2023年06月12日更新
介護事業を買いたい企業様必見!買うメリットとその後は?
高齢化が進むにつれ、介護事業を買いたいという企業が増えています。しかし、実際には、介護事業所によって経営に格差が生じているのが現状です。本記事では、介護事業を買いたい企業様向けに、介護事業を買うメリットや成功させるポイントなどを解説します。
目次
1. 介護事業とは
日本では年々高齢化が進んでいることもあり、介護事業の需要も高くなっています。介護事業とは、加齢に起因する疾病や認知症のある高齢者向けに生活をサポートする事業を指します。
需要拡大が続いているため、介護事業を買いたいという企業も増えていますが、買収を検討する際はメリット・デメリット、介護事業の現状と課題を把握しておくことが大切です。
介護事業の現状
高齢化が進むにつれて、介護事業に進出したい、介護事業を買いたいと考える企業が増えています。
しかし、介護事業所によって経営に格差が生じているの現状であり、順番待ちが生じている介護事業所もあれば、入居率が低く廃業してしまう介護事業所もあります。
また、介護事業の需要は高まり続けていますが、競争も激化し続けているという現実があります。さらには材不足も深刻であり、介護職員は増え続けているものの需要の増加に追いついていない状況です。
離職率の高さも問題となっており、職場の人間関係や介護事業所の経営方針への不満、給料の安さなど、人材不足を解消するために解決すべき問題は多数あります。
介護事業の課題
介護事業が今後迎える大きな課題は、2025年問題です。2025年には団塊の世代が75歳を迎えるため、高齢化率が急激に高まることになります。
また、2025年には要介護者の増加、介護職員の人材不足、社会保障費の増加などが急速に進むこととなります。
それによって、人材不足による労働環境の悪化がさらに人材不足を呼ぶなど、介護業界の抱えている問題が一気に深刻化するとされています。
国では2025年問題に対応するためのさまざまな施策を打ってはいますが、まだまだ対応しきれていないのが現状です。
2. 介護事業を買うメリット・デメリット
介護事業を買いたいと考えた際は、まずどのようなメリット・デメリットがあるのかを理解したうえで検討する必要があります。この章では、介護事業を買うメリット・デメリットを解説します。
介護事業を買うメリット
介護事業を買う主なメリットは、時間を買うことができる点です。経営資源に限りがあるなかで、単独で介護事業を立ち上げて運営していくことは簡単ではありません。
しかし、介護事業を買うことで、単独で介護事業を始めるより短期間で軌道に乗せることが可能です。また、すでに介護事業を営んでいている場合は、短期間での事業拡大が可能です。
変化も競争も激しい介護事業において、すでに形になっている事業を獲得するメリットはかなり大きいものとなります。
そのほか、M&Aによって介護事業を買うことによって、さまざまなシナジーが得られる可能性があります。
主なシナジーには、売上シナジーやコスト削減シナジー、経営手法・従業員のシナジー、財務力のシナジーなどがあり、介護事業を買いたいと考える場合はこれらのシナジーが得られることを期待して買収を検討します。
介護事業を買うデメリット
介護事業を買うデメリットは、十分なシナジーが得られない可能性があることです。買い手はさまざまなシナジーを期待して介護事業を買いたいと考えます。
しかし、買収後の統合プロセスがうまくいかないと、顧客離れが起きる、従業員のモチベーション低下、経営陣・従業員が辞めてしまう、システムなどの統合失敗によるコスト増大などのマイナスシナジーが発生する可能性があります。
また、介護事業を買う際のデメリットとして、スタンドアローン問題にも注意が必要です。対象の介護事業所をグループ企業から切り離して買いたいと考えた場合、グループから切り離されることで思わぬマイナスが生じる可能性があります。
3. 介護事業を売るメリット・デメリット
前章では、介護事業を買いたいと考えた場合のメリット・デメリットを解説しましたが、売り手側にはどのような目的で売却を行うのしょうか。ここでは、介護事業を売るメリット・デメリットをみていきます。
介護事業を売るメリット
介護事業を買いたいと考える企業へ売却するメリットとしては、以下のようにさまざまなものがあります。
【介護事業を売るメリット】
- 経営状態を改善できる
- 顧客や取引先を継続できる
- 後継者問題を解決できる
- 創業者利潤を得られる
- 先行き不安を解消できる
介護事業を買いたいと真剣に考えている相手へ介護事業を任せることで、経営状態の改善やさらなる発展に期待できます。
廃業する場合は顧客や取引先に迷惑をかけることになりますが、介護事業を買いたい相手に引き継ぐことで関係を継続できます。
また、介護事業を買いたい相手へ売却することで、後継者問題が解決できるだけでなく、オーナー経営者は創業者利潤を得ることも可能です。
さらに、介護事業を営んでいるとさまざまな先行き不安を感じることはありますが、介護事業を買いたい相手に売却することで、不安を解消することもできます。
介護事業を売るデメリット
介護事業を買いたいと考える企業へ売却するデメリットも、当然考えられます。介護事業を売却する場合は、生じ得るデメリットを把握しておくことが大切です。
【介護事業を売るデメリット】
- 予定よりも統合にかかるコストが増大する可能性がある
- 従業員の待遇が悪くなる可能性がある
- 顧客や取引先の流出が起きる可能性がある
どれだけ介護事業を買いたい相手に熱意があったとしても、統合作業にコストや時間がかかり、対外的な営業力などが低下する場合があります。
その結果、従業員の待遇が悪くなって退職者が増えてしまったり、顧客や取引先の流出が起きたりする可能性があります。
介護事業を買いたい相手を選ぶ際は、どのような統合計画を考えているのか、一緒に検討していく必要があります。
4. 介護事業の譲渡価格相場
介護事業を買いたいと考えた場合、どのくらいの相場観で価格を提示するかは難しいところですが、介護事業を買いたい場合は、入居率が重要な判断基準のひとつとなります。
入居率が常に満員な介護事業であれば評価も高くなり、価格も高くなります。ただし、入居率を評価する際は、現在の入居率だけではなく、過去の入居率から今後の入居率を予測することも大切です。
その場合、買いたいと考えている介護事業所が過去のさまざまなデータをしっかり残しているかどうかも、評価のポイントとなってきます。
また、介護事業を買った後に施設や設備をメンテナンスする必要が生じる場合があります。売り手に買いたい価格を提示する場合は、メンテナンス費用も織り込んだうえで提案する必要があります。
5. 介護事業のM&A事例
本章では、実際に行われた介護事業のM&A事例を5つ紹介します。
【介護事業のM&A事例】
- ソラストによるJAWAの買収
- ソラストによるなごやかケアリンクの買収
- 工藤建設によるロケアホームの買収
- global bridge HOLDINGSによるYUANの買収
- 大東建託によるさくらケアとうめケアの買収
1.ソラストによるJAWAの買収
介護事業のM&A事例1件目は、ソラストによるJAWAの買収です。ソラストは2018年、介護事業を展開しているJAWAを、株式譲渡契約により子会社化したことを発表しました。
JAWAは大阪や愛知などで14か所のグループホームや介護付き有料老人ホームなどを運営しています。
ソラストは、JAWAの買収によって更なる事業拡大を図り、さらには地域トータルケアの拡充を進めています。
2.ソラストによるなごやかケアリンクの買収
介護事業のM&A事例2件目は、ソラストによるなごやかケアリンクの買収です。ソラストは2019年、介護サービス事業を展開しているなごやかケアリンクを、株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。
なごやかケアリンクは、東京都を中心に「デイサービスセンターなごやか」という通所型の介護事業所を展開しています。
ソラストは、なごやかケアリンクを子会社化によって、事業エリアの拡大と強化を図っています。
3.工藤建設によるロケアホームの買収
介護事業のM&A事例3件目は、工藤建設によるロケアホームの買収です。工藤建設は2019年、ロケアホームの介護施設運営事業を、事業譲渡契約により取得したことを発表しました。
工藤建設は「フローレンスケア」という有料老人ホームを運営しており、ロケアホームの買収によって介護事業のさらなる強化を進めています。
4.global bridge HOLDINGSによるYUANの買収
介護事業のM&A事例4件目は、global bridge HOLDINGSによるYUANの買収です。global bridge HOLDINGSは2018年、大阪府大阪市で住宅型有料老人ホームの運営をしているYUANを、株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。
global bridge HOLDINGSは保育や介護を主軸としており、YUANを買収することによって、介護事業展開の充実を図っています。
5.大東建託によるさくらケアとうめケアの買収
介護事業のM&A事例5件目は、大東建託によるさくらケアとうめケアの買収です。大東建託は2018年、訪問介護事業や居宅介護支援事業などを展開しているさくらケアとうめケアを、株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。
これにより大東建託は介護事業をさらに強化し、グループの成長につなげていくとしています。
6. 介護事業を買ったその後
介護事業をM&Aで買ったとしても、その後失敗に終わるケースは少なくありません。本章では、介護事業を買った後の失敗を防ぐポイントについて解説します。
介護事業M&Aを成功させるポイント
【
- M&A戦略を明確にする
- 幅広い案件情報を取得する
- 売り手の感情を理解する
また、
そのほか、売り手の感情をよく理解したうえでM&
介護事業M&Aが失敗する要因
行き当たりばったりの検討してしまうことは、介護事業のM&Aが失敗する要因のひとつです。明確な戦略を立てることなく、ただ目の前の案件を条件だけで判断していると、失敗する確率は高くなります。
まずは、目的を明確にし戦略を練ったうえで、戦略の方向性に合った介護事業を選ぶ必要があります。
また、売り手の感情に配慮しないM&Aも失敗しやすいため、交渉やM&A後の統合作業の際は、着実に信頼関係を築いておくことが大切です。
そのほか、シナジーを正しく評価したうえで適正な買収価格を決めることもポイントです。買収時点でシナジーがありそうだと判断しても、買収後結局シナジーが得られなかったというケースも少なくありません。
M&Aの専門家の分析・判断も参考にしながらシナジーを見極め、買収価格を適切な価格でオファーする必要があります。
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M&Aに関して無料相談をお受けしておりますので、介護事業のM&Aをご検討の際はお気軽にお問い合わせください。
7. まとめ
介護事業を売りたいあるいは買いたいと考える場合は、どのようなメリット・デメリットがあるのかを把握したうえで、戦略的に進めていくことが大切です。
- 時間を買うことができる
- さまざまなシナジーが得られる
- マイナスのシナジーが発生する可能性がある
- スタンドアローン問題が発生する可能性がある
- 経営状態を改善できる
- 顧客や取引先を継続できる
- 後継者問題を解決できる
- 創業者利潤を得られる
- 先行き不安を解消できる
- 予定よりも統合にかかるコストが増大する可能性がある
- 従業員の待
遇が悪くなる可能性があ - 顧客や取引先の流出が起きる可能性がある
8. 介護事業業界の成約事例一覧
9. 介護事業業界のM&A案件一覧
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