譲受企業
運送業 T社
親会社取締役U様 インタビュー
M&Aを経営戦略の根幹へ
Q1.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
当社は5年程前から事業戦略の一つとしてM&Aを推進しております。建設業では慢性的に人手不足であり、今後も既存事業(建設業)の拡充(規模拡大及び商圏エリア拡大)は自助努力では難しいというのが現状です。そのため、M&A(資本・業務提携)によって人材確保、事業拡充、新規領域への拡大へとシフトを進めております。
解体工事業 D社様との出会い
Q2.D社様に決められた理由を教えてください。
当社は運送業と建築、不動産事業を行っておりますが、今後解体事業が伸びていくであろうと考え、お相手を探していました。D社様は自走できる体制が整っており、また近接事業・近隣商圏ですので、当社の運送事業、建築不動産事業とのシナジー創出ができると判断しました。
ー解体事業に興味をお持ちになった理由をお聞かせください。
当社は除雪作業を行っているのですが、オペレーター、 重機の操縦士、運送業においてはダンプやトラックなどかなりの台数を保有しています。また土木作業員もいますので、これらの人的・物的な資源をうまく活用して、他に何かできないかと模索しておりました。また、少子高齢化が進行していく中で、空き家問題というのが課題としてあり、数年前より興味がありましたが、現在の経営資源の中では限界があるため、この問題をM&Aで解決できないかと思い今回の成約に至りました。
弊社との出会い
Q3.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
今回を含め4回のM&Aを実施しましたが、今回は非常にスピーディーかつスムーズにクロージングできました。担当アドバイザーの名倉様が、D社様との信頼関係をすでに構築していたことも良かったと思います。そして、初期段階で知りたい情報が網羅されており、追加の依頼に対しても速やかに対応してくださりました。通常ですとなかなか相手先様に言いづらい部分もあるのですが、名倉様が仲介してくださったお陰でスムーズに進められた場面も多く、感謝しております。
ーM&A総合研究所の印象を教えてください。
異業種や代表者同士が知らない会社の場合、意思決定には時間が必要です。仲介業者様をを通して相手先様との信頼関係が構築されると思っており、M&A総合研究所様はスピーディーでありつつも丁寧に進めてくださっている印象です。
今後への思い
Q4.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
過去の取り組みの中でも感じることですが、最終締結が重要ではなく、そこからがスタートだと思っております。M&A後の企業文化の融合には時間がかかります。建設業、運送業、解体業においては人的資本が重要になる業種なので、win-winの関係で取り組めるような組織づくりが重要だと考えております。
Q5.今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
事業の維持・拡大として、M&Aは1つの手段だと考えており、今後も活用していく予定です。方針としては、シナジーの有効性、事業の成長性、投資先会社の人材状況、投資回収倍率(早期回収)等を重点としております。経済環境的には北海道は札幌及び札幌周辺に集約されていますので、都市部に対しての足掛かりを作りたいと考えています。業種は建設業だけでなく、それに近接する事業など幅広い業種を考えています。
譲受をご検討されている経営者の皆様へメッセージをお願いいたします。
Q6.M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
過去のM&Aの経験より下記が重要であると考えます。
①M&Aの目的と判断基準
②自社の経営資源(M&Aに対応できる組織、人材の有無)の確認
③PMIの検討(企業概要書及び追加資料)による譲渡後のシナジー等の事前想定
④企業文化の乖離(コンプライアンスや従業員に対してのスタンス、文化の衝突)
⑤キーマン(オーナーを含む)の締結後の協力性
実際にそのM&Aが成功かどうかの判定は、数値だけでは測れない面もありますので、会社独自の判断基準を持つことが重要かと思います。そのため、まずは想定する条件を明確にしておく必要があります。 曖昧なまま進めてしまうと、最終的な判断を下すのに迷走してしまう恐れがあるでしょう。また、M&Aはシナジー効果だけでなくリスクの側面もありますので、M&A仲介会社に相談してみるのも良いかもしれません。
担当者からのコメント
譲渡企業の社長は76歳で後継者不在であることに不安を感じながらも、『自社の株式を譲り受けてくれる会社は中々見つからないのでは』と思い、M&Aを検討されてきませんでした。 実際は、社長の心配とは裏腹に、譲渡企業は財務面・事業内容・サービスレベルなど魅力的なポイントが多く、多くの企業が譲受の希望を出してくれるという結果になり、社長が大変喜び、驚かれていたのが印象的です。 その後は、どの企業様が最高のパートナーになり得るのかを一緒に考え、異業種の企業様でありながらも、売主様の事業に掛ける思いをご理解いただき、成長に必要な要素を持たれる譲受企業様との良縁が生まれる結果となりました。
(企業情報部 第一本部第五部 次長 名倉陸)