アプリ業界のM&A最新動向|売却相場・成功事例・評価ポイントをプロが解説【2026年最新】

代表取締役社長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

iOS・Android向けアプリのM&Aが活発化しています。生成AIの台頭や市場構造の変化に伴い、アプリ業界のM&A手法や評価基準も進化しました。本記事では、アプリ開発会社の売却相場や2026年に向けた最新動向、成功のポイントを詳しく解説します。

【この記事の要点】

  • 国内モバイルアプリ市場の約9割はゲームアプリ。ただし翻訳・学習・ヘルスケアなど生活密着型アプリの成長も著しい
  • アプリM&Aの3つの手法:事業譲渡(アプリ単体の売却)、株式譲渡(開発会社ごと売却)、資本業務提携
  • 売却相場は「時価純資産+営業利益の2〜5年分」が目安。DAU/MAUやLTV、エンジニアのスキルセットも評価に影響
  • 2025〜2026年の最大トレンドは「AI技術を持つアプリ開発会社のアクハイアリング」
  • スタートアップのM&AによるExitが増加。IPOよりもM&Aを選ぶケースが主流に

目次

  1. アプリ業界の市場動向
  2. アプリ業界のM&Aにおける主な手法と買収パターン
  3. アプリ業界のM&Aにおける最新トレンドと成功の鍵
  4. アプリ業界のM&Aにおける売却相場と評価ポイント
  5. アプリ業界のM&A・事業承継の案件例
  6. アプリ業界のM&A・事業承継の事例
  7. アプリ業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先
  8. アプリ業界のM&A・事業承継における相談先の選び方
  9. アプリ業界のM&Aに関するよくある質問
  10. アプリ業界のM&A・事業承継まとめ
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1. アプリ業界の市場動向

2025年から2026年にかけて、国内のアプリ・ソフトウェア市場は生成AIの社会実装により劇的な転換期を迎えます。AIプラットフォーム市場は引き続き高成長を維持し、2026年にはAIを標準搭載したアプリケーションが市場のスタンダードとなる見込みです。

特にCRMやERPなどのエンタープライズ向けアプリ市場では、AIによる自動化機能が差別化の鍵となり、前年比10%以上の成長が継続すると予測されています。また、サイバー攻撃の高度化に伴い、AIを活用したセキュリティソリューションへの投資も加速しており、システムインフラ市場全体の底上げに寄与しています。

参考:
IDC Japan「国内ソフトウェア市場予測、2025年~2029年」等の動向より推計
 

国内市場の多くはゲームアプリの売上が占める

モバイルアプリ業界では、国内市場の約9割を占めているのが消費者向けゲームアプリです。

また、国内ゲーム市場でも、スマートフォン向けゲームアプリが主要なけん引役を担っています。スマートフォンの普及に伴い、2020年まで成長を続けてきましたが、2021年以降は家庭用ゲーム機やPC向けゲームのヒットに押されつつも高水準を維持しています。

アプリ開発メーカーの収益源は、広告やゲーム内課金、有料版への切り替えなどです。2023年の「CESAゲーム白書」によれば、ゲームの課金方式では「基本プレイ無料でゲーム内課金制」が71.7%と主流です。

一方、「有料ゲーム」や「月額課金制ゲーム」を利用するユーザーは5.6%にとどまります。さらに、ゲームアプリに課金しているユーザーは33%で、彼らが市場を支えている状況です。

参考:経済産業省「ゲーム産業は依然高水準!」

新規参入の狙い目はニッチなカテゴリー

ゲームアプリが継続して売上をあげているのは、アプリ制作者たちの努力のたまものです。そのような中、新規参入の狙い目は次のカテゴリーでしょう。

英国の調査会社Informaによると、今後はゲームだけではなく、翻訳や学習、ビジネス、ヘルスケアなどの生活密着型アプリの成長が見込まれるとしています。ニッチなカテゴリーであれば、個人や中小企業が制作したアプリでも勝負できるでしょう。

とがった内容や斬新な視点で差別化を図り、特定のユーザーの流入を獲得できるアプリ開発を目指してみるのも一つのやり方といえます。売上を上げていけば、企業によるM&Aの対象になる可能性は十分に考えられます。

【関連】SaaS業界のM&A・事業承継の動向|会社売却のメリットや成功のポイント・事例を徹底解説【2025年最新】

2. アプリ業界のM&Aにおける主な手法と買収パターン

アプリ業界に関連するM&Aの手法は、目的によって主に3つの形態に分類されます。

1つ目は「事業譲渡」によるアプリ単体、あるいは特定のアプリ事業のみの売却です。特定の知財やユーザーベースのみを取得したい場合に有効ですが、OSのアップデート対応など継続的な保守体制の確保が課題となるケースもあります。

2つ目は「株式譲渡」による開発会社全体の買収です。優れたエンジニアチームや開発環境をそのまま獲得できるため、自社でゼロから開発体制を構築する時間を大幅に短縮できます。

3つ目は「資本業務提携」を伴うM&Aです。開発力を持つベンチャー企業と、強力な集客チャネルを持つ大企業が手を組むことで、アプリの成長スピードを最大化させる手法です。特にリソースが限られる中小規模のアプリ開発会社にとって、即戦力となる支援を受けられるメリットがあります。

3. アプリ業界のM&Aにおける最新トレンドと成功の鍵

近年のアプリ業界におけるM&Aには、以下の4つの顕著な傾向が見られます。

- AI技術を持つ開発会社への買収意欲が極めて高い
- 非IT企業による内製化を目的としたアプリ開発会社の買収が増加
- SaaS型ビジネスモデルを持つアプリの売却評価額が高騰
- ユーザー数だけでなく、LTV(顧客生涯価値)が重視される傾向

①世界的企業も積極的にM&Aを行う

アプリ開発・運営を行う世界的大企業も、M&Aによる売却・買収を積極的に行っています。特に米国のアプリ開発企業がM&Aを行うケースでは、数・金額ともに日本よりも売却・買収規模の大きい点が特徴です。

②現在、アプリのM&Aは増加傾向

現在、アプリのM&Aによる売却・買収は、アプリ開発・運営会社のM&Aもアプリ単体のM&Aもともに増加傾向にあります。M&A相手が決まってから成約するまで短期間で成立しているケースが多いのも特徴です。その中には、数日で売買が完了したケースもあります。

③スタートアップによるアプリ業界のM&Aと出口戦略の多様化

独自のアプリを開発するスタートアップ企業にとって、M&Aは有力な出口戦略(イグジット)となっています。かつては株式公開(IPO)が唯一の成功とされていましたが、昨今はIPO準備のコスト増もあり、機動力のあるM&Aによる売却が好まれています。

大手企業にアプリを譲渡することで、より大規模な広告予算やインフラを活用でき、サービスのさらなる飛躍が期待できます。また、売却で得た資金を元手に、シリアルアントレプレナー(連続起業家)として次世代のアプリ開発に挑戦する経営者も増えており、業界の活性化につながっています。

④素人制作のアプリ売却は難しい

大手M&A仲介会社が扱うような大型案件では、個人開発のアプリが対象になることは稀です。しかし、近年はラッコM&AやバトンズといったM&Aマッチングプラットフォームで、個人開発者が数十万〜数百万円規模でアプリを売買するケースが増えています。

特に、一定のユーザー基盤を持つニッチなアプリや、安定した広告収入があるアプリは、小規模M&Aの対象として十分に成立します。

大企業による大型買収だけがアプリM&Aではない点を押さえておきましょう。

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4. アプリ業界のM&Aにおける売却相場と評価ポイント

アプリを売却する際、その価値がどのように評価されるかを把握しておくことは非常に重要です。アプリの売却相場は、アカウント数・アクティブユーザー数・OSへの対応状況など、複数の要素によって決まります。

アプリ単体の場合は、アカウント数やアクティブユーザー数などの指標、類似するアプリの取引相場などから価格を算出します。一方、アプリ開発・運営会社をM&A・事業承継する場合は、現在の企業価値に加えて、アプリの将来的な収益力やブランド力なども評価の対象となります。

ただし、最終的な取引額は売り手と買い手の交渉によって決まる部分が大きく、相場と大きくかけ離れた価格で成立するケースもあります。アプリのトレンド変化は速く、特にゲームアプリの場合は短命で終わるケースも少なくないため、適正な相場を算定するにはM&A相場や業界に精通した専門家へ相談することも有効です。

アプリのM&Aにおける主な評価基準や、高値で売却するためのポイントについて解説します。

アプリの売却においては、アプリの種類(ゲーム・SaaS・ECなど)によって重視される評価指標が異なります。
 

アプリの種類 主な評価指標 相場の目安
ゲームアプリ DAU/MAU、課金ARPU、継続率 月間売上の12〜36ヶ月分
SaaSアプリ MRR/ARR、解約率、LTV/CAC比率 ARRの3〜10倍
EC・マッチングアプリ GMV、会員数、リテンション率 営業利益の3〜5年分
ツール・ユーティリティアプリ DAU、広告収益、アプリストア評価 年間収益の1〜3倍
開発会社(エンジニア込み) エンジニア数・スキル、技術スタック、受託実績 時価純資産+営業利益2〜5年分

①営業利益に基づく収益還元法



最も一般的な算定方法は、アプリが将来生み出すと期待されるキャッシュフローをベースにする手法です。

アプリ事業や会社を譲渡する場合、M&Aの手法である株式譲渡と事業譲渡のどちらを選択するかによって相場は変化します。

株式譲渡でアプリの運営会社を売却するケースでは、時価純資産に営業利益と役員報酬の2〜5年分を含めた金額が相場の目安となります。事業譲渡でアプリ事業を譲渡する場合は、譲渡する資産に2〜5年分の事業利益をプラスした金額が目安です。

また、継続的な課金収入があるストック型のアプリは、単発収益型のアプリよりも高く評価される傾向にあります。

アプリ単体を譲渡する場合は、ジャンルや利用ユーザー数などが似ているアプリの売却金額が相場の参考になります。例えば、過去にユーザー数が同程度のゲームアプリが500万円で譲渡されていれば、500万円程度が一つの目安となるでしょう。

ただし、M&Aの最終的な売却金額は売り手と買い手の交渉によって決定します。市場のニーズや譲渡する経営資源の希少性が高ければ、相場よりも高額な金額で成約する可能性もあります。

②ユーザー数やアクティブ率(DAU・MAU)の重要性

現時点での利益が少なくても、圧倒的なユーザー数や高いアクティブ率を誇るアプリは高値で取引されることがあります。特に、単なるダウンロード数だけでなく、「どれだけ頻繁に使われているか」を示すDAU(日間アクティブユーザー数)やMAU(月間アクティブユーザー数)、継続率などは、買収側の意思決定を左右する重要な指標です。

赤字や十分にマネタイズできていないアプリでも、ユーザー数が多ければ高く売却できるケースがあります。特にゲームアプリの売却では、ユーザー数が一つの重要な指標となります。

ただし、単にユーザー数が多いだけでなく、実際に利用しているアクティブユーザーがどれだけいるかが重要です。そのため、アプリを売却する際には、各種業績指標を整理しておくことも大切です。

③アカウント数



アプリをアピールする際、ダウンロード数やアカウント数などがアピールポイントとしてよく用いられます。アプリのダウンロード数は、そのアプリの認知度を示す指標です。

一方、アカウント数は、実際に会員登録して本格的に利用しようとしているユーザー数を示します。アカウント数によって、そのアプリに興味を持っているユーザー数を把握できます。

アカウント数やアクティブユーザー数などの指標からアプリの業績を分析する方法が「KPI」です。アプリのジャンルによって、KPIにアカウント数を設定するのか、月間アクティブユーザー数を設定するのかなど、重視する指標は変わります。

例えば、会員登録までのハードルが高いジャンルのアプリの場合、アカウント数は重要な要素です。なかでも有料アカウント数は、収益化の面でも重要になります。

このように、アプリの魅力を評価するにあたっては、アカウント数も売却価格を左右する重要なポイントといえるでしょう。

➃iOSとAndroidの両方への対応

アプリの売却価格を高めるためには、iOSとAndroidの両方に対応していることもポイントです。

iOSとAndroidでは開発環境などが異なり、配信開始時のアプリの申請先も異なります。個人や小規模の会社の場合、どちらか一方の開発ができなかったり、一方の申請が通らなかったりするケースも少なくありません。

また、iOSとAndroidではユーザー層も異なるため、両方のOSに対応しているアプリは、より幅広いユーザーへアプローチできます。そのため、両OSへの対応状況もアプリの評価に影響する要素の一つです。

⑤開発体制やエンジニアのスキルセット

アプリそのものだけでなく、それを支える開発体制も評価の対象です。

特にAIの実装経験が豊富なエンジニアチームや、モダンな開発言語を使いこなす技術者集団が在籍している場合、人材獲得を目的としたアクハイアリング(Acq-hiring)としての側面が強まり、譲渡価格にプラスの影響を与えることがあります。

アプリの運営やアップデートを継続できる人材やノウハウが揃っていれば、買い手にとってM&A後の事業運営をスムーズに進めやすくなるため、アプリだけを譲渡するケースとは異なる価値が評価される可能性があります。

⑥多くの相手先候補と交渉する

最終的な売却金額は、売り手の企業価値やデューデリジェンスの結果だけでなく、買い手の資産状況やM&Aを実施する意欲などにも左右されます。買い手は、M&Aによって期待できるシナジー効果も売却金額に加味します。

そのため、同じアプリや事業であっても、交渉する買い手によって評価額が変動するケースがあります。

多くの相手先候補と交渉し、自社のアプリ事業をより高く評価してくれる買い手を見つけることも、高値でM&A・事業承継を行うための有効な方法といえるでしょう。

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5. アプリ業界のM&A・事業承継の案件例

弊社M&A総合研究所が取り扱っているアプリ業界のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。

データ・アプリケーションによるメロンの子会社化(2025年2月)

2025年2月、EDI(電子データ交換)を中心としたデータ連携ソフトウェアを提供するデータ・アプリケーションは、AI開発・データ分析を手掛けるメロン(東京都文京区)の子会社化を決定しました。

第三者割当増資の引受や既存株主からの株式取得に加え、株式交付による子会社化を実施します。

メロンは大規模言語モデル(LLM)を活用したAI開発と時系列解析技術に強みを持っており、データ・アプリケーションの製品にAI技術を統合してデータ連携の異常検知機能を強化することが目的です。生成AI技術を持つ企業のアクハイアリング(人材獲得目的の買収)の典型事例として注目されています。

【ベトナム】 高収益率・ゲーム、モバイルアプリ、ウェブアプリ開発業

20名以上のゲーム開発者、11名以上のウェブ&アプリ開発者、4名のアーティスト&デザイナーからなる開発チームです。

内部リソース(経験豊富な開発者、開発ライセンス)を活用し、ゲーム、モバイルアプリ、ウェブアプリを開発しています。グローバル市場にリリースし収益を獲得しています。
 

エリア 海外
売上高 1000万円〜5000万円
譲渡希望額 5億円〜7.5億円
譲渡理由 事業拡大

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【高評価/安定したストック型ビジネス】車両管理アプリ

日系車から欧米車まで、幅広い車両メーカーとの互換性があり、外付ハードウェアも不要です。サブスクリプション型(アプリ内課金)の収益モデルで、直近のMRRは約USD100,000です。
 

エリア 海外
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 応相談
譲渡理由 戦略の見直し

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6. アプリ業界のM&A・事業承継の事例

近年実施されたアプリ業界のM&A・事業承継の事例をご紹介します。

アクセルマークによるスパイラルセンスの買収

2024年12月17日、アクセルマークは、スパイラルセンスの全株式を取得し、子会社化することを目的とした基本合意書を締結したと発表しました。

アクセルマークは広告、IoTヘルスケア、ブロックチェーン関連事業を展開しており、スパイラルセンスはゲームやアプリ、XR開発、Web制作などを手がける企業です。

今回のM&Aにより、アクセルマークのトレカ事業において、スパイラルセンスのエンタメ開発力を活かしたEC分野での連携強化を図ります。併せて、アクセルマークの開発・運用体制の強化や、スパイラルセンスが保有する人材派遣・職業紹介の許認可を活用したエンジニア人材サービスの展開も視野に入れ、事業基盤の拡充を目指します。

子会社等の異動を伴う株式譲渡契約に関する基本合意書締結のお知らせ

エア・ウォーターによるPTXの買収

2024年6月、エア・ウォーターはPTXの株式を取得し、子会社化しました。

エア・ウォーターは、産業ガス、医療、 エネルギー、食品関連などの開発、製造、販売を展開しています。対象会社のPTXは、ポイ活アプリ「Powl」デジタルマーケティングを活用したメディア事業を展開しています。

今回のM&Aにより、一般消費者や若年層のターゲットを絞ったプロモーションで、企業認知度強化とブランドイメージ向上を目指します。

fonfunによるゼロワンのノーコード業務アプリ開発SaaS事業の譲受

fonfunは、2024年3月28日、ゼロワン(東京都渋谷区)が提供するノーコード業務アプリ開発SaaS事業を譲受することを決定しました。

fonfunはDXソリューション事業やクラウドソリューション事業を展開しており、ゼロワンのノーコードSaaSはCRM領域での実績を持ち、LINE配信機能を通じてfonfunのSMSサービスとのシナジーが期待されています。

この譲受により、カーディーラー、ホテル、マンション管理などの業種でクロスセルやアップセルを推進し、サービス基盤の拡充と事業拡大を目指します。

ノーコード業務アプリ開発SaaS事業の譲受に関するお知らせ

テクノモバイルによるCOMBOの買収

COMBOは2021年3月、テクノモバイルの全ての株式を取得し、子会社化しました。COMBOは、宮城県に拠点を置くVR/AR開発などシステムの受託開発、製品開発を強みとしている会社です。

テクノモバイルは、東京都に拠点を置き、モバイルアプリやwebシステムの開発を行っています。今回のM&Aにより、COMBOの優秀なエンジニアの獲得、地方への事業拡大など、両社のシナジー効果の実現を目指します。

オルトプラスによるアクセルマークの買収

オルトプラスは2020年9月、アクセルマークのアプリ事業やゲーム事業を買収しました。オルトプラスは、ソーシャルゲームの企画および開発、運営、ITサービスの開発・運営をしている会社です。

アクセルマークは、スマートフォン向けゲームアプリ事業や、ブロックチェーンゲームの開発および運営事業などを行っています。オルトプラスは、両社の各ステークホルダーにとって最適であると判断しました。

事業譲渡、会社分割、株式譲渡といった複数の手法により、アクセルマークのゲーム事業、アプリ事業を買収したのです。今回のM&Aにより、合弁会社の方法により、ブロックチェーンゲーム開発、パブリッシングなどを共同で行うとしています。

識学によるMAGES.Labの子会社化

2020年7月、識学は、子会社であるシキラボとMAGES.Labとの間で株式交換を実行させ、MAGES.Labを子会社化する発表をしました。シキラボは、システム開発および運用事業を行っている会社です。

MAGES.Labはモバイルアプリ・ゲームの開発会社です。識学としては、MAGES.Labの子会社化により、SaaS関連の受託開発業向けの人材を確保することを目的としています。

メルペイによるOrigamiの買収

メルペイは2020年2月、Origamiの全ての株式を取得し、子会社化しました。Origamiは、2016年よりスマホ決済サービスの「Origami Pay」の運営を行っている会社です。

メルペイは、メルカリの子会社です。2019年よりスマホ決済サービスである「メルペイ」の提供を行っています。

今回のM&Aにより、Origamiのメルカリグループへの参画で、激化するスマホ決済市場において両社の強みを融合させ、顧客に対して独自の価値を提供し、事業の成長を目指します。

株式会社Origamiのメルカリグループ参画に関するお知らせ

7. アプリ業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先

アプリ業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先をご紹介します。

金融機関

近年、企業の合併や買収(M&A)をサポートするため、金融機関が専門部署を設ける動きが活発化しています。特に大手投資銀行やメガバンクでは、資金調達の支援や取引戦略の策定など、多岐にわたるサービスを提供し、M&Aをスムーズに進める体制を整えています。

これらのサービスを利用すれば、企業は事業承継や資金調達といった課題を効率的に解決し、専門家の助言を得ることで取引成功の可能性を高められます。

ただし、大規模な案件が優先されることが多いため、中小企業が十分な支援を受けられない場合があります。そのため、自社の規模や目的に合った支援機関を選ぶことが大切です。

また、サービスの利用には高額な費用がかかる場合があるため、事前に料金体系を確認し、コストと効果を慎重に検討することが求められます。

公的機関

近年、事業承継やM&Aを支援するための公的サービスが大幅に充実しています。全国に展開されている「事業承継・引継ぎ支援センター」では、後継者不足に悩む中小企業を対象に、無料で情報提供やアドバイスを行っています。

また、企業間のマッチング支援体制が整備されており、地方企業でも専門的な支援を受けやすい環境が構築されています。さらに、個人事業主向けの支援も拡充されており、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介を受けることが可能です。

ただし、公的サービスは民間仲介会社に比べて対応のスピードや柔軟性が劣る場合があるため、これらの特性を十分に理解した上で、自社の状況やニーズに合ったサービスを選ぶことが重要です。

これらの公的支援は、リスクを最小限に抑えながら事業承継やM&Aを進めるための信頼できる選択肢といえるでしょう。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却を円滑に進めるための専門サポートを提供します。単に売り手と買い手を引き合わせるだけでなく、交渉の進行管理、企業価値の評価、契約書の作成など、多岐にわたる業務を支援します。そのため、M&Aの経験が少ない企業でも安心して取引を進められる環境を整えています。

特に、仲介会社が持つ広範なネットワークは大きな強みです。このネットワークを活用することで、最適な取引相手を迅速に見つけることができ、M&A成功の可能性を高めています。また、初心者でも理解しやすい説明や丁寧な対応により、取引に伴う不安を軽減する点も高く評価されています。

ただし、仲介会社を利用する際には、着手金や中間報酬などの費用が発生する場合があるため、事前に料金体系を確認することが重要です。費用を抑えたい場合には、成功報酬型のサービスを選ぶことで、効果的かつ経済的なサポートを受けられるでしょう。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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【関連】M&Aの相談先9種類!メリットデメリットや選び方と相談時の注意点も解説!

8. アプリ業界のM&A・事業承継における相談先の選び方

アプリ事業やアプリ会社の売却を進めたい場合、バリュエーションや契約書の作成、デューデリジェンスなど、専門的な知識を要する手続きや業務を行わなければなりません。他にも自社の希望条件に沿う、M&Aの相手先を探さなければならないでしょう。

その場合は、M&Aの専門家やM&A仲介会社などに依頼をして、アプリ事業、アプリ会社売却の手続きなどをサポートしてもらうのがベストです。特にM&A仲介会社は数多くあるため、自社との相性を判断するのが求められるでしょう。

ここでは、アプリのM&Aにおける相談先の選び方を紹介します。

料金体系が良心的である

M&A仲介会社は、会社によって手数料の体系が異なります。M&A仲介会社は、M&Aサポートの対価として依頼主から手数料を受け取ります。

M&Aの手数料はM&A仲介会社の収入源です。M&Aの取引規模や仲介会社が設定する基準に応じて変わるなど、相談先によってM&A費用は大きく変動します。

他にもアプリや事業・アプリ会社を売却した場合、手数料とは別に税金もかかります。できるだけ手元に多くの利益を残すためには、料金体系が良心的な仲介会社を選びましょう

M&A仲介会社へ依頼した場合にかかる手数料は、相談料、着手金、中間金、成功報酬、月額報酬などが挙げられます。基本的に、成約報酬以外の費用は、仮に交渉が破断になった場合でも返金されないので注意が必要です。

アプリや事業、アプリ会社の売却を検討している場合は、費用を無駄にしないためにも、しっかりと事前にM&A仲介会社の料金体系をリサーチしておきましょう。

アプリのM&A案件に関する実績・専門性が豊富

アプリ事業・アプリ会社の売却は、M&Aに関する専門的な知識だけではなく、アプリ市場や買い手・売り手の豊富なネットワークも大切です。アプリ事業・アプリ会社のM&A案件に詳しくないM&A仲介会社に依頼すると、自社の希望に合わない可能性も高くなるでしょう。

他にも、自社のアプリ事業の価値を高く評価してもらえず、企業価値評価の結果が実態よりも低く見積もられる可能性も考えられます。そうした事態を避けるためにも、アプリのM&A案件に関する実績・専門性が豊富な仲介会社に依頼するのがベストです。

9. アプリ業界のM&Aに関するよくある質問

Q. アプリの売却相場はどのくらいですか?
A. アプリ単体の場合は月間売上の12〜36ヶ月分、アプリ開発会社の場合は「時価純資産+営業利益の2〜5年分」が目安です。SaaSアプリはARR(年間経常収益)の3〜10倍で評価されることもあります。

Q. 個人開発のアプリでもM&Aで売却できますか?
A. 可能です。ラッコM&AやバトンズといったM&Aマッチングサイトでは、個人開発のアプリが数十万〜数百万円で取引されるケースが増えています。一定のユーザー基盤や安定した広告収入があれば売却は十分に現実的です。

Q. アプリのM&Aにはどのくらい期間がかかりますか?
A. アプリ単体の事業譲渡は早ければ数日〜数週間で成立するケースもあります。開発会社ごとの株式譲渡の場合は2〜6ヶ月が一般的です。

Q. 生成AIはアプリM&Aにどう影響していますか?
A. 生成AIの台頭により、LLMの開発技術やAIプロダクトのPM経験を持つ開発会社の買収(アクハイアリング)が急増しています。AI技術を持つアプリ開発会社の評価額は高騰傾向にあります。

10. アプリ業界のM&A・事業承継まとめ

近年、アプリのM&A・事業承継は増加傾向にあり、世界的大企業も積極的に行っています。アプリのM&A相場は交渉によって変動する部分が大きいため、IT業界に精通した交渉のプロによるサポートのもと進めることが成功のカギともいえるでしょう。

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