【2020年最新】健康食品・サプリメント業界のM&A・売却・買収事例30選

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、健康食品・サプリメント業界のM&A・売却・買収事例を、2020年の最新事例も含め30選紹介します。また、健康食品・サプリメント業界における最適な仲介会社の選び方などについても解説していますので、参考にしてください。

目次

  1. 健康食品・サプリメント業界とは
  2. 健康食品・サプリメント業界の最新M&A・売却・買収事例30選
  3. 健康食品・サプリメント業界のM&A予測
  4. 健康食品・サプリメント業界の仲介会社の選び方
  5. まとめ
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1. 健康食品・サプリメント業界とは

健康食品・サプリメント業界とは、健康や美容に効果のある製品を研究・開発・販売する企業をさします。

健康食品は大きく保健機能食品と一般食品に分けられますが、一般食品は該当範囲が広いため、広義には多くの食品製造会社が該当します。また、健康食品・サプリメント業界では無店舗販売が多くを占めています。

健康食品・サプリメント業界では、EC・通信販売やカタログ販売、また口コミによる紹介販売など、さまざまな販売方法が用いられています。そのため、健康食品・サプリメント業界には多様な企業が該当します。

【関連】健康食品・サプリメント業界のM&A・売却・買収!業界動向・相場を解説【事例あり】

2. 健康食品・サプリメント業界の最新M&A・売却・買収事例30選

健康食品・サプリメント業界のM&A・売却・買収事例を、2020年・2019年・2018年・2017年以前に分けて30選紹介していきます。

2020年最新のM&A

健康食品・サプリメント業界の2020年M&A・売却・買収事例は、インタートレードが、連結子会社のインタートレードヘルスケアの通信販売事業をヴィーダへ譲渡した事例です。

インタートレードヘルスケアは、健康補助食品や化粧品の販売を展開している会社です。ヴィーダは、会員コミュニティーの運営、Webサイト・コンテンツの配信と企画運営やイベント事業などを行っています。譲渡する事業は、通信販売事業と「健康いいもの Online」のECサイトです。

この譲渡でインタートレードは、自社商品の販売に経営リソースを集中させることを目的としています。また、情報発信を行いながらインターネット販売を行い、原料販売やOEMの展開に力を注いで収益力を高め、企業価値を上げていくことを見込んでいます。

2019年のM&A

次に、2019年における健康食品・サプリメント業界のM&A事例を10選ご紹介します。

  1. キリンホールディングスによる協和発酵バイオのM&A
  2. 味の素による香港食品企業の売却
  3. 雪国まいたけによるタカラバイオのM&A
  4. 小林製薬による梅丹本舗のM&A
  5. ドクターシーラボのジョンソン・エンド・ジョンソンによるM&A
  6. ユーグレナによるMEJのM&A
  7. 長瀬産業による健康食品素材米企業のM&A
  8. 江崎グリコによるアイクレオのM&A
  9. キリンホールディングスによるヤクルトヘルスフーズの事業買収
  10. ユニリーバによるオリーのM&A

① キリンホールディングスによる協和発酵バイオのM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例1件目は、キリンホールディングスによる協和発酵バイオのM&Aです。

キリンHDは、協和発酵バイオを取得価額約1,280億円の株式譲渡により子会社化しました。

両社はこれまで健康食品の開発を共同で行ってきましたが、協和発酵バイオを直接子会社として関係を深めることにより、健康食品・サプリメント業界における企業価値の最大化が見込めるとしています。

②味の素による香港食品企業の売却

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例2件目は、味の素による香港食品企業の売却です。

味の素は、子会社である香港の調味料・加工食品会社、アモイ・フードの全株式を、香港の投資会社に株式譲渡により売却しました。売却価額は明らかにしていません。

味の素は、中国での競争激化や味の素グループの組織再編に伴い、アモイ・フードの売却に至っています。

③雪国まいたけによるタカラバイオのM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例3件目は、雪国まいたけによるタカラバイオのM&Aです。

雪国まいたけは、宝ホールディングスの子会社であるタカラバイオから、きのこ事業を事業譲渡により買収しました。買収価額は非公表となっています。

タカラバイオの全事業に占めるきのこ事業の割合は少なかったことから、事業の選択と集中を進めるため売却に至っています。

④小林製薬による梅丹本舗のM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例4件目は、小林製薬による梅丹本舗のM&Aです。

小林製薬は、約10億円の株式譲渡により、梅丹本舗を完全子会社化しています。

梅丹本舗は梅を使った健康食品の開発・販売をしており、小林製薬は本買収により健康食品の品揃えを充実させ、健康食品・サプリメント業界でのシェア拡大を図っています。

⑤ジョンソン・エンド・ジョンソンによるシーズホールディングスのM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例5件目は、ジョンソン・エンド・ジョンソンによるシーズホールディングスのM&Aです。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、化粧品やエステサロン、健康食品の通信販売事業などを行なっているシーズHDをTOB(株式公開買付)により買収しました。取得価額は約150億円となっています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、自社グループの流通網にシーズHDの商品を乗せることで、高いシナジー効果が得られると見込んでいます。

⑥ユーグレナによるMEJのM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例6件目は、ユーグレナによるMEJのM&Aです。

ユーグレナは化粧品を開発・販売するMEJを簡易株式交換により完全子会社化しました。株式交換比率は、MEJ1株に対してユーグレナが17株の割当です。

ユーグレナは、MEJの主なターゲット層である30代〜40代女性に対して、ユーグレナの商品をリーチできると考えています。

⑦長瀬産業による健康食品素材米企業のM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例7件目は、長瀬産業による健康食品素材米企業のM&Aです。

健康食品の輸出入販売などを行なっている長瀬産業は、健康食品用素材の調達・販売などを行なっている米企業プリノバ・グループを、買収価額約650億円の株式譲渡により子会社化すると発表しました。

長瀬産業は、世界で需要が増加し続けている健康食品用の食品添加物事業を取得することで、日本だけでなくアジアにおける健康食品・サプリメント業界での販路拡大を図っています。

⑧江崎グリコによるアイクレオのM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例8件目は、江崎グリコによるアイクレオのM&Aです。

江崎グリコは、完全子会社のアイクレオから、会社分割により製造部門以外の事業を承継しました。

アイクレオは、乳幼児向け粉ミルクの製造・販売を行っており、江崎グリコは会社分割により、事業の効率化を進めています。

⑨キリンホールディングスによるヤクルトヘルスフーズの事業買収

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例9件目は、キリンホールディングスによるヤクルトヘルスフーズの事業買収です。

キリンHDは、ヤクルトヘルスフーズから乳酸菌サプリメント「ノアレ」事業を、事業譲渡により買収しました。買収価額は非公開となっています。

乳酸菌事業に注力しているキリンHDは、ノアレを商品ラインナップに加えることにより、健康食品・サプリメント業界でのシェア拡大を図っています。

⑩ユニリーバによるオリーニュートリションのM&A

健康食品・サプリメント業界の2019年M&A・売却・買収事例10件目は、ユニリーバによるオリーニュートリションのM&Aです。

ユニリーバは、グミ状サプリメントなどの開発・販売を行っている米企業オリーニュートリションを、株式譲渡により買収しました。買収価額は非公開です。

ユニリーバは、現在世界で成長し続けているニュートリション分野に投資することで、世界の健康食品・サプリメント業界におけるシェア獲得を図っています。

【関連】食品メーカー・食品会社のM&A・買収・売却!業界動向・相場・手法を解説!【成功事例あり】

2018年のM&A

続いて、2018年における健康食品・サプリメント業界のM&A事例を7選ご紹介します。

  1. アリアケジャパンのアメリカ連結子会社をKerry Groupに譲渡
  2. ナックによるインフィニティービューティーのM&A
  3. 塩野義製薬による宝ヘルスケアのM&A
  4. 第一工業製薬による健康食品関連2社のM&A
  5. 前田工繊による釧路ハイミールのM&A
  6. ティーライフによるLifeitのM&A
  7. ユーグレナによるフックのM&A

①アリアケジャパンのアメリカ連結子会社をKerry Groupに譲渡

健康食品・サプリメント業界の2018年M&A・売却・買収事例1件目は、アリアケジャパンによるKerry Groupへの譲渡です。

天然調味料の製造・販売を行っているアリアケジャパンは、アメリカの連結子会社を譲渡価額200億円の株式譲渡により、アメリカのケリーホールディングスに売却しました。

これにより、アリアケジャパンは海外での事業展開を再構成し、天然調味料の生産地を最適化しています。

②ナックによるインフィニティービューティーのM&A

健康食品・サプリメント業界の2018年M&A・売却・買収事例2件目は、ナックによるインフィニティービューティーのM&Aです。

ダスキンなどのデリバリービジネスを営むナックは、連結子会社のJIMOSを通じて、通販事業などを行っているインフィニティービューティーを株式譲渡により買収しました。譲渡価額は非公表となっています。

このM&Aにより、ナックは両社の通信販売ノウハウを共有・強化し、シナジー効果が得られると判断しています。

③塩野義製薬による宝ヘルスケアのM&A

健康食品・サプリメント業界の2018年M&A・売却・買収事例3件目は、塩野義製薬による宝ヘルスケアのM&Aです。

塩野義製薬は、子会社のシオノギヘルスケアをつうじて、宝ホールディングスから宝ヘルスケアの株式譲渡・吸収合併と、タカラバイオの吸収分割による健康食品事業の承継を行いました。

塩野義製薬は、シニア層向けのヘルスケア事業に注力していることから、本統合により健康食品のラインナップ強化を図っています。

④第一工業製薬による健康食品関連2社のM&A

健康食品・サプリメント業界の2018年M&A・売却・買収事例4件目は、第一工業製薬による健康食品関連2社のM&Aです。

第一工業製薬は、バイオコクーン研究所と池田薬草を、株式譲渡により完全子会社化しました。譲渡価額は非公開となっています。

第一工業製薬は、バイオコクーン研究所の研究・製造・販売機能と池田薬草の量産化・効率化機能を合わせることで、健康食品や機能性表示食品の開発・販売を強化しています。

⑤前田工繊による釧路ハイミールのM&A

健康食品・サプリメント業界の2018年M&A・売却・買収事例5件目は、前田工繊による釧路ハイミールのM&Aです。

前田工繊は、水産加工業の釧路ハイミールを株式譲渡により買収しました。譲渡価額は非公開となっています。

このM&Aにより、前田工繊は、健康効果が注目されている魚油のサプリメント製造・販売などを行っていく計画です。

⑥ティーライフによるLifeitのM&A

健康食品・サプリメント業界の2018年M&A・売却・買収事例6件目は、ティーライフによるLifeitのM&Aです。

健康茶などの健康食品EC事業を営んでいるティーライフは、同じくEC事業を営むLifeitを株式譲渡により買収しました。譲渡価額は非公開となっています。

これにより、両社は商品ラインナップの拡充や事業の効率化などのシナジー効果が得られるとしています。

⑦ユーグレナによるフックのM&A

健康食品・サプリメント業界の2018年M&A・売却・買収事例7件目は、ユーグレナによるフックのM&Aです。

ユーグレナは、株式譲渡と株式交換により、健康食品のEC事業を営むフックを完全子会社化しました。譲渡価額は約8億円、株式交換比率はフック1株に対してユーグレナが1.446株の割当です。

ユーグレナは、自社の経営資源とフックの経営資源を組み合わせることで、ヘルスケア事業のさらなる成長が見込めるとしています。

【関連】【2020年最新】小売業界の動向やM&A・売却・買収の事例20選!成功ポイントも解説!

2017年までのM&A

最後に、2017年以前における健康食品・サプリメント業界のM&A事例を12選ご紹介します。

  1. ポーラ・オルビスホールディングスによる健康食品子会社のM&A
  2. ポーラ・オルビスホールディングスによるファーマフーズと山田養蜂場への株式譲渡
  3. ユーグレナによるイースターのM&A
  4. シーズホールディングスによるシーズ・ラボのM&A
  5. 小林製薬によるグンゼのM&A
  6. 三菱ケミカルホールディングスによるエーザイのM&A
  7. AFC-HDアムスライフサイエンスによるセレンディプスのM&A
  8. ストリームによるエックスワンのM&A
  9. スクロールによるナチュラピュリファイ研究所のM&A
  10. インタートレードによるパルのM&A
  11. 三菱ケミカルホールディングスによるクオリカプスのM&A
  12. ファンケルの会社分割によるグループ再編

①ポーラ・オルビスホールディングスによる健康食品子会社の株式譲渡

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例1件目は、ポーラ・オルビスホールディングスによる健康食品子会社の株式譲渡です。

ポーラ・オルビスHDは、中国で化粧品・健康食品の販売を行うC2O PLUS Asiaを、共同出資者であるPEAKSTARに譲渡しました。譲渡価額は明らかにしていません。

これにより、ポーラ・オルビスHDは採算の悪化する中国市場から撤退し、アメリカ市場に経営資源をシフトさせています。

②ポーラ・オルビスホールディングスによる連結子会社2社の株式譲渡

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例2件目は、ポーラ・オルビスホールディングスによる連結子会社2社の株式譲渡です。

ポーラ・オルビスHDは、連結子会社で化粧品・スキンケア製品を販売するpdcとFLを、それぞれ譲渡価額12億円の株式譲渡により、山田養蜂場とファーマフーズに売却しました。

ポーラ・オルビスHDは、商品価格帯と商品販売チャネルのシフトを目的として、本売却による経営資源の選択と集中を行いました。

③ユーグレナによるイースターとヘルスンのM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例3件目は、ユーグレナによるイースターとヘルスンのM&Aです。

ユーグレナは、ユーグレナブランドの製造販売を行うイースターとヘルスンを、株式交換により完全子会社化しました。

株式交換に先立って、イースターとヘルスンは吸収合併を行い、ヘルスン株式会社に商号変更しています。

本株式交換により、ユーグレナはヘルスン株式会社と企画・製造・販売の連携を強化し、ブランド力向上を図っています。

④シーズホールディングスによるシーズ・ラボのM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例4件目は、シーズホールディングスによるシーズ・ラボのM&Aです。

シーズHDは、エステサロンを運営するシーズ・ラボを、譲渡価額40億円の株式譲渡により子会社化しました。

ドクターシーラボをグループに持ち、化粧品や健康食品の製造・販売を行っているシーズHDは、エステサロンとの事業親和性の高さから、シーズ・ラボの買収によりエステサロン事業を拡大しています。

⑤小林製薬によるグンゼのM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例5件目は、小林製薬によるグンゼのM&Aです。

小林製薬は、グンゼから紅麹関連事業を事業譲渡によって引き継ぎました。小林製薬は健康食品事業の強化を進めており、グンゼの紅麹事業を取得し小林製薬の経営資源を投入することにより、紅麹関連商品の販売シェア獲得を進めています。

⑥三菱ケミカルホールディングスによるエーザイフード・ケミカルのM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例6件目は、三菱ケミカルホールディングスによるエーザイフード・ケミカルのM&Aです。

三菱ケミカルHDは、子会社の三菱化学フーズをつうじて、エーザイの子会社であるエーザイフード・ケミカルを株式譲渡により子会社化しました。譲渡価額は非公開です。

これにより、両社は健康食品分野で高品質の商品開発が可能となり、海外展開もさらに拡大しています。

⑦AFC-HDアムスライフサイエンスへのセレンディプスによる第三者割当増資

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例7件目は、AFC-HDアムスライフサイエンスへのセレンディプスによる第三者割当増資です。

AFC-HDアムスライフサイエンスは、セレンディプスから9,000万円分の第三者割当増資を引き受けました。

セレンディプスは化粧品関連事業を営んでおり、AFC-HDアムスライフサイエンスの自然派化粧品や健康食品から培ったノウハウ・経営資源を投入することで、セレンディプスの成長につながると見込んでいます。

⑧ストリームによるエックスワンのM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例8件目は、ストリームによるエックスワンのM&Aです。

EC事業やヘルスケア事業などを営むストリームは、化粧品や健康食品などを販売しているエックスワンを、譲渡価額約2億2,000万円の株式譲渡により買収しました。

ストリームとエックスワンは、EC事業に関する業務全般を統合することで事業の効率化を進めています。

⑨スクロールによるナチュラピュリファイ研究所のM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例9件目は、スクロールによるナチュラピュリファイ研究所のM&Aです。

カタログ通販事業やEC事業を営むスクロールは、天然由来成分配合化粧品などを製造・販売するナチュラピュリファイ研究所を株式譲渡により買収しました。

スクロールは、健康食品や化粧品の販売に注力していることから、M&Aによってナチュラピュリファイ研究所など複数の企業を取得し、商品ラインナップの拡充を進めています。

⑩インタートレードによるパルのM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例10件目は、インタートレードによるパルのM&Aです。

インタートレードは、健康食品を中心にカタログ販売を行っているパルを、譲渡価額200万円で株式譲渡により買収しました。

インタートレードは、金融機関向けシステム開発を主事業としながら、健康食品事業にも力を入れており、パルの買収によって強い顧客販売網を手に入れています。

⑪三菱ケミカルホールディングスによるクオリカプスのM&A

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例11件目は、三菱ケミカルホールディングスによるクオリカプスのM&Aです。

三菱ケミカルHDは薬剤・健康食品用カプセルを開発するクオリカプスを、譲渡価額約558億円の株式譲渡により買収しました。

三菱ケミカルHDは、カプセル生産で高いシェアを持つクオリカプスを買収することで安定した収益を確保し、三菱ケミカルHDのヘルスケア事業とのシナジー効果を獲得しています。

⑫ファンケルの会社分割によるグループ再編

健康食品・サプリメント業界の2017年以前のM&A・売却・買収事例12件目は、ファンケルの会社分割によるグループ再編です。

ファンケルは会社分割により持株会社化し、化粧品事業を行う「ファンケル化粧品」と健康食品事業を行う「ファンケルヘルスサイエンス」を設立しました。

これにより、ファンケルは意思決定の迅速化と責任の明確化、ブランド力の向上を果たしています。

3. 健康食品・サプリメント業界のM&A予測

健康食品・サプリメント業界は、今後以下のような動向になると予測されます。

  1. M&Aが活発であり今後も期待できると予測
  2. 健康志向・高齢化に伴う需要の伸びが予測
  3. 特許や技術を持った中堅企業は人気になると予測

①M&Aが活発であり今後も期待できると予測

健康食品・サプリメント業界のM&Aは活発であり、今後も健康食品・サプリメント業界のM&Aは増加すると予測されます。

健康食品・サプリメント業界は、商品トレンドの変化が速く、事業の成長のためには時流に合わせた効能・成分を持った商品を絶えず投入することが必要です。そのため、M&Aにより商品ラインナップを拡充する企業は増加傾向にあります。

また、健康食品・サプリメント業界とシナジー効果が得やすい業界が多いことから、他業界からM&Aによって参入するケースも今後さらに増えると予測されます。

②健康志向・高齢化に伴う需要の伸びが予測

健康食品・サプリメント業界ではこれまで、主に60歳以上を対象に商品を提供してきました。

しかし、60歳以上の消費伸び率が鈍化してきたことから、健康食品・サプリメント業界の各社はターゲット層を50代男女や30代〜40代の女性にも拡大し始めています。

今後は、高齢者だけでなく健康志向の高い若い層にもリーチすることで、需要は伸びていくと予測されます。

③特許や技術を持った中堅企業は人気になると予測

健康食品の中には、機能性を表示できない一般食品も含まれています。一般食品に該当する場合、機能性を持っていたとしても表示できないため、差別化することができません。

また、消費者にとっても安全な商品を選ぶ判断基準がありません。そのため、国では新たに機能性表示食品を導入しました。これにより、中堅企業でも保健機能食品を販売しやすくなっています。

今後は、国による健康食品・サプリメント業界の法整備がさらに進み、企業も他社と差別化できる特許・技術を取得するため、M&Aの増加が予測されます。

4. 健康食品・サプリメント業界の仲介会社の選び方

健康食品・サプリメント業界のM&Aの仲介会社を選ぶ際は、以下5つのポイントをおさえることが大切です。

  1. 健康食品・サプリメント分野の専門的知識・M&A実績を持っている
  2. 自社と同規模の案件実績がある
  3. M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
  4. 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
  5. 担当スタッフの対応・相性

①健康食品・サプリメント分野の専門的知識・M&A実績を持っている

仲介会社が業界知識を持っているか、同業界の仲介実績があるかによって、M&Aの成功は左右されます。

健康食品・サプリメント業界に詳しいスタッフがいるか、実績はあるか、などを事前に確認しておくと、最適な仲介会社を選択できます。

②自社と同規模の案件実績がある

M&A仲介は案件規模によって、専門家に求められる能力や専門家の数などが変わります。

健康食品・サプリメント業界での同規模の案件実績があればあるほど円滑な仲介が可能となるので、仲介会社を選ぶ際は得意とする案件規模を確認することも必要です。

③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

M&Aの仲介には、健康食品・サプリメント業界の知識だけでなく、法律や税制、経営などに関する知識も求められます。

仲介会社を選ぶ際は、どのような専門家スタッフがいるか、専門家とのネットワークがあるかが重要です。

④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

M&Aの仲介を依頼する際に気になるのが、手数料・報酬体系です。後々のトラブルを防ぐためにも、手数料・報酬体系がシンプルで明確な仲介会社を選び、事前に大まかな金額を確認しておくことが重要です。

⑤担当スタッフの対応・相性

M&A仲介は、依頼者と担当スタッフとの関係が重要です。事前相談の際には、質問に対して誠実で丁寧に答えてくれるか、自身の価値観などに理解を示してくれるかなど、人間性の見極めも大事になります。

【関連】M&A仲介会社を比較!手数料・サービス・実績を徹底比較!

5. まとめ

健康食品・サプリメント業界のM&A・売却・買収は、今後も増加していくことが予測されます。

健康食品・サプリメント業界のM&Aを成功させるためには、業界動向を見極め自社に合った戦略を練ることが重要です。


2020年の健康食品・サプリメント業界のM&A

  1. インタートレードの連結子会社インタートレードヘルスケアの通信販売事業をヴィーダへ譲渡


2019年の健康食品・サプリメント業界のM&A

  1. キリンホールディングスによる協和発酵バイオのM&A
  2. 味の素による香港食品企業の売却
  3. 雪国まいたけによるタカラバイオのM&A
  4. 小林製薬による梅丹本舗のM&A
  5. ドクターシーラボのジョンソン・エンド・ジョンソンによるM&A
  6. ユーグレナによるMEJのM&A
  7. 長瀬産業による健康食品素材米企業のM&A
  8. 江崎グリコによるアイクレオのM&A
  9. キリンホールディングスによるヤクルトヘルスフーズの事業買収
  10. ユニリーバによるオリーのM&A

2018年の健康食品・サプリメント業界のM&A
  1. アリアケジャパンのアメリカ連結子会社をKerry Groupに譲渡
  2. ナックによるインフィニティービューティーのM&A
  3. 塩野義製薬による宝ヘルスケアのM&A
  4. 第一工業製薬による健康食品関連2社のM&A
  5. 前田工繊による釧路ハイミールのM&A
  6. ティーライフによるLifeitのM&A
  7. ユーグレナによるフックのM&A

2017年までの健康食品・サプリメント業界のM&A
  1. ポーラ・オルビスホールディングスによる健康食品子会社のM&A
  2. ポーラ・オルビスホールディングスによるファーマフーズと山田養蜂場への株式譲渡
  3. ユーグレナによるイースターのM&A
  4. シーズホールディングスによるシーズ・ラボのM&A
  5. 小林製薬によるグンゼのM&A
  6. 三菱ケミカルホールディングスによるエーザイのM&A
  7. AFC-HDアムスライフサイエンスによるセレンディプスのM&A
  8. ストリームによるエックスワンのM&A
  9. スクロールによるナチュラピュリファイ研究所のM&A
  10. インタートレードによるパルのM&A
  11. 三菱ケミカルホールディングスによるクオリカプスのM&A
  12. ファンケルの会社分割によるグループ再編

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