防水工事のM&A動向!売却・買収事例とメリットを解説!【2024年最新】

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

老朽化した建物のリフォームが増えている中で、防水工事業界は需要が増加しています。しかし、職人の高齢化などでM&Aでの売却の必要性の高い会社も増えています。この記事では、防水工事業界でのM&Aについて詳しく解説します。
 

目次

  1. 防水工事業界の概要と動向
  2. 防水工事業界のM&A動向
  3. 防水工事会社がM&Aで譲渡するメリット
  4. 防水工事業界のM&Aにおける成功のポイント
  5. 防水工事業界のM&Aにおける買収・売却事例
  6. 防水工事業界のM&Aにおける注意点
  7. 防水工事業界のM&A・事業売却まとめ
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1. 防水工事業界の概要と動向

近年、防水工事業界では需要が大きく高まっています。その理由は、高度経済成長期からバブル期にかけて建設された建物が老朽化して、リフォーム需要が高まっていることと、自然災害が増えたことで水害や土砂災害が増加し、防水工事の重要性が高まっていることがあります。

今までにはない需要が生まれている中で、防水工事業界ではM&Aでの事業再編を検討する会社が増えているようです。この記事では、防水工事業界の概要と、M&Aの詳細について詳しく解説します。

防水工事業界とは

防水工事とは、建物の防水を施す工事のことです。トンネルの防水など土木系の防水は、防水工事ではなくとびやコンクリート工事に該当します。

建物の防水工事とは、アスファルト、モルタル、シーリング剤、塗膜防水、シート防水、注入防水などの方法で、建物内部への水の侵入を防ぐための工事を行うことです

防水工事を行うためには、1級もしくは2級建築施工管理技士、または建築学を修めて実務経験と指導監督経験のあるなどの要件を満たす専任技術者が必要になります。

防水工事業界の市場規模と動向

防水工事には必ず防水材が必要となります。防水材の使用量の変化で市場規模をみていきましょう。

矢野経済研究所の防水材市場に関する調査によると、防水材の施工面積で分析すると、2020年には約7,742万平方メートルだったのが、2021年には約8,014万平方メートルまで増えています。

これは、2020年には新型コロナの影響で止まった工事が多かったのが2021年に再開したことでの増加です。2022年には約8,160万平方メートル、2023年には8,419万平方メートルと微増が続きます。

新築需要は減少していくものの、リフォーム需要が増加することで、今後もしばらくは防水工事の微増が続くものと思われます。

参考:矢野経済研究所「防水材市場に関する調査を実施(2022年)

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2. 防水工事業界のM&A動向

防水工事業界では、次のような理由でM&Aが活発化しています。
 

  • 需要の増加
  • 人材確保
  • 海外進出

リフォーム需要による防水工事の増加により、業界全体の成長とともに、会社間の競争も激化しています。他社との差別化や、多様化する顧客ニーズに対応するために、独自技術を持つ会社を買収するM&Aなどが増えているようです。

また、他の建築業と同じく、防水工事業界でも人材不足や職人の高齢化が深刻化しています。他社の買収による人材確保も進められています。

今後、人口が減少していく日本ではいずれ防水工事業を始めとする建築業全般の市場が飽和するでしょう。そのときに備えて、海外進出を図りたいという企業も増えていて、海外の足がかりになる企業の買収も進んでいます。

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3. 防水工事会社がM&Aで譲渡するメリット

防水工事会社をM&Aで売却することには、会社や経営者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。防水工事会社の売却メリットを3つ解説します。

資金調達

防水工事会社をM&Aで売却するメリットの一つが資金調達ができるということです。

防水工事会社をM&Aで売却することで、多額な資金を得ることができます。グループ傘下の会社を売却したときには、この資金を使って新しい事業を開始したり、防水工事よりももっと利益の出る部門への設備投資をしたりできます。

経営者が高齢化で引退するために会社を売却した場合には、引退後の生活費に充てることも可能です。

事業再編

防水工事会社をM&Aで売却するメリットの一つが、事業再編が可能になるということです。

会社内の防水工事部門や、グループ内の防水工事会社の業績が思わしくない場合には、防水工事に関する部門や会社をM&Aで他社に譲渡することで、事業の選択と集中が可能になります

自社が得意とする分野の部門を拡充して、会社全体の業績向上や競争力の強化を図ることができるでしょう。

税負担の軽減

防水工事会社をM&Aで売却するメリットの一つが、税負担の軽減です。事業売却ではなく会社売却のスキームに限りますが、税負担が大きく変わります。

事業売却の場合は、法人の利益として計上されるので、法人税率が適応されます。一方で会社売却の場合には支払う税額は20%程度でよくなるので、大きな差が生まれます。

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4. 防水工事業界のM&Aにおける成功のポイント

防水工事会社をM&Aするときには、どのようなポイントに気をつけたら成功するのでしょうか。日本では、M&Aでの会社の売却を希望しても、4割程度しか成功しないともいわれています。

会社の存続が難しい状況になったとき、防水工事事業の業績が思うようではないときに、確実に希望金額で売却するためには、いくつか成功のポイントがあります。4つの成功ポイントについてみていきましょう。

M&Aの専門家に相談をする

最も大切なことは、自分ひとりでM&Aを進めないようにすることです。M&Aは会社同士の結婚だともいわれます。結婚と同じで相手がいなければできません。また、結婚と同じように、相手との相性もとても大切です。

最適なM&Aの相手を見つけることや、法律や財務などでM&Aに関する高度な知識が必要な手続きを、M&Aの経験がない経営者が自ら行うのはとても難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、中小企業のM&Aを専門的に扱っている専門家に相談することです。専門家なら、M&Aをするべきなのか、といったところから親身に相談に乗ってくれます。M&Aの手続きもしっかりとサポートしてもらえるので安心です。

M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください

M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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M&Aの目的を明確にする

特に、買収側が他社の買収を成功させるためには、M&Aをする目的を明確化しておくことが大切です。

防水工事会社のM&Aでは、防水工事をすでに行っている会社が、他の建築関連業務を行っている会社を買収する事例が増えています。

防水工事を行っている会社が、顧客へもっと総合的なサポートができるようにと建設コンサルタントの会社を買収したり、塗装工事も同時にできるようにしたいと塗装工事会社を買収したりといった例があります。

このように、目的を明確化しておくことで、よりよい相手とのマッチングが可能になるでしょう。

相性の良い事業を見定める

防水工事会社のM&Aでは、防水工事会社が防水工事の規模を拡大するために、他の防水工事会社を買収する例もあります。

一方で、事業の幅を広げるために、他の業種が防水工事会社を買収したり、防水工事会社が他の業種の会社を買収したりする例もあります。

防水工事会社と他の業種をM&Aするときには、防水工事との事業の相性も見極めましょう。

防水工事会社との相性がいい事業は、まずは建材の販売業者です。防水工事には防水シートや防水塗料などの高品質な建材が必要なので、販売業者と同じ会社になることで得られるメリットは大きいでしょう。

もう一つ防水工事会社との相性がいい事業はリフォームです。古い建物のリフォームには防水工事が欠かせません。リフォーム会社の中に防水工事専門の部署や会社があるメリットは大きいでしょう。

事業が好調な間に売却する

防水工事会社の売却を希望する側が、希望する金額や条件での売却に成功するためのポイントは、事業が好調なうちに売却することです。

会社を売却したい理由が、経営者の跡継ぎ問題であるのなら、経営者自身がまだまだ元気で、会社をいい状態で経営できているうちに、M&Aの準備を始めましょう。

経営者が高齢化すると、若い従業員が入ってこなくなり、スタッフ全体の平均年齢も高齢化していきます。また、経営者本人の体力や判断力も年齢とともに鈍るので、どうしても業績は落ちていくでしょう。

従業員も高齢化して、業績も落ちてからでは、なかなか買い手が付きません。買収希望者が現れたとしても、売却側が希望する金額での売却は難しいでしょう。

会社の業績が良いときなら高額での売却も可能です。将来的なM&Aでの売却を検討しているのなら、準備は早めに始めることが大切です。

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5. 防水工事業界のM&Aにおける買収・売却事例

防水工事業界ではどのようなM&Aが実施されてきているのでしょうか。今までに実施された防水工事業界でのM&Aの事例を紹介します。

前田工繊がセブンケミカルをM&Aした事例

2021年9月に、前田工繊株式会社から、株式会社セブンケミカルの全株式を取得して子会社化するM&Aが発表されました。

前田工繊は、福井県坂井市に本社のある、盛土、法面補強環境、産業資材などを製造、販売している会社です。

セブンケミカルは、外壁用の防水材、保護・仕上材の製造販売を行う会社で、特に耐水性、耐久性、施工性に優れた高機能な外壁防水材の開発に定評があります。

前田工繊としては、今後、リフォーム需要の増加が見込めることから、このM&Aにより構造物の補強や補修技術と、セブンケミカルが製造販売する製品との相乗効果を発揮して、取扱製品の多様化を図ることができるとしています。

参考:前田工繊株式会社「株式会社セブンケミカルの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

6. 防水工事業界のM&Aにおける注意点

防水工事業界でM&Aを実施する時の注意点です。
 

  • 買収する会社の事前調査はしっかりと行う
  • 経営陣の意志はM&Aに向けて統一させておく
  • 売却側は財務や人事の問題は事前に開示しておく
  • 従業員や取引先への説明は丁寧に行い理解してもらうように務める

買収する会社の規模や戦略、企業文化が自社に合うかどうかは、事前の調査で把握するようにしましょう。また、売却側も買収側も、経営陣の意思統一は図っておくことも大切です。

M&Aでは買収側が売却側を徹底調査するデューデリジェンスを実施します。ここで、財務や人事に事前に開示されていない問題が発覚すると、大幅な減額やM&Aの話自体が破談になってしまうこともあります。不都合な情報でも、事前に開示するようにしましょう。

M&Aを発表すると、従業員の離職や取引先からの取引が停止されてしまうことがあります。そのようなことが起きないように、丁寧に説明をしてM&Aの必要性を理解してもらうように努めましょう。

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7. 防水工事業界のM&A・事業売却まとめ

防水工事会社では、需要が高まる一方で、後継者不足や人手不足で会社の存続が危ぶまれるところも増えています。M&Aで会社を売却することができれば、経営が安定して、従業員の雇用も維持できて、会社も存続可能です。

防水工事会社の今後が不安で将来的な売却も考えているのであれば、一度、M&Aの専門家に相談してみましょう。M&Aが必要かどうかから、一緒に考えてくれるはずです。

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