解体工事業界のM&A・事業承継の動向!メリット・事例・案件例を解説

企業情報本部長 兼 企業情報第一本部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

解体工事業の市場動向を踏まえ、M&A・事業承継の動向やM&A・事業承継を行うメリット、買収・売却を成功させるポイントなどを解説します。解体工事業のM&A・事業承継の事例や相場、買収・売却でおすすめの相談先も紹介します。

目次

  1. 解体工事業界の動向
  2. 解体工事業のM&A・事業承継の動向
  3. 解体工事業界のM&A・事業承継の相場価格
  4. 解体工事業界のM&A・事業承継メリット
  5. 解体工事業界のM&A・事業承継の成功ポイント
  6. 解体工事業界のM&A・事業承継での注意点
  7. 解体工事業界のM&A・事業承継の案件例
  8. 解体工事業界のM&A・事業承継の事例
  9. 解体工事業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先
  10. 解体工事業界のM&A・事業承継まとめ
  11. 解体工事業界の成約事例一覧
  12. 解体工事業界のM&A案件一覧
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1. 解体工事業界の動向

まずは解体工事業界の動向をお伝えします。

解体工事業界の市場規模

国土交通省 建設工事統計調査をもとに作成「はつり・解体工事業完成工事高」

出典:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00600130&tstat=000001015810&cycle=8&tclass1val=0

国土交通省の「建設工事統計調査/建設工事施工統計調査」の解体工事業(はつり・解体工事業)完成工事高は、年度によって増減が見られますが上昇傾向です。2021年度は、約9915億円を超えています。解体工事業は中越沖地震や東日本大震災といった災害の影響後急激に上昇しています。

また、国内は1971~1980 年以降に建設された木造住宅の床面積総量が多く、築40年を超えています。そのため、建物の老朽化とともに今後解体工事業は増えていく見込みです。

解体工事業界の現状

近年、解体工事業界における市場動向の推移は以下です。

老朽化した建物の解体で需要増

高度経済成長期(1950年代から1970年代)に建てられた建物などが、現在、老朽化により建て替えが必要です。建て替えに伴う解体工事需要が高まっています

年々増加する空家の取り壊し需要も高く、国や地方自治体も空家対策に動き出している状況です。今後、さらに空家の解体工事需要が高まっていくと予測されます。

自然災害による解体業の需要増

東日本大震災の復興特需で、解体工事の需要は急増しました。それ以降、頻発している地震や豪雨などの自然災害対策に伴う建て替え需要によって、解体工事の需要は増加しています。

民間・官公庁からの発注がともに増加

2020(令和2)年の東京オリンピックに向け、民間・官公庁からの解体工事発注はともに増加しました。

東京オリンピックが終われば、いったん需要は減ると見られますが、中長期的には災害対策や空家対策、老朽化した社会資本の解体工事需要によって、解体工事業界は今後も伸び続けていくと予測されます。

空き家率の増加

国土交通省 「空き家政策の現状と課題及び 検討の方向性」

出典:https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001518774.pdf

日本における空き家の数は増えています。総務省「住宅・土地統計調査」によると空き家総数は20年間で576万戸から849万戸と約1.5倍に増加しました。また、賃貸用、売却用を除いた長期にわたって不在の住宅は20年で約1.9倍に増加しました。理由としては少子高齢化であるため人口や世帯数が減っているからです。空き家率は地域によって異なります。

空き家の老朽化などにより、利用者や買い手がなかなか見つからないことも少なくありません。売却や転用のために土地を更地化する需要が増えています。

放置された空き家は、周辺の衛生環境や美観を損ねたり犯罪に利用されたりする可能性があるため、国や自治体は対策を進めている状態です。空き家解体の需要は、これからも増えて継続するでしょう。

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2. 解体工事業のM&A・事業承継の動向

近年、解体工事業のM&A・事業承継の動向は、以下のように推移しています。

①業界需要の高まりでM&Aの件数も増加傾向

解体工事業界は、中長期的に市場成長が見込まれることや、団塊世代の大量退職・若手人材不足による人材確保目的などから、M&A件数は増加傾向です。

近年、解体技術の進化や解体工事の低価格化が進んでいます。今後の動向としては、技術取得目的や事業効率化目的におけるM&Aの増加も期待できるでしょう。

②関連・周辺事業者からのM&Aが活況

ここ数年来、建設業界内の関連事業者による解体工事業へのM&Aが活発です。解体工事では、廃棄物処理が必須で、廃棄物処理業を営む企業が解体工事業を買収するケースも見られます。

③元請けから下請け会社へのM&Aも見られる

昨今は発注額の低価格化により、ゼネコンと呼ばれる建設事業の元請けが、下請けとなる解体工事会社をM&Aにより買収するケースが見られます。元請けの解体工事会社が、下請けの解体工事会社を買収することで、事業の効率化を図るM&Aも見受けられるでしょう。

3. 解体工事業界のM&A・事業承継の相場価格

解体工事業を行うには、解体工事業の許認可が必要です。技術者の経験が重要であることや、専用機械が必要な点などから、解体工事業の買収・売却額は高くなる傾向にあります。特に経験豊富な技術者や他社にはない解体技術を保有している場合、買収・売却額は高くなるケースが多いです。

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4. 解体工事業界のM&A・事業承継メリット

解体工事業のM&A・事業承継による買収・売却・譲渡のメリットには、どういったものがあるのでしょうか。ここでは、解体工事業のM&Aによる買収・売却・譲渡のメリットについて、売却側・買収側に分けて解説します。

売却側

売却側は、M&Aによって以下のメリットが得られます。

従業員の雇用確保

解体工事業は経験による技術が重要な業界です。現在、団塊世代の大量退職により、技術者の確保が難しくなっています。M&Aによる売却・譲渡であれば、従業員の雇用を確保できるだけでなく、技術者の経験を引き継ぐことが可能です。

後継者問題の解決

解体工事会社の中には、オーナー経営者が高齢になるまで働き続け、後継者不在のまま廃業となるケースも少なくありません。親族に会社を継ぐ意思がなかったとしても、M&Aによって第三者に事業を売却・譲渡することで、後継者問題は解決できます。

売却・譲渡益の獲得

解体工事業を廃業する場合、オーナー経営者は収入が途絶えるだけでなく、廃業費用も負担しなければなりません。M&Aによって売却し、譲渡益を得れば、廃業費用などの負担は免れます。その後における十分な生活資金を確保できるでしょう。

事業の将来的な不安から解放される

事業を続けている限り、さまざまな不安がつきないものです。M&Aによって大手企業などの傘下に入ったり、売却・譲渡によって解体工事業を他社に経営してもらったりすることで、将来の不安から解放されるでしょう。

個人保証・債務・担保などの解消

オーナー経営者には、債務とそれにかかわる個人保証や担保など常にお金の負担がついてきます。M&Aによる会社売却を実施すれば、それらは新たな経営者に引き継がれるでしょう。その結果、債務や担保などの心配事も解消されます。

買収側

買収側は、M&Aによって以下のメリットが得られます。

人材・作業員の確保

解体工事業は慢性的な人材不足です。特に高い技術を持ったベテラン技術者は年々減っています。M&Aによる買収であれば、解体工事業に欠かせない技術者の確保も可能です。

規模を大きくすることで発注コストを抑える施策が可能

中小建設会社・解体工事会社の中には、協業することで大手企業との競争に耐えている企業が数多く存在します。M&Aによる買収で規模を拡大すれば、発注コストを抑えるなど事業の効率化が可能でしょう。

トータルでの受注が可能になる

近年、関連事業を行っている企業とのM&A・提携によって、解体工事や廃棄物処理、建設工事などを一貫して請け負う企業が増えています。M&Aによって関連企業と協業し、トータルで受注することにより、収益を増やすことが可能です。

顧客・取引先・ノウハウなどの獲得

M&Aによる買収によって、買収先における解体工事会社の顧客・取引先・解体工事のノウハウなどを獲得できます。ただし、解体工事会社ごとに解体工事のやり方や考え方が違うため、買収後の統合プロセスに注意が必要です。

事業規模・エリアの拡大

M&Aによって、事業エリアの拡大も可能です。買収先の解体工事会社が、その地域における企業や公的機関、金融機関などとつながりを持っている場合は、買収のメリットがさらに大きくなります

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5. 解体工事業界のM&A・事業承継の成功ポイント

解体工事業のM&A・事業承継を成功させるには、以下5つのポイントを押さえて行いましょう。

①他社にはない強みやアピールポイントを持っている

近年、解体工事業は技術や機材が進歩し、独自の解体技術を用いる企業が増えています。事業を売却・譲渡する際は、他社にはない技術などのアピールポイントを持っていると、有利な条件で交渉しやすいです。

②特許・権利・免許・設備などを持っている

以前は、とび・土木工事の許認可があれば解体工事業を始められました。現在は解体工事業の許認可が必要です。それだけではなく、解体工事業に用いる車両の免許や危険物取扱免許など、さまざまな許認可や設備も必要なのでよく確認してください。

買収側は、すぐに解体工事事業を始めるためにも、相手先企業に許認可や設備がそろっていることを求めましょう。

③豊富な実績・経験を持っている

解体工事業は、豊富な経験が求められる職人の世界でもあります。売り手側の会社や従業員に豊富な解体工事実績があると、買い手が付きやすくなるでしょう。買い手側に実績がある場合、売り手側は安心して会社を任せられます。

④大きな債務がなく経営が健全

中小の解体工事会社は、大半が債務を持っています。しかし、大きな債務がなく安定した経営を維持している場合は、好条件での売買が成立しやすいです。

M&Aを検討しているのであれば、事前にM&Aの専門家などに相談しましょう。できる限り経営状態を改善しておくのも1つの方法です。

⑤M&Aの専門家に相談すること

解体工事業のM&Aを行うには、業界知識や法令知識、会計知識などの幅広い知識が必要となります。売却先探しや売却先との交渉なども行わなければなりません。日々の経営と並行して進めるのは大きな負担になると考えられます。

M&A仲介会社は、これらの手続きを一括してサポートします。最近は、手数料が安くシンプルな報酬体系の仲介会社が増え、資金面の負担が少なくM&Aを目指せる環境です。一度専門家に相談してみましょう。

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6. 解体工事業界のM&A・事業承継での注意点

解体工事業がM&A・事業承継する際の注意点は下記のとおりです。

①早い時期から準備を計画する

M&Aは計画的に早い時期から準備を始めることが成功の秘訣です。一般的に、M&Aの全プロセスを完了させるまでに、半年~1年以上が必要となります。それだけの時間をかけて進めるのは容易ではありません。

どのタイミングで何を行うか計画を立てておけば、スムーズにプロセスを進められるでしょう。特に、解体工事会社のように許認可が必要な場合は、スキームによって許認可の引き継ぎが発生することも考えられます。しっかりと計画を立てて進めるとよいでしょう。

②M&Aの目的・戦略を明確化させる

M&Aを行う際は、目的と戦略を明確にしましょう。売り手と買い手、それぞれが持つノウハウや技術などを組み合わせることで、シナジー効果を得ることが大切です。どういったシナジー効果を得たいのか、どのような目的なのか、相手側のことを考える必要があります。

相手とどういった会社・事業を実現していきたいのか、目的と戦略を明確化すれば、交渉も円滑に進められるでしょう。

③M&A相手先企業は慎重に選ぶ

M&Aを行う際、相手側の財務状況や知名度などに注目しがちです。経営方針や事業の内情、相手との相性も重要なチェック項目なので、意識して確認しましょう。

M&Aは、お見合いに例えられるほど、お互いの相性や意思疎通が欠かせません。財務状況が良くても、相性が悪い場合や経営方針がまったく異なる場合があります。それでは十分なシナジー効果は得られません。相手先企業と時間をかけて交渉を重ね、慎重に選びましょう。

④M&Aの専門家に相談・依頼する

M&Aは専門的な知識が必要なことが多く、それらに精通した専門家のアドバイスやサポートがなければ、スムーズに進められません。専門家に相談すれば、M&Aの成功率が上がるだけでなく完了までの期間を短縮できます。

M&Aは会社の将来を左右する重要な決定です。不安を抱えている経営者も多いでしょう。M&Aの専門家は、経営者の良き相談相手になるので、最初から専門家に相談することをおすすめします。

7. 解体工事業界のM&A・事業承継の案件例

弊社M&A総合研究所が取り扱っている【四国 / 有資格者多数在籍】リフォーム・解体・買取・産廃運搬までを一気通貫で対応可能をご紹介します。

【中部地方/EBITDA約4,500万円】取引先からの信頼が厚い解体工事業

長年の実績により営業活動しなくとも案件が流入しています。着工から完工まで自社で完結しています。
 

エリア 中部・北陸
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1億円〜2.5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【中部地方/EBITDA約4,500万円】取引先からの信頼が厚い解体工事業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【東北 / 有資格者多数 / 約8割元請】土木・水道施設・解体・のり面工事業

工事の約7割を自社施工で対応(残り3割は外注)しています。受注の約8割は公共案件であり、直請けとして受注している状況です。
 

エリア 東北
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【東北 / 有資格者多数 / 約8割元請】土木・水道施設・解体・のり面工事業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【四国 / 有資格者多数在籍】リフォーム・解体・買取・産廃運搬までを一気通貫で対応可能

一級施工管理技士・二級建築士・二級土木施工管理技士が在籍しています。大手の優良取引先を保有し、毎期安定的な売上を維持しています。
 

エリア 中国・四国
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 希望なし
譲渡理由 事業の選択と集中

【関連】【四国 / 有資格者多数在籍】リフォーム・解体・買取・産廃運搬までを一気通貫で対応可能(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

8. 解体工事業界のM&A・事業承継の事例

この章では、解体工事業関連のM&Aによる買収・事業承継の事例を見ていきましょう。

カシワバラ・コーポレーションによる小椋組のM&A

2024年7月1日、カシワバラ・コーポレーションは、解体工事業と環境事業を手掛ける小椋組を完全子会社化しました。カシワバラ・コーポレーションは、大規模建築物やプラント工場の建設・メンテナンスを行う企業で、今回の買収により事業領域を拡大します。

背景には、高度経済成長期に建設されたプラント設備や機器の老朽化が進み、解体・再建の需要が高まっていることがあります。これを機に、カシワバラは関東を基盤とした事業拡大を進め、将来的には全国規模での事業展開を目指す計画です。

大型物件の解体事業を展開する「株式会社小椋組」全株式取得による完全子会社化に関するお知らせ

新都ホールディングスによる北山商事のM&A

2024年4月18日、新都ホールディングス(新都HD)は、長野県長野市の北山商事を株式交付により子会社化することを決定しました。

新都HDは廃プラスチックや廃金属のリサイクル、酒類・食品の輸出を手掛け、北山商事は鉄・非鉄金属のリサイクルや廃棄物処理、解体工事を行っています。

新都HDは、金属リサイクル事業の主要仕入れ先である北山商事との関係を強化し、貿易事業のさらなる拡大を図るため、株式取得を進めました。

また、両社は2022年に共同で設立した北都金属新材料株式会社を通じ、廃金属輸出に注力しており、今回の子会社化で事業規模の拡大やコスト削減、新規市場の開拓を目指します。この合意は、両社の利益増加と成長に向けた戦略的な決定といえます。

簡易株式交付による株式会社北山商事の子会社化に関するお知らせ

ベステラによるオダコーポレーションのM&A

2023年7月、ベステラはオダコーポレーションの株式100%を取得し、子会社化することを発表しました。

ベステラは、主に製鉄・発電・ガスなどの大規模プラントを対象に、各種特許工法を用いた解体工事業を手掛けている企業です。
オダコーポレーションは1985年創業以来、岡山県倉敷市を拠点に、主に石油精製装置や化学装置などのプラント建設とメンテナンス工事を中心に手がけ、躯体工事も行っています。特に、水島コンビナートを抱え、豊富な工事実績が高く評価されています。また、子会社である株式会社TOKENは大規模修繕事業を展開し、お客様の視点に立ち、「すべての工事原価の開示(オープンブック)」を実施するなど、適切な修繕工事を提供しています。

今回のM&Aによりベステラは、プラントや他の設備更新ビジネスにおいて協力することで、両社の発展と企業価値の向上に寄与するとしています。

参考:株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結

ベステラによる矢澤のM&A


2021年12月に行われたベステラと矢澤のM&Aです。ベステラは、矢澤を完全子会社としました。

ベステラは、主に製鉄・発電・ガスなどの大規模プラントを対象に、各種特許工法を用いた解体工事業を手掛け、矢澤は、アスベスト・ダイオキシン除去工事など環境汚染対策の工事と内装解体工事の事業を行っています。

これにより、ベステラは、プラント解体工事での環境汚染関連特殊工事に対応する力を強める見込みです。

参考:株式取得(子会社化)に向けた基本合意書締結

鈴木商会による木村工務店のM&A

2021年7月に行われた鈴木商会による木村工務店のM&Aです。鈴木商会は、木村工務店を完全子会社としました。

鈴木商会は札幌市に本社があり、資源リサイクル事業、家電リサイクル事業、アルミ精錬事業、自動車リサイクル事業を手掛け、木村工務店は釧路市に本社があり、道東(釧路、北見、網走)地域で主に解体工事の事業を行っています。

これにより、鈴木商会はグループ内で解体から廃棄物処理まで完結できる体制を築き、道東エリアの事業を強める見込みです。木村工務店は営業力を強め、閑散期における重機の有効活用や雇用安定化、後継者不在問題の解消を狙います。

参考:木村工務店の全株式取得による完全子会社化

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9. 解体工事業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先

解体工事業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先をご紹介します。

金融機関

最近、金融機関が企業のM&A(合併や買収)を支援するため、専用部署を新設する動きが加速しています。特に、大手投資銀行やメガバンクでは、資金調達のアドバイスや取引戦略の策定など、M&Aの全過程を包括的に支援するサービスを展開しています。

これにより、企業は事業承継や資金確保といった複雑な課題を効率的に解決し、専門家の知識を活用して取引成功の可能性を高めることができます。

しかし、大型案件が優先される傾向があるため、中小企業は十分な支援を得られない場合があります。そのため、自社の規模や目的に合った支援機関を慎重に選ぶことが求められます。

また、これらのサービスは高額な費用が発生することもあるため、事前に料金体系を確認し、コストに見合った成果が得られるかを十分に検討することが重要です。

公的機関

最近、事業承継やM&Aを支援する公的機関の取り組みが大きく強化されています。全国各地に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」では、後継者不足に悩む中小企業を対象に、無料で相談や情報提供を行い、事業承継やM&Aに関する課題解決をサポートしています。

さらに、企業間のマッチング支援体制が整備されており、地方企業でも専門的なサポートを受けやすい仕組みとなっています。個人事業主に向けた支援も充実しており、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介を受けることができます。

ただし、公的機関のサービスは、民間仲介会社に比べて対応速度や柔軟性に課題がある場合があります。そのため、自社の状況や目的に適した支援機関を慎重に選択することが重要です。

これらの公的支援は、リスクを抑えながら事業承継やM&Aを進めるための有効な選択肢の一つといえるでしょう。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却をスムーズに進めるための専門サービスを提供する機関です。売り手と買い手を結びつけるだけでなく、交渉の調整や企業価値の算出、契約書の作成といった多岐にわたる業務を支援し、取引の成功をサポートします。M&Aの経験が浅い企業でも安心してプロセスを進められる環境が整っています。

特に優れているのは、広範なネットワークを活用して理想的な取引相手を短期間で見つけられる点です。このネットワークは、取引の成功率を大きく引き上げる要因となっています。また、初心者にも分かりやすい説明を行い、不安を解消しながら進める姿勢も強みといえます。

ただし、仲介会社を利用する場合、着手金や中間報酬などの費用が発生するケースが多いため、事前に料金体系を確認することが重要です。費用を抑えたい場合は、成功報酬型サービスを選ぶことで、コスト効率の高い支援を受けることが可能です。

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10. 解体工事業界のM&A・事業承継まとめ

本記事のまとめは、以下のとおりです。

・売却側はM&A・事業承継によって以下のメリットを得られます。
→業員の雇用確保
→後継者問題の解決
→売却・譲渡益の獲得
→事業の将来的な不安から解放される
→個人保証・債務・担保などの解消

・買収側はM&A・事業承継によって以下のメリットを得られます。
→人材・作業員の確保
→規模を大きくすることで発注コストを抑える施策が可能
→トータルでの受注が可能になる
→顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
→事業規模・エリアの拡大

・解体工事業のM&A・事業承継を成功させるには、以下のポイントを押さえましょう。
→他社にはない強みやアピールポイントを持っている
→特許・権利・免許・設備などを持っている
→豊富な実績・経験を持っている
→大きな債務がなく経営が健全
→M&Aの専門家に相談すること

11. 解体工事業界の成約事例一覧

12. 解体工事業界のM&A案件一覧

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