障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡は可能?事例も紹介!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡に関する情報をまとめました。概要やM&A・売却・譲渡の実態や注意点などを事例も交えて解説します。障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&Aを検討中の方は必見です。

目次

  1. 障害者施設・就労継続支援施設とは
  2. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡は可能か
  3. 障害者施設・就労継続支援施設A型/B型のM&A・売却・譲渡の事例3選
  4. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型がM&A・売却・譲渡される理由
  5. 障害者施設・就労継続支援施設A型/B型をM&A・売却・譲渡する際の注意点
  6. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型をM&A・売却・譲渡する際におすすめの仲介会社
  7. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡のまとめ
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1. 障害者施設・就労継続支援施設とは

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡に関して述べる前に、まずは障害者施設・就労継続支援施設の概要や両施設の違いを解説します。

障害者施設とは

障害者施設とは、精神・身体・知的などに障害がある人を受け入れて、自立支援を提供する施設のことです。対象となる利用者は全年齢におよびますが、子どもは18歳未満、大人は18歳以上と年齢で分けられています。

障害者施設のサービスを提供する主体は、2006(平成18)年から施行された障害者自立支援法により、市町村に一元化されました。ただし、社会福祉事業の第2種に該当する場合は、市町村以外の主体でも障害者施設の運営が認められています。

事業からの撤退による影響が比較的小さいとみなされるため、社会福祉事業の第2種に当てはまれば、民間の営利法人でも障害者施設の事業を始めることが可能です。

提供するサービスには、児童福祉法に規定される障害児通所支援・障害児相談支援・障害者自立支援法に規定される障害福祉サービス・一般相談支援・特定相談支援・移動支援などの事業が挙げられます。

子ども向けの障害者施設

子ども向けの障害者施設には、未就学児・就学児を対象とした児童発達支援センター・放課後等デイサービス・日常生活を支援する施設などがあります。その他には、施設で暮らしながら日常生活を指導したり、自立に必要な知識・技能を教えたりする入所施設が存在します。

このような入所施設では、福祉のほかに看護・医療支援を行い、障害者の生活を支えています。

大人向けの障害者施設

大人向けの障害者施設は、「通所」「入所」に分けられます。通所とは、障害者施設に通う人に向けてサービスを提供する施設です。日常生活・リハビリに対する自立支援を行う入所施設や、相談・コミュニケーションを通じた交流の場を提供する地域活動支援センターなどがあります。

そのほか、日常生活における支援(食事・入浴・排せつなど)や、障害者による創作・生産活動の支援、身体的な能力の向上・生活能力の底上げなどの支援も行っています。

一方で、入所は施設に滞在する障害者を支援する施設です。一般の会社で働く・障害福祉サービスを受ける人に対して、夜間に宿泊する場・共同で生活する場を提供しています。入所施設には介護者の都合に合わせて夜間のみの入所に対応した短期入所施設などがあります。

就労継続支援施設A型・B型とは

就労継続支援施設A型・B型とは、一般の事業所で働くことが難しい障害者を対象に就労機会を提供し、生産活動を通して、知識・能力の向上を図るための訓練を行う施設のことです。就労継続支援施設は、雇用する形態によってA型とB型に分けられます。

就労継続支援施設A型とは

就労継続支援施設A型とは、一般企業での就労が困難な18歳以上65歳未満の障害者に対して雇用契約を結び、就労支援を行う施設です。障害者には最低賃金以上の給料を支払い、一般就労を支援します。

厚生労働省の資料によると、就労継続支援施設A型の数は、2018(平成30)年で3,839カ所とされ、施設の利用者数は85,428人でした。利用者は精神障害者の割合が多く、40代以上が半数を占めています。

参考:厚生労働省「平成30年 社会福祉施設等調査の概況」

就労継続支援施設B型とは

就労継続支援施設B型とは、一般企業での就労が困難な障害者に対し、雇用契約を結ばずに就労支援を行う施設をさします。なお、就労継続支援施設B型に年齢制限はありません。就労継続支援施設B型では、障害者の労働によって収益が発生した場合、工賃を支払う義務があります。

事業所の数は、2018年で11,835カ所、1カ月平均の利用者数は297,259人でした。就労継続支援施設B型の利用者は、知的障害者が全体の5割を超え、40歳以上から50歳未満の年齢層が多いです。

参考:厚生労働省「平成30年 社会福祉施設等調査の概況」

就労継続支援施設A型・B型の違い

就労継続支援施設A型とB型の違いは、雇用契約の有無です。就労継続支援施設A型では障害者と雇用契約を結ぶ一方で、就労継続支援施設B型では雇用契約の締結は行いません。

就労継続支援施設A型では、一般企業での就労は困難と判断されるものの、雇用契約に応じた就労が可能とみなされる障害者に就労支援を提供します。一方で、就労継続支援施設B型では、一般企業での就労に加えて、雇用契約に応じた就労も困難とみなされる障害者に対して支援を行う施設です。

利用可能な年齢にも違いがあります。就労継続支援施設A型の対象年齢は18歳以上65歳未満ですが、就労継続支援施設B型には年齢の定めがありません。

障害者施設と就労継続支援施設の主な違い

障害者施設と就労継続支援施設の主な違いは、就労支援の有無です。障害者施設では、生活・学習・コミュニケーションなどの支援や宿泊場所の提供、生活維持に必要な看護・医療を提供しています。

その一方で、就労継続支援施設とは、障害者と雇用契約を結び、継続して仕事を提供したり一般就労を支援したりする施設です。このように、障害者施設は生活に限った支援を原則とするのに対して、就労継続支援施設は生活支援のほかに就労支援も提供するサービスが加えられます。

施設介護・老人ホームの課題を事業譲渡で解決する方法については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】施設介護・老人ホームの課題を事業譲渡で解決!メリットや注意点を解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

2. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡は可能か

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡は可能です。厚生労働省の調査によると、障害者施設の在籍率は2018年10月1日現在で93.7%であることから、ほぼ満員の状態が維持されているのがわかります。

買い手側は、利用者との契約を結び直せれば利用者が確保できるため、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の事業はM&A・売却・譲渡の対象となるのです。就労継続支援施設A型・B型は売り手の市場といえます。

就労継続支援A型の費用額は、2015(平成27)年度の781億円から2016(平成28)年度には約920億円に上昇し、利用者数(1カ月の平均)も53,558人から62,532人に増えました。

就労継続支援施設B型の費用額も、2015年度の約2,900億円から約3,090億円に増加しており、利用者数(1カ月の平均)は204,223人から216,887人に増えています。

このような動向から、就労継続支援施設A型・B型における市場が拡大し、関連業種や新規参入による需要が見込めるため、施設のM&A・売却・譲渡は可能といえるでしょう。

参考:厚生労働省「平成30年 社会福祉施設等調査の概況」
   厚生労働省「就労継続支援A型、B型に係る報酬について ≪論点等≫」

M&A・売却・譲渡の流れ

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型をM&A・売却・譲渡する際は、大まかに以下のような流れで進めます。

  • M&A仲介会社などの専門家へ相談
  • 相手先の選定
  • 面談・交渉
  • 基本合意契約書の締結
  • デューデリジェンスの実施
  • 最終契約書の締結
  • クロージング

このように、M&A・売却・譲渡には多くの手順が必要となります。相手先の選定や交渉、契約書の締結、デューデリジェンスは自社の力だけで進めることは困難です。一般的には、M&A仲介会社などの専門家に相談・仲介を依頼して進めます。

3. 障害者施設・就労継続支援施設A型/B型のM&A・売却・譲渡の事例3選

ここでは、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡の事例を3件紹介します。

①障害者グループホーム事業の譲渡

1つ目に紹介する障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡事例は、障害者グループホーム事業の譲渡です。地域密着型の経営で、きめ細かなサービスを提供する障害者のグループホーム事業会社は、調剤薬局を展開する企業へ障害者グループホーム事業を譲渡しました。

売却側は、安定した経営で満室の状態を維持していましたが、「オーナーが興味のある分野を深く学びたい」との理由で、創業者利益を得られる事業売却を希望しています。

買収側は、既存の調剤薬局事業のほかに介護・福祉分野への進出を望んでいたため、両社の希望が合致し、譲渡契約が成立しています。
 

①障害者グループホーム事業の譲渡
M&Aのスキーム 事業譲渡
売却側の売上高 約2,000万円
M&Aの理由 学業への専念

②障害福祉事業の譲渡

2つ目に紹介する障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡事例は、障害福祉事業の譲渡です。売り手は愛知県で主に就労系サービスの障害福祉事業を展開する会社で、300人ほどの身体・精神・発達・知的障害者を抱えています。

複数の拠点を持ち、全ての事業所でほぼ満員の状態を維持していましたが、オーナーの家庭の事情により、従業員と利用者を承継してくれる買い手への譲渡を希望し、会社譲渡(株式譲渡)を行いました。
 

②障害福祉事業の譲渡
M&Aのスキーム 会社譲渡
売却側の売上高 1億~2億5,000万円
M&Aの理由 家庭の事情

③障害者施設(就労継続支援A型)・3事業所の譲渡

3つ目に紹介する障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡事例は、障害者施設(就労継続支援A型)・3事業所の譲渡です。売却側は、兵庫県南部で就労継続支援施設A型を3つ構え、障害者向けの就労サービスを提供しています。

障害者と雇用契約を結び、事業所内での内職作業や一般就労のサポートを行ってきましたが、経営戦略の見直しにより、就労継続支援施設A型を譲渡しました。
 

③障害者施設(就労継続支援A型)・3事業所の譲渡
M&Aのスキーム 会社譲渡
売却側の売上高 1億~2億5,000万円
M&Aの理由 経営戦略の見直し

障害者福祉サービスのM&A・事業譲渡については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】障害者福祉サービスのM&A・事業譲渡!注意点、過去事例も徹底解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

4. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型がM&A・売却・譲渡される理由

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の事業者が、M&A・売却・譲渡を選択する理由には、主に以下の5つが挙げられます。

  1. 後継者問題の解決
  2. 人材を確保するのが難しい
  3. 利用者の管理が難しくなった
  4. 競合が増え競争力が低下した
  5. 就労率が上昇しない

①後継者問題の解決

1つ目に挙げる障害者施設・就労継続支援施設A型・B型がM&A・売却・譲渡される理由は、後継者問題の解決です。中小企業で問題の後継者不足は、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の運営事業も例外ではありません。

厚生労働省が公表している資料では、事業譲渡した社会福祉法人のうち12.5%は後継者不足が理由です。役員などのなかにふさわしい人物がいなかったため、第三者へ事業譲渡をして後継者問題を解決しています。

参照:社会福祉法人の事業拡大等に関する調査研究事業報告書・2020(令和2)年3月・みずほ情報総研

②人材を確保するのが難しい

2つ目に挙げる障害者施設・就労継続支援施設A型・B型がM&A・売却・譲渡される理由は、ままならない人材の確保です。障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の職員の中には、安い賃金や夜勤などの肉体的な負担などを理由に離職を選択する人も少なくありません。

労働に見合った待遇を受けられていないと感じる人が多いため、人材の確保が難しい側面があるのです。そこで、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の事業者は大手企業とM&A・売却・譲渡を実施し、これまでよりも待遇の良い労働環境を実現して人材確保に努めています。

③利用者の管理が難しくなった

3つ目に挙げる障害者施設・就労継続支援施設A型・B型がM&A・売却・譲渡される理由は、難しくなった利用者の管理です。2018(平成30)年度の障害福祉サービス等報酬改定では、制度の改正に伴う対応が必要となります。

具体的には、重度・高齢化した障害者への対応や医療ケアを必要とする子どもへの対応、精神障害者をはじめとした長期入院者の地域移行への対応、就労継続支援で支払う賃金・工賃の引き上げなどに対応しなければなりません。

このように、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の事業者は、制度が改定されるごとに利用者の管理体制について変更を迫られるため、M&A・売却・譲渡により施設を譲り渡し、目まぐるしく変わる管理からの解放を選択している面があります。

④競合が増え競争力が低下した

4つ目に挙げる障害者施設・就労継続支援施設A型・B型がM&A・売却・譲渡される理由は、競合の増加による競争力の低下です。障害者施設の数は少しずつ減少しているものの、就労継続支援施設A型・B型の数は年々増加しています。

就労継続支援施設A型・B型の事業者にとってはライバルが増えてしまい、競争力を持たない企業は事業の継続が困難となり、他社へのM&A・売却・譲渡を選択せざるを得ない状況です。

⑤就労率が上昇しない

5つ目に挙げる障害者施設・就労継続支援施設A型・B型がM&A・売却・譲渡される理由は、上昇しない就労率です。就労継続支援施設A型・B型では、障害者に労働の機会を与えて知識や能力を向上させ、一般企業への就労を目指しています。

しかし、就労移行支援型を含む就労系障害福祉サービスから一般企業へ移行する数は年々増加しているものの、就労継続支援施設A型・B型に限った就労率は、A型で4.7%、B型に至っては1.1%(2017年度)となり、就労率が上昇していません。

就労率が低いと施設の利用者が少なくなったり、就労の定着に応じた加算を得られなかったりして収益が下がるため、M&A・売却・譲渡を選択して、事業からの撤退を選択しているといえます。

参照:厚生労働省 説明資料(障害福祉サービスにおける就労支援)平成31年2月12日

障害者施設・就労継続支援施設の廃業件数

下表は、東京商工リサーチの発表資料「2020年『障害者福祉事業』倒産と休廃業・解散調査」から、過去5年間の障害者福祉事業者の倒産および休廃業・解散数を抜粋した数値です。
 

倒産 休廃業・解散 合計
2016 11 57 68
2017 23 67 90
2018 23 70 93
2019 30 106 136
2020 20 107 127
出典:東京商工リサーチ「2020年「障害者福祉事業」倒産と休廃業・解散調査」

障害者施設・就労継続支援施設の倒産・廃業件数は、基本的に増加傾向にあります。上表では2020(令和2)年の数値が下がっていますが、これはコロナ禍という特殊環境下によるものです。

具体的には、コロナ禍に対する国・自治体からの支援措置が功を奏し、倒産件数を抑制する結果になったと見られています。その反面、新型コロナに対する感染防止策などの負担増に対応しきれず、休廃業は微増となりました。

参考:東京商工リサーチ「2020年「障害者福祉事業」倒産と休廃業・解散調査」

5. 障害者施設・就労継続支援施設A型/B型をM&A・売却・譲渡する際の注意点

ここでは、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡を行う際、注意すべき8つの点を解説します。

  1. バリアフリーの確認
  2. サービス管理責任者と児童発達管理責任者の在任
  3. 人員配置体制の確認と減算
  4. 加算の確認
  5. M&Aを行うタイミングと理由
  6. M&A・売却・譲渡先の選定を行う
  7. M&A手法(事業譲渡・法人譲渡)の選定
  8. 福祉デューデリジェンスの実施

①バリアフリーの確認

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型をM&A・売却・譲渡する場合、その建物には、障害者の利用を考えて、誘導用のブロック・出入り口のスロープ・階段や廊下の手すり・エレベーター・車いす用のトイレや浴室などの完備が求められます。

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡を進める前に、バリアフリーの機能に問題がないことを確認しておきましょう。

②サービス管理責任者と児童発達管理責任者の在任

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の運営は、障害者総合支援法に定められている障害福祉サービスに含まれている事業です。障害者総合支援法および児童福祉法では、事業者に対して市町村から障害福祉サービス等報酬が支給されることも定められています。

障害福祉サービス等報酬の具体額は、毎年見直しされますが、注意すべき規則はサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の在任問題です。仮に障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の譲渡の前に退職していると、買い手には以下のような影響が生じます。

  • 会社譲渡(株式譲渡)の場合:2カ月後から障害福祉サービス等報酬額が3割減
  • 事業所譲渡(事業譲渡)の場合:行政から新規指定の許可が得られず事業を行えない

こうなると買い手との間でトラブルになるか、あるいは契約前に責任者の退職を知った買い手は、M&Aを中止するおそれがあります。したがって、責任者がM&A・売却・譲渡の前に退職してしまうような事態は避けることが必須です。

③人員配置体制の確認と減算

障害福祉サービス等報酬には、その金額の算定基準があります。障害者施設・就労継続支援施設A型・B型に対しても、算定基準が細かく定められていますが、その基本的基準の1つが、人員配置体制です。

仮に基準となる人員配置体制を満たしていなければ、障害福祉サービス等報酬額は減算されます。これは、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の買い手にとって見過ごせない問題です。

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡を円滑に進めるためにも、自社の人員配置体制が万全であるかよく確認してください。

④加算の確認

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型に限らず、福祉事業に従事する労働者に対して、国は処遇改善加算制度を設けました。これは、福祉事業で介護職を行う人の報酬が他の産業よりも低いため、その賃金をアップさせるための制度です。

具体的には、従業員のキャリア向上のための環境改善を行った事業者に対し、従業員の報酬に加算させるための資金を支給します。支給を受けるためには複数の要件をクリアし、なおかつ、その状態を維持していなければなりません。

一度、要件をクリアし加算を受けても、後日のチェックで要件を満たしていないと、加算額の返金を命じられることもあります。障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の買い手としては気になるポイントであるため、確認を怠らず行いましょう。

⑤M&Aを行うタイミングと理由

就労継続支援施設A型・B型では、法制度の改正に伴い、今後得られる収益に変化が生じます。仮に改正の前にM&Aを進めてしまうと、収益の変化がネックとなり交渉先が見つからない事態が起きるおそれがあります。

人材不足を理由にM&Aを進める場合も、注意が必要です。障害者施設・就労継続支援施設A型・B型は、労働環境や待遇の悪さから従業員が定着しにくい事業といわれています。

買い手の立場を考慮すると、事業を承継してすぐに事業を始められることが魅力といえるため、障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&Aに着手する前に、法制度改正と従業員確保に注意をして買い手を探すことが重要です。

⑥M&A・売却・譲渡先の選定を行う

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型は、障害者の生活や就労を支えているため、譲渡先には施設の運営を任せられ、承継後の事業継続を約束してくれる相手を選ぶことが重要です。

自社のみで譲渡先を探すことは難しいため、M&A仲介会社などの専門家へ相談して候補先を探すのが良いでしょう。

⑦M&A手法(事業譲渡・法人譲渡)の選定

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型を対象とするM&Aでは、手法(事業譲渡・法人譲渡)の選定も重要です。

まず、法人譲渡では、障がい福祉事業所を持つ会社自体がM&Aの取引対象となります。このとき、株式会社の場合は、株式自体が取引対象です。これに対して、一般社団法人やNPO法人の場合は、理事の選任等を行い、理事を入れ替える手続きが求められます。

次に、事業譲渡では、事業所がM&Aの取引対象となります。この手法では、旧事業所の廃止と新事業所の指定申請手続き(新規申請)を同時に行わなければなりません。

⑧福祉デューデリジェンスの実施

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型を対象とするM&Aでは、事業所に関して福祉的な観点からの分析も加味したうえでリスクを検討しなければなりません。

とりわけ福祉的な情報や書面を出し渋る場合や、加算・減算状況に関する理解・知識が乏しい場合は要注意です。

放課後等デイサービス・児童発達支援のM&A・売却・譲渡については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】放課後等デイサービス・児童発達支援のM&A・売却・譲渡!業界動向・相場・流れを解説【事例あり】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

6. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型をM&A・売却・譲渡する際におすすめの仲介会社

M&A総合研究所

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出典:https://masouken.com/

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型をM&A・売却・譲渡する際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、中堅・中小企業向けの案件を取り扱い、M&Aの支援を行っているM&A仲介会社です。

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【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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7. 障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡のまとめ

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型は、事業の特性から自社の意向だけで廃業や撤退を選ぶことは困難です。障害者施設・就労継続支援施設A型・B型の事業者の多くは、M&A・売却・譲渡による事業承継を選択しています。

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡を進める際には、M&Aに関する幅広い知識や高い交渉力が不可欠です。専門的な知識やM&Aの経験がなければ、望んだ時期までにM&Aを終えられないことや譲渡先すら探せないといった状況に陥ることも考えられます。

障害者施設・就労継続支援施設A型・B型のM&A・売却・譲渡を成功させるためには、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼して進めていくと良いでしょう。

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