成約インタビューM&A事例

輸入食品・酒類卸売のM&A事例
【大阪府】

EC領域を構築し新たな販路拡大に挑むM&A

  • 譲渡企業

    株式会社丸万

    代表取締役

    北尾 郁哉 様

    業種
    輸入食品・酒類卸売業
    地域
    大阪府
    売上
    5億円以上
    社長の年齢
    48歳
    譲渡理由
    経営不安の解消のため
  • 譲受企業

    株式会社ACROVE

    代表取締役

    荒井 俊亮 様

    業種
    EC販売支援・M&A事業
    地域
    東京都千代田区
    売上
    非公開
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    関西における仕入、販売販路の拡大

この度、株式会社丸万様と、株式会社ACROVE様とのM&Aをお手伝いさせていただきました。
両社代表に、M&Aを決意した背景や今後へのビジョンについてインタビューしております。
 
【譲渡企業】株式会社丸万
本社:大阪府
事業内容:世界各国の加工食品の卸売りをはじめ、ワインなどの輸入洋酒、また、日本酒、焼酎を含む酒類の取扱・販売を行っている。

【譲受企業】株式会社ACROVE
本社:東京都千代田区
事業内容:お客様のECブランド売上最大化を一気通貫で支援する事業と、育成を目的としたM&Aを実現しグループジョイン後のブランド価値最大化を実現するECロールアップ事業を展開。

譲渡企業
株式会社丸万
代表取締役 北尾 郁哉様インタビュー

M&Aを考え始めたきっかけ

Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。

当社は小売店舗の卸業務一筋で展開していますが、コロナ禍をはじめとしたさまざまな困難に直面し、経営が不安定でした。その中で、企業として本業1つだけで成長するのは難しいと考え、新たな事業柱の確立を模索していました。M&Aでは事業のシナジー効果以外にも、企業内の経理部門、業務部門の最適化を図る目的もあり、資本提携の話を相談してみようと思ったのが1つのきっかけです。また、自分の周りから資本提携の話も少し聞いていたので、M&A総合研究所様に相談してみようと思いました。

ー新しいことにチャレンジするためのM&A

実店舗の卸だけではなく、次の事業展開としてECに興味がありました。しかし、自分たちの力だけで新規事業にチャレンジするためには、かなりのマンパワー・ノウハウが必要になります。また、必ずしも期待した成果が出るわけではなく時間もかかります。それであれば、すでにノウハウと知識に長けている企業様に任せ、意見やサポートを得ながら企業として幅のある展開ができるのではないかと考えました。

ACROVE様との出会い

Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件と、ACROVE様への譲渡を決められた理由を教えてください。

当社は今年で77年目になる老舗企業であり、長年続けてきた『丸万』という会社名を残すことを条件とさせて頂いておりました。 その点を譲受企業様にもご理解いただく必要があり、かつ当社の事業内容にも興味を持ち尊重していただけるというのが希望条件としてありました。

ーACROVE様の印象はいかがでしたか?

当社は長年のベテラン従業員が多く、ややマンネリ化している状況です。一方、ACROVE様は会社も従業員も若く勢いがあり対照的であると感じました。さらに、最初にご面談をさせていただいた時の荒井社長を含め、従業員の皆様の表情・雰囲気に衝撃を受けました。勢いのある企業と老舗企業がお互いのノウハウやリソースを活用することで、相乗効果が得られるのではないかというのが大きな決め手となりました。当社がもう一歩前進するにはスパイスが必要だと思っていたので、刺激的なファーストインプレッションでした。

弊社との出会い

Q3.ご検討を始められてから様々な情報を収集されたことと思います。その中で弊社にご依頼いただいた理由を教えてください。

当初はM&Aに関心がなかったのですのが、可能性として聞いてみる価値はあるかもしれないと思っていたタイミングで、担当アドバイザーの田巻様からご連絡をいただきました。タイミングが合い、ご縁があったのだと思っています。

Q4.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。

担当アドバイザーの田巻様には、本当にお世話になりました。今回、自社の都合もあってクロージングの日程の希望を汲みつつ、それに向けて成約まで全力でサポートいただきました。ACROVE様とのやり取りの中で、 クロージングまで順調ではなく、様々な波がありました。また普段、私自身も本業の仕事があります。並行して最終的な決断など誰にも相談ができず、1人で奮闘してる部分がありましたが、その中で田巻さんは時間を融通してくださり、色々と助けてくださいました。私だけでなく私の妻も感謝しています。

Q5.M&Aの前後で、M&Aへのイメージは変わりましたか。

当初はやはり、オーナーが変わるのはマイナスのイメージが強くありました。ただディールを進めていくにつれてもそうですし、クロージング後も当社の課題感に対し、寄り添って同じ目線でアドバイスをいただけていると感じます。法律上の上下関係はありますが、パートナー関係を築いて丸万という会社を良くしていくためにはどうしたらいいのかを真剣に考えてくださっているというのが印象です。

ーM&Aを行ってみていかがでしたか。

これまで感覚的に業務を行ってきた部分もあり、M&Aを通してこれからきっちりと仕事に向き合っていかなければならないと感じています。自分だけが把握してるだけでなく、周りにも共有するなど見える化できる仕組みを整えたいと思っています。

今後への思い

Q6.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

M&Aを検討するきっかけとなった、事業の展開の幅を広げるところに注力したいと思っています。当社は食品を専門に扱う卸会社です。一方、ACROVE様は、食品以外の全くカテゴリーが違う分野の専門性をお持ちなので、お互いの商材や可能性などの情報交換をしながら商品の扱いアイテムを活かした販路拡大を目指してきたいと考えています。ACROVE様はECに関するノウハウを多く保有し、またDX化を得意としているため、自社のEC部門の拡大もしていけると期待しています。

譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。

様々な企業様と面談をする機会を経て、改めて自社の評価や問題点について認識できました。M&Aの話を進める上で、表面的な評価ではなく、突き詰めていった先の本質的な話が聞けるチャンスです。資本提携をするしないは置いておいても、検討してみることは会社にとっても大きなメリットがあるのではないでしょうか。また、M&A総合研究所様に相談するにあたって、完全成功報酬制だったことも気軽に相談しやすかった理由の一つです。譲渡を検討されている経営者様は、まずは相談されてみてはいかがでしょうか。

譲受企業
株式会社ACROVE
代表取締役 荒井 俊亮様インタビュー

M&Aでさらなる事業拡大を

Q1.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。

弊社のM&A戦略は、「社会の果樹園を創造する。」というミッションを元に、次代に一つでも多くの素敵な事業やブランドを紡いでいくことを目的としております。先に開始したEC販売支援事業を展開しているうちに、運用担当者や後継者の不在によって事業継続に困難を抱えられている事業者様が多いことに気づいたのが、M&A事業を展開したきっかけです。弊社のM&A戦略は、グループジョイン後の事業やブランドの価値最大化に向けた育成を目的としております。EC販売支援事業を展開していることもあり、グループジョイン後のバリューアップや運用知見の豊富さは弊社が2事業を展開しているからこその強みです。

ー方針をお聞かせください。

当社の方針としては3つあります。1つ目は、ECを軸として伸ばせるかどうかです。 グループジョイン後に、弊社の強みのEC領域におけるシナジーが発揮できるかが1つの基準になります。2つ目は、フィナンシャルな視点で、どれくらいの期間で投資額を回収できるかというのも指標としてあります。最後の3つ目が、「魂の責任者」がいるかという点です。その商品や商材が好きな人のことを指しています。グループが膨張するだけでは意味がありません。グループジョイン後に「魂の責任者」となる適切な人材をアサインできるかを重要視して、最後に意思決定を行っています。

丸万様との出会い

Q2.丸万様を譲り受けられた理由を教えてください。

決めた理由は主に3つあり、1つ目が商品です。卸会社、仕入れ会社、輸入会社がひしめき合う中で、珍しい商品を数多く取り揃えていらっしゃいます。2つ目が販路です。 弊社はECに強みがありますが、丸万様は関西の地元に根づいた仕入、販売の販路に強みを持っています。ECとオフライン販路の両社の強みを掛け合わせることで、グループ全体の販路拡大を期待できました。3つ目は、北尾社長も含めた会社全体の熱意です。創業約77年続いている老舗企業ですので、その熱意と丸万という会社の信頼感というのは大きな決め手となりました。

ー今回の丸万様についてもECでのシナジーの効果があると判断されたのでしょうか。

双方の販路におけるシナジーを感じました。丸万様が有する販路を活用することで、ACROVEが有するブランドのオフライン販売を期待することができます。また、一方で丸万様の魅力的な商品のEC販売展開も高い効果を見込むことができました。というのも、当社のEC販売支援を行う「ECプラットフォーム事業」の5〜6割ぐらいの事業者様が、食品やお菓子を展開するメーカーです。ACROVEは食品カテゴリーにおいて豊富な実績とノウハウを有しております。「ECを軸として伸ばせるか」という点において、丸万様の展開される商品は、弊社の強みと合致いたしました。

今後への思い

Q3.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

短期の戦略ではDX化による効率的なPL管理の実施と、EC展開による売上向上です。効率的な業務を推進することで、丸万様の本来の強みである催事の企画や商品選定、卸先との関係構築に、より時間を割けるように仕組みを変えていく予定です。管理のシステムを導入したりなど、DX化を早急に進めております。EC展開においては、今後展開するモールを増やすこと、ECと親和性の高い商品企画などをしていく予定です。さらに長期的なことでいえば、旧酒販免許を有していることもあり、お酒の輸出業の展開も予定しています。オンライン・オフラインともに拡大を目指しますので、今後に期待をしていただければと思っています。

M&A戦略について

Q4.今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。

今後も、事業承継やM&Aを積極的に推進し、「社会の果樹園を創造する。」というミッション実現のため、事業を邁進してまいります。この度丸万様がグループジョインされたことで、卸販売の可能性が広がりました。ECだけではなく、卸販路も活用できることで、バリューアップの方法が増えました。今後も、ACROVE既存ビジネスとシナジーのある企業とご縁があればと思っております。

ー余談ですが、意向表明書の承諾率が極めて高い!荒井社長の声が譲渡企業代表になぜ響くのでしょうか。

そう言っていただけて、とても嬉しいです。おそらく、グループジョイン後のビジョンをきちんとお話ししているからだと思います。経営者様にとって、今後の事業の行方を左右するM&Aは大きな選択を迫られることです。なので、経営者様が一番気になる点を、面談の際に具体的にご案内をするようにしています。

ーご自身でブランドを立ち上げた実績があるのも状況が理解できる理由でしょうか。

はい、そうだと思います。自分で開発から手掛けたanomaプロテインは、自身がPLを引いて販売戦略をたてて、実際に運用をしていました。ですので、どんな業界であっても、物販であればどう立ち上げてどこが課題になっているかは、経験から予想が立てられます。自分がオーナーだったこともあり、経営者様の抱えている気持ちや課題がひしひしと伝わった際には、私もその場で解決策を提示するようにしております。

弊社との出会い

Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。

今回、丸万様のクロージングに関してはデューデリジェンスの期間が限られており、その中でも柔軟なアドバイスや対応をしてくだり無事にクロージングができました。担当アドバイザーの田巻様がいたからこそ、予定通り進められたと思いますので、本当に感謝しています。着手金が無いだけではなく、スピーディーかつ、非常に相談しやすい環境だったと思います。

M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

ー譲受をご検討されている経営者様に向けてメッセージをお願いいたします。

ケースバイケースにはなりますが、特に資本提携が未経験の経営者様ですと、譲渡後の組織の連携や従業員への対応などの不安があるかと思います。それに対する対応策というのは2つあると思っています。1つ目は、M&Aは起死回生を図る飛び道具ではないという認識を持つことです。買い手側は小さいリソースで、できるところから始めるのがベストではないでしょうか。2つ目は、M&Aをしたことがある経営者やM&A仲介会社など、知見や経験のある方に相談するのがいいと思います。

ー譲渡を考えている企業の経営者様にもアドバイスをお願いします。

後継者不足に関しては、前提として中小企業の経営者の皆さんが同じ課題を抱えています。それは、全く恥ずかしいことでもなければ、珍しいことでもないということです。なので、まずはM&A総合研究所様のような仲介会社のかたに相談してみて、M&Aをするかしないかを決定すればいいのではないでしょうか。悩みを抱えたままにせず、まずは相談することをおすすめします。

成長戦略に悩まれている経営者様もいるかもしれません。その場合も、まずはM&A仲介会社など専門家へ相談をすることによって開けていく道、新しい道が見えてくるのではないでしょうか。中小企業は、独自の価値、高い技術力を保有している企業が多くありますが、一方でマーケティングやファイナンスなど経営管理は大手に比べて人材が不足しているケースが多くみられます。そういう意味では、M&Aを行ってシナジーを効かせることで課題解決につながるのではないでしょうか。 しっかりとした買い手を選んだら、いい形で事業拡大をしていくケースが多いのではないかと思います。

ACROVE荒井社長インタビュー 

担当者からのコメント

譲渡企業様は当初、後継者不在の解決策を模索し資本提携を検討しておりました。その中でコロナが発生し経営が不安定になる中、後継者不在という目的よりも成長戦略を最大の目的として最終的にはM&Aに踏み切られました。時間にも制限がある中で当初は多くのご不安があったと思いますが、このようなお相手にも恵まれ、最終的には対象会社の名前を残すだけでなく、それ以外の条件にも寄り添って頂いた企業様への譲渡が確定し、私もほっとしております。資本提携は後継者不在のみを解決できるものでは御座いません。事業運営に何か新しい血を入れたいと考えている企業様がいらっしゃれば、まずは選択肢の1つとして是非ご相談下さい。
(企業情報第一本部第一部 副部長 田巻 雄太)

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※ 本ページには、成約時期に関わらず、過去に弊社がお手伝いさせていただいたお会社様の一部を掲載しております。

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