買収後のPMIとは?手法や流れ、ポイントを解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

この記事では買収後のPMIについて、PMIの特徴・手法や流れ・ポイント、買収後のPMIの重要性やメリットをくわしく解説しています。そのほかに、自社のPMIに活かせるように買収後のPMIに失敗した事例なども取り上げています。

目次

  1. 買収後のPMIとは
  2. 買収後のPMIの重要性
  3. 買収後のPMIの手法・やり方
  4. 買収前後のPMIの流れ・プロセス
  5. 買収後のPMIのメリット
  6. 買収後に実施するPMIのポイント
  7. 買収後のPMIに失敗した事例
  8. 買収・M&Aの際のPMIの相談先
  9. まとめ
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1. 買収後のPMIとは

買収後のPMIとは

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PMI(ポスト・マネジメント・インテグレーション)は、買収や合併の後に行われる統合プロセスのことです。

PMIを実行に移す場合、以下のように5つのセクションに分けて、統合が進められます。

  1. 経営面
  2. 制度面
  3. 業務面
  4. 事業面
  5. 意識面

①経営面

ひとつ目に挙げるセクションは、経営面です。両社の企業理念や、経営理念や、経営戦略などをすり合わせて、新しい会社への移行を進めます。

PMIは統合の度合いに応じて、亀裂や認識の違いなどが生じやすくなるといわれています。

例えば吸収合併では、他社を傘下に収める買収と異なり、消滅会社が存続会社の体制にあわせる割合を強めてしまいます。

買収・M&A交渉の時点から、トップ同士の会談を通じて対象企業の経営面を把握しておかなければ、すり合わせがうまく進まない事態に見舞われるため、買収後はもちろん買収の前にも準備が必要といえるでしょう。

②制度面

2つ目に挙げるセクションは、制度面です。制度面では大きく、2つの制度を統合します。ひとつは人事制度で、就業規則や評価制度、退職制度などの統合が必要です。

もうひとつは会計制度で、外部に向けた財務会計・企業内の経営状況を把握する管理会計を統合します。

これは、財務・管理会計の統合によって、グループ内の取引を把握し、取引の見直しや財務の改善を進めるためだといわれています。

③業務面

3つ目に挙げるセクションは、業務面です。オペレーションや経理・経営管理・人事のほか、情報システムの統合を行います。

業務への影響を想定し、発生するコストと得られる効果を比べて、統合する時期や範囲が決定されているといえます。

特に人事においては、適切に人材を配置することが重要です。自社の社員のみを優遇しては、両社の関係に亀裂が入ってしまい、PMI後の業務に支障が及ぶでしょう。

そのため、経営陣や主要な役職および従業員の配置については、両社の人材を公平に扱うことが求められます。

④事業面

4つ目に挙げるセクションは、事業面です。現状の業務を維持する計画や、両社における仕入先や資材などの分析、得られたデータに基づく事業展開の立案、担当する仕事の割り当て、新部門の創設などを行います。

事業面の統合では、シナジーの大小による資本の選択と集中や、共通するサービス・製品の統廃合、取引相手の変更などを行うため、シナジーの獲得に直結するPMIといえるでしょう。

⑤意識面

5つ目に挙げるセクションは、意識面です。互いの企業文化について、経営者たちが話し合い、従業員へも相手企業の文化を受け入れてもらうことを求めます。

また、意思決定の過程や、今後の事業方針、各従業員に求める内容、PMI後の報酬などを伝えて、買収・M&A後の状況を明確にしておくことも必要でしょう。

特にクロスボーダー案件では、国内企業同士のM&Aに比べ企業文化などに差が見られるので、対象国の文化を把握しておくことが肝要といえます。

2. 買収後のPMIの重要性

買収後のPMIの重要性

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企業の買収後に行うPMIは、どのような点において、重要と判断されているのでしょうか。買収後のPMIは、以下の点が重要であると判断されます。

  • シナジー効果を最大限発揮する
  • M&A・企業買収増加による必要性の自覚

シナジー効果を最大限発揮する

ひとつ目に挙げる買収後のPMIの重要性は、シナジー効果を最大限発揮させる点です。買収や合併を行う目的には、企業価値の向上や、シェアの拡大、コストの削減、サービス・製品の質を高めることなどが挙げられます。

このようなシナジーを得るには、先述したPMIに取り組まなければならず、PMIを怠ってしまうとシナジー効果を得るまでに時間がかかったり、シナジーそのものが得られなかったりします。

そのため、シナジー効果を最大にまで高めるには、徹底したPMIの策定に加えて統合プロセスに優先順位をつけたり、買収・M&A後に発現するリスクや問題に対応したりすることが重要であるといえます。

【関連】M&Aのシナジー効果とは?シナジー効果の事例5選!

M&A・企業買収増加による必要性の自覚

2つ目に挙げる買収後のPMIの重要性は、M&A・企業買収増加による必要性の自覚です。企業は自社の成長や存続のために、M&A・企業買収を選んでいます。

M&A・企業買収は、大手企業のみの手段とされていたものの、近年では中小企業でも会社・事業の存続を図ったり、取引や従業員との契約を維持したりするために、M&A・企業買収を用いています。

つまり、買収後のPMIは、多くの企業にとって自社の将来を左右するといえるでしょう。そのため、買収後のPMIは、M&A・企業買収を通じて企業の成長を図ったり、自社の希望を叶えたりする企業には、重要な過程といえます。

3. 買収後のPMIの手法・やり方

買収後のPMIの手法とやり方

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買収後のPMIは、どのような手法・やり方で行われるのでしょうか。買収後のPMIは、以下のような手法・やり方によって、統合を完了させています。

【買収後のPMIの手法・やり方】

  1. 経営面の統合プロセス
  2. 制度面の統合プロセス
  3. 業務面の統合プロセス
  4. 事業面の統合プロセス
  5. 意識面の統合プロセス

買収後のPMIの手法・やり方① 経営面の統合プロセス

ひとつ目に挙げる買収後のPMIの手法・やり方は、経営面の統合プロセスです。PMIを始めるにあたり、まず以下のような手法・やり方を経て、次の統合プロセスに移ります。

  • 経営戦略の確認・策定・発表
  • 適材適所の配置転換
  • 経営・企業理念の浸透

経営戦略の確認・策定・発表

経営面におけるひとつ目の統合プロセスは、経営戦略の確認・策定・発表です。クロージングのあとに、デューデリジェンスの情報を反映させた計画を基に、当事会社で今後の統合計画を確認し合い、経営戦略を策定します。

その後、買収・M&Aを済ませたことを、従業員へ伝えます。交渉の間に外部へ漏れないよう、従業員への発表は、クロージングの後やクロージング日に伝えるのが一般的です。

適材適所の配置転換

経営面における2つ目の統合プロセスは、適材適所の配置転換です。PMIの実行は、設けているすべての部門に及ぶため、各部門を把握できる人材を配置しておく必要があります。

また、必要な人材を配置できても、PMIと並行して通常の業務もこなさなければなりません。

選定した人材への負担を軽くする場合は、専門のチームを設けてPMIに専念させる・外部に協力を依頼するなどの対応が取られます。

経営・企業理念の浸透

経営面における3つ目の統合プロセスは、経営・企業理念の浸透です。従業員にとっては、急に会社の統合が行われたと感じるため、これまで貫いてきた理念をすぐには変えることは困難です。

経営者同士で理念を理解しあっても従業員にまで及ばなければ、今後の経営に影響が現れるでしょう。そのため、クロージングを終えてから徐々に互いの企業理念を浸透させる必要があります。

互いの理念を把握してもらい、相手の文化を受け入れることを促し文化の上下を意識させないことが、経営・企業理念を浸透させるポイントといえるでしょう。

買収後のPMIの手法・やり方② 制度面の統合プロセス

2つ目に挙げる買収後のPMIの手法・やり方は、制度面の統合プロセスです。雇用に関する制度は、会社の存続を左右しかねません。


以下で取り上げる手法・やり方を把握して、統合の後も事業をスムーズに展開できる体制を整えるようにしましょう。

  • 人事制度の見直し
  • 報酬・退職金制度の見直し

人事制度の見直し

制度面におけるひとつ目の統合プロセスは、人事制度の見直しです。2つ以上の会社が統合されるため、それぞれの人事制度を適用すると、出身会社ごとに差が生じます。これでは、ひとつの企業として、まとまりに欠けるといえるでしょう。

そこで、PMIにより、人事制度の見直しが実行されます。策定する人事制度は、労働条件や、就労規則、制度の移行にかかるコストなどです。各社の人事制度を確認してから、統合後の経営に見合った人事制度が定められます。

もちろん、どちらかの人事制度に合わせても、問題が生じやすいといえます。そのため、統合した後の企業を想定し、新しい人事制度を策定するつもりで、人事制度を見直してください。

報酬・退職金制度の見直し

制度面における2つ目の統合プロセスは、報酬・退職金制度の見直しです。PMIにより、統合した後の会社に、基本給や賞与、手当、インティブ、退職金を合わせます。

報酬・退職金制度の見直しによっては、従業員の離職を招きかねません。不公平と感じさせないためにも、報酬・退職金の制度は慎重に行いましょう。

また、統合した後の経営について、重要な役割を与えたい人材がいれば、これまでの報酬体系や退職金制度を維持することを伝えてください。これで、必要な人材を会社に引き留められます。

【関連】事業譲渡・事業売却の際の社員・従業員の待遇まとめ!退職金や給与はどうなる?

買収後のPMIの手法・やり方③ 業務面の統合プロセス

3つ目に挙げる買収後のPMIの手法・やり方は、業務面の統合プロセスです。業務面の統合プロセスを怠って、業務の効率の低下やコストの増加などを招かないためには、以下のような手法・やり方を選択しましょう。

  • 間接・競合部門の統廃合
  • システムやノウハウの導入・改善

間接・競合部門の統廃合

業務面におけるひとつ目の統合プロセスは、間接・競合部門の統廃合です。PMIにより、直接部門(営業・製造・開発など)を支援する間接部門の統廃合を図ります。間接部門とは、総務や人事・経理・情報システムを担う部門のことです。

複数の会社をひとつの会社にまとめられるため、重複する部門をひとつに集約し、スムーズに業務を行える体制を整える必要があるでしょう。

また、競合する部門についても統廃合が必要です。競合する部門を抱えていると、経営効率が下がり、コストや人件費がかさんでしまうでしょう。

そこで、統合・廃合を行い、経営効率を高めて、コストの削減に努めます。

システムやノウハウの導入・改善

業務面における2つ目の統合プロセスは、システムやノウハウによる導入と改善です。統合に合わせて、新しいシステムを導入し、業務の効率や問題点を改善します。

とくに、会社の根幹を担う基幹業務や、仕入れから供給までの物流システムについて、改善や導入が行われるといえます。

ノウハウについては、当事会社の影響力を避けるため、外部に協力を仰いで、客観性を維持するケースが一般的といえるでしょう。

買収後のPMIの手法・やり方④ 事業面の統合プロセス

4つ目に挙げる買収後のPMIの手法・やり方は、事業面の統合プロセスです。統合によって生じる重複や無駄を把握して、事業の効率化やシナジーの獲得などを図ります。

事業面の統合プロセスには、以下のような手法・やり方が挙げられます。

  • 取引先の見直し
  • 商品・サービス・製造品の廃統合

取引先の見直し

事業面におけるひとつ目の統合プロセスは、取引先の見直しです。共通する資材などを購入している場合は、取引先を見直して、取引条件の変更や、納品期間の短縮などを図ります。

商品・サービス・製造品の廃統合

事業面における2つ目の統合プロセスは、商品・サービス・製造品の廃統合です。シナジー効果を得るために、商品・サービス・製造品を見直し、重複するものを取り止めたり、ひとつにまとめたりします。

提供までの効率性を高めて、重複による無駄を取り除くと、スケールメリットの獲得が可能といえるでしょう。

買収後のPMIの手法・やり方⑤ 意識面の統合プロセス

5つ目に挙げる買収後のPMIの手法・やり方は、意識面の統合プロセスです。企業同士がひとつになっても、従業員への配慮を考えていないと、PMIは成功に至りません。

意識面の統合プロセスでは、次のような手法・やり方が取られています。

  • 全従業員・社員へのフォロー
  • 社内の垣根の排除

全従業員・社員へのフォロー

意識面におけるひとつ目の統合プロセスは、全従業員・社員へのフォローです。経営陣の意識を統合するほかに、抱えている従業員の意識を合わせる必要があります。

とはいえ、すぐに従業員の意識を変えることは難しいといえるため、統合の目的や、今後の経営方針、互いの企業文化などを伝えて、不安を抱かないように気を配ってください。

社内の垣根の排除

意識面における2つ目の統合プロセスは、社内の垣根の排除です。統合を済ませても、社員同士に壁ができていては、業務に支障が及び統合後の経営を妨げてしまうでしょう。

そのため、社員向けの研修や、役員・部門長向けのワークショップ、社内広報などで、統合した会社への理解を深められるように、ふさわしい環境を整えるようにしてください。

【関連】M&Aにおける人事DD(デューデリジェンス)からPMIまでを徹底解説!

4. 買収前後のPMIの流れ・プロセス

買収前後のPMIの流れとプロセス

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では、買収全後のPMIはどのような流れ・プロセスで進められるのでしょうか。上記で紹介したPMIにおける手法・やり方は、以下のような流れ・プロセスによって実行されます。

【買収前後のPMIの流れ・プロセス】

  1. 買収・M&A前の検討
  2. デューデリジェンスの情報をもとにPMIを策定して統合方針を決定する
  3. ランディング・プランを策定する
  4. 100日プランを決める

流れ・プロセス① 買収・M&A前の検討

買収前後のPMIの流れ・プロセスのひとつ目は、買収・M&A前の検討です。基本合意を結ぶ前に、トップ同士の会談を通じて、最終契約後のPMIについての計画を検討します。

PMIの実行は、買収後に行うもの、計画を練るのはクロージング前の段階です。ここで、大まかな計画を立てておけば、PMIの策定や実行を早められるといえます。

流れ・プロセス② デューデリジェンスの情報をもとにPMIを策定して統合方針を決定する

買収前後のPMIの流れ・プロセスの2つ目は、デューデリジェンスの情報をもとにした、PMIの策定と統合方針の決定です。

デューデリジェンスで発覚した会社の状況やリスク、シナジー効果の度合いなどを、PMIの計画に反映させます。

そして、統合を進める順番や、手法、統合の速度などを両社で話し合い、PMIの総合方針を決める流れへと進みます。

流れ・プロセス③ ランディング・プランを策定する

買収前後のPMIの流れ・プロセスの3つ目は、ランディング・プランの策定です。ランディング・プランは、クロージングから数カ月の間に行われる、短期の統合計画を指します。

ランディング・プランの対象は、はじめに紹介した5つのセクション(経営・制度・業務・事業・意識面)です。ランディング・プランを策定する目的は、見落としたリスクや、把握することが難しかった問題を反映させるためです。

両社が協働して、事前の計画を見直したら、ライディング・プランを実行する流れに、移行してください。

流れ・プロセス④ 100日プランを決める

買収前後のPMIの流れ・プロセスの4つ目は、100日プランの決定です。100日プランは、クロージングから100日までの間に策定する計画を指しています。

買い手側が短期の計画を打ち出せば、売り手側の従業員に不安を抱かせずに済むでしょう。統合した会社にも期待を寄せるようになり、離職を食い止める効果にも期待できます。

【関連】会社買収の手続きや基本的な流れ・手順をフローチャートで解説!

5. 買収後のPMIのメリット

買収後のPMIのメリット

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買収後のPMIには、どのようなメリットが見られるのでしょうか。PMIを利用すると、以下のようなメリットが得られます。

  1. 経営戦略・企業理念・展望などをスムーズに浸透させる事ができる
  2. 経営統合したことによるリスクを極力減らすことができる
  3. 事業の効率化・生産性の向上・コスト削減が期待できる

①経営戦略・企業理念・展望などをスムーズに浸透させる事ができる

ひとつ目に紹介する買収後のPMIのメリットは、経営戦略・企業理念・展望などをスムーズに浸透させられる点です。

急速に統合を進めてしまうと、従業員たちは困惑し、新しい組織に反発する事態が想定されます。

その点、買収後にPMIを行えば、段階を踏んで、新会社の方針を提示することが可能です。これなら、従業員に受け入れる時間を与えられ、反発や離職を減らせるといえるでしょう。

②経営統合したことによるリスクを極力減らすことができる

2つ目に紹介する買収後のPMIのメリットは、経営統合によるリスクの軽減です。複数の会社がひとつになる買収とM&Aでは、統合によりリスクが発現することがあります。

例えば、買収した事業の売上が想定を下回る・キーマンの離職・想定したシナジーを得られないなどのリスクが考えられます。

しかし買収後にPMIを行えば、事業がもたらすキャッシュフローの最大化・キーマンの引き留め・管理と内部統制などにより、統合によるリスクを減らせるといえます。

③事業の効率化・生産性の向上・コスト削減が期待できる

3つ目に紹介する買収後のPMIのメリットは、事業の効率化・生産性の向上・コスト削減を望める点です。

買収後にPMIを実施することで、重複する事業や資源、原材料、管理・生産体制などを統一させられます。

すると、事業がひとつにまとまるため、効率性が上がり、生産性も高められるでしょう。管理・会計・間接業務を統合したり、販売チャネルや販売網、営業ノウハウ、生産の拠点などをまとめたりすることで、人件費のカットにもつなげられます。

さらに、取引先を見直し、同じ資源や原材料を使用すれば、コストの削減にもつなげられるといえるでしょう。

6. 買収後に実施するPMIのポイント

買収後に実施するPMIのポイント

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買収後に実施するPMIには、いくつかのポイントがあります。統合後の経営・事業展開をスムーズにするためには、以下のようなポイントを押さえて行うようにしましょう。

【買収後に実施するPMIのポイント】

  1. 統合初日までにPMI案を完成させておく
  2. 強いリーダーシップを発揮する経営者や役員の存在
  3. 各部署・各企業に人材を確保しておく
  4. 明確な目標を掲げて発信する

ポイント① 統合初日までにPMI案を完成させておく

ひとつ目に挙げる買収後に実施するPMIのポイントは、統合初日までにPMI案を完成させておくことです。

統合を終えてからPMIを策定すると、リスクや問題に対処できず、スムーズに事業を展開させられません。

そのため、デューデリジェンスの段階からPMIの計画を策定しておくと、PMI案に後から発現するリスクや問題を反映させられるといえます。

ポイント② 強いリーダーシップを発揮する経営者や役員の存在

2つ目に挙げる買収後に実施するPMIのポイントは、強いリーダーシップを発揮する経営者や役員の有無です。

買収やM&Aでは、ステークホルダーたちにしっかりと説明を行える経営者や、役員の存在が必要といえます。

これは、統合を行うことで、従業員や取引先、株主の不安を駆り立ててしまうからです。会社にとって重要な存在をないがしろにしてしまうと、統合後の経営に影響が及びかねません。

そのため、PMIでは、社内にステークホルダーへの説明責任を果たせる人物を抱えていることが、ポイントといえるでしょう。

ポイント③ 各部署・各企業に人材を確保しておく

3つ目に挙げる買収後に実施するPMIのポイントは、各部署・各企業に人材を確保しておく点です。PMIには、各部署・企業に精通した人物が必要といえます。

PMIの専門チームに各部署・企業から選出した人材を加えて、PMIの実施を任せましょう。これで、統合への理解を高められ、統合した後の経営がスムーズに運びます。

また、PMIにふさわしい人材は、早い段階で選定・確保することが、ポイントといえるでしょう。

ポイント④ 明確な目標を掲げて発信する

4つ目に挙げる買収後に実施するPMIのポイントは、明確な目標を掲げて発信する点です。統合を実施すると、組織や経営者の変更により、利益が減少するリスクを負ってしまいます。

つまり、ステークホルダーには、買収・M&Aの実施について、責任の所在のほか、目標についても明確にしなければいけません。

PMIでは、事業計画やシナジー効果などに、デューデリジェンスを反映させて、目標を明確する必要があるといえます。

7. 買収後のPMIに失敗した事例

買収後のPMIに失敗した事例

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PMIの計画をしっかり立てていないと、買収後のPMIが失敗してしまうことがあるでしょう。ここでは、自社の買収とPMIに活かせるように、買収後のPMIに失敗した事例を取り上げます。

  1. マイクロソフトによるノキア携帯端末事業の買収
  2. 米国ウォルマートによる西友の買収
  3. NTTコミュニケーションによる米国ベリオの買収
  4. パナソニックによる三洋電機の買収
  5. セブン&アイHDによるそごう・西武の買収

①マイクロソフトによるノキア携帯端末事業の買収

ひとつ目に紹介する買収後のPMIに失敗した事例は、マイクロソフトによるノキア携帯端末事業の買収です。アメリカのマイクロソフトは、2014年の4月に、ノキアの携帯端末事業を買収しています。

買収の目的は、携帯端末の普及・開発の加速化・ユーザーの獲得です。ノキアが開発・提供していたWindows Phoneを買い取り、携帯端末の普及と開発の加速化を狙っています。

さらに、ノキアを通じて、10億人の利用者をマイクロソフトのサービスに引き込もうとしていた、とのことです。

ところが、買収後も携帯端末市場でシェアを拡大することには至っていません。これは、後手に回ったハードウエア事業の買収、徹底されていない差別化に加えて、ノキアのブランドを消滅させたことにあります。

ノキアブランドには一定数のユーザーがいます。PMIにおいてノキアブランドを残し、携帯端末のハードウエア事業を続けていれば、一般消費者向けのシェアを失うことなく、コアなファンを取り込めたといえます。

②米国ウォルマートによる西友の買収

2つ目に紹介する買収後のPMIに失敗した事例は、米国ウォルマートによる西友の買収です。ウォルマートは、2002年に業務提携を行った後2008年に西友を買収し、完全子会社としています。

しかし、2017年12期の決算では当期利益を0円として、赤字の解消を図ったものの、2018年12期の決算には、当期純利益がマイナス6,600万、利益余剰金をマイナス57億4,600万円としています。

ウォルマートが、このような多額の累積赤字に陥った要因は、PMIによる価格設定の変更です。ウォルマートでは、エブリデー・ロープライスの戦略により、特売日を設けずに低価格の商品を毎日販売しています。

西友でもこの戦略を用いてシェアの拡大を狙いましたが、消費者は安い価格設定に慣れてしまい、他店の特売日にはお客を奪われ、思うように売り上げが伸ばせていないと考えられます。

③NTTコミュニケーションズによる米国ベリオの買収

3つ目に紹介する買収後のPMIに失敗した事例は、NTTコミュニケーションズによる米国ベリオの買収です。

NTTコミュニケーションズは、2000年に、ホスティングサーバーを提供するベリオを約55億ドルで買収しています。

買収の目的は、ベリオ社のIPネットワークを活用した、ネットワークサービスの統合です。サービスの質を高めることで、サービスエリアをアジア・アメリカへと広げ、ヨーロッパへの拡大も見込んでいました。

ところが、買収直前に起きたインターネットバブルの崩壊や、現金による買収のほか、経営ノウハウ・人材不足の状態で買取ったことで、株価の下落や、ストックオプションの行使による人材の流出を招き、8,000億円以上の損失を計上しています。

④パナソニックによる三洋電機の買収

4つ目に紹介する買収後のPMIに失敗した事例は、パナソニックによる三洋電機の買収です。パナソニックは、2009年に、三洋電機の株式を取得し、子会社としました。

買収の理由には、両社のノウハウを共有した、シナジーの獲得を挙げています。ところが、三洋電機ののれん代として、2,500億円を減損処理として計上しました。

PMIが失敗した要因には、円高・韓国企業の台頭による民生用リチウムイオン電池事業の価値低下と、リチウムイオン電池事業のシナジー効果の低下にあります。

円高に加え、韓国企業が安価なリチウムイオン電池を開発したことで、シェアを奪われました。

さらに三洋電機との開発では、両社の技術は共有性に欠け、ほとんどシナジーを得られないことが判明し、人材の流失を招いています。

⑤セブン&アイHDによるそごう・西武の買収

5つ目に紹介する買収後のPMIに失敗した事例は、セブン&アイHDによるそごう・西武の買収です。

セブン&アイHDは、2006年に株式取得と株式交換を行い、そごう・西武を完全子会社としています。

買収の目的には、富裕層の取り込みにあります。事業領域の幅を広げて、総合的な量販店事業に拡大することが狙いとされていました。

ところが、共同販促などによるシナジーが、想定を下回ったことで、思うように利益を挙げられていません。2017年2月期の第2四半期決算では、そごう・西武は122億円の減損損失を計上しています。

そして、2017年にはそごう神戸店と西武高槻店の事業を、エイチ・ツー・オー リテイリングへ売却しています。

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8. 買収・M&Aの際のPMIの相談先

買収やM&Aの際のPMIの相談先

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買収・M&Aにおいて、実行するPMIを相談するなら、M&A仲介会社を選びましょう。PMIの良し悪しによって、統合後の経営に影響が及びかねません。

M&A仲介会社を利用すれば、各分野の専門家による統合の支援が受けられます

統合前に戦略の策定を行ってくれたり、各セクションに必要な統合を計画に盛り込んだりと、PMIのサービスを通じて、利用する会社の事業展開・シナジーの獲得をサポートしてくれます。

買収・M&AにおけるPMIの相談は、M&A総合研究所へ

M&A総合研究所では、業界最安値の料金設定により初期費用を抑えることが可能です。また、独自のAIシステム・ネットワークを活用した最適なマッチングを提供しています。

M&A専門の専任会計士が就き、クロージングまでのフルサポートを提供しており、クロージングまでは平均で3~6カ月ほどです。

PMIについても、専門的な知識・経験に基づき統合を円滑に進めるサポートが可能ですので、買収・M&AのPMIについてご検討の際は、お気軽に無料相談をご利用ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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9. まとめ

まとめ

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買収後のPMIについて、PMIの概要や、手法・やり方、流れ・プロセスなどを紹介しました。取り上げた失敗例を見ると、不十分なPMIにより、想定したシナジーを得られなかったり、必要な人材が離れてしまったりと、統合後の経営に悪い影響が及んでいます。

買収・M&Aを成功させるためには、徹底したPMIが重要といえるでしょう。

【買収後に実施するPMIのポイント】

  • 統合初日までにPMI案を完成させておく
  • 強いリーダーシップを発揮する経営者や役員の存在
  • 各部署・各企業に人材を確保しておく
  • 明確な目標を掲げて発信する
これから買収・M&Aを行う方は、上記のポイントを踏まえつつ、M&Aの専門家の力を借りることをおすすめします。

PMIについての相談先には、PMIの知識と実務経験を備えたM&A総合研究所をお選びください。専任の会計士によるフルサポートでM&Aを支援します。

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