メディア掲載

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2020年08月24日

コロナ禍におけるM&A・事業継承について『経済界』に弊社代表取締役社長 佐上 峻作を取材いただきました。

『経済界』にて弊社代表取締役社長 佐上 峻作を取材いただきました。

■経済界 2020年10月号 2020年8月24日発行

コロナ禍による事業変革が第三者承継のきっかけに

コロナ禍にある現在のM&A動向を見ると、売り手からの問い合わせが非常に増えています。ただし買い手は自身の事業に必死で、一定期間、交渉を控えていたのです。そのため、3〜5月はM&A交渉が進みづらく、特に緊急事態宣言中の5月は全体の約45%の案件が全く動きませんでした。しかし宣言が解除された6月頃から約70%、7月には85〜90%の案件が再始動しています。

最近、問い合わせが増えている業種はホテル・外食・フィットネスで、どこも苦戦を強いられている状況です。他のM&A仲介会社で買い手が見つからず、自分でも解決できそうにないというような、半ば助けを求める問い合わせもあります。

AIによる売買マッチングは人の恣意的な判断を排除

私たちへの問い合わせの大半はウェブからです。50〜70代を中心に、86歳の方からも問い合わせをいただきました。今は年配の方でも、仲介会社の評判などをネットで比較検討されます。

こうした中で、テクノロジーの活用が私たちの強みであり、他のM&A仲介会社と大きく異なる点です。ウェブからの問い合わせ数は日本のM&A仲介会社で最も多いと思います。ネットでの積極的な情報発信のほか、マッチング部分でAI(人工知能)を採用しました。

また、M&A成立まで売り手からお金を一切もらわないのも私たちの特徴です。仮に着手金が無料でも、中間報酬・月額報酬などを取るM&A仲介会社は多くあります。これらの料金がネックになり、事業承継の機会が喪失し企業の休廃業が増えると、雇用・技術が次世代に引き継がれず日本経済にとってマイナスです。こうした事態を避けるためにも、私たちは売り手に完全成功報酬制を採用しています。

私たちの導入するAIでは、スピードマッチング・異業種のマッチングを実現しています。例えば、博物館を運営する不動産関連会社がIT会社を買収した事例も、AIのマッチングの功績です。従来は人がマッチングしており、IT会社はIT会社が買収するのが主流でした。しかし、AIのマッチングでは買収候補に不動産関連会社が挙がり、話を持ちかけるとスムーズに成約したのです。

M&Aによる第三者承継を経営戦略に組み込みましょう

新型コロナをきっかけに成約したM&A案件(大型フィットネスクラブ)もあります。昨年の夏頃に問い合わせがあり、オーナーはフィットネスクラブが建つ土地も所有していたため、買収希望の企業は多かったですが、なかなか条件が折り合わずにいました。

こうした中、新型コロナでフィットネスクラブが2ヶ月閉鎖する話が浮上し、新たにオンラインレッスンなどを手掛ける必要性が出てきました。そこでオーナーは「大きな変化に耐えられる体力と新しい発想を持った方に、利用会員とスタッフを守ってほしい」という心境になり、無事に譲渡が決まったのです。

これは、新型コロナで業界の在り方が変わってきている表れといえます。従来のままでは倒産の可能性があり新事業の立ち上げが必要でしたが、オーナーは60歳を超えており新たな挑戦に厳しさを感じたようです。

事業承継を考えるのに適したタイミングはありますが、M&Aはすぐに意思決定する必要はなく、3〜4年考えても良いと思います。例えば、病気になり意思決定を迫られると、売買条件・買い手を落ち着いて見定める余裕がなくなります。

事業の継続性を守るためにも、オーナーの皆さまにはM&Aを事業承継の選択肢のひとつとして捉え、経営戦略に組み込んでいただく必要があります。また、適したタイミングで最良の判断をするためにも、早めにM&Aの情報収集をしておくべきです。
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