります。

③将来的な市場縮小

製菓・製パン業界の市場規模はほぼ横ばいか微増といわれており、今後も微増傾向となるという予測もあります。

しかし、日本は今後人口が大幅に減少していくので、人口減少による市場縮小は避けられないでしょう。

人口減少による市場縮小は、特に大手にとって影響が大きいと考えられます。製菓・製パン業界は現在は大手の数社がシェアを争っていますが、将来的には大手同士が統合する、大規模な業界再編が起こる可能性もあります。

市場縮小に対応する方法としては、新しいニーズを掘り出すというのも重要です。例えば、高齢者は米が好きなイメージがありますが、炊かずに手軽に食べられるパンが好きという高齢者も意外に多いといわれています。

こういった潜在的ニーズを掘り起こす経営戦略をとることができれば、市場縮小していく製菓・製パン業界で生き残る可能性が高くなるでしょう。

製菓・製パン業界におけるM&Aの特徴

製菓・製パン業界におけるM&Aの特徴としては、コスト削減やスケールメリットを目的とするM&Aなど、以下の4点が挙げられます。

【製菓・製パン業界におけるM&Aの特徴】

  1. コスト削減やスケールメリット享受を目的とするM&A
  2. 多角化を目的とするM&A
  3. 海外進出を目的とするクロスボーダーM&A
  4. 事業承継を目的とするM&A

①コスト削減やスケールメリット享受を目的とするM&A

製菓・製パン業界は大手がすでにスケールメリットを追求した結果寡占状態となっていますが、コスト削減やスケールメリット享受を目的とするM&Aは今後も行われていくと考えられます。コスト削減やスケールメリットのためのM&Aは、大手だけでなく中小の事業者でも実施が可能です。

中小企業は、販売エリアが一部の地域に特化していたり、製造が1つの工場に依存していたりする場合が多いですが、別な販売エリアや工場を持つ企業同士がM&Aで協働すれば、大きなコスト削減やスケールメリットが得られる可能性があります。

コスト削減については、業務のIT化など自社で行える部分もあるので、M&Aで他社と協働するのとどちらが有効か判断していくことが大切です。

②多角化を目的とするM&A

自社の力だけで新規事業に参入するのは大変なので、M&Aで異業種の企業を買収して多角化を目指すのはよくある事例です。

製菓・製パン業界では、米菓最大手の亀田製菓が積極的なM&Aで多角化を目指しており、これが成功すれば他の企業も追随していくかもしれません。

大手以外でも、小麦価格の高騰に対応するために、中小企業がM&Aで小麦に依存しない事業に進出する動きが加速する可能性もあります。

また、ここ数年はコロナによる補助金を活用して、製菓・製パン業界に参入してくる異業種の企業も増えています。製菓・製パン業界は自宅で食べる商品も多いため、コロナ禍の影響を受けにくいと判断されているようです。

③海外進出を目的とするクロスボーダーM&A

製菓・製パン業界の海外進出は他業種に比べて特に積極的というわけではありませんが、それでも最大手の山崎製パンを始め、大手は海外進出しているところが多いです。

海外進出は自社単独で行う事例もありますが、山崎製パンや亀田製菓などの大手はクロスボーダーM&Aも行っています。

国内市場はすでに寡占状態で市場規模の拡大も見込めないため、今後は大手が事業規模を拡大する手段として、クロスボーダーM&Aがより活発化する可能性もあります。

【関連】クロスボーダーM&Aの成功要因・メリットを解説!件数も紹介!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

④事業承継を目的とするM&A

近年は製菓・製パン業界に限らず中小企業の事業承継問題が深刻化しており、親族に適切な後継者がいない企業がM&Aで存続を図る事例はますます増えるでしょう。

特に、製菓・製パン業界は和菓子など伝統的な商品を手がける老舗企業も多いので、事業承継を成功させることは伝統や文化を守ることにもつながります

事業承継のためのM&Aは早めに準備することが重要ですが、本業が忙しい、M&Aがよく分からないので億劫といった理由で、先延ばしにしてしまう事例も多いです。

製菓・製パン業界の事業承継M&Aを成功させるためには、早い段階からM&A仲介会社などの専門家に相談し、必要な準備を進めておきタイミングを逃さないこともポイントです。

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4. 製菓・製パン業界のM&A事例10選

この章では、製菓・製パン業界のM&A事例として、最近行われた事例を中心に以下の10選を紹介します。

大手によるM&Aだけでなく、老舗企業の事業承継M&Aや、小さなパン屋が成長して投資ファンドに売却された事例など、M&Aといってもさまざまなケースがあることが分かるはずです。

自社のM&Aのモデルケースとして、参考になる事例がないか探してみるとよいでしょう。

【製菓・製パン業界のM&A事例10選】

  1. 竹下製菓が清水屋食品を完全子会社化
  2. 亀田製菓がタイナイの米粉パン事業を買収
  3. 銀の汐が三州製菓と資本業務提携
  4. 亀田製菓がベトナムの菓子製造会社を子会社化
  5. ユニゾン・キャピタルがオールハーツ・カンパニーを譲受
  6. 亀田製菓がマイセンを子会社化
  7. ジャフコが日東コーン・アルムを譲受
  8. 日本投資ファンドがたくみやホールディングスを譲受
  9. 鈴木栄光堂が千秋庵総本家を譲受
  10. 山崎製パンが米BAKEWISE BRANDES社を子会社化

1.竹下製菓が清水屋食品を完全子会社化

竹下製菓

竹下製菓

出典:https://takeshita-seika.jp/

2022年2月、竹下製菓株式会社が株式会社清水屋食品を完全子会社化しました。竹下製菓は「ブラックモンブラン」などを始めとするアイスクリームとお菓子のメーカーで、2020年にも埼玉のアイスクリーム会社を買収しています。

清水屋食品は岡山の製菓・製パン会社で、シュークリームのようにパン生地でクリームを包んだ「生クリームパン」を主力商品としています。

両社の強みを生かしたコラボ商品の開発や、季節に左右されない安定した売上の構築などが本M&Aの目的となっています。

2.亀田製菓がタイナイの米粉パン事業を買収

亀田製菓

亀田製菓

出典:https://www.kamedaseika.co.jp/cs/

2021年7月に、亀田製菓株式会社が、株式会社タイナイの米粉パン事業を買収し完全子会社化しました。タイナイの米粉パン事業と青果物卸売り事業を分社化し、米粉パン事業会社の全株式を亀田製菓が取得する形となります。取得価額は非公表です。

亀田製菓は新潟に本社のある日本最大の米菓メーカーで、「ハッピーターン」「ぽたぽた焼き」など多数の人気商品を持っています。子会社となったタイナイは、米粉パンを製造・販売しているメーカーで、アレルギー特定原材料を使わない製法が人気です。

亀田製菓は近年米菓以外の食品事業を強化しており、本M&Aも同様の目的です。亀田製菓はアレルギー対応の米粉パン市場は今後大きく伸びると予想しており、量産できる体制が整っているタイナイの買収により、同市場でのシェア獲得が見込めるとしています。

3.銀の汐が三州製菓と資本業務提携

銀の汐

銀の汐

出典:https://www.ginnoshio.com/

2021年5月に、銀の汐株式会社が三州製菓株式会社と資本業務提携を締結しました。本M&Aにより三州製菓は経営陣を一新した新体制でのスタートとなり、三州製菓の店舗や工場は当面は運営委託の形にし、独立した企業として経営していきます。

銀の汐は、米菓や珍味などのお菓子の製造・販売、およびとんかつ「かつや」などの飲食事業を展開する企業です。三州製菓は「パスタスナック」を始めとする米菓などのメーカーで、こだわりの伝統的な和菓子で60年以上の歴史があります。

銀の汐と三州製菓は、両社の商品ラインナップや、銀の汐が持つアミューズメント施設への販売ルートなどを活用し、事業のさらなる発展を目指すとして本M&Aに至りました。

4.亀田製菓がベトナムの菓子製造会社を子会社化

亀田製菓

亀田製菓

出典:https://www.kamedaseika.co.jp/cs/

2021年5月に、亀田製菓株式会社が、ベトナムの菓子製造会社「THIEN HA KAMEDA JOINT STOCK COMPANY」を子会社化しました。亀田製菓は以前から同社の株式の30%を保有していましたが、本M&Aにより21%を追加取得しています。

THIEN HA KAMEDA社は2013年に亀田製菓との合弁会社として設立された会社で、現地では「ICHI」などの米菓が人気商品です。

ベトナムは1億人近い人口があり国内市場が大きく、さらに米の生産が盛んで原材料が確保しやすい土地です。本M&Aによりベトナムでの事業をさらに強化し、海外事業の発展を目指します。

5.ユニゾン・キャピタルがオールハーツ・カンパニーを譲受

ユニゾン・キャピタル

ユニゾン・キャピタル

出典:https://www.unisoncap.com/jp/

2020年12月に、ユニゾン・キャピタル株式会社が株式会社オールハーツ・カンパニーの全株式を取得し、完全子会社化しました。

ユニゾン・キャピタルはプライベートエクイティファンドで、ゴールドマン・サックス出身の日本人らによって1998年に設立されました。近年は韓国への投資にも力を入れています。

オールハーツ・カンパニーは、パン専門店「アンティーク」などを展開する製菓・製パン業界の企業です。ほかにも「ねこねこ食パン」やなめらかプリンの「パステル」など、さまざまなブランドを展開しています。

オールハーツ・カンパニーのさらなる事業拡大を目指すことが目的となっており、本M&Aによりオールハーツ・カンパニー前社長の田島氏は経営を退き、チョコレートブランド「CACAOCAT」を手がける株式会社DADACAなどの新事業を展開しています。

事業を立ち上げて成長させ高値で売却し、また新しい事業に乗り出すという、いわゆる「シリアルアントレプレナー」の成功事例だといえるでしょう。

6.亀田製菓がマイセンを子会社化

亀田製菓

亀田製菓

出典:https://www.kamedaseika.co.jp/cs/

2019年2月に、亀田製菓株式会社が株式会社マイセンの株式の90%を取得し、子会社化しました。

マイセンは福井県にある製菓・製パン業界の企業で、家庭用及び業務用の米と玄米や、「大豆と玄米のベジフィレ」を始めとする玄米加工食品を製造・販売しています。

亀田製菓は米菓以外の食品事業の拡大を目指しており、本M&Aもその一環です。玄米を使った新商品の開発などの事業展開を実現し、健康に意識の高い層の顧客拡大を目指します。

7.ジャフコが日東コーン・アルムを譲受

ジャフコ

ジャフコ

出典:https://www.jafco.co.jp/

2019年6月に、ジャフコグループ株式会社が株式会社日東コーン・アルムの株式を譲受しました。

ジャフコグループは日本を代表するベンチャーキャピタルで、国内・海外さまざまなベンチャー企業の投資を手がけています。

日東コーン・アルムは、業務用の冷凍ケーキを中心に、さまざまな菓子・スイーツを製造・販売している企業です。

ジャフコグループは、人手不足が深刻な外食業界において、事業者向けの冷凍菓子・スイーツは需要が大きいとみており、新工場の設立や海外進出などで事業拡大を目指します。

8.日本投資ファンドがたくみやホールディングスを譲受

日本投資ファンド

日本投資ファンド

出典:https://www.j-fun.co.jp/

2018年7月に、株式会社日本投資ファンドが、たくみやホールディングス株式会社と資本提携を締結しました。

日本投資ファンドは、大手M&A仲介会社の日本M&Aセンターと日本政策投資銀行が設立したファンドで、日本M&Aセンターのノウハウを生かした中堅・中小企業向けのファンドです。

そして、たくみやホールディングスは、和菓子・タルト・はちみつなどを販売するメーカーの持株会社です。

たくみやホールディングス傘下企業における、新商品開発や経営効率化を支援することが本M&Aの目的となっています。

9.鈴木栄光堂が千秋庵総本家を譲受

鈴木栄光堂

鈴木栄光堂

出典:https://www.s-eikodo.co.jp/

2017年10月に、株式会社鈴木栄光堂が株式会社千秋庵総本家を譲受し、完全子会社化しました。

鈴木栄光堂は明治10年創業の老舗和菓子メーカーで、ゲームセンターなどアミューズメント施設の景品の菓子や、海外向けに菓子の輸出事業などを手がける企業です。

千秋庵総本家は北海道の老舗和菓子メーカーで、どら焼き・まんじゅうなどの和菓子に加えて、アップルパイやフィナンシェといった洋菓子も手がけています。

千秋庵総本家の後継者問題の解決が本M&Aの目的で、千秋庵総本家を存続させるとともに従業員の雇用の維持に成功しました。

10.山崎製パンが米BAKEWISE BRANDES社を子会社化

山崎製パン

山崎製パン

出典:https://www.yamazakipan.co.jp/

2016年7月に、山崎製パン株式会社が、アメリカのBakewise Brands,Inc.(Bakewise社)の全株式を取得し、完全子会社化しました。

山崎製パンは製菓・製パン業界の最大手で、パン事業では世界シェアでも第2位の企業です。パンだけでなく洋菓子・和菓子なども販売しており、コンビニチェーン「デイリーヤマザキ」も運営しています。

Bakewise社はアメリカでベーグルを販売している会社です。ニューヨーク州を拠点としており、子会社には高級ホテルやレストラン向けの高品質パンを手がけるトム・キャット・ベーカリー社があります。

山崎製パンはBakewise社とその子会社と連携することで、アメリカでの事業拡大を目指すことを目的として本M&Aに至りました。

5. 製菓・製パン業界のM&Aを成功させるには

M&Aを行うためには、まず相手を探すためのネットワークが必要であり、さらに専門性の高い手続きを円滑に進める知識と経験が求められます。

これらを製菓・製パン業界の経営者が本業の傍らで行うのは困難であり、やはりM&A仲介会社など専門家のサポートが不可欠ともいえるでしょう。

M&A総合研究所は、主に中堅・中小企業M&Aを手がけている仲介会社で、製菓・製パン業界の多数のM&A実績がございます。業界動向に精通した経験豊富なアドバイザーによる、きめ細かなサポートが可能です。

M&Aに興味があるが、まだ実際に行うかは決めかねているという経営者様も、ぜひ一度相談へお越しください。適正な譲渡金額や譲渡可能性を、正直にお話しさせていただきます。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。製菓・製パン業界のM&Aに関して、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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6. まとめ

製菓・製パン業界は、大手のM&Aも小規模な菓子屋・パン屋のM&Aもある程度盛んに行われており、原料高騰や市場縮小などで今後さらに活発化する可能性もあります。

業界動向やM&A動向を押さえたうえで、適切なタイミングでM&Aを行えるように準備しておくことが大切です。

【製菓・製パン業界が抱える3つのテーマ】

  1. 自社単独での成長の限界
  2. 見た目の美しさやSNSで発信できるストーリーなどの企画力
  3. リスク分散型の企業戦略

【製菓・製パン業界の現状】
  1. 競争の激化
  2. 原材料価格の高騰
  3. 将来的な市場縮小

【製菓・製パン業界におけるM&Aの特徴】
  1. コスト削減やスケールメリット享受を目的とするM&A
  2. 多角化を目的とするM&A
  3. 海外進出を目的とするクロスボーダーM&A
  4. 事業承継を目的とするM&A

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