M&Aの件数は1年でいくつ?2017年の件数は過去最高!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

近年のM&Aの件数は増加傾向にあります。特に2017年のM&Aの件数は過去最高を記録するくらいM&Aを行う企業は増えています。M&Aが行われている件数は1年間でどのくらいあるのか、なぜ増加傾向にあるのか解説をしていきます。


目次

  1. 日本企業によるM&Aについて
  2. M&Aの現状
  3. M&Aの件数推移
  4. M&Aの金額推移
  5. TOB件数と買付金額の推移
  6. 投資会社から国内企業へのM&A件数推移
  7. 2018年もM&A件数は増加の見通し
  8. M&Aの件数まとめ
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1. 日本企業によるM&Aについて

日本企業のM&Aについて

M&Aとは、会社の買収・売却・合併などを行うことです。M&Aでは、多額の資金や人材を投入する経営戦略であるため、一般的にはあまり頻繁に行われません。しかし、近年は中小企業を中心にM&Aを行う企業が増加しています。毎年、どの程度日本の企業はM&Aを行っているのでしょうか?

実は、2017年のM&A成約件数は3050件と過去最高となっています。この記事では、日本企業によるM&Aが行われている件数について紹介します。

  • 日本企業のM&Aの現状について
  • 日本企業のM&Aの件数と金額の推移について
  • TOBによるM&Aの件数と金額の推移について
  • 投資会社によるM&Aの件数推移について

この記事を読んでいただけると日本企業のM&Aの現状について理解していただけると思います。ぜひ、最後までご覧ください。
 

日本企業だけでなく、アメリカのM&Aの件数も伸びています。

【関連】アメリカのM&A市場が2018年も好調!M&A件数が伸び続ける理由とは?

2. M&Aの現状

M&Aの現状について

先ほども紹介した通り、日本企業のM&Aの成約件数は過去最高となっています。なぜ、M&Aの件数が過去最高となっているのかその理由や背景を含めて、日本企業のM&Aの現状を紹介します。

2017年はM&A件数が最大!

2017年の日本企業のM&Aの成約件数は3050件と過去最高になっています。前年の2016年が2652件であったので、それと比較すると1.15倍増加しています。

日本企業の中でも特に中小企業のM&Aが増加しています。中小企業のM&Aの実施状況に関するデータは正式には公表されていません。しかし、大手のM&A仲介会社3社(日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ)が成約した中小企業のM&A件数が経済産業省から発表されています。

そのデータによると、2017年は526件であり、前年の2016年の387件の1.36倍の件数となっています。また、3社とも2017年のM&A成約数は2016年に比べて増加していることから中小企業でのM&Aがかなり急増していることがわかります。

M&A件数が増加している理由

なぜ増加しているのか

日本企業がM&Aを行う理由は大きく2つあります。

  1. 事業規模の拡大による利益の向上
  2. 経営者の高齢化と人口減少による事業承継
これらに2つの理由について解説します。

理由1.事業規模拡大による利益の向上

M&Aを行うことで、自社の事業規模を拡大させ、利益を向上させることを目的としています。特に経営者がM&Aで期待することはシナジー効果(相乗効果)です。

例えば、事業規模を拡大させることで生産シナジーを期待する場合があります。M&Aにより事業規模を拡大させ、生産の規模が拡大させることで1製品当たりの製造単価が下げることができます。これにより、利益を向上させる効果を生産シナジーといいます。

シナジー効果についてはアンゾフが提唱しており、生産シナジー以外にも販売シナジー、投資シナジー、経営シナジーがあります。経営者はこれらの効果が得ることを期待してM&Aを行います。シナジー効果について詳しく知りたい方は、リンクを掲載していますのでご覧ください。

【関連】M&Aのシナジー効果とは?シナジー効果の事例5選!

理由2.経営者の高齢化と人口減少による事業承継

2つ目の理由は経営者の高齢化と人口減少による事業承継が増加しているためです。この理由が近年のM&A成約件数増加の最大の理由と考えられます。

中小企業の経営者の高齢化は進んでおり、中小企業の経営者の3人に1人が60~70代となっています。会社の経営は順調であるにもかかわらず、経営者自身の高齢を理由に廃業する企業が増えると日本経済は成り立たなくなります。政府はそのような会社の経営を継続させるために、事業承継の1つの方法としてM&Aによる会社売却を推進しています。

また、現在、中小企業を中心に人口減少を背景とした人手不足が起こっている状態です。人手不足により会社の経営がやりくりができていない中小企業が増加しています。そのため、今在籍している従業員の雇用を守るためにM&Aによる会社売却を行う経営者もいるというのが現状です。これらを理由に、M&Aの成約件数は増加しています。

【関連】事業承継の件数データまとめ!市場規模は伸びている?

3. M&Aの件数推移

M&Aの件数推移

ここからは日本企業のM&Aの成約件数の推移を紹介します。詳しいデータをご覧になりたい方は、経済産業省が公表しているデータを掲載しているページのリンクを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

経済産業省が公表しているM&Aの現状

M&Aの総件数推移

以下の表は1年間に実施されたM&Aの成約件数を1985年から2017年まで示しています。これらの件数は国内企業同士(IN-IN)、日本企業が海外企業を買収(IN-OUT)、海外企業が日本企業を買収(OUT-IN)の合計を示しています。つまり、日本企業が関係したM&Aの成約件数の合計を示しています。

実施された年 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993
M&Aの実施件数 260 418 382 523 645 754 638 483 397
  1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002
  505 531 621 753 834 1169 1635 1653 1752
  2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
  1728 2211 2725 2775 2696 2399 1957 1707 1687
  2012 2013 2014 2015 2016 2017      
  1848 2048 2285 2428 2652 3050      
※引用:https://www.recof.co.jp/

この表で注目するべき点は以下の2つです。
  1. 1993年から2006年にかけてM&A件数が大幅に増加している点
  2. 2011年から2017年にかけてM&A件数が増加している点
1985年からのデータで、M&A成約件数が増加している期間はこの2つだけです。しかし、これら2つのM&A成約件数が増加している原因は異なっています。それぞれの増加要因について次から解説します。

注目点1.1993年から2006年にかけてのM&A件数の大幅な増加

1つ目の注目点は、1993年から2006年にかけてM&Aの件数は大幅に増加している点です。この時期の増加傾向の背景には、バブル経済の崩壊があります。

バブル崩壊後、日本経済や日本企業の成長率はバブル崩壊前に比べてとても小さくなりました。政府は経済を立て直すために様々な規制緩和を行うなどの対策を取りました。しかし、規制緩和により恩恵を受けるのは特定の分野だけです。

規制緩和に関係していない分野の企業は、規制緩和による恩恵を受けるため、また、会社の成長の起爆剤とするためにM&Aを積極的に行いました。このような企業が増加したため、2006年にかけて大幅に増加しています。

注目点1.2011年から2017年にかけてのM&A件数の増加

注目するべき点2つ目は、2011年から2017年にかけてM&A成約件数が大幅に増加している点です。特に2017年は3050件と過去最高を記録しています。この背景には、中小企業の事業承継があります。

先ほども紹介したように中小企業の経営者の高齢化が進行しており、今現在は会社の経営者の世代交代を考える時期になっています。事業承継の1つの方法としてM&Aを選択している中小企業が増加しているため、全体のM&A成約件数が増加しています。

政府も中小企業の事業承継を推進しており、2018年の税制改正で事業承継税制の要件を緩和しています。そのため、今後さらに事業承継によるM&A成約件数は増加すると思われます。

【関連】事業承継の税金を徹底解説!相続税の節税対策はできる?

M&A件数の内訳

M&A件数の内訳

日本企業がM&Aに関連するパターンには以下の3つあります。

  1. 国内企業同士(IN-IN)のM&A
  2. 国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&A
  3. 海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A
それぞれのM&A件数の推移と具体的な事例を紹介します。

国内企業同士(IN-IN)のM&A件数推移

国内企業同士(IN-IN)のM&Aの件数は、全体の約70%を占めています。国内企業同士(IN-IN)のM&Aの件数推移は、全体のM&A件数と同じように推移しており、1993年から2006年にかけての大幅な増加と2017年にかけての増加がみられています。

国内企業同士(IN-IN)のM&Aの成約件数は、特に医療業界で増加しています。例としては、キャノンによる東芝メディカルシステムズの買収や富士フイルムによる和光純薬工業の買収があります。

国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&A件数推移

国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&Aの件数は、全体の約20%を占めています。国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&A件数推移は、全体のM&A件数の推移とは異なっています。

M&A成約件数についての統計を取り始めた1985年からはほぼ横ばいで推移します。そして、2011年ごろから2017年にかけて少しずつ増加している傾向があります。2011年ごろからの国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&Aの件数増加の要因には、異次元の金融緩和による円安があります。これにより、積極的に海外企業とM&Aを行おうとする日本企業が増え始めました。

例としては、ソフトバンクによるアーム・ホールディングス(イギリスの半導体開発大手)の買収やアサヒによるアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギーのビール事業最大手)などのビール事業の買収、さらには三菱東京UFJ銀行によるアユタヤ銀行(タイ)の買収などがあります。

海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A件数推移

海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A件数は、全体の約10%を占めています。1985年から1990年にかけては、海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&Aはほとんどありませんでした。

しかし、1991年から2000年にかけてはM&A件数は少しずつ増加し、以降、2017年までは横ばいで推移しています。1991年から海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A件数が増加している背景にはバブル崩壊があります。バブル崩壊後の不景気により、優れた技術を持っているにもかかわらず、経営が成り立っていない企業がたくさんありました。そこに目をつけた海外企業が増えたため、海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A件数が増加したと考えられます。

例として、台湾の鴻海(ホンハイ、世界最大の製造受託メーカー)によるシャープの買収があります。

4. M&Aの金額推移

M&Aの金額について

次は日本企業のM&Aの金額推移を紹介します。M&A件数の紹介と同様に、全体のM&Aの金額の推移を紹介した後に、それぞれのM&Aの金額の推移を紹介していきます。

M&Aの総金額推移

以下の表は1年間で行われたM&Aの総金額の推移を表しています。この表も先ほどと同様に、日本企業が関係したM&Aについての総金額を示しています。

実施した年 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991
総金額(億円) 2072 5070 6839 15547 61747 44804 17986
  1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998
  12516 10965 7956 47831 17822 22418 34778
  1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
  180955 116135 82824 49511 58007 121828 117561
  2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
  151264 125043 126172 79827 67726 109089 123494
  2013 2014 2015 2016 2017 2018(~10月)
  86206 89109 163489 166823 127594 ≧250000

この表で注目するべき点が2つあります。1つ目は、1999年以降、M&Aの総金額が6兆円を下回っていないことです。特に1999年に関しては、M&A件数が1000件程度にも関わらず、総金額が18兆円であることから、超大型のM&Aが実施されたことがわかります。

2つ目は、2018年のM&A総金額が過去最高額であることです。2018年10月の段階で25兆円以上となっており、この時点で過去最高額を記録しています。近年のM&Aは中小企業のM&Aが多いため、件数、総金額ともに増加傾向があります。しかし、2018年はそれに加えて超大型のM&Aが実施されたため、過去最高額になったと考えられます。

国内企業同士(IN-IN)のM&A金額推移

国内企業同士(IN-IN)のM&A金額は、1999年に約12兆円と最高金額を記録しています。また、2004年と2005年の国内企業同士(IN-IN)のM&A金額は約9兆円となっており、1999年に次いで2位と3位を記録しています。それ以降は減少傾向となっており、直近では約2~3兆円となっています。

この減少傾向は、国内企業同士(IN-IN)のM&A件数の増加に対して反対の相関がみられています。この原因は、国内のM&Aが主に中小企業が関係するM&Aであるからです。中小企業が関係するM&Aは、1件当たりのM&A金額が小さくなるため、件数と金額の関係が負の相関となります。

しかし、1件当たりのM&A金額が小さいといっても、中小企業からしたら莫大な金額になります。M&Aについて大手のコンサル会社に相談すると手数料は最低でも2000〜2500万円かかるところがほとんどです。しかし、M&A総合研究所は最低手数料300万円からM&Aについての相談を受け付けています。中小企業のM&Aについて相談のある方はぜひM&A総合研究所にご連絡ください。

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国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&A金額推移

国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&A金額は、増加傾向にあります。2017年では、全体の約60%を占めており、その金額は約8兆円となっています。2018年は10月までの段階ですが、過去最高額を記録しており、全体の約70%、金額は約15兆円となっています。

国内企業から海外企業(IN-OUT)へのM&Aの件数はほぼ横ばいであることから、1件当たりのM&A金額が増加していることがわかります。

海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A金額推移

海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A金額は、その年度によって、総金額にばらつきがみられています。海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A件数は、全体の約10%程度しかないことから、1件当たりのM&Aの規模によって、その年のM&A総金額は変化していると考えられます。

なお、直近の2~3年は増加しており、2017年の海外企業から国内企業(OUT-IN)へのM&A金額は、約4兆円でした。
 

5. TOB件数と買付金額の推移

TOBによるM&Aについて

次は、日本企業が行ったM&Aの中でTOBを行った件数とその規模について紹介します。

件数の推移

TOBが行われた件数は、2007年までは増加傾向でした。2007年のTOBが行われた件数は過去最高の約110件を記録しています。しかし、それ以降は減少傾向がみられています。

なお、直近の2017年は約40件となっており、2007年の約3分の1まで減少しています。

買付金額の推移

TOBによる買付金額は、2006年と2007年にピークが来ています。その時の年間の買付金額は2006年で約3兆3000億円、2007年で約3兆2000億円を記録しています。

その後は、減少傾向がみられており、2013年の買付金額は約5000億円と約6分の1まで落ち込みます。しかし、2014年からは緩やかな増加傾向がみられており、2016年は約1兆3000億円まで回復しています。

6. 投資会社から国内企業へのM&A件数推移

TOBによるM&Aについて

最後に投資会社から国内企業へのM&A件数推移を紹介します。日本国内外の投資会社からの日本企業へのM&A件数の推移は、2005年から2007年をピークする増加がありました。そのあとはいったん減少しますが、近年では増加傾向にあります。

2005年から2007年のM&A件数は約350~400件程度であり、当時は過去最高の件数でしたが、2017年は約600件とその当時の記録を上回る最高記録となっています。2018年はさらにこの記録を超える見込みになっています

国内投資会社から国内企業へのM&A件数推移

国内投資会社からのM&A件数について、現在は全体の約80~90%を占めています。直近では、M&A件数の増加傾向がみられており、2017年は500件超のM&Aが行われていました。

海外投資会社から国内企業へのM&A件数推移

海外投資会社からのM&A件数は、2004年から2007年にかけては全体の25~40%を占めていました。そのあとは、M&A件数は減少し、直近では横ばいで推移しています。なお、2017年のM&Aの件数は約80件でした。

7. 2018年もM&A件数は増加の見通し

2018年のM&A件数

2018年もM&A件数は増加すると考えられています。その理由は、中小企業によるM&Aが増加するからです。先ほども紹介した通り、中小企業は様々な問題を抱えており、経営を続けていくことが困難な状況である企業がたくさんあります。事業承継を目的とした中小企業のM&Aは、政府も推進していることから今後特に増加すると考えられます。
 

8. M&Aの件数まとめ

M&Aの件数や総金額の推移について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?この記事をまとめると以下のようになります。

  • 日本企業のM&Aの現状について
  • 日本企業が関係するM&Aの件数と金額の推移について
  • TOBによるM&Aの件数と金額の推移について
  • 投資会社によるM&Aの件数推移について

M&Aを行う企業が増加するにつれて、新たにM&Aのコンサルを行う会社も次々に設立されます。そのため、経営者自身が自社のM&Aの目的に合ったM&Aコンサル会社を選ぶ必要が出てきています。

中小企業のM&Aについては、M&A総合研究所に依頼をすれば間違いはありません。相談のある方は気軽にご連絡ください。最後までご覧頂きありがとうございました。

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