システム開発会社の事業継承の動向は?メリットや手続きの方法を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

システム開発会社の事業継承の案件は、年々増加傾向にあります。しかし、後継者問題に悩まされる経営者も多いですよね。そこで今回は、システム開発会社の事業継承の動向や手続きについて詳しく解説していきます。信頼できる後継者に事業継承し、安心してリタイアを迎えましょう!

目次

  1. 事業承継とは
  2. システム開発会社の事業承継の動向
  3. システム開発会社の事業承継の流れ
  4. システム開発会社の事業承継のメリット
  5. システム開発会社の事業承継の方法
  6. システム開発会社の事業承継における費用や税金
  7. システム開発会社の事業承継における節税対策
  8. システム開発会社の事業承継の注意点
  9. システム開発会社の事業承継は専門家に相談しよう
  10. まとめ
  • システム開発会社のM&A・事業承継

1. 事業承継とは

そもそも、事業承継とは何かを確認していきましょう。事業承継とは、企業の経営を後継者に引き継ぐことを指します。

何らかの理由で経営者が企業の経営を続けられなくなった際や、リタイアしたい際に使用する手法です。この際、不動産や預金、従業員、負債など企業のありとあらゆる資産を後継者に引き継ぎます。

近年では中小企業の事業継承が問題となっています。なぜなら、企業の運営全体を経営者本人に依存していることが多いからです。

そのような企業では、急に経営者が倒れたり後退してしまった場合、経営者不在による混乱が起こってしまいます。そのため、事業承継は早期の段階から立案・取り組む必要があるのです。

事業継承の詳細は、『事業承継と事業継承の違いを解説!正しいのはどっち?読み方は?』を確認してください。

事業承継と事業譲渡の違い

事業承継は、事業譲渡とよく似ています。しかし、事業承継と事業譲渡は意味が大きく異なるのです。

というのも、事業継承は、自分以外の後継者を新たな経営者にするという意味です。親族や社内の人間を後継者にすることが一般的になっています。その中でも、事業譲渡は事業の一部または全部を譲渡することです。この場合、第三者に譲渡することが一般的となっています。

上記の点から、事業継承と譲渡では企業を譲渡する対象が違うという点です。

システム開発会社のM&A、譲渡については『システム開発会社の事業譲渡・事業売却の動向やメリット、手続きについて解説』を確認してください。

2. システム開発会社の事業承継の動向

システム開発会社の業界では、近年事業承継の動きが活発になっています。特に、人材不足の要因で中小企業の事例が非常に多いのです。

今後もシステム開発会社における事業承継の案件は増加し続ける見通しです。その理由は、以下の4つです。

  1. 後継者探し
  2. 経営者の高齢化
では、1つずつ見ていきましょう。

理由1.後継者探し

事業継承は、後継者に企業を任せるための手段です。経営者が高齢化したり、他の事業を行うために、今の企業を手放す際に行います。

後継者問題に関しても、大手企業よりも中小企業が深刻な問題です。なぜなら、ほとんどの中小企業は下請け、孫請け企業となっています。

そのため取引先が安定せず経営が難しく後継者候補を探すことは難しくなっているのです。親族や企業関係者の中で後継者が見つからない場合には、社外でも検討しなければいけません。

経営者が高齢な場合は特に、早めに手を打っておく必要があります。なぜなら、引継ぎの際に後継者の教育が必要だからです。早期の計画を行いましょう。

理由2.経営者の高齢化

システム開発会社の事業承継の要因の1つは、経営者の高齢化です。中小企業の経営者年齢の分布データによると、1995年の経営者年齢のピークが47歳であったのに対して2015年の経営者年齢のピークは66歳となっています。

つまり、経営者の高齢化が進んでいるのです。経営者年齢の高齢化を背景に、「70代」、「80代以上」の経営者年齢の割合が高くなっているのです。

経営者の高齢化や後継者不在により、休廃業・解散を選択している企業も増えています。そんな中、事業継承を選択する経営者が増加しているのです。

システム開発会社の詳細は、『システム開発会社のM&A・買収・売却の完全マニュアル【相場/成功事例あり】』を確認してください。

3. システム開発会社の事業承継の流れ

システム開発会社の事業承継の動向を見てきました。では、実際にどのような流れで事業継承するのか気になりますよね。

続いては、実際にシステム開発会社の事業承継の流れを見ていきましょう。システム開発会社の事業承継の流れは、以下の4つのステップです。

  1. 経営状況の把握
  2. 事業承継方法の決定
  3. 後継者の教育
  4. 事業承継実行
では、1つずつ見ていきましょう。

流れ1.経営状況の把握

まずは、企業の経営状況の確認をして事業承継計画を策定します。事業承継計画を立案するに当たり、まず企業をとりまくあらゆる状況を正確に把握しなければいけません。

経営状況を把握することで、正しい状況を第三者に伝えることができます。そして、どのような手法で事業継承するかも明確になるのです。

具体的には、以下の5点を把握する必要があります。

  1. 事業承継計画の策定
  2. 経営リスクの状況
  3. 経営者の資産と負債の状況
  4. 後継者候補の状況
  5. 承継時に考えられるリスク
では、1つずつ見ていきましょう。

⑴事業承継計画の策定

まずは、事業承継計画の策定を行います。企業の経営資源の状況について正確に把握しましょう。企業にどれくらいの資産があるのかを明確にすることが大切です。

正しい情報を把握してどのような後継者に承継するか決定するためです。具体的には、下記の点について確認していきましょう。

  • 従業員の数や平均年齢
  • 企業の資産の額
  • キャッシュ・フロー
  • 将来の見込み額
上記の点を明らかにしておくことで、経営の資産状況を把握することができます。

また株式の数と評価額は、会社の価値を決定する際に非常に大切です。上場企業の場合においては、株価の計算は難しくありません。しかし、未上場会社の場合は正確に株式の価値を算定するのが難しいです。そのため、専門家に相談して進めましょう。

⑵経営リスクの状況

経営リスクの状況も明確にしておきましょう。引き継いだ後に起こる可能性のあるリスクは、後継者に伝える必要があります。経営リスクとは、具体的には以下の点です。

  • 企業の負債の状況
  • 競合環境
  • 起こりうる訴訟 
交渉中や承継後にトラブルにならぬよう、起こりうるリスクはあらかじめ洗い出しておく必要があります。また、あらかじめ対策を練っておく必要もあるでしょう。

⑶経営者の資産と負債の状況

企業の資産だけではなく、経営者の資産も明らかにしておきましょう。具体的には、下記の4点です。

  • 保有自社株式
  • 個人名義の土地
  • 個人の負債
  • 個人保証等の状況
現状でどれだけの資産や負債があるのかを明確にしておきます。売り手企業の価値を計算する際にも非常に大切になってくるので、正確に状況を把握しましょう。

⑷後継者候補の状況

経営者候補の状況について確認しましょう。親族や従業員の中に後継者となってくれる人がいるかどうかを確認しましょう。

現段階で後継者候補がいない場合には、事業継承してくれる第三者を探す必要があります。また、後継者候補がいる場合には下記の点も確認します。

  • 後継者候補の能力や適性
  • 後継者候補の年齢や経歴
  • 会社経営に対する意欲
後継者候補の状況についてもあらかじめ洗い出しておきましょう。

⑸承継時に考えられるリスク

最後に、承継時に考えられるリスクについても確認していきましょう。具体的には、下記の点です。

  1. 法定相続人との人間関係・株式保有状況の確認
  2. 相続財産の特定
  3. 相続税額の試算
  4. 納税方法の検討
あらかじめ承継時に考えられるリスクとその対策について確認しておきましょう。

流れ2.事業承継先の決定

事業承継計画が策定できたら、事業承継方法を決定しましょう。

事業承継の方法は、主に以下の3種類です。

  1. 親族
  2. 従業員
  3. M&A
事業承継の方法は目的に合わせて選択します。

後継者候補や周辺関係者とコミュニケーションを密にとり、承継方法と後継者を確定しましょう。それぞれのメリット・デメリットについては後の章で確認していきます。

正式な後継者確定後、合意形成が必要です。合意形成とは、周囲関係者の意見の一致を図ることを指します。

具体的には、会議を開催するなどして合意を得る必要があるのです。後継者を早めに決定しておくことで、事業承継前に業務の引継ぎをすることができます。

流れ3.後継者の教育

後継者が正式に決定したら、続いては経営者になるための教育です。後継者としての教育は、事業承継後の企業の成功を大きく左右します。

経営スキルはもちろん、自社の経営を行うためのノウハウもしっかりと引き継ぎましょう。後継者教育には、社内で経験を積ませる以外にも方法はあるのです。

例えば、社外で実施される事業承継セミナーに参加してもらう方法もあります。社外で他の企業の後継者と一緒に学ぶことで、経営者としてのスキルが身に付くでしょう。

流れ4.事業承継実行

後継者の教育が完了したら、事業承継を実行します。事業承継実行のタイミングは、事業承継の準備がすべて終わったタイミングで行いましょう。

具体的には、株式や経営資産を引き継ぎます。後継者は、後継者に贈与税や相続税が発生するのが一般的です。

無事に納税も完了したら、手続きは正式に完了します。事業承継を実行してからも、半年程度は会社の経営状況に気を配ってあげてください。もしも後継者が困っていることがあるようなら、積極的に相談に乗ってあげるようにしましょう。

4. システム開発会社の事業承継のメリット

システム開発会社の事業承継の流れについて見てきました。続いては、システム開発会社の事業承継のメリットについて見ていきましょう。具体的には、以下の4点が挙げられます。

  1. 廃業コストが不要
  2. 従業員の雇用が継続される
  3. 後継者の手腕次第で事業が発展する
  4. 現金が手に入る
では、1つずつ見ていきましょう。

メリット1.廃業コストが不要

事業承継を行うことで、廃業コストがかかりません。後継者不足や経営悪化が要因で廃業してしまう場合、廃業コストがかかってしまいます。企業規模にもよりますが、最低でも以下の料金がかかるのです。

  • 解散、清算人登記 3万9,000円
  • 清算結了登記 2000円
他にも、税務処理の依頼費用や在庫品の処分費用等の費用を考えると数十万円~数百万円かかってしまいます。また、手続きにも時間がかかり、専門家に相談する場合にはその費用も発生します。

しかし、事業承継を行うことで廃業せずに済みます。当然、廃業コストもかかりません。事業継承を行うことで廃業コストを抑えることができるのです。

メリット2.従業員の雇用が継続される

事業承継を行うことで、従業員の雇用が継続できます。廃業・倒産してしまった場合、従業員は契約が解除されてしまうのです。

従業員を路頭に迷わせるのは、経営者として回避したい事態でしょう。また、従業員だけではなく、顧客や取引先といった関係者の契約も打ち切られます。

そのため、多方面に迷惑をかけてしまうでしょう。しかし、事業承継を行うことで従業員の雇用が継続されるのです。

メリット3.後継者の手腕次第で事業が発展する

事業承継は、後継者の手腕次第で事業が発展することができます。事業のさらなる成長が期待できるのです。

しかし、事業成長には後継者の教育が不可欠です。事業を引き継ぐ際には、資産だけではなく経営ノウハウもしっかりと引き継ぎましょう。引き継ぎ後も慣れるまでは、半年~1年ほどは近くで指導してあげるのがおすすめです。

しっかりと今の事業の強みを生かしつつも、さらなる改善や工夫を行うことで今よりも大きな利益を生み出すことができます。

メリット4.現金が手に入る

事業承継を行うことで現金が手に入る場合があります。事業承継の際に受け取れる現金は、創業者利潤を言います。創業者利潤は下記の計算で算出されるのが一般的です。

≪当該企業の株式の額面価額なもしくは払込資本-株式市場における時価=創業者利潤≫

獲得した資金は、以下のような使用方法があります。

  • 借入金の返済 
  • 老後の生活資金に充てる 
  • 新規事業の立ち上げ  
このように、事業承継を行うことで現金を手に入れることができます。しかし、親族・従業員への承継は、資金が入らない可能性が高いです。事業を手放して現金を得たい場合には、M&Aを検討しましょう。

5. システム開発会社の事業承継の方法

システム開発会社の事業承継の流れを見ていきました。その中でも特に、後継者選びは非常に大切です。

続いては後継者選びについて見ていきましょう。事業承継における後継者の探し方は、以下の3点です。

  1. 親族に継承
  2. 従業員に継承
  3. 第三者に継承する
では、1つずつ見ていきましょう。

方法1.親族に継承

1つ目は、親族に継承する方法です。子どもなどの親族に会社を承継させる方法を、しかし、「親族内承継」と言います。親族内で承継したいという意思がある者がいれば、後継者不足に陥る心配はありません。

よく知っている人物でしょうから、安心して任せることもできるでしょう。親族内承継は、簡単と思われがちですが実は1番難しいのです。

なぜなら、経営経験がないため1からすべて教育しなければいけません。教育の期間を考えると10年ほどは必要です。未熟なまま引き継がせてしまうと経営状態が悪化してしまう可能性もあります。

親族とは言えど、しっかりと準備して継承させる必要があるのです。

方法2.従業員に継承

従業員に継承させる方法があります。現在のあなたの部下に企業の後継者になってもらう方法です。従業員に継承する方法は比較的簡単といえるでしょう。

長年企業に勤めていたことから、企業への理解が高いからです。また、引き継ぎ後も大きく経営方針が変わる可能性は少ないでしょう。事前に会社役員などになって経営者としての経験を積んでもらうこともできます。

実務を重ねながら後継者になる適性を見ることができるので、安心して継承できるでしょう。しかし、後継者候補となる人以外の従業員から不満が出る可能性があります。

全従業員に納得してもらえるように手続きをしていなければいけません。そのためには、説明責任をしっかり果たしましょう。

方法3.M&Aを利用して第三者に継承する

3つ目は、外部の第三者から後継者を見つけて事業承継をする方法です。後継者不足の深刻な近年では、非常に人気が高くなっています。第三者に継承することで、身近に後継者候補がいなくても事業承継ができます。

外部の第三者から後継者を探すには、インターネットの後継者募集サイトの使用が一般的です。インターネットの後継者募集サイトでは、希望する後継者の条件を詳しく見ることができます。後継者が決定しない場合、インターネットで募集を出しておけば、全国の様々な人に見てもらえるでしょう。

しかし、外部の第三者に企業経営を任せる場合は、後継者教育が大切です。全くの第三者なので、信頼関係を築くのにも時間がかかるでしょう。システム開発会社の場合、具体的には下記の企業への継承するのが一般的です。

  1. 別業界の企業
  2. 同業他社の大手企業
  3. 海外企業
外部の第三者に事業承継をする場合、M&Aという手法が使用されます。M&Aであれば、事業を後継者候補に買い取ってもらうことになるのです。そのため、創業者利益が手に入る可能性があります。

買い手側の事業との相乗効果によって、引き継ぐ事業が成長しやすいのです。しかし、経営ノウハウを伝授するのに時間がかかる可能性があります。M&Aアドバイザーに相談しながら、慎重に進めましょう。

M&A総合研究所であれば、完全成功報酬型のM&A仲介会社です。まずは気軽に相談してみましょう。

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システム開発会社の株式譲渡については、『システム開発会社は株式譲渡すべき!動向や手続き方法などを詳しく解説』を確認してください。

6. システム開発会社の事業承継における費用や税金

システム開発会社の事業承継先を見ていきました。続いては、システム開発会社の事業承継を行う際の手続きについて見ていきましょう。システム開発会社の事業承継には、費用や税金がかかります。

事業継承では、後継者に税金がかかることがほとんどです。現経営者の持つ株式や事業資産が後継者に譲られる際、その金額によって税金が発生します。他にも、専門家へ相談した際には相談料も必要です。

贈与税と相続税の税率について、それぞれ見ておきましょう。

税率1.贈与税

まずは、贈与税の税率について見ていきましょう。贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。贈与税は、親族や従業員に譲渡する際に発生します。事業継承の際には、貰い手側に贈与税が発生します。

贈与税は、受けた価額から基礎控除額110万円を差し引くことができます。控除後の価額が0円以上である場合に課税が発生するのです。つまり、贈与を受けた価額が110万円を超えなければ無税です。

贈与税の税率は、以下の表のとおりです。

課税対象の価格 贈与税の税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円以上 55% 400万円

上記のように、課税対象の価格課税対象となる価格に税率を掛け合わせ、控除額を差し引いて計算します。例えば、1,500万円のときは、以下のように計算します。

  • 1,500万円 × 45% – 175万円 = 650万円
したがって、贈与税は650万円です。

税率2.相続税

続いて、相続税の税率について見ていきましょう。相続税とは、亡くなった人の遺産を相続で受け継いだ場合や、遺言によって遺産を受け継いだ際に発生する税金です。事業継承の際にも、資産総額の金額が大きいと発生します。

相続税の税率は、以下の表のとおりです。

相続での取得金額 相続税の税率 控除額
1,000万円以下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円以上 55% 7,200万円

上記のように、課税対象となる価格に税率を掛け合わせたのち控除額を差し引いて計算します。たとえば、5,000万円のときは、以下のようになります。

  • 5,000万円 × 20% – 200万円 = 800万円

したがって、相続税は800万円です。相続では入念な節税対策が必要です。そうでなければ、高額な税金支払いを余儀なくされてしまいます。

贈与税も相続税も、数千万円以上の多額な金額がかかってしまうのです。事前に税理士に相談しながら節税対策や資金集めを行いましょう。続いては、具体的な節税対策について確認していきます。

事業承継の税金については、『事業承継の税金を徹底解説!相続税の節税対策はできる?』を確認してください。

7. システム開発会社の事業承継における節税対策

システム開発会社の事業承継の場合、後継者側は多額の税金を支払う必要があります。そのためにも、しっかりと節税対策を行いましょう。具体的には、以下の2つの方法があります。

  1. 事業承継税制
  2. 事業承継補助金
では、1つずつ見ていきましょう。

税対策1.事業承継税制

事業承継税制とは、事業承継の際に発生する税金の納税が猶予される制度です。具体的には、相続税や贈与税に対して適用されます。

一定の条件を満たしている場合、納税する必要がありません。納税が猶予・免除される具体的な対象となる財産は、企業の株式です。企業の経営権を後継者に譲渡するために、現経営者から後継者に贈与や相続が行われた際に適用されます。

事業承継税制を適用する場合には、以下の2つの手続きが必要です。

  1. 都道府県知事の認定を受けること
  2. 税務署への届け出
条件が難しいため、必ずしも免除されるというわけではありません。しかし、適用されれば数千万円の節税になる可能性もあるのです。税理士など専門家のアドバイスを受けながら手続きを行いましょう。

税対策2.事業承継補助金

事業承継補助金とは、中小企業庁を中心に行われている補助金制度のことを指します。事業承継をする際に新事業に取り組んだり、経営革新を行ったりといった場合に利用できるのです。

事業承継補助金は公募制になっています。しかし、審査の上で利用者が決定するため、必ず利用できるわけではありません。年度によって補助される金額の上限は異なります。

また、税理士事務所や法律事務所などの認定経営革新等支援機関への相談が必須です。事業承継補助金の利用を検討している場合は、まずは認定経営革新等支援機関に相談しましょう。

8. システム開発会社の事業承継の注意点

システム開発会社の事業承継を検討している場合、実行する前にまずは注意点について確認しましょう。

具体的には、以下の4点です。

  1. 期間は長めに設定する
  2. 経営ノウハウやスキルもしっかり継承する
  3. 周囲の理解を得ながら進める
  4. 専門家に相談する
では、1つずつ見ていきましょう。

注意点1.期間は長めに設定する

事業継承を検討している場合には、計画~完了までの期間は長めに設定しましょう。後継者探しや教育期間を含めると最低でも1年以上は必要です。

また、親族に継承する場合には更に期間が必要といえるでしょう。親族に継承する場合には10年以上必要な場合もあるのです。焦って後継者を探してしまうと、事業継承後倒産するといったケースも少なくありません。

自分以外の誰かに企業を任せるというのは非常に難しい問題です。慎重に物事を進めるためにも、期間は長めに設定しましょう。

注意点2.経営ノウハウやスキルもしっかり継承する

事業継承を行う場合には、経営ノウハウやスキルもしっかり継承しましょう。財産や従業員など、形のある資産だけを継承するのではありません。

経営ノウハウやスキル、従業員や営業先とのやりとりの方法など、目に見えない細かな部分までしっかりと引き継ぎましょう。経営理念やモチベーションなどといった部分もしっかりすり合わせをしておく必要があります。

また、継承後もしばらくは近くから経営を見届けてあげるのが良いでしょう。細やかな引き継ぎこそが、事業継承を成功に導くのです。

注意点3.周囲の理解を得ながら進める

事業継承は、周囲の理解を得ながら進めましょう。経営者が変わるとなると、周囲は混乱します。社内や親族内でのトラブルが多発する可能性もあるでしょう。

また、社内で後継者を決めたのであれば、他の社員から不満が出るかもしれません。最悪の場合では、従業員が大量に退職してしまう可能性もあるのです。そうなると、企業の経営状況も悪化しかねません。

事業承継による人間関係の悪化を避けるためにも、関係者全員と何度も話し合うことが大切です。事業継承は、周囲の理解を得ながら慎重に進めていきましょう。

注意点4.専門家に相談する

事業継承を行う際には、専門家に相談しましょう。なぜなら、経営者のみで事業継承を行うのは非常に難しいからです。不可能でないとしても、本業に支障をきたしかねません。

また事業承継を行う際には、税務・経営・会計・法律といった知識などが必要となります。幅広い専門的知識がなければ、事業継承は成功できないのです。したがって、事業継承を行う際には税理士や会計士、弁護士などの専門家に相談しながら進めましょう。

社外の人間に事業継承したい場合には、M&Aアドバイザーに相談するのがおすすめです。なぜなら、第三者に事業継承をする際にはM&Aの手法を取ることが一般的となっています。では、専門家ごとにどのようなサポートを受けることができるのか見ていきましょう。

9. システム開発会社の事業承継は専門家に相談しよう

事業継承を行う際には、専門家への相談が必須です。具体的には相談先は、以下の4つです。

  1. 事業承継アドバイザーに相談する
  2. 事業承継士に相談する
  3. 税理士に相談する
  4. M&Aアドバイザーに相談する
それぞれの特徴などについて詳しく見ていきましょう。

⑴事業承継アドバイザーに相談する

事業承継アドバイザーとは、事業承継専任のアドバイザーです。事業承継に関する幅広い知識を持っており、事業承継計画の相談を安心して行えます。相談段階から、引き継ぎ完了まサポートしてくれる存在です。

また、事業継承で節税対策を行う場合、事業承継アドバイザーの資格も持った税理士に依頼しましょう。事業継承だけではなく、税務面にも強いので高額な税金を抑えることができます。

事業承継アドバイザーの費用は、1ヶ月に30万円程度が目安です。期間が長ければ高くなってしまいますが、節税を行えば最終的には得になるでしょう。

⑵事業承継士に相談する

事業承継士とは、事業承継についての民間資格保有者のことを指します。事業承継アドバイザーとの違いは、団体元が別であることです。

また、原則として弁護士や税理士、公認会計士しかなることができません。そのため、かなり高度な専門的知識を持っています。

事業承継アドバイザーの受験資格よりも厳しく、知識が豊富である可能性が高いのです。事業承継士もアドバイザーと同じく、1ヶ月に30万円~が目安とされています。税務や法務などの詳しい相談をしたい場合には、事業承継士がおすすめです。

しかし、あくまでも資格は資格に過ぎません。あれば心強いという程度で捉えておきましょう。

⑶税理士に相談する

事業承継の際には、税金の支払いが必要です。贈与税や相続税については、税理士に相談するのが1番良いでしょう。

なぜなら、専門的な知識はもちろん節税に関する的確なアドバイスも貰えるからです。事業承継アドバイザーや事業承継士の資格を保有している税理士は特に良いでしょう。事業継承のアドバイスはもちろん、節税に関するアドバイスまで貰うことができます。

事業継承の税金に関するアドバイスは10万円程度で計算して貰えます。まずは、どれくらいの税金がかかるのかを早めに相談に行ってください。税金が発生するのであれば、節税対策もあわせて行っておきましょう。

⑷M&Aアドバイザーに相談する

M&Aアドバイザーとは、M&Aを行う際にアドバイスとサポートをしてくれる専門家です。M&Aを行って事業承継をするのであれば、M&Aアドバイザーに相談しましょう。

M&Aを行うには、専門的な知識や経験が必要です。そのため、専門家のサポートなしには行えないと言っても過言ではありません。

M&Aアドバイザーを探す際には、事業承継に力を入れている企業を選びましょう。特に、中小企業の案件を豊富に持っている企業がおすすめです。

実際にホームページや問い合わせ先などから、「事業継承の事例はあるか」「中小企業のM&A案件は多いか」などを質問してみましょう。M&Aアドバイザーに相談する場合料金は仲介企業によって異なります。

おすすめは、完全成功報酬型です。取引完了まで一切の費用が掛からないので安心して依頼することができます。相場は、譲渡金額にもよりますが10億円であれば、4,000万円〜5,000万円程度だと考えておきましょう。

M&A総合研究所は、完全成功報酬型のM&A仲介会社です。相談から取引完了までしっかりとサポートしてくれ、社内に弁護士や社労士も在籍しているので安心です。まずは相談してみましょう。

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10. まとめ

システム開発会社の事業継承に困っている企業は、年々増加傾向にあります。なぜなら、後継者不足が顕著と化しているからです。

しかし、方法を誤ると継承後に倒産したり、従業員を路頭に迷わせてしまう可能性もあります。事業継承は専門家に相談しながら進めましょう。信頼できる後継者に事業継承することで、安心してリタイアすることができますよ。

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