2024年12月01日公開
清掃施設工事業界の概要とM&A動向!メリット・成功のポイントを解説!【2024年最新】
ごみ処理場やし尿処理場の設置を行う清掃施設工事業界では、人手不足や後継者問題などの理由でM&Aを検討したいという経営者が増加しています。この記事では、清掃施設工事業界の概要と、M&Aのメリットや成功のポイントなどについて解説します。
目次
1. 清掃施設工事業界の概要と動向
清掃施設工事業界では、環境意識の高まりやエネルギー価格の高騰などの理由で、環境に負荷をかけずに、高効率でごみやし尿を処理できる施設の建設が求められています。
技術革新も早い分野である一方、発注者は自治体に限られており、年々厳しくなる予算の中で、清掃施設の建設費用やメンテナンス費用も削減されて、清掃設備工事会社の中には、厳しい経営を迫られている会社もあるようです。
そのような中で、清掃施設工事業界でも会社の生き残りをかけてM&Aでの会社の売却を検討するところが出てきました。この記事で、清掃施設工事業界の概要とM&Aについて詳しくみていきましょう。
清掃施設工事業界とは
清掃施設工事とは、ごみ処理施設またはし尿処理施設を設置する工事を行うことです。
ごみ処理施設の代表的なものとしては、各家庭や事業所から出るゴミを償却する清掃センターのゴミ焼却炉があります。
し尿処理施設とは、下水道やくみ取りなどで集めたし尿を処理するためのし尿処理プラントなどの、総合的なし尿処理施設のことです。
清掃施設工事は、建設業法における建設工事29業種の1つです。工事の内容によって清掃施設工事以外の業種での工事になる場合もあります。
集塵設備であれば機械器具設置工事等、浄化槽のや排水処理設備の設置は管工事、下水道の処理設備は下水処理設備工事、行動への下水管の配管や下水処理場の敷地造成は土木一式工事と、複数の業種が必要なのが清掃施設工事の特徴です。
また、環境や公害への配慮も必要になります。
清掃施設工事業界の市場規模と動向
清掃施設工事単体の市場規模については資料がないので、公共事業の予算の推移から清掃施設工事業界の動向を探っていきましょう。
ごみ処理施設やし尿処理施設は全て自治体が設置するものなので、清掃施設工事の動向は公共工事予算の動向に大きく左右されます。
一般会計予算の総額に占める一般公共事業費は、当初予算と補正予算の合計で、2015年には6.6兆円だったのが、2022年にも8.1兆円と増加しています。
しかし、一般競争入札での落札価格の価格競争や、建材や人件費の高騰などで、清掃施設工事を含む建設土木関連業界全体で、厳しい状況の会社が増えています
参考:一般社団法人日本建設連合会「3. 公共工事の動向」
2. 清掃施設工事業界のM&A動向
清掃設備工事会社でも、建設業界の他の業種の会社と同様、人手不足や後継者問題で会社の将来が危ぶまれる会社が増えています。また、新しい環境技術への適用なども求められる分野であり、新しい材料や技術への対応や研究も常に必要です。
一方で、ごみ処理施設やし尿処理施設は、私たちが生活していく上で欠かすことができない設備なので、今後、事業自体がなくなる可能性はありません。
そこで、小規模な会社では人手不足や技術革新への対応が難しいことから、大手企業の傘下に入る、複数の会社が合併して企業規模を大きくする、といったM&Aが活発化しているようです。
3. 清掃施設工事会社をM&Aで譲渡するメリット
清掃施設工事会社を後継者問題などで続けていくことが難しくなった時に、M&Aでの売却の他に廃業するという選択肢もあります。
しかし、廃業とM&Aでの売却を比較すると、M&Aで会社を売却して他社に譲渡した方が、会社や経営者にとって大きなメリットが得られます。
M&Aで譲渡するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。M&Aでの会社売却で得られる3つのメリットについてみておきましょう。
従業員の雇用維持
清掃施設工事を続けることが難しくなった時に、廃業した場合には従業員は全員解雇するしかありません。
廃業により職を失った場合には、会社都合による解雇になるので失業保険はすぐに給付されます。失業保険をもらいながら再就職先を探すことができますが、失業保険の給付期間中に次の職が見つかる人ばかりではないでしょう。
定年が違う高齢の従業員の中には、再就職先が見つからずに、退職金も定年での満額支給とはならずに、定年後の生活設計が狂ってしまう人も出てくるかもしれません。
M&Aで会社を売却することができれば、基本的に従業員の雇用は買収側が責任を持って引き継ぎます。会社を継続することが難しくても、長年支え続けてくれた従業員を路頭に迷わせることなく、生活を保証することが可能です。
後継者問題の解決
清掃施設工事を含めた建設業界では、会社の跡継ぎがいないために、将来的な廃業を検討せざるを得ないという会社が増えています。
しかし、会社を廃業してしまえば、従業員の雇用が失われてしまいます。さらに、地域の清掃施設の建設やメンテナンスを行う会社がなくなり、地域住民や企業の生活や業務にも支障が出る可能性があるでしょう。
清掃施設工事の経営権を他社にM&Aで譲渡することができれば、社内に後継者がいなくても会社を存続させることが可能です。M&Aでの会社の売却は、後継者問題を解決するための一つの大切な手段となります。
オーナー利益の獲得
清掃施設工事をM&Aで売却することができれば、会社のオーナーは売却利益を得ることができます。
売却利益に対しては、所得税や住民税といった税金がかかりますが、税金を差し引いた残りの金額は、オーナーが自由に使うことができます。
高齢化を理由に引退するのであれば、引退後の生活費に充てることが可能です。会社の一部門を事業譲渡したのであれば、売却利益を使って既存の利益が出ている事業の拡充や、新規事業の立ち上げのための資金に充てることができます。
また、金融機関からの借り入れに対して経営者が負っていた個人保証や担保などの負担からも解放されます。
もしも、廃業を選んだ場合には、従業員への退職金や、設備や機械の処分費用などの出費が必要です。M&Aで売却すれば、これらの出費は必要なく、売却利益をそのまま経営者が手にすることができるのです。
4. 清掃施設工事会社のM&Aにおける成功のポイント
清掃施設工事をM&Aで売却、買収する時にはどのようなポイントに気をつければM&Aを成功させることができるのでしょうか。
日本では、M&Aを希望しても成功率は4割程度だと言われています。会社をM&Aで売却したいと思っても、6割の会社は売却することができずに、廃業を選ばざるを得ないのが現実なのです。
清掃施設工事会社のM&Aを成功させるための4つのポイントについてみておきましょう。
M&Aの専門家への相談
M&Aでの清掃施設工事会社の売却や買収を考え始めたら、まずはM&Aの専門家へ相談しましょう。日本には中小企業のM&Aを専門的に扱う専門家がいます。
M&Aの専門家は、会社の状態をヒアリングした上で、M&Aでの売却が本当に適切かどうか、といったところから相談に乗ってくれるでしょう。
また、M&Aでの売却を決断したら、適切な売却先を探したり、法律や財務についての高度に専門的な知識が必要な手続きを丁寧にサポートしてくれます。
M&Aでの売却や買収を希望するのなら、自分一人で話を進めようとせずに、まずは専門家へ相談するのがおすすめです。
M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください
M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。
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シナジー効果が期待できる相手先を選ぶ
M&Aは会社同士の結婚ともいえます。結婚で最も大切なのは2人の相性であるのと同じで、M&Aでも売却側と買収側の会社の相性がとても大切になります。
会社同士の相性を考える上で重要なポイントになるのは、M&Aでの会社の合併が、お互いにとって利益を生むものであるかどうかです。
売却された側の会社に元からいる従業員に納得して業績を上げてもらい、買収側の会社にとっての利益を生み出してもらうためには、お互いの会社にとって、M&Aにメリットがあるものでなければ成功しません。
そのためには、シナジー(相乗)効果が期待できる相手かどうかの見極めが大切です。
M&Aでの買収で、自社にはない技術や人材を傘下に納めることができて、既存の事業への波及効果を期待できる、M&Aで売却されたことでより安価でいい建材を調達できるルートが広がる、といったシナジーです。
M&Aによって、どのようなシナジーが生み出されるのか、よく計算して、相手探しを行いましょう。
情報漏洩に気をつける
M&Aは最終契約書を締結して、公表できる段階に入るまで、情報が漏洩しないように気をつけましょう。
情報が事前に漏れてしまうと、従業員の間に憶測が広がり、熟練した職人の離職を招く可能性があります。
M&Aの情報漏洩は、M&Aの専門家との応接室や電話での会話の断片から漏れることがほとんどです。ちょっとした会話の断片が憶測となり、会社に致命的なダメージを与えることもあるので、M&Aについて話をする時には、周りによく気をつけましょう。
早めの検討
M&Aでの会社売却の検討は、できるだけ早い時期から始めるようにしましょう。できれば、経営者が高齢化して健康状態が悪化する前の、60代くらいから将来のM&Aに向けた準備を始めることが理想的です。
M&Aを行うためには、会社の状況を分析した上で、適切な相手を見つけて、煩雑な手続きを踏む必要があります。M&Aの専門家に相談してから、売却までに1年以上かかることも、場合によっては数年かかることもあるのが現実です。
経営者の健康状態が悪化して会社を回すことが難しくなってからM&Aに動き始めても、納得できる価格で売却することは難しいでしょう。M&Aでの売却は、早め早めに動くことが大切です。
5. 清掃施設工事会社をM&Aする際の注意点
清掃施設工事会社をM&Aするときには、注意しなければいけない点があります。注意点についてみておきましょう。
建設業の許可の引き継ぎ
清掃施設工事会社を経営するためには、建設業許可が必要になります。M&Aをするときには、M&Aのスキームによって建設業許可の引き継ぎ方法が異なるので注意しましょう。
株式譲渡でのM&Aの場合には、建設業許可もそのまま買収側へ引き継ぐことができます。M&Aをしても、買収側が新規に取得する必要はありません。
事業譲渡でのM&Aの場合には、買収側が新規に取得する必要があります。建設業許可の取得には1ヶ月程度かかることが一般的なので、クロージング日までに新規取得が完了するように準備を進めましょう。
また、清掃施設工事の場合は、建設業許可の区分にも気をつける必要があります。実際に行っている業務に応じて、清掃施設工事、管工事、機械器具設置工事のいずれの区分の許可が必要なのかよく確認しましょう。
6. 清掃施設工事業界のM&A・事業譲渡まとめ
清掃施設工事は、地域の各家庭や事業所から出るごみやし尿を処理するための施設の建設やメンテナンスという、地域生活を守るためにとても重要な業務を行っています。
跡継ぎ問題などで清掃施設工事が廃業してしまうと、地域生活に大きな影響が出るでしょう。社会的な意義も大きな事業なので、会社の将来が不安なのであれば、廃業を決める前にまずはM&Aの専門家に相談することをおすすめします。
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