ライザップの買収・M&A実績25選!失敗した理由と次の予定は?

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

トレーニングジム運営などを手掛けるライザップグループは、積極的な買収・M&Aによって会社を急成長させてきました。本記事では、ライザップグループの買収・M&A実績について、買収企業数・買収先企業・M&Aに失敗した理由・次の事業立て直し予定とともに紹介します。

目次

  1. ライザップによる買収・M&Aとは
  2. ライザップの買収・M&Aの実績25選
  3. ライザップの買収・M&Aが失敗した理由
  4. ライザップの買収・M&Aの次の予定
  5. 買収・M&Aを成功させるための相談先
  6. まとめ
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1. ライザップによる買収・M&Aとは

ライザップグループは、圧倒的な買収企業数と徹底した統合手法によって急激な成長を果たした企業です。しかし、採用するM&A手法には欠点もあり、大きな失敗も経験しています。

本記事では、ライザップグループがM&Aで失敗した理由・次の立て直し戦略予定などを買収先事例とともに紹介します。

ライザップグループとは

ライザップグループは、トレーニングジム「RIZAP」をはじめ、健康食品・美容・アパレル・出版などさまざまな分野の子会社を持つ持株会社です。

もともとは健康食品の販売を行う企業「健康コーポレーション」から開始しましたが、積極的なM&Aによって会社を急速に拡大してきました。

ライザップの買収企業数

ライザップグループの買収企業数は、最大で85社にまで達しました。ライザップグループは買収企業数を増やし続けて急成長を果たしましたが、短期間で増えすぎた買収企業数はかえって経営を圧迫させたのです。

2020年6月現在の主要子会社は約30社ですが、今後もグループ企業の整理を計画していることから、主力子会社として残る企業はさらに減少する可能性もあります。

ライザップの買収戦略

ライザップグループの主な買収戦略は、以下の2つです。
 

  1. 経営統合プロセスの徹底
  2. 広告戦略

それぞれの戦略を詳しく見ていきましょう。

①経営統合プロセスの徹底

ライザップグループは、赤字企業・企業価値を引き出しきれていない企業などを買収したうえでライザップグループの成功法則を当てはめることで、短期間での業績改善を目指すという経営統合プロセスを進めました。

これにより、ライザップグループは急成長を続けており、2016年頃から短期間で続々と買収企業数を増やしています。結果的には業績の大幅な下方修正に至りましたが、経営統合プロセスの徹底ぶりはライザップグループが急成長を実現できた理由の1つです。

②広告戦略

ライザップグループは買収した赤字企業を立て直す方法として、大規模な広告戦略を活用しました。

具体的には、続々とメディア関連企業を買収して買収先企業の商品・サービスをコンテンツ化したり宣伝したりすることで、幅広い層の見込み顧客に周知させるという戦略です。

もともとライザップグループは、スポーツジム「RIZAP」についても、効果的なマーケティング手法で大人気サービスに成長させています。この手法を買収先企業にも用いて業績を上げるという計画でした。

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2. ライザップの買収・M&Aの実績25選

ライザップグループは、短期間で買収企業数を増やすことで成長してきました。ここでは、その中から代表的な以下の買収事例を紹介します。
 

  1. ジーンズメイトの買収・M&Aによる連結子会社化
  2. ぱどの買収・M&Aによる連結子会社化
  3. 堀田丸正の買収・M&Aによる連結子会社化
  4. ビーアンドディーの買収・M&Aによる連結子会社化
  5. ワンダーコーポレーションの買収・M&Aによる連結子会社化
  6. サンケイリビング新聞社の買収・M&Aによる連結子会社化
  7. 湘南ベルマーレ運営会社の買収・M&Aによる連結子会社化
  8. タツミプランニングの買収・M&Aによる連結子会社化
  9. マルコの買収・M&Aによる連結子会社化
  10. エンジェリーベの買収・M&Aによる連結子会社化
  11. 日本文芸社の買収・M&Aによる連結子会社化
  12. HAPiNSの買収・M&Aによる連結子会社化
  13. 三鈴の買収・M&Aによる連結子会社化
  14. シカタの買収・M&Aによる連結子会社化
  15. 五輪パッキングの買収・M&Aによる連結子会社化
  16. 北斗印刷の買収・M&Aによる連結子会社化
  17. ジャパンギャルズの買収・M&Aによる連結子会社化
  18. 馬里邑の買収・M&Aによる連結子会社化
  19. エス・ワイ・エスの買収・M&Aによる連結子会社化
  20. アンティローザの買収・M&Aによる連結子会社化
  21. SDエンターテイメントの買収・M&Aによる連結子会社化
  22. イデアインターナショナルの買収・M&Aによる連結子会社化
  23. 夢展望の買収・M&Aによる連結子会社化
  24. エーエーディの買収・M&Aによる連結子会社化
  25. トレセンテの買収・M&Aによる連結子会社化

それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

①ジーンズメイトの買収・M&Aによる連結子会社化

2017年2月、ジーンズを中心に衣料品を販売するアパレル大手「ジーンズメイト」は、M&Aによる買収でライザップグループに加わりました。

ジーンズメイトは長らく競合他社との競争で後れを取っていましたが、プライベートブランド・新型店舗の開店によって2018年4月〜12月期には黒字化を果たしています。

②ぱどの買収・M&Aによる連結子会社化

2017年3月には、フリーペーパーを発行しているぱども、M&Aによる買収でライザップグループの連結子会社となっています。取引価格はおよそ10億円です。

ライザップグループは、ぱどをはじめ広告関連企業の買収企業数を増やして、ライザップの製品・サービスの広告機会を広げる戦略を立てました。しかし、2019年11月には、ぱどを売却しています。

③堀田丸正の買収・M&Aによる連結子会社化

2017年6月、和装品などの卸売を行う堀田丸正は、ライザップグループと資本業務提携を結んだ後に連結子会社となりました。本件M&Aをきっかけに、堀田丸正の株価は急騰しています。

当時のライザップグループはアパレル企業へのM&Aを次々と行っており、堀田丸正の買収でアパレル企業の買収企業数は7社目となりました。

④ビーアンドディーの買収・M&Aによる連結子会社化

2017年12月、ライザップグループは子会社を通じて、スポーツ用品店経営のビーアンドディーをM&Aによって買収しました。

当時のライザップグループはシナジー効果の高いスポーツ関連企業の買収に力を入れており、赤字の続くビーアンドディーにライザップのノウハウを活用して業績改善を図っています。

⑤ワンダーコーポレーションの買収・M&Aによる連結子会社化

2018年3月、ライザップグループは、新星堂やWonderGOOなどの店舗を運営するワンダーコーポレーションをM&Aによって買収しました。

しかし、新星堂はワンダーコーポレーションの赤字要因となっており、ライザップグループの業績に悪影響を及ぼし続けたのです。

新星堂はCDの販売などを手掛けていますが、CDの販売数は減少傾向にあります。

日本レコード協会の『日本のレコード産業2019』によると、2018年におけるCDを含むオーディオレコードの生産数は1億3,934万枚(前年比の90%)、金額ベースでは1,576億円(前年比の91%)と、減少傾向にある状況です。

⑥サンケイリビング新聞社の買収・M&Aによる連結子会社化

2018年3月、ライザップグループは、フリーペーパーを発行しているサンケイリビング新聞社をM&Aによって買収しました。サンケイリビング新聞社は、主婦をメインターゲットとするフリーペーパー「リビング新聞」などの発行を手掛ける非上場企業です。

ぱどの発行部数と合わせるとフリーペーパーとして日本トップクラスとなるため、広告効果が高いと踏んで買収に乗り出しています。しかし、想定していた宣伝効果は得られませんでした。

⑦湘南ベルマーレ運営会社の買収・M&Aによる連結子会社化

2018年4月、ライザップグループは、合弁会社「メルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズ」を通じて、プロサッカークラブ「湘南ベルマーレ」の経営権を取得しました。

スポーツ市場とライザップのシナジー効果の高さやプロサッカークラブ保有による知名度・信頼性向上を見込んで買収に乗り出しています。

⑧タツミプランニングの買収・M&Aによる連結子会社化

2016年2月、住宅販売・リフォームなどを行うタツミプランニングは、ライザップグループによって連結子会社化されました。

グループ加入後のタツミプランニングはライザップグループ内で建築を請け負ってきましたが、2019年3月にグループ内事業の整理を理由として、住宅関連部門の切り離しが発表されています。

⑨マルコの買収・M&Aによる連結子会社化

2016年7月、ライザップグループは、補正下着の通販などを行うマルコ(現:MRKホールディングス)を連結子会社化しています。

当時のライザップグループはアパレル事業の買収に力を入れており、マルコの買収ではライザップの体型改善と補正下着のシナジー効果を見込んでいました。

⑩エンジェリーベの買収・M&Aによる連結子会社化

2013年5月、妊婦向け・幼児向け衣料品を展開するエンジェリーベはライザップグループの連結子会社となり、2018年にはライザップ子会社のマルコに譲渡されて、ライザップグループの孫会社となっています。

ライザップグループは、マルコとエンジェリーベのシナジー効果により顧客のリピート率を高める戦略のもと買収を行いました。

⑪日本文芸社の買収・M&Aによる連結子会社化

2016年4月、ライザップグループは、コミック系を中心とする出版社「日本文芸社」を買収しています。

本件M&Aにより、ライザップ事業で培ったノウハウをコンテンツとして出版することで、広告効果・イメージアップなどを図りました。

⑫HAPiNSの買収・M&Aによる連結子会社化

2016年5月、雑貨店を経営するHAPiNS(旧:パスポート)は、ライザップグループの傘下に入りました。

HAPiNSはライザップグループ指導のもとで、店舗内の改善・商品ラインナップの変更・新規出店数の増加などの戦略を行ってきました。今後は、本格的な黒字化を目指しています。

⑬三鈴の買収・M&Aによる連結子会社化

2016年4月、ライザップグループは、アパレルブランドを展開する三鈴をヨンドシーホールディングスから買収しています。

三鈴からするとヨンドシーホールディングス傘下の期間で厳しい業績が続いていたために、ライザップグループによる買収を不安視する声もありました。

⑭シカタの買収・M&Aによる連結子会社化

2018年4月、ライザップグループは、子会社のイデアインターナショナルをとおして、バッグの製造を行うシカタを連結子会社化しました。

本件M&Aでは、イデアインターナショナルのインテリア雑貨とシカタのバッグといった商品展開を組み合わせることで、ブランド力の強化を図っています。

⑮五輪パッキングの買収・M&Aによる連結子会社化

2017年9月、ライザップグループは、パッキングの製造販売などを行う五輪パッキングを連結子会社化しました。五輪パッキングは、海外に生産工場を持っている会社です。

ライザップグループは、海外での製品製造を強化するために、五輪パッキングを含め数社を買収しています。

⑯北斗印刷の買収・M&Aによる連結子会社化

2015年7月、印刷会社の北斗印刷は、ライザップグループの連結子会社となっています。

ライザップグループは、北斗印刷の買収および出版社・フリーペーパー発行会社の買収を重ねて、ライザップのコンテンツ力強化を進めました。

⑰ジャパンギャルズの買収・M&Aによる連結子会社化

2007年1月、ライザップグループは、美容機器などを製造・販売するジャパンギャルズを買収しました。

当時のライザップグループ(旧:健康コーポレーション)は健康食品の売行きが悪化していましたが、ジャパンギャルズにおける美顔器の売り上げによって救われています。

⑱馬里邑の買収・M&Aによる連結子会社化

2013年9月、婦人服の企画から販売までを行う馬里邑(まりむら)は、ライザップグループの傘下に入っています。

当時のライザップグループはアパレル分野への積極的な投資を行っていましたが、馬里邑や他アパレル企業などとのシナジー効果はほとんど得られませんでした。

⑲エス・ワイ・エスの買収・M&Aによる連結子会社化

2017年3月、トレーディングカードなどの印刷物を手掛けるエス・ワイ・エスは、ライザップグループの連結子会社となり、2018年には完全子会社化されました。

前述したように、ライザップグループは複数のメディア関連企業を取得しています。コンテンツ力を強化することで、ライザップの宣伝効果を高める予定でした。

⑳アンティローザの買収・M&Aによる連結子会社化

2014年5月、若者向けのアパレルブランドを展開するアンティローザは、ライザップグループの傘下に入っています。

ライザップグループは、あらゆる顧客層のブランドを揃えて、競争力の高いライザップブランドを築いていく予定でした。

㉑SDエンターテイメントの買収・M&Aによる連結子会社化

2014年1月、フィットネスクラブの運営などを行うゲオディノスは、ライザップグループ傘下に入り、社名をSDエンターテイメントに変更しました。

事業内容が近いためにシナジー効果を期待したものの、SDエンターテイメントは長い赤字に悩まされています。

㉒イデアインターナショナルの買収・M&Aによる連結子会社化

2013年9月、インテリア雑貨関連事業を行うイデアインターナショナルは、ライザップグループの傘下に入っています。

本件M&Aでは、イデアインターナショナルの人気ブランド「ブルーノ」をライザップグループのマーケティング力によってさらに広めてブランド力を高める予定でした。

㉓夢展望の買収・M&Aによる連結子会社化

2015年3月、ライザップグループは、アパレル企業の夢展望を連結子会社化しています。新ブランドの知名度が上がらなかった夢展望にとっては、ライザップグループのマーケティング力によりブランド力を高める狙いでした。

一方のライザップグループからすると、複数アパレルブランドを併せたシナジー効果を狙った買収です。

㉔エーエーディの買収・M&Aによる連結子会社化

2014年12月、ライザップグループは、商業デザインの企画・制作のほか、写真業・印刷業・広告業などを手掛けるエーエーディを連結子会社化しています。

当時のライザップグループでは幅広い年齢層を顧客基盤にしており、各世代における顧客基盤のライフステージごとに応じた商品の拡充や、広告などによる訴求方法の改善が求められていました。

エーエーディの持つ企画力・クリエイティブ力・高品質な制作物の制作力などの高い技術やノウハウは、広告宣伝の質向上だけでなく広告宣伝費の削減や利益の内部留保も実現させるとして、エーエーディを買収しています。

㉕トレセンテの買収・M&Aによる連結子会社化

2017年4月、ライザップグループは、子会社の夢展望をとおして、ブライダルジュエリーを中心とする宝飾品の販売を手掛けるトレセンテを連結子会社化しています。

夢展望では主力とする衣料品販売事業においてECサイト販売を展開していましたが、大規模な成長を実現するうえで生じるリスク・困難に懸念があったために、他事業への参入を模索していました。

トレセンテの持つ集客構造を改善すれば顧客数の増大・売上の向上が期待できる点や、夢展望の顧客にトレセンテの顧客になり得る潜在的な顧客が含まれている点などを理由に、買収に乗り出しています。

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3. ライザップの買収・M&Aが失敗した理由

ライザップグループの短期間で買収企業数を次々に増やしていった戦略は、さまざまな専門家によって失敗する危険性が指摘されていました。

結果として、ライザップグループの行ったM&A戦略は失敗に至ります。ライザップグループのM&A戦略が失敗した主な理由は、以下のとおりです。
 

  1. 買収・M&Aをした企業の経営が改善しない
  2. 海外展開せずにリターンが少ない
  3. 負ののれん代を活用した利益のかさ上げ
  4. 他業種のM&Aを行ったこと

それぞれの理由を順番に見ていきましょう。

①買収・M&Aをした企業の経営が改善しない

ライザップグループが買収企業の立て直しに失敗した理由としては、買収先企業を立て直す時間が想定よりも多く必要になった点が挙げられます。

もともとライザップグループは、買収企業の短期間での立て直しにより利益を上げようとしていました。

しかし、実際には買収企業数を次々に増やし過ぎたことが原因となり、立て直す時間が不足してしまったのです。

②海外展開せずにリターンが少ない

ライザップと買収先企業の収益構造の違いも、失敗理由の1つです。ライザップグループが買収した企業のほとんどは国内で事業展開する企業であったうえに、利幅の小さい業態でした。

ライザップのジム運営は利幅が大きい業態であり、ライザップのノウハウは買収先企業に当てはまらず、国内での競合に遅れを取る結果を招いています。

③負ののれん代を活用した利益のかさ上げ

ライザップグループが企業買収で業績を急激に上げられた大きな要因には、負ののれんを利用したテクニックが関係していました。負ののれんとは、買収先企業が将来もたらすと予測される負債・リスクのことです。

ライザップグループは、割安で買収した企業における負ののれん分を利益として計上できる制度を利用して、利益をかさ増ししていたのです。ライザップグループからすると、短期間で買収企業を立て直して、つじつまを合わせる予定でした。

しかし、買収企業の立て直しが間に合わなかったために、負ののれんを利用したM&A戦略が失敗してしまいます。

④他業種のM&Aを行ったこと

M&Aの基本戦略としては、本業に近い事業を営む企業を買収することでシナジー効果を見込むケースが一般的です。

しかし、ライザップグループでは、本業とは遠い事業も次々に買収していました。その結果として、シナジー効果を得ることができず、M&A戦略は失敗に終わっています。

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4. ライザップの買収・M&Aの次の予定

ライザップグループは2019年3月期の決算説明会において、以下のような会社立て直し予定を発表しました。宣言の内容は、以下の項目です。
 

  1. 責任の明確化
  2. 監視体制の強化
  3. グループ企業の整理
  4. 無駄の排除
  5. 事業領域の絞り込み

それぞれの項目について順番に見ていきましょう。

①責任の明確化

ライザップグループは責任の所在を明確にするために、12人の取締役のうち7人を退任させるなど、瀬戸社長を含めた経営陣が目に見える形で失敗の責任を取りました。

②監視体制の強化

ライザップグループは経営陣の体制変更により、社外取締役を大幅に増やすなど、監視・監督機能を強化しました。これにより、社長1人の暴走などを防げます。

③グループ企業の整理

2020年6月現在においても、ライザップグループは肥大化したグループ企業の整理を進行しています。グループ企業を3段階に分けたうえで、改善の見込みがない企業の譲渡・売却を進めている状況です。

また、重複事業の統合・持株会社の簡素化なども進めて、指揮系統の明確化を図っています。

④無駄の排除

ライザップグループでは、グループ全体の無駄を洗い出して、大幅な経費削減を進めています。目標として、50億円の経費削減を掲げていました。

⑤事業領域の絞り込み

これまでにライザップグループではさまざまな分野の事業を買収してきたために、事業の軸がブレてしまいました。

これを踏まえて、次の戦略としては、健康・アパレル・マーケティングなどの分野ごとに軸を明確にしたうえで、事業領域を絞り込んでいく方針が取られています。

2020年3月期の決算書類から読み取れる予定

ライザップグループにおける最新の決算書類(2020年3月期)を見ると、2020年6月1日より緊急経営対策として、「コストの最適化」「新たな収益源の創出」という2つの観点から改革を進めていることがわかります。

新型コロナウイルスの影響も相まって、現在のライザップグループでは、「グループ共通機能の統合」「スケールメリットの最大化」「非対面事業開発に集中」などに着手して、構造改革を進めている状況です。

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5. 買収・M&Aを成功させるための相談先

M&Aを実施する場合、買収先の選択を誤ったり買収後の統合プロセスを失敗したりすれば、大きなリスクを抱えてしまいかねません。M&Aの失敗を防ぐには、専門家によるサポートが必要不可欠だといえます。

数ある専門家の中でも、実績面・手数料面で相談しやすい機関は、M&A総合研究所です。

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6. まとめ

本記事では、ライザップグループが買収戦略で失敗した理由・買収企業先の事例・ライザップグループの次の業績立て直し予定などを解説してきました。今回紹介した買収先企業は、以下の25社です。
 

  1. ジーンズメイト
  2. ぱど
  3. 堀田丸正
  4. ビーアンドディー
  5. ワンダーコーポレーション
  6. サンケイリビング新聞社
  7. 湘南ベルマーレ運営会社
  8. タツミプランニング
  9. マルコ
  10. エンジェリーベ
  11. 日本文芸社
  12. HAPiNS
  13. 三鈴
  14. シカタ
  15. 五輪パッキング
  16. 北斗印刷
  17. ジャパンギャルズSC
  18. 馬里邑
  19. エス・ワイ・エス
  20. アンティローザ
  21. SDエンターテイメント
  22. イデアインターナショナル
  23. 夢展望
  24. エーエーディ
  25. トレセンテ

ライザップグループがM&Aで失敗した主な理由は、以下のとおりです。
 
  1. 買収・M&Aをした企業の経営が改善しない
  2. 海外展開せずにリターンが少ない
  3. 負ののれん代を活用した利益のかさ上げ
  4. 他業種のM&Aを行ったこと

ライザップグループは次の立て直し予定として、以下の点を挙げています。
 
  1. 責任の明確化
  2. 監視体制の強化
  3. グループ企業の整理
  4. 無駄の排除
  5. 事業領域の絞り込み

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