【中小企業庁】事業承継税制とは?相続税・贈与税の納税猶予(特例)を徹底解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業承継税制とは、中小企業の後継者が経営を引き継ぐために納税猶予される特例制度です。納税猶予が取り消される場合もあるので特例について利用前に理解しておきましょう。事業承継とは何かを専門家に聞き、事業承継税制を利用して得に事業を引き継いでください。


目次

  1. 事業承継税制の納税猶予(特例)とは?
  2. 事業承継税制の納税猶予(特例)を受けるための要件は?
  3. 事業承継税制の納税猶予(特例)を受けるべき?
  4. 事業承継税制を利用する際のポイントは?
  5. 事業承継税制の納税猶予(特例)手続きの流れは?
  6. 事業承継税制の情報なら
  7. 事業承継税制(特例)適用の相談ならM&A総合研究所
  8. 事業承継税制まとめ
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1. 事業承継税制の納税猶予(特例)とは?

事業承継税制の納税猶予特例

事業承継税制とは、後継者が非上場の株式会社を先代経営者から取得したときに使える納税を猶予する制度です。

取得の方法は、贈与でも相続でも構いません。

経営承継円滑化法によって都道府県知事の認定を受ければ、贈与税や相続税の納税が猶予されます。

このように、事業承継税制とは中小企業の事業承継を支援する制度なのです。

事業承継には、多額の贈与税や相続税がかかることも多いので押さえておいたほうが良いでしょう。

事業承継税制の納税猶予制度を利用することで、費用をおさえて事業承継を行うことができます。

ただし、事業承継税制の納税猶予制度は、頻繁に改正されているので最新の情報をチェックすることが大切です。

まずは、事業承継税制の納税猶予制度の定義や、平成30年の改正点を見ておきましょう。

1−1.中小企業庁による定義や平成30年の改正点

中小企業庁による定義や平成30年の改正点

平成30年度の改正では、これまでの措置とは別に、大幅に使いやすくなった10年間限定での特例措置が設けられています。

使いやすくなったのは、猶予金額が増えて対象者が広がった点です。

具体的には、納税猶予される対象となる株式数に上限がなくなり、対象後継者数の上限も1人から3人までになりました。

この特例措置は、平成39年12月31日までです。

特例措置を使うことで、今まで以上にお得に事業承継ができます。

次に、事業承継税制の目的を見ておきましょう。

1−2.事業承継税制の目的

事業承継税制の目的

事業承継税制は、事業承継の大きな支障となっていた株式の承継に伴う後継者の相続税・贈与税の負担を減らすことを目的としています。

中小企業における事業承継を円滑に進めさせようとするためのものなのです。

日本の企業は、ほぼ中小企業で占められているのが現状となっています。

したがって、日本経済を支えているのは中小企業です。

政府は中小企業が事業承継できずに日本経済が衰退していくことをマイナスと捉えて、解決することを目的に事業承継税制を行っています。

次に、事業承継税制が利用できる対象について見ておきましょう。

1−3.事業承継税制が利用できる対象

事業承継税制が利用できる対象

事業承継税制が利用できる対象は、申告期限までに都道府県知事の認定を受けなければなりません。

そのためには、以下の5つの要件のいずれにも該当しないことが必要です。

  • 上場企業であること
  • 中小企業者に該当しない会社であること
  • 風俗営業会社であること
  • 資産管理会社であること
  • 総収入金額が0円の会社・従業員数が0の会社であること

ここで、わかりにくい中小企業者の定義と資産管理会社の定義について、詳しく見ていきましょう。

(1)中小企業とは?

事業承継税制の利用対象である「中小企業者」は、中小企業基本法において以下の表のように規定されています。
 

               資本金の額・出資の総額 常時使用する従業員 
①製造業・建設業・運輸業
その他の業種(②〜④を除く)
3億円以下 300人以下     
②卸売業 1億円以下 100人以下
③サービス業 5000万円以下        100人以下
④小売業 5000万円以下 50人以下








 

資本金・出資の総額または常時使用する従業員のいずれかの要件を満たす必要があります。

(2)資産管理会社とは?

資産管理会社とは

資産管理会社とは、以下のいずれかの条件に当てはまるものです。

  • 特定の資産の保有割合が帳簿価額の総額の70%以上の会社
  • 特定の資産からの運用収入が総収入額の75%以上の会社

特定の資産とは、有価証券、自社で使用していない不動産、現預金等のことです。

自社の資産状況について確認してみてください。

次に、事業承継税制の適用期間について見ていきましょう。

1−3.事業承継税制の適用期間

事業承継税制の適用期間

平成30年度の改正によって10年間の適用期限付きの特別措置が創設されました。

したがって、2018年1月1日〜2027年12月31日の相続・贈与が対象となります。

以下は、特別措置と従来の一般措置とを比較したものです。
 

  特別措置 一般措置
事前の計画策定 5年以内の特例承継計画の提出 不要
適用期限 10年以内の贈与・相続等
2018年1月1日〜2027年12月31日   
なし
対象株数 全株式 総株式数の最大3分の2まで
納税猶予割合 100% 贈与:100%
相続:80%
承継パターン 複数の株主から最大3人の後継者 複数の株主から1人の後継者
雇用確保要件 8割を切っても報告すればOK 承継後5年間、平均8割の雇用維持が必要
経営環境変化に対応した免除 あり なし
相続時精算課税の適用 60歳以上の者から20歳以上の者への贈与 60歳以上の者から20歳以上の推定相続人・孫への贈与

特別措置の方が利用しやすいので、適用期間内に事業承継ができるなら行うべきです。

次に、事業承継税制の仕組みとその計算方法について詳しく見ていきましょう。

1−4.事業承継税制の仕組みと計算方法

事業承継税制の仕組みと計算方法

事業承継税制は平成30年改正により、一般措置と特例措置の二本立てとなりました。

2027年12月末までに行われる贈与・相続については、特例措置の適用を受けることが可能です。

特例措置なら100%の納税猶予が受けられます。

しかし、相続税・贈与税それぞれの場合における納税額の計算方法がわからないという人も多いでしょう。

ここで具体例を交えてご紹介します。

相続税の場合

計算方法をご紹介するにあたり、今回は以下のような条件で計算していきましょう。

  • 被相続人の財産:自社株式3億円+現金9億円=合計12億円
  • 相続人:子供ABCの3人
  • 後継者A:6億円を相続(自社株3億円+現金3億円)
  • B、C(後継者でない):それぞれ3億円を相続

このとき、後継者Aが承継する自社株について相続税の納税猶予特例を適用する場合を考えていきます。

①通常通り相続税を計算する

まず、課税価格の合計(12億)に基づいて計算をおこなって、相続税の総額を求めます。

12,00000千円×37.5%(税率)=450,000千円

このうち、後継者であるAの相続税額を計算したものが以下の通りです。

450,000千円×6/12(Aの相続割合)=225,000千円 
 

②事業承継株式のみと仮定した場合の計算をする

次に、後継者の相続財産について、事業承継株式のみと仮定した場合の相続税総額を計算します。

900,000千円×33.6%(税率)=302,400千円

このうち、後継者であるAの相続税額を計算すると以下の通りです。

302,400千円×1/3(Aの相続割合)=100,800千円

これが納税猶予額となります。
 

③納税額を計算する

後継者Aについて、相続税の総額から納税猶予額を差し引いたものが、実際に納税をおこなう額となります。

225,000千円-100,800千円=124,200千円

上記の通り、通常の相続税を計算する①は、全ての財産を含めて計算をします。

しかし、②では財産の一部で計算をするため低い税率で計算されることになるのです。

したがって、納税猶予額が予想よりも低い金額になる可能性がある点に注意しておきましょう。

贈与税の場合

計算方法をご紹介するにあたり、今回は以下のような条件で計算していきましょう。

  • 贈与者(親)の財産:自社株3億円+現金9億円=合計12億円
  • 受贈者:後継者である子供A

後継者Aが自社株3億円に贈与税の納税猶予特例を適用する場合を見ていきます。

贈与税において納税猶予額の計算を行うとき、暦年贈与を採用する場合・相続時精算課税制度を採用する場合の2パターンがあるので注意が必要です。

それぞれのパターンについて順番に見ていきましょう。

①暦年贈与により贈与税を計算する

まず、課税価格の合計である12億円に基づいて計算を行った贈与税の総額を求めます。

(1,200,000-1,100千円)×55%-6,400千円=652,995千円(特例税率)

②事業承継株式のみと仮定した場合の計算をする

次に、後継者の贈与財産について、事業承継株式のみと仮定した場合の贈与税総額を計算すると以下の通りです。

(300,000千円-1,100千円)×55%-6,400千円=157,995千円(特例税率)

これが納税猶予額となります。

③納税額を計算する

後継者Aについて、贈与税の総額から納税猶予額を差し引いたものが、実際に納税を行う額になります。

652,995千円-157,995千円=495,000千円

したがって、納税するのは495,000千円です。

❶相続時精算課税制度により贈与税を計算する

まず、課税価格の合計である12億円に基づいて計算を行った贈与税の総額を求めます。

(1,200,000千円-25,000千円)×20%=235,000千円

❷事業承継株式のみと仮定した場合の計算をする

次に、後継者の相続財産について、事業承継株式のみと仮定した場合の贈与税総額を計算すると、以下の通りです。

(300,000千円-25,000千円)×20%=55,000千円

これが納税猶予額となります。
 

❸納税額を計算する

後継者Aについて、贈与税の総額から納税猶予額を差し引いたものが、実際に納税を行う額になります。

235,000千円-55,000千円=180,000千円

上記2つの場合を比較すると、贈与税の納税猶予額は相続時精算課税制度を採用した方が安くなりました。

ところが、相続時精算課税制度は、最終的には相続財産として持ち戻されて相続税がかかってしまいます。

なので、節税としてはあまり効果がないこともあるのです。

ただし、「納税猶予制度」と「相続時精算課税制度」をセットで適用する場合には、将来的に納税猶予が中止になった時点での納税猶予額が少なくなるメリットがあります。

どちらが節税になるのかはケースによって異なるので、税理士などの専門家に相談するべきです。

次に、事業承継税制の納税猶予(特例)を受けるための要件を見ていきましょう。

2. 事業承継税制の納税猶予(特例)を受けるための要件は?

事業承継税制の納税猶予(特例)を受けるための要件は?

事業承継税制の納税猶予制度を利用するためには、以下のような一定の要件を満たす必要があります。

  • 申告期限までに認定を受けること
  • 人の要件を満たすこと
  • 会社の要件を満たすこと
  • 担保提供の要件を満たすこと
  • 5年間の経営継続の要件を満たすこと
  • 次世代承継の要件を満たすこと

最終的に猶予から免除になる要件も紹介するので、ぜひ理解しておいてください。

それぞれについて、順番に確認しておきましょう。

2−1.申告期限までに認定を受けること

申告期限までに認定を受けること

申告期限までに認定を受けることが、1つ目の要件です。

相続税の場合と贈与税の場合で見ていきましょう。

相続税の場合

相続税の納税猶予の適用を受けるためには、経済産業大臣認定を受ける必要があります。

認定の申請には期限があり、被相続人の相続開始日の翌日から8ヶ月を経過する日までです。

各地域の経済産業局に対して申請を行いましょう。

経済産業大臣認定を取得したら、相続税の申告期限までに特例を受ける旨を記載した相続税の申告書に、経済産業大臣から交付された認定書の写しなどを添付して提出します。

贈与税の場合

贈与税の納税猶予の適用を受けるためにも、経済産業大臣認定を受ける必要があります。

認定には期限があり、原則として非上場株式の贈与があった年の翌年1月15日までです。

各地域の経済産業局に対して申請を行いましょう。

経済産業大臣認定を取得したら、贈与税の申告期限までに特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、経済産業大臣から交付された認定書の写しなどを添付して提出します。

2−2.人の要件を満たすこと

人の要件を満たすこと

人の要件には、以下の2種類があります。

  • 経営者側の要件(贈与者・被相続人)
  • 後継者側の要件(受贈者・相続人)

それぞれの要件について詳しく見ていきましょう。

経営者側の要件

事業承継税制を利用するには、経営者側が要件を満たしておかなければなりません。

経営者とは先代経営者に限らず、他の同族関係者・第三者でも良いとされています。

つまり、過去に代表権を有したことのない人からでも認められるのです。

具体的な要件は、以下のようになっています。
 

先代経営者の場合 ・過去に代表権あり
(贈与時・相続時は代表権なし)
・筆頭株主
(かつ総議決権の50%超保有)
先代経営者以外の場合 ・個人かつ、贈与・相続時に
 代表権を有していない
・先代経営者の贈与実行(or事業承継)後、5年以内の贈与

次に、後継者側の要件を見ていきましょう。

後継者側の要件

後継者は、最大で3人(議決権数上位3名)まで可能となっています。

  • 20歳以上かつ代表権を有している
  • 3年以上の役員経験がある
  • 贈与・相続後に筆頭株主であり、かつ総議決権の50%超を有している
  • 贈与税・相続税の申告書の提出期限まで、対象株式の全部を保有している

後継者が以上の要件を満たしていることが必要です。

次に、会社の要件について見ていきましょう。

2−3.会社の要件を満たすこと

会社の要件を満たすこと

会社の要件は以下の通りです。

  • 非上場企業であり、都道府県知事の認定を受けた中小企業者であること
  • 従業員数1人以上であること
  • 風俗営業会社・資産管理会社に該当しないこと
  • 売上がゼロ超であること

中小企業者については、資本金または従業員数のいずれかの基準を満たす必要があります。

また、風俗営業会社や資産管理会社という業種では制度の利用が認められません。

それぞれの基準について見ていきましょう。

資本金基準

業種ごとに基準が異なっているので、注意しましょう。
 

資本金基準
製造業 3億円以下
卸売業 1億円以下
小売業 5,000万円以下
サービス業 5,000万円以下

これらの資本金額に当てはまるかどうかを確認してみてください。

次に、従業員数の基準について見ていきましょう。

従業員基準

従業員数についても資本金同様に業種ごとに基準が異なります。
 

従業員数
製造業 300人以下
卸売業 100人以下
小売業 50人以下
サービス業 100人以下

これらの従業員数に当てはまるかどうかを確認してみてください。

次に、事業内容の基準について見ていきましょう。

事業内容基準

風俗営業会社や資産管理会社に該当しないことが要件として挙げられています。

自分の会社がこれらの事業を行っているのなら、制度の利用は諦めるしかありません。

次に、担保提供の要件について見ていきましょう。

2−4.担保提供の要件を満たすこと

担保提供の要件を満たすこと

事業承継税制の適用を受けるためには、贈与税・相続税の申告期限までに納税猶予額相当の担保を提供する必要があります。

このときの担保の提供先は税務署です。

また、適用対象株式の全てを担保に供した場合には、納税猶予額相当の担保が提供されたものとみなされます。

担保については、国税庁作成のWebページに詳しく書かれていますが、税理士に相談した方が安心です。

次に、経営継続の要件について見ていきましょう。

2−5.5年間の経営継続の要件を満たすこと

5年間の経営継続の要件を満たすこと

申告期限から数えて5年間(特例経営承継期間)は、経営継続要件が発生します。

この期間内に一定要件に該当した場合は、納税猶予が打ち切られてしまい、猶予税の全額または一部を納付しなければなりません。

経営継続要件は以下の通りです。
 

先代経営者 代表者とならないこと
後継者 代表者であり、かつ筆頭株主であること
同族関係者と合わせて50%超の株を保有
猶予対象株式を、譲渡または贈与しないこと
都道府県や税務署長に、報告や届出書を提出すること
対象会社 常時使用従業員数の平均値が、承継時の80%未満とならないこと
上場会社に該当しないこと
風俗営業会社に該当しないこと
資産管理会社に該当しないこと
売上がゼロとならないこと

以上の条件を5年間は満たし続けるようにしてください。

次に、納税が免除される次世代承継の要件について見ていきましょう。

2−6.次世代承継の要件を満たすこと

次世代承継の要件を満たすこと

後継者が次世代(3代目)に引き継ぐ場合には、猶予を受けていた分の税金額が免除されます。

また、後継者が死亡して3代目が引き継ぐ場合にも、相続税の免除を受けることが可能です。

したがって、最終的な全額免除を狙っているなら、これらの条件を覚えておいてください。

次に、事業承継税制の納税猶予を受けるべきなのか、メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

3. 事業承継税制の納税猶予(特例)を受けるべき?

事業承継税制の納税猶予(特例)を受けるべき?

事業承継税制を受けるべきパターンと、受けない方が良いパターンがあるのでおさえておきましょう。

事業承継税制が適用されると、中小企業の事業承継の時に相続税・贈与税を猶予してもらうことができます。

しかし、全ての中小企業においてメリットがあるわけではありません。

数百万円規模の納税猶予・免除であるならば、別の節税手法を検討した方が良い場合もあります。

なぜなら、事業承継税制はさまざまな要件を満たさなければならず、必ず免除されるわけではないためです。

以下に紹介する条件に当てはまっていた場合には、事業承継税制の利用を前向きに考えてみると良いでしょう。

  • 自社株評価額1億円以上である
  • 業績が右肩上がりである
  • 親族内承継を行う場合である

これらの場合なら、事業承継税制を利用しても得をすることが多いです。

利用するかをお悩みの場合は、税理士に自分のケースでも得をするのかを確認してみてください。

それではここからは、事業承継税制のメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。

3−1.事業承継税制のメリット

事業承継税制のメリット

事業承継税制の納税猶予制度には、以下のようなメリットがあります。

  • 後継者の税負担を軽減することができる
  • 相続税における控除額以上の税額が猶予される

いずれのメリットも事業承継を行うなら知っておきたいものです。

それぞれのメリットについて、順番に確認しておきましょう。

後継者の税負担を軽減することができる

後継者の税負担を軽減することができる

事業承継税制により相続税・贈与税が猶予されると、後継者はすぐに納税する必要がなくなります。

したがって、後継者に資金が不足している場合でも事業承継が行えるのです。

資金に不安がある状況で事業承継を行いたいときには、納税猶予が非常に大きなメリットとなります。

相続税における控除額以上の税額が免除される

相続税には控除制度がありますが、全額が控除されるとは限りません。

自社株評価額が1億円以上であるならば、控除を用いたとしても多額の納税額が見込まれます。

このような場合、事業承継税制によって全額免除を受けることで大きく得をすることが可能です。

3−2.事業承継税制のデメリット

事業承継税制のデメリット

事業承継税制の納税猶予制度には、以下のようなデメリットもあります

  • 取消事由に該当すると利子税がかかる
  • 株式の分散リスクがある

事前にデメリットも知っておかなければ、後悔してしまうかもしれません。

それぞれのデメリットについて、順番に確認しておきましょう。

3−3.取消事由に該当すると利子税がかかる

取消事由に該当すると利子税がかかる

取消事由に該当すると、猶予が取り消される上に利子税が発生します。

ただし、平成30年の改正によって、取消事由は緩和されました。

取消事由には以下のようなものがあります。

  • 5年以内に後継者が代表者でなくなったとき
  • 後継者が取得した株式を他人に譲渡などで手放したとき
  • 会社が資産管理会社に該当したとき
  • 会社が解散したとき
  • 会社の年間収入がゼロになったとき
  • 継続届出書を提出しなかったとき

事業承継税制を利用する際には、これらの取消事由に該当しないように注意してください。

3−4.会社の分散リスクがある

会社の分散リスクがある

特例措置を活用すると、後継者として3人まで猶予の適用が可能となります。

しかし、安易に株式を分散させてしまうことは、会社経営を不安定にしてしまうおそれがあるため、注意しましょう。

納税についてだけではなく、将来的な会社経営についても考えた上で事業承継税制を活用してください。

次に、事業承継税制を利用するポイントについて見ていきましょう。

4. 事業承継税制を利用する際のポイントは?

事業承継税制を利用する際のポイントは?

事業承継税制を利用する際には、以下のようなポイントがあります。

  • 株価対策も行う
  • 複数株式所有者から贈与を受けるときも利用する

これらのポイントを知っておけば、事業承継税制の納税猶予制度を上手く活用しやすくなります。

それぞれについて、順番に確認しておきましょう。

4−1.株価対策も行う

株価対策も行う

事業承継税制を利用する場合でも、株価対策は行っておくべきです。

たとえば、非上場株式である自社株の評価額が低い時期に承継を行うことが対策として考えられます。

自社株の評価額が低ければ、そもそもの税額や猶予打ち切り時の納税額、利子税額が低くなるのです。

税額負担において有利になるため、株価対策についても留意しておくと良いでしょう。

4−2.複数の株式所有者から贈与を受けるときも利用する

複数の株式所有者から贈与を受けるときも利用する

株式は、先代経営者のみが所有しているとは限りません。

先代経営者の配偶者や兄弟または幹部従業員など、複数の株主が少しずつ株式を所有している場合があります。

平成30年改正では、後継者への株式の集中を促進するために、複数の株式所有者からの贈与についても制度の対象とされました。

その際に注意しなければならない点は、以下の通りです。

  • 先代経営者の贈与が最初でなければならない
  • その他の贈与は、先代経営者の贈与年から5年の間に行わなければならない
  • 先代経営者以外の者からの贈与についても、その都度認定の手続きが必要となる

複数の株式所有者から贈与を受ける際には、以上のポイントを意識しておいてください。

次は、事業承継税制の納税猶予手続きについて、順番に確認しておきましょう。

5. 事業承継税制の納税猶予(特例)手続きの流れは?

事業承継税制の納税猶予(特例)手続きの流れは?

事業承継税制の納税猶予制度の手続きは、以下のような流れで行います。

  1. 事業承継税制のマニュアル確認
  2. 特例承継計画作成・提出
  3. 代表者交代
  4. 株式贈与
  5. 認定申請
  6. 贈与税・相続税申告
  7. 継続届出書提出
  8. 相続税免除申請

これらの手続きについてしっかり理解しておくことが、スムーズに事業承継税制の納税猶予制度を利用するコツです。

それぞれについて、順番に確認しておきましょう。

5−1.事業承継税制のマニュアル確認

事業承継税制のマニュアル確認

中小企業庁のホームページにて、申請の手続き・申請書類についてのマニュアルが公開されています。

マニュアルは、「中小企業経営承継円滑法の申請マニュアル・申請様式一覧」で読むことが可能です。

できるだけ自分の力だけで事業承継税制を利用したいなら、わからないことはマニュアルで調べられます。

手続きを行う際には、事前に確認しておくと良いでしょう。

5−2.特例承継計画作成・提出

特例承継計画作成・提出

特例承継計画を作成して、認定承継機関に所見を記載してもらいます。

認定承継機関とは、商工会や商工会議所・金融機関・税理士などです。

商工会や商工会議所では無料のセミナーを行っていることもあるので、確認してみてください。

税理士に相談すれば、株式を後継者に引き継ぐ際の節税対策も聞くことができます。

承継計画には、会社の後継者や承継時までの経営見直しの記載をしなければなりません。

平成35年(2023年)3月31日までに都道府県庁に提出する必要がありますが、それまでに贈与・相続を行う場合には、相続・贈与後に提出することも可能となっています。
 

5−3.代表者交代

代表者交代

株式を後継者に渡し、実際に代表者が交代します。

贈与にて事業承継税制の適用を受ける場合には、このタイミングでの贈与が必要です。
 

5−4.株式贈与

株式贈与

株式の贈与や相続が実行されます。

株式の引き継ぎを行う際には、税理士に節税対策について聞いておくのが良いでしょう。

このように実際に承継が実行されると、次は特例認定の申請です。

5−5.認定申請

認定申請

都道府県庁に対して、特例認定申請書を提出します。

中小企業庁のページからダウンロードして記載してください。

贈与税の納税猶予の場合には、申請の締め切りは贈与のあった翌年1月15日までです。

相続税の納税猶予の場合には、申請の締め切りは相続の開始後8ヶ月以内となっています。

いずれの場合も、承継計画の添付が必要です。

5−6.贈与税・相続税申告

贈与税・相続税申告

上で述べた認定申請の締切までに、贈与税や相続税の申告を行います。

贈与税の納税猶予の場合には、認定書のコピーと合わせて、贈与税の申告書を提出しなければなりません。

また相続時精算課税制度の適用を受ける場合には、その旨を明記します。

相続税の納税猶予の場合にも、認定書のコピーと合わせて、相続税の申告書を提出してください。
 

5−7.継続届出書提出

継続届出書提出

税務署に対して、継続届出書を提出します。

贈与税・相続税の申告期限から5年間は毎年、5年経過後は3年ごとに提出しなければなりません。

継続届出書の提出にあたって、相続税の申告期限から5年間は以下の要件を満たす必要があります。

  • 後継者が会社の代表であること
  • 後継者が筆頭株主であること
  • 納税猶予対象株式を継続保有していること
  • 上場会社や風俗営業会社、資産管理会社に該当しないこと

以上の条件を常に意識しておくようにしてください。

次に、相続税の免除申請の要件や手続きについて見ていきましょう。

5−8.相続税免除申請

相続税免除申請

後継者の死亡があった場合には、相続税免除申請で猶予されていた相続税の全部が免除されます。

相続税免除申請を行う際には、免除届出書・免除申請書の提出が必要です。

後継者の死亡以外に、相続税の納付が免除されるのは以下のような場合があります。

  • 相続税の申告期限後5年間において、やむを得ない理由で後継者が代表権を有しなくなった日以降に、猶予継続贈与を行った場合
  • 相続税の申告期限後5年間経過後に、後継者が猶予継続贈与を行った場合
  • 相続税の申告期限後5年経過後に、会社について破産手続開始決定があった場合

やむを得ない理由とは、後継者が精神障害者・身体障害者となった場合などです。

そして、猶予継続贈与とは、後継者(2代目経営者)が3代目経営者に贈与したときに考えるものになります。

後継者から贈与された3代目経営者が納税猶予を受ける場合における贈与のことです。

この場合、2代目経営者の納税猶予税額のうち、3代目経営者が納税猶予を受ける株式に対応する部分が免除されます。

以上、事業承継税制の納税猶予手続きの流れを紹介しました。

手続きについてしっかり理解して、円滑に制度を利用しましょう。

事業承継税制について、少しでも不安があるなら早めに専門家に相談するのが安心です。

6. 事業承継税制の情報なら

事業承継税制の情報なら

事業承継税制の情報は、専門家に聞くのが確実です。

自分だけですべての手続きをしたいという気持ちもあるでしょうが、失敗せずに制度を利用するには専門家の力を借りましょう。

事業承継税制を利用したいのであれば、M&A総合研究所がおすすめです。

7. 事業承継税制(特例)適用の相談ならM&A総合研究所

事業承継税制(特例)適用の相談ならM&A総合研究所

出典: https://masouken.com/lp01

事業承継税制の適用を考えているなら、『M&A総合研究所』へ相談しましょう。

M&A総合研究所は、着手金無料で事業承継のコンサルタントをしてくれます。

会計士主体のM&A仲介会社なので、税務にも強いです。

特例や事業承継税制の活用も最大限お得に行えます。

M&A総合研究所へ相談をするおすすめの理由は以下の3つです。

  • 事業承継の手法を相談できる
  • 特例や事業承継税制に強くて頼れる
  • 公認会計士がフルサポートしてくれる

それぞれの理由について、順番に確認しておきましょう。

事業承継の手法を相談できる

事業承継の手法を相談できる

M&A総合研究所なら、事業承継の手法から相談することができます。

M&A総合研究所に相談すると、外部の後継者として多くの事業買い手候補を紹介してもらうことも可能です。

外部に後継者が見つかれば、M&Aという手法で事業承継を行えます。

最近では、M&Aによる事業承継が多くなっているので、身近に後継者がいなければ検討するべきです。

M&A総合研究所は全国の都市銀行・地方銀行・信用金庫・証券会社と提携しており、M&Aに積極的な会社とのネットワークを豊富に持っています。

したがって、「この基準に当てはまる企業を紹介してほしい」とM&A総合研究所に伝えることで数社の後継者候補を提案してくれるのです。

また、「A社とだったらこういったシナジー効果があるので、事業承継が成功する可能性が高い」など、経験を活かしたアドバイスまでしてもらえます。

シナジー効果とは、買い手企業の強みと売り手企業の強みが組み合わさることによって、より大きな強みが生まれることです。

M&A総合研究所の独自ネットワークでたくさんの後継者候補となる会社を紹介してくれるので、事業承継の成功確率がグッと上がります。

ここで、M&A総合研究所をおすすめする理由を詳しく見ていきましょう。

特例や事業承継税制に強くて頼れる

特例や事業承継税制に強くて頼れる

M&A総合研究所は、さまざまな特例や事業承継税制に強い公認会計士が相談に乗ってくれます。

実務的な知識も豊富な専門家に頼ることができるので心強いです。

特例や税制の知識が豊富な公認会計士が付いてくれることで、制度を利用できる可能性を高められます。

そのため、安心をして事業承継に臨むことができるのです。

専門知識を持っている公認会計士に相談しながら、着実に事業承継を進めていきましょう。

費用が安い

費用が安い

M&A総合研究所は、事業承継について相談する際の費用が安いです。

着手金がかからないので、気楽に相談することができます。

事業承継を行うなら、できるだけ専門家に支払うお金は安く済ませたいと考える人が多いはずです。

M&A総合研究所であれば、最低限の費用で納得のいく事業承継が行えるでしょう。

8. 事業承継税制まとめ

事業承継税制とは、中小企業の後継者が円滑に経営を引き継ぐために贈与税や相続税を納める期間が猶予される制度です。

途中で猶予が取り消される場合もあるので、制度については利用する前にしっかりと理解しておいたほうが良いでしょう。

事業承継を行うのであれば、事業承継税制を利用してお得に事業を引き継いでください。

事業承継税制について少しでも不安があるのなら、M&A総合研究所に相談すると安心できます。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

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