成約インタビューM&A事例

美容院のM&A事例【福岡県】

美容室経営者の想いと
未来への決断

  • 譲渡企業

    株式会社Arose

    代表取締役社長

    山下 達也 様

    業種
    美容院
    地域
    福岡県
    売上
    4億円
    社長の年齢
    44歳
    譲渡理由
    更なる成長
  • 譲受企業

    株式会社AB&Company

    業種
    美容院
    地域
    東京都
    売上
    140億
    上場有無
    上場
    譲受目的
    事業拡大

福岡南部と熊本北部で美容室8店舗を展開する株式会社Aroseが、全国に美容室をチェーン展開する株式会社AB&Companyに事業を譲渡した。地元・荒尾市で21歳という若さで起業し、独自の経営哲学で事業を拡大してきたAroseの山下達也代表。そして、M&Aを通じて両社の強みを掛け合わせ、さらなる業界の発展を目指す両社の想いに迫る。

【譲渡企業】株式会社Arose
本社:福岡県
事業内容:福岡南部および熊本北部にて美容室8店舗を展開している。

【譲受企業】株式会社AB&Company
本社:東京都
自称内容:グループで美容室をチェーン展開している。

譲渡企業
株式会社Arose
代表取締役社長 山下 達也 様 インタビュー

21歳で起業、地元にイノベーションを

ーまず、御社の創業の経緯について教えてください。

16歳で美容業界に入り、地元である熊本県荒尾市で修行を積みました。その後、技術を極めるために熊本市内の繁華街で店長を経験しましたが、地元に戻り、流行るお店を作りたいという想いが強くなりました。当時、地元にはデザインに特化した美容室が少なかったので、そこにイノベーションを起こしたいと考え、21歳で株式会社Aroseを立ち上げました。

特化型ブランドで若手美容師を育成

ー御社の事業内容と強みについて教えてください。

創業当時はオールマイティに施術できる美容師が主流でしたが、約10年かけて特化した美容師でも活躍できる時代になりました。そこで当社は、ブリーチやエクステの専門店、美髪・髪質改善の専門店、メンズ専門店の3つの特化型ブランドを展開。若手美容師の求人を積極的に獲得し、それぞれの専門性を高めることで顧客満足度を追求してきました。また、出店場所の選定にも力を入れ、固定費の削減によって従業員の待遇改善につながるように工夫しています。これが当社の強みです。

従業員と共に成長する店舗展開

ーどのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

もともとトッププレイヤーとして月間700万円の売上を上げていましたが、自分ひとりの力には限界を感じていました。そこで、自分が持つ技術や知識を多くのスタッフに伝えることで、より多くの人を幸せにできると考え、雇用を拡大しました。また、従業員の地元に出店することでモチベーションを高め、スタッフの声を聞きながら、求められるブランドを出店していったことが事業拡大の鍵です。

成長には欠かせない「外部の目」

ー譲渡をお考えになった背景を教えてください。

個人的に、日本には小さな会社が多く、倒産して不良債権が増えれば日本のためにならない、と思っています。潰れない会社を作るためには、一つの会社を大きくしていくことが重要だと考えていました。また、銀行からの融資時に事業計画書に対する添削が減り、失敗が増える兆候を感じていました。そこで、大手企業の傘下に入ることで、本部からの客観的なチェックを受けることができ、より強固な会社運営ができると考えました。

成長戦略と救済というビジョン

ー検討を進められる上で、希望や大事にされた条件を教えてください。

私たちが持つ知識と、譲受企業が持つ膨大な情報や成功事例を融合させることで、さらなる成長を遂げられるかが重要でした。また、個人経営の美容室は経理や集客など多くの業務に疲弊している現状を目の当たりにしてきたので、譲受企業のバックオフィス機能を活用することも希望条件に挙げていました。

上場企業の持つ「成功事例」という強み

―最終的にAB&Company様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。

最終的な決め手は、AB&Company様の持つ豊富な経験値、資本力、そしてきっちりしながらも寄り添ってくれる姿勢です。従業員が喜んでくれそうな相手かどうかも判断基準にしていました。また、AB&Companyの中にある様々なサロンブランドをお客様が行き来することで、成功事例も失敗事例も集約して、大きくしていける。そうやって業界全体をまとめていきたいという思いが、私自身の考えとすごく似ているなと感じました。

M&Aで九州一の美容室へ

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

上場企業の子会社となったことで、今後は美容室経営に苦しむ個人事業主を救済したいと考えています。AB&Company様の強固なバックオフィスと、私たちが培ってきたビジネスモデルを掛け合わせることで、説得力を持って譲渡を提案できます。今後の目標は5年以内に九州で70店舗、そして九州一の美容室グループになることです。また、AB&Company様の本部からの明確な目標設定が、自己設定する目標よりもモチベーションにつながると感じており、今後の成長が楽しみです。今後は私たちが苦しんでいる美容室経営者を救済し、共に発展していけるような仕組みを作っていきたいと思います。

会社の未来は従業員と社会のために

ーM&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。

会社は自分のものではありません。自分のプライドやエゴだけで手放さないという選択は、経営者として間違っていると思います。従業員をより多く雇用し、彼らを幸せにすることが、ひいては国や社会の発展につながります。自分のことだけでなく、従業員の幸せや今後の日本の発展を俯瞰的に見て、M&Aを一つの選択肢として真剣に検討してほしいと思います。

最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由を教えてください。

 M&A総合研究所にお願いした一番の理由は、担当の長田さんの人柄です。親身になって話を聞いてくれ、会社の発展のために真剣に考えてくださっていると感じました。特に印象に残っているのは、当社の本部までわざわざ来てくださり、本部スタッフと一緒に丸一日かけて資料を見てくれたことです。スタッフに負担がかからないようにと、一緒に探してくれたのはすごく印象深かったですね。それに、裏表がない人だなと感じました。また、完全成功報酬制だったため、気軽に相談できたのも大きな決め手でした。

21歳で起業し、地域に根差した美容室を築き上げた山下社長。彼の「従業員や日本の未来を幸せにする」という強い想いは、M&Aを通じてAB&Companyとの出会いを引き寄せた。この決断は、単なる事業の譲渡ではなく、両社の強みを掛け合わせ、美容業界全体に新たなイノベーションを起こすための第一歩と言える。山下社長は今後も代表として経営を継続し、AB&Companyの資本力と知見を活用しながら、九州エリアでのさらなる事業拡大を目指す。両社のシナジー効果が、美容業界に新たな価値をもたらす未来に期待が寄せられる。

担当者からのコメント

Arose社は地域でもトップクラスの知名度を誇る特化型の美容サロンです。初めてお会いした時から、山下代表の事業にかける熱意とカリスマ性に強く圧倒されたことを鮮明に記憶しております。当初は単独でのさらなる成長も可能と確信しておりましたが、お話を伺う中で山下代表が描く壮大なビジョンを実現するためには、M&Aが最良の選択肢になると感じました。 本件は、Arose社がさらなる高みを目指すための「成長戦略型M&A」となりました。山下社長の卓越した経営手腕と地域でのネットワークが、AB&Company社のプラットフォームと融合することで、1+1が2以上になる飛躍的なシナジーが生まれることを期待しております。 常に「従業員ファースト」で考える山下社長の想いと、同じ価値観を持つ美容業界最大手のAB&Company社との懸け橋となれたことを、私自身も大変嬉しく思います。
(企業情報第六本部第一部 次長 長田 匡文)
長田 匡文

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