機械設計・技術者派遣のM&A動向|売却相場や成功のポイント、事例15選を徹底解説

取締役副社長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

機械設計業界のM&Aをご検討中ですか?本記事では、機械設計および技術者派遣業界のM&A動向や売却相場を解説します。事業承継を成功させるポイントや最新の譲渡事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 機械設計業界のM&Aで使われる基本用語
  2. 機械設計業界のM&A動向と現状
  3. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継・譲渡・売却事例15選
  4. 機械設計・機械設計技術者派遣の業界動向
  5. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を行うメリット
  6. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継における相談先
  7. M&A仲介会社の主な役割
  8. 機械設計・機械設計技術者派遣におけるM&A仲介会社の選び方
  9. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継時の売却相場
  10. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を成功させるポイント
  11. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継にお悩みなら
  12. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継まとめ
  13. 技術者派遣業界の成約事例一覧
  14. 技術者派遣業界のM&A案件一覧
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1. 機械設計業界のM&Aで使われる基本用語

この章では、機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継・譲渡・売却に関する基本的な用語の意味を解説します。機械設計技術者派遣や、M&Aの基本的な意味を押さえてから読み進めると、M&Aの動向を理解しやすいでしょう。

機械設計・技術者派遣の事業内容

機械設計とは、自動車や家電、精密機械や重工業機械などの機械を設計することです。日本機械設計工業会(JMDIA)が実施する機械設計技術者試験に合格した人を、機械設計技術者と呼んでいます。

これを踏まえて、機械設計技術者派遣とは、機械設計技術者を派遣することおよびその事業を意味する言葉です。自動車から精密機械や航空機まで、さまざまな機械を設計する企業に技術者を派遣しています。

M&Aとは

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略称で、日本語では「合併と買収」を意味します。企業の合併や買収だけでなく、事業譲渡や株式譲渡といった多様な手法の総称です。かつては大企業中心の経営戦略でしたが、近年では後継者不足の解決策として中小企業でも活発に活用されており、機械設計業界も例外ではありません。

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事業譲渡・売却とは

事業譲渡・売却は、会社の一部または全部の事業を第三者に譲渡し、対価を得るM&A手法です。会社全体を売買する株式譲渡と異なり、売り手は特定の事業(例:特定の分野の機械設計事業)のみを切り離して売却できます。手続きはやや煩雑ですが、売り手はコア事業に集中でき、買い手は必要な事業だけを取得できるというメリットがあります。

事業承継の概要と3つの種類

事業承継とは、会社の現経営者が引退し、経営を後継者に譲り渡すことを意味します。前述した事業譲渡はM&A手法の名称ですが、事業承継はM&A手法の名称ではなく、単に事業を承継することをさす言葉です。

事業承継は誰に事業を引き継ぐかによって、以下の3種類に分けられます。

  • 親族内事業承継
  • 親族外事業承継
  • M&Aによる事業承継

親族内事業承継

親族内事業承継は、現経営者の子どもや配偶者といった親族に事業を引き継ぐ方法です。長年かけて築いた会社を家族に託せる安心感がある一方、後継者候補の経営者としての資質や意欲の見極めが重要になります。また、株式や資産の承継に伴う相続税の問題や、他の親族との間で相続トラブルが発生しないよう、事前の十分な対策が不可欠です。

親族外事業承継

親族内に承継候補が見つからない場合は、親族以外の人に事業承継しなければなりません。そこで会社の従業員や役員など、社内の人間を後継者に据える手法として、親族外事業承継が存在します。

社員は親族ほどの親密さはないものの、長年会社に勤めている人間なら信頼関係があり、経営者としての資質が見極めやすいです。

第三者への承継(M&A)

親族や社内に適任の後継者が見つからない場合、M&Aによって第三者に事業承継を行います。M&A仲介会社などを活用し、自社の強みを評価してくれる買い手を探します。この手法は、地理的な制約なく幅広い候補から最適な相手先を選べる点や、従業員の雇用を維持できる点、そして経営者が売却によって創業者利益を獲得できる点が大きなメリットです。

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2. 機械設計業界のM&A動向と現状

機械設計業界では、後継者不足や技術革新への対応などを背景にM&Aが活発化しています。ここでは、現在の業界動向を3つの視点から解説します。
 

後継者不足による事業承継の増加

日本の多くの中小企業が直面している後継者不足の問題は、専門技術者が資本となる機械設計業界においても深刻です。帝国データバンクが2024年4月に発表した「全国企業『後継者不在率』動向調査(2024年)」によると、全業種の平均で後継者不在率は53.9%に達しています。この課題を解決する有効な手段として、第三者への事業承継、すなわちM&Aを選択する経営者が増えています。
 

技術革新と業界再編の動き

AIやIoT、3Dプリンターといった技術革新が設計プロセスを大きく変える中、企業が単独で最新技術に対応し続けることは難しくなっています。そのため、先進技術を持つ企業を買収したり、逆に大手企業の傘下に入ることで技術力を強化したりと、生き残りをかけた業界再編が活発化しています。M&Aは、このような技術競争を勝ち抜くための重要な経営戦略となっています。
 

大手企業による優秀な技術者の確保

機械設計業界は、知識と経験が豊富な技術者の存在が企業の競争力を左右します。しかし、少子高齢化の影響で優秀な人材の採用は年々難しくなっています。そこで、大手企業や異業種の企業が、即戦力となる設計技術者を確保する目的で、専門性の高い中小の機械設計会社をM&Aするケースが増加傾向にあります。

3. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継・譲渡・売却事例15選

この章では、機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継・譲渡・売却事例について、代表的なものを紹介します。

  1. オーイズミがバブルスターを完全子会社化
  2. ヘリオス テクノ ホールディングスが子会社を譲渡
  3. ポエックがミモトを完全子会社化
  4. 平山HDが平和鉄工所を完全子会社化
  5. ヘリオス テクノ ホールディングスがテクノリンクを完全子会社化
  6. TBKがサンテックを完全子会社化
  7. 夢真ホールディングスが三立機械設計を子会社化
  8. 鴻池運輸がエヌビーエスを完全子会社化
  9. ダイキアクシスがフジムラインベントを完全子会社化
  10. アンドールがキャデムを吸収合併
  11. アルプス技研がパナR&Dを子会社化
  12. テクノプロHDがオンザマークを孫会社化
  13. トラスト・テックがカナモトエンジニアリングを子会社化
  14. 関東地方の機械設計技術者派遣会社の株式譲渡
  15. 近畿地方の機械設計技術者派遣会社の会社譲渡

①オーイズミがバブルスターを完全子会社化

2022年3月、オーイズミは、バブルスターの株式すべてを取得し、完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。

買収側は、遊技機関連の装置・機器の製造および販売、遊技機の製造および販売、不動産の賃貸および管理などを手掛けている企業です。対する売却側は、健康食品などの製造、Eコマース、食品輸入および卸販売などを手掛けています。

本件M&Aにより、買収側では、事業分野を拡充するほか、グループ全体としてシナジー効果を追求し、企業価値のさらなる向上を図っています。

②ヘリオス テクノ ホールディングスが子会社を譲渡

2019年12月、ヘリオス テクノ ホールディングスは、子会社である日本技術センターをキャピタル・パートナーズへ譲渡することを決めました。

ヘリオスの主軸である産業機械や検査・計測装置などにおける製造装置事業とのシナジー効果が発揮できていないため、人材サービス事業を切り離すと発表しており、産業用機械の開発設計事業や人材サービス事業などを行うテクノリンクも、キャピタル・パートナーズに譲渡します。

③ポエックがミモトを完全子会社化

2019年4月、ポエックがミモトの全株式を取得し、完全子会社化しました。

以前からポエックの子会社である三和テスコがミモトに船舶用機器などを外注していましたが、今回の子会社化によって内製化することで利益率を向上させ、ミモトの取引先との販路拡大を目指しています。

④平山HDが平和鉄工所を完全子会社化

2018年12月、開発・設計技術者の派遣事業などを手掛ける平山ホールディングスは、平和鉄工所を株式譲渡の手法により完全子会社化しています。平和鉄工所は、鉄道会社向けに産業・化工・船舶機械部品製造を行う会社です。

これにより、平山ホールディングスは、高い技術力がある人材を確保し、技術者教育に生かして人材派遣や請負先を広げる狙いです。

⑤ヘリオス テクノ ホールディングがテクノリンクを完全子会社化

2018年11月、ヘリオステクノホールディングがテクノリンクの全株式を取得し、完全子会社化しました。

半導体や医療機器の製造・販売を営むテクノリンクを子会社化することで、ヘリオステクノホールディングの機械設計技術者派遣事業を拡大することが、本件の買収目的です。

⑥TBKがサンテックを完全子会社化

2018年11月、TBKがサンテックの全株式を取得し、完全子会社化しました。自動車や建設機械などを手掛けるサンテックを子会社化することで、シナジー効果を獲得するのが今回の買収目的です。

⑦夢真ホールディングスが三立機械設計を完全子会社化

2018年10月、夢真ホールディングスが三立機械設計の全株式を取得し、完全子会社化しました。建機や液晶分野の技術者を擁する三立機械設計を子会社化して、機械設計技術者派遣事業を拡大することが今回の買収目的です。

⑧鴻池運輸がエヌビーエスを完全子会社化

2018年5月、プラント機器・各種設備における設計・制作などのエンジニアリングサービスを行う鴻池運輸は、株式譲渡の手法によりエヌビーエスを買収しました。エヌビーエスは、電気・エネルギー関連プラント分野などの事業を手掛けています。

これにより、鴻池運輸は、当該分野の技術者を確保し、エンジニアリング業務の一貫したサービス提供や海外向けのエンジニアリング事業を強める見込みです。

⑨ダイキアクシスがフジムラインベントを完全子会社化

2018年1月、排水処理事業などを行うダイキアクシスは、株式譲渡の手法によりフジムラインベントを買収しました。フジムラインベントは、機械設計・環境関連製品の製造販売を行い、亜臨界処理装置・水熱処理装置などで特許を得ている会社です。

これにより、ダイキアクシスは、排水処理事業の事業領域を広げて収益の増加を見込みます。

⑩アンドールがキャデムを吸収合併

2017年4月、ソフトウェアの設計開発・受注請負などを手掛けるアンドールは、ソフトウェアにおける開発・設計などの事業や、機械・電子回路などの設計と開発事業を手掛ける連結子会社のキャデムと吸収合併を行いました。

これにより、アンドールは、人材や営業力を集中させ事業基盤を強めてサービスを向上させる見込みです。

⑪アルプス技研がパナR&Dを子会社化

2016年9月、技術者の派遣事業などを行うアルプス技研は、株式譲渡の手法によりパナR&Dを買収しました。パナR&Dは、機械・情報・電子などの分野で、エンジニアの派遣や設計などの受託事業を行っています。

これにより、アルプス技研は、シナジーの増強とノウハウの共有を見込み、さまざまなニーズに対応できる体制を整える狙いです。

⑫テクノプロHDがオンザマークを孫会社化

2016年3月、テクノプロホールディングスは、機械をはじめ各分野への設計・開発研究事業を行う子会社のテクロプロを通し、オンザマークを株式譲渡の手法により孫会社にしました。

これにより、IT分野に向けた請負・受託事業を手掛けるオンザマークは、プロジェクトマネジメント力を向上し、高い収益が見込める案件受注の増加などを見込みます。

⑬トラスト・テックがカナモトエンジニアリングを子会社化

2015年10月、機械系をはじめ各分野への技術者派遣や、受託・請負事業などを手掛けるトラスト・テックは、技術者の派遣事業を行うカナモトエンジニアリングを株式譲渡の手法により買収しました。

これにより、トラスト・テックは、顧客、採用、教育面での連携を取り、供給するサービスの質を向上させる見込みです。

⑭関東地方の機械設計技術者派遣会社の株式譲渡

これは、関東地方における機械設計技術者派遣会社の株式譲渡事例です。譲渡企業は自動車・航空機・産業機械・家電などの設計を行う会社で、譲受企業はITソフトウェアを手掛けています。当事例は、人材不足の解消と雇用の安定が主な譲渡理由です。

⑮近畿地方の機械設計技術者派遣会社の事業譲渡

近畿地方における機械設計技術者派遣会社の事業譲渡事例です。譲渡企業は設立20年以上の機械設計技術者派遣会社で、近年は赤字が続き債務超過に陥っていました。

加えて後継者不在の問題も抱えていましたが、経営戦略を見直し業績改善が見込める状態になったため、このタイミングにおける事業譲渡を決断しています。

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4. 機械設計・機械設計技術者派遣の業界動向

この章では、機械設計・機械設計技術者派遣の業界動向を紹介します。

  1. 業界再編の動きがある
  2. 大手企業は海外の派遣会社を買収するケースもある
  3. 人材を確保できない小規模企業は将来性に不安

①業界再編の動きがある

機械設計・機械設計技術者派遣業界では、夢真ホールディングスやヘリオステクノホールディングといった持株会社が積極的にM&Aを実施しており、業界再編に向けた動きが目立っています。

②大手企業は海外の派遣会社を買収するケースもある

機械設計・機械設計技術者派遣では、大手企業が海外の派遣会社を買収するケースも見られます。例えば、夢真ホールディングスは、2017年10月に台湾の派遣会社「一起吧生活科技有限公司」を子会社化しました。

③人材を確保できない小規模企業は将来性に不安

機械設計は高度な技術と経験を必要とするため、優秀な機械設計技術者を確保できるかどうかが重要です。小規模な機械設計・機械設計技術者派遣会社の中には十分な人材を確保できない会社もあり、将来性に不安がある企業が増えている状況です。

5. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を行うメリット

この章では、機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を行うメリットを解説します。

①後継者問題を解消できる

1つ目のメリットは、後継者問題を解消できることです。経営者が高齢になったり持病が悪化したりするのをきっかけに、後継者を探したが見つからないときは、M&A・事業承継を選ぶと後継者問題を解消できます。

②経営難の状況を解決

単価の下落による経営難の状況を解決できることもメリットです。リーマン・ショック以降、技術者の単価は下がり、従業員1人あたりの年間売上高が落ち込みました。

以前の単価に戻せない会社は経営の継続が困難となり、譲渡・売却を行うケースもあります。

③技術者不足を解消できる

技術者不足を解消できることもメリットに挙げられます。機械設計・機械設計技術者派遣業は、コストの削減を反映させるといった複雑な設計など、高度な技術が必要です。

しかし、要求に対応できる技術者数が足りずに技術力を備えた技術者が集められない場合は、事業継続が難しいです。このような場合は、他社とM&A・事業承継を行って技術者不足を解消するケースがあります。

④事業拡大・再編を実現できる

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を行うと、事業拡大・再編を実現できます。たとえ自社のみではライバル企業との競争に勝てなくても、大手傘下に入れば経営資源の共有によって事業拡大を図れるでしょう。

事業の継続が難しい企業では、組織再編のためにM&A・事業承継を選ぶこともあります。自社から機械設計・機械設計技術者派遣事業を切り離し並行して手掛ける事業へ経営資源を集中させて、会社を存続させるでしょう。

⑤譲渡・売却益を獲得できる

譲渡・売却益を獲得できることも大きなメリットです。事業譲渡を選ぶと会社に譲渡・売却益が入り、株式譲渡を選ぶと経営者が創業者利益を得られます

ここで得た譲渡・売却益は、機械設計・機械設計技術者派遣以外の事業や新事業に充てたり、新会社設立に必要とする資金に充てたりできます。経営者としては、老後の生活資金にも使うことも可能です。

6. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継における相談先

M&A仲介会社の数は非常に多いため、どこを選ぶべきかわからないこともあります。この章では、機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を行う際におすすめの相談先を紹介します。

M&A仲介会社

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継における相談先として、最もおすすめできる機関はM&A仲介会社です。

M&A仲介会社の中には、交渉先の紹介から成約まで一貫したサポートを行う機関もあります。無料相談を受け付ける機関も多いため、まずは相談してみましょう。

金融機関

地元の金融機関では、取引がある企業を中心に相手企業を紹介しています。資金面の相談にも対応するため、M&A・事業承継で資金調達の課題に悩まされている場合でも適した相談先です。

ただし、債権の回収目的に買収側を重視したりエリア外の案件を取り扱っていなかったりするデメリットがあり、ふさわしい相手が見つからないケースもあります。

実務サポートは提携のM&A仲介会社へ依頼することがほとんどで、成約までに余計な時間がかかることもあるため、短期のクロージングを求める場合は、最初からM&A仲介会社に依頼すると効率的です。

公的機関

各都道府県に設置されている事業承継・引継ぎ支援センターや商工会議所などの公的機関も、中小企業における事業承継のサポートを実施しています。

地元の公的機関は、無料で相談可能です。各地の機関と情報を共有していますが、抱える案件数はまだ少ないために相手企業が見つからないことも多いです。

実際のサポート業務は提携のM&A仲介会社や士業事務所へ依頼するため、M&A・事業承継のタイミングを逃す可能性も考えられるため、最初からM&A仲介会社へ相談したほうが効率的です。

士業事務所

士業事務所も、機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継におすすめの相談先です。地元の士業に相談すれば、顧問を務める企業を対象に相手先を紹介してくれます。法務・会計・税務などの専門知識を生かしたサポートが受けられるでしょう。

ただし、地元の士業は専門知識を持っていても、M&A全体のサポートに関する経験や知識が不足するケースが少なくありません。依頼するときはM&Aの実績を確認しましょう。

M&Aマッチングサイト

マッチングサイトでは、サイトに情報を載せることで、興味を持った相手とダイレクトに交渉や手続きを進めることが可能です。自社のみで交渉や手続きを行うのが不安な場合は、仲介サポートを依頼できるサイトもあります。

マッチングサイトを活用すると、自社のみで探すよりも多くの相手候補が見つかるものの、情報が漏えいするリスクが考えられるため注意しましょう。

7. M&A仲介会社の主な役割

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継はM&A仲介会社を利用するのが一般的ですが、M&A仲介会社にはどのような役割があるのでしょうか。

M&A仲介会社の主な役割は、以下の5つがあるため順番に解説します。

  1. M&A案件の紹介や相手探し
  2. M&Aでの交渉
  3. M&A先企業のデューデリジェンス
  4. 契約書類の作成
  5. 統合プロセスの調整

①M&A案件の紹介や相手探し

M&A仲介会社の最も重要な役割といえるのが、M&A案件を紹介したり、M&A・事業承継の相手を探したりすることです。

M&A仲介会社は、独自のネットワークで多くの買い手・売り手候補を保有し、その中から条件に合う相手を選定します。保有する案件はM&A仲介会社によって異なり、特定の業種に強いM&A仲介会社や中小企業に強いM&A仲介会社なども少なくありません。

②M&Aでの交渉

M&A仲介会社の紹介で気に入った相手が見つかれば、次はその相手と具体的な交渉です。M&A仲介会社は、買い手と売り手の間に立ち、双方の意見を尊重して成約を目指します

その一方、M&Aアドバイザリーは、依頼を受けた売り手側または買い手側の立場に立ち、より良い条件で売買できるよう相手と交渉します。M&A仲介会社とM&Aアドバイザリーは同じように見えますが、交渉における立場・立ち位置が異なる点に注意が必要です。

③M&A先企業のデューデリジェンス

相手と交渉して基本的な合意を得ると、次は会社の内容を詳細に調べるデューデリジェンスを実施します。M&Aによる事業承継では、面識のない第三者へ会社を引き継ぐため、デューデリジェンスは非常に重要なプロセスです。

デューデリジェンスは、調べる内容によって財務を調べるファイナンシャルデューデリジェンス・事業内容を調べるビジネスデューデリジェンスなどの種類に分かれます。

全てを実施するのはコスト・時間の面で困難であるため、分野を厳選しデューデリジェンスを実施するのが一般的です。

④契約書類の作成

M&A・事業承継では、そのプロセスでさまざまな書類を作成する必要があります。中には法的効力を持つ書類もあるため、専門知識のある会計士や税理士に作成してもらうとよいでしょう。

M&A・事業承継で必要な書類は事例によって異なりますが、基本合意書・最終契約書はいずれのスキームでも必要です。基本合意書はデューデリジェンス実施前に締結される書類であり、最終契約書は契約を確定させる法的効力を持つ書類です。

⑤統合プロセスの調整

最終契約書を締結して契約が確定すると、最後に具体的な譲渡手続きを実施してクロージングです。契約締結後のプロセスは「統合プロセス」または「PMI」と呼ばれます。たとえ譲渡金額などの契約条件が納得のいく場合でも、最後の統合プロセスがうまく進まなければM&Aが成功したとはいえません。

統合プロセスはM&A仲介会社における役割の1つですが、当事者である買い手・売り手双方の努力も重要です。

8. 機械設計・機械設計技術者派遣におけるM&A仲介会社の選び方

この章では、機械設計・機械設計技術者派遣におけるM&A仲介会社の選び方を解説します。

過去の取り扱い実績

まずは、過去の取り扱い実績です。M&A仲介会社などの専門家は、それぞれ得意とする業種・事業規模が異なります。実績を確認せずに依頼すると、たとえ機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を行いたくても、相手が見つからなかったり交渉が長引いたりするおそれがあります。自社・事業の業種や事業規模に関する実績を確認してから、依頼しましょう。

報酬体系

手数料・相談料・成功報酬などの報酬体系も確認しましょう。M&A仲介会社によって報酬体系は違ううえに、成功報酬の料率を掛ける対象も異なります。報酬体系をチェックせずに依頼すると、予想以上の費用がかかるリスクがあります。

ホームページなどで報酬体系を確認したり不明なことは質問したりして、依頼する前に報酬体系を明確にしましょう。

M&Aに関する専門性

機械設計・機械設計技術者派遣におけるM&A仲介会社を選ぶときは、M&Aに関する専門性も確認しましょう。M&Aの経験に乏しかったり専門知識がなかったりするM&A仲介会社では、望んだ条件での成約が難しくなります。

M&Aの豊富な経験と知識を持つ相談先を選ぶことが大切です。依頼する前に、対応するアドバイザーの成約実績などをチェックしましょう。

相性・信頼度

相性・信頼度も、機械設計・機械設計技術者派遣におけるM&A仲介会社の選び方で欠かせないポイントです。対応するアドバイザーとの相性が悪ければ、希望をくみ取ってもらえなかったり意思疎通が難しくなったりする可能性があります。

スムーズなM&A・事業承継が困難になることもあるため、相性が良く信頼できる相談先を見つけましょう。アドバイザーによっては、仲介会社の利益を重視してふさわしくない相手候補を紹介することもあります。

9. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継時の売却相場

機械設計・機械設計技術者派遣のM&Aでは、高度な技術・経験を持つ機械設計技術者の有無や、買い手のニーズと売り手企業の強みが合致し、高いシナジー効果を獲得することが重要です。

これらの条件を満たすM&A・事業承継を実現できれば、相場よりも高く売却できる可能性は十分にあります。

売却価格の算定方法

M&A・事業承継における売却価格の算定方法は、純資産をもとに算定する方法似た事業を営む上場企業の株価を参考にする方法割引キャッシュフローをもとに算定するDCF法などがあります。

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10. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を成功させるポイント

この章では、機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を成功させるポイントを解説します。

  1. 事前の準備・計画を練る
  2. 契約成立までは従業員・取引先などに情報を漏らさない
  3. 自社の強み・有資格者の人数などを提供資料用にまとめる
  4. M&A・事業承継の目的を明確にする
  5. 専門家に相談する

①事前の準備・計画を練る

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継では、事前の準備・計画をしっかり練ることが重要です。スムーズに手続きが進むよう事業承継計画書を作成するほか、できるだけ高い価格で売却できるよう企業価値を高める努力をしましょう。

②契約成立までは従業員・取引先などに情報を漏らさない

M&A・事業承継を検討していることが従業員や取引先に漏れると、不安を感じた従業員が辞めてしまったり、取引先が撤退したりするおそれがあります。

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継をするときは、契約成立までは従業員・取引先などに情報を漏らさないようにしましょう。

③自社の強み・有資格者の人数などを提供資料用にまとめる

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継では、自社の強みや有資格者の人数を買い手にアピールすることが重要です。しかし、口頭で伝えるだけでは、あいまいにしか伝わらなかったり、相手が内容を忘れたりするおそれもあります。

そこで、自社の強み・有資格者の人数などを事前に提供資料用としてまとめておけば、買い手にはっきりと自社の強みをアピールできます

④M&A・事業承継の目的を明確にする

M&A・事業承継の目的が明確でなければ、買い手との交渉をスムーズに進めることは困難です。「親族や社員に適切な後継者がいない」「選択と集中でコア事業に資源を集中したい」など、M&A・事業承継の目的を買い手にはっきり述べられるようにしましょう。

⑤専門家に相談する

M&A・事業承継を進めるには専門的な知識や経験が求められるため、M&A仲介会社など専門家に相談し、サポートを受けることが欠かせません。

M&A仲介会社以外に、銀行や信用金庫などの金融機関や事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関にも相談できます。

11. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継にお悩みなら

M&A総合研究所

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出典:https://masouken.com/

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継にお悩みの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

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【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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12. 機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継まとめ

本記事では、機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継を解説しました。機械設計は専門性の高い業種であり、自社の強みを生かしたシナジー効果の高いM&A・事業承継が可能です。

M&A・事業承継の流れやポイントなどを理解して、より良い条件でのM&A・事業承継ができるよう準備しましょう。

13. 技術者派遣業界の成約事例一覧

14. 技術者派遣業界のM&A案件一覧

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