2024年09月13日更新
鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却の現状は?案件一覧や事例も紹介!
本記事では、鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却の動向や仲介会社の選び方、公的支援を紹介しています。鳥取県・米子市でM&A・事業承継・会社売却を検討している場合、まず専門家に相談して動向やポイントを把握しておくと役立ちます。M&Aを検討中の方は必見です。
目次
1. 鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却の現状
中国地方の北側に位置する鳥取県は、面積3,507.14平方キロメートルで東西に細長い地形をしています。鳥取砂丘が有名ですが、人口は1985(昭和60)年から毎年、減り続けており、2021(令和3)年11月1日現在は推計549,633人で全国一少ない県です。
鳥取県の西部に位置する米子市は、県庁所在地ではありませんが、人口146,914人(2021年10月31日現在)で、鳥取県の商業地域として経済の中心的役割を担っています。
鳥取県の経済状況
鳥取県は全国で最も人口が少ない県で、森林率約74%と高い割合となっています。県内GDPでは製造業が最も高く、続いて不動産業、保健衛生・社会産業が続きます。また、1次産業に就労している人の割合が他の県より多いことが特徴です。
「県民経済計算」によると、鳥取県の2020年度の2年度の県内総生産は、名目値が1兆8,199億円で、物価変動の影響を取り除いた実質値が1兆7,864億円となっています。また、経済活動別県内総生産を見ると、保健衛生・社会事業が13.5%と一番多く、次いで製造業が12.7%、不動産業12.5%となっています。
鳥取県経営者の後継者不在率
帝国データバンクの「鳥取県 後継者問題に関する企業の実態調査(2023年)」によると、鳥取県の中小企業の後継者不在率は71.5%です。前年から横ばいの状況です。
全国平均(57.2%)と比較すると、鳥取県の後継者不在率は17.6ポイント高いです。都道府県別の順位は前回調査の2位から1位に上昇しています。
後継者不在のまま、高齢となった経営者が引退時期を迎えれば、会社は廃業するしかありません。廃業が多発すれば雇用が失われ、地域経済にも大きな打撃です。そこで昨今は、M&Aによる第三者への事業承継が、国・自治体からも広くPRされています。
M&Aで会社売却し、その買い手が後継者(新たな経営者)となって事業承継が実現すれば、会社は存続し従業員の雇用も守られるのです。
2. 鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却の動向
帝国データバンクの「鳥取県 企業の休廃業・解散動向調査(2023年)」によると、鳥取県で2023年に休廃業・解散した企業(個人事業主を含む)件数は232件でした前年を22件(10.5%)上回り、5年ぶりに増加しています。2023年における倒産件数(19件)の12.2倍となり、2年ぶりに10倍を上回りました。
2023年は、コロナ禍からポストコロナへの移行に伴い国内経済が正常化しましたが、原材料やエネルギーなどの価格が大幅に上昇し、企業収益を圧迫しました。その結果、休廃業・解散の件数は前年を上回りました。経営資源を第三者に引き継ぎ、事業を計画的に終了する「前向きな廃業」への支援策が広がる一方で、後継者不足や経営者の高齢化に直面している中小・零細企業では、経営改善が難しくなり、「あきらめ廃業」が高水準で続く可能性があります。
3. 鳥取県・米子市近郊のM&A案件一覧
ここでは、鳥取県・米子市近郊のM&A・譲渡案件を紹介します。
【中国地方/高収益の焼き肉店】2店舗事業譲渡
ロードサイドに面する立地に2店舗構える人気の焼き肉店です。一人焼き肉からファミリー層まで幅広い層に人気があり、リポート率が高いのが特徴です。オペレーションコストを削減しており、収益性が高いといった強みがあります。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 7,000万円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
【財務安定】中国地方/総合電気工事業
民間工事を主体に、公共工事や個人まで広く電気工事を請け負っています。官公庁や地場の企業との太いパイプがあり、長年にわたって安定した財務基盤を構築しています。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 非公開 |
【中国地方/営業利益1億円超】元請取引がメインの建設業者
民間企業からの元請取引がメインの建設業者です。建築一式工事がほとんどで、一部土木工事も行っています。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 5億円〜7.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【中国地方/一部自社製造もあり】基礎調味料を中心とした食品卸売業
基礎調味料(だしの素、しょうゆ、ソース等)の卸販売 ・一部製品の自社製造の事業者です。上場企業含む大手EC食品販売会社との長年にわたる取引実績があります。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 1,000万円〜5,000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【業績拡大中/業歴50年以上/職人多数】金属メッキ加工業
工作機械、産業用機械部品の金属メッキ加工業者です。経験、知識豊富な熟練の職人により短納期を実現しています。
エリア | 中国・四国 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 3,000万以上 (応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
4. 鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却の事例
ここでは、実際に鳥取県の企業が関わったM&Aの事例を紹介します。
- アルメディオによる日本NERとのM&A
- いないホールディングスによるアリーとのM&A
- ツルハホールディングスによるたかきファーマシーとのM&A
- マーケットエンタープライズによる旺方トレーディングとのM&A
- ジョイアーバンによる米子高島屋とのM&A
- メインマークによるクリエイティブサポートとのM&A
- プローバホールディングスによるGROW UPとのM&A
①アルメディオによる日本NERとのM&A
2024年8月、アルメディオは日本NERから資源・材料販売事業を取得しました。
アルメディオは、、音楽用CDプレスの大手企業であり、業務用テストディスクの開発・製造・販売、電子部品用副資材、耐火材料及び関連製品の開発・製造などを展開している企業です。日本NERは、研究開発材料の輸入販売、シリコン材料の研究開発を行う企業です。
今回のM&Aにより、事業領域拡大と収益性の向上を目指します。
②いないホールディングスによるアリーとのM&A
2023年9月、いないホールディングスはアリーの全ての株式を取得し、完全子会社化しました。
いないホールディングスは、山陰を中心にホームセンターを運営する子会社などを傘下に持つ持株会社です。他にもドラッグストア、ペットの大型専門店、コスメと雑貨の大型専門店などを運営しています。対象会社のアリーは、化粧品小売業を行っています。
今回のM&Aにより、ミモザの業態と融合し、新フォーマットを確立、新規店舗出店を加速する予定です。
③ツルハホールディングスによるたかきファーマシーとのM&A
2021年2月、ツルハホールディングスの連結小会社ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本は、たかきファーマシーから調剤薬局1店舗を譲渡されました。譲渡価額は公表されていません。
広島県広島市のツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本は、中国・九州地方で285店舗のドラッグストアを運営しています(2020年11月15日現在)。鳥取県米子市のたかきファーマシーは、同県同市で譲渡した調剤薬局を運営してきました。
ツルハホールディングスとしては、日本一のドラッグストア展開を目指している中、新規出店および系列店増加策の一環として、このM&Aを行っています。
④マーケットエンタープライズによる旺方トレーディングとのM&A
2020年5月、マーケットエンタープライズは、新たに設立した100%子会社MEトレーディングにより、旺方トレーディングの中古農機具の買取・販売・海外輸出などの事業を譲受しました。譲渡価額は2億4,400万円です。
東京都中央区のマーケットエンタープライズは、ネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業を行っています。鳥取県鳥取市の旺方トレーディングは、中古農機具の買取・海外輸出・国内小売卸売・農機具レンタル・加盟店事業などを行ってきました。
マーケットエンタープライズとしては、リユース事業部門における中古農機具の需要が高まっていることを受け、旺方トレーディングの持つ買取・仕入れチャネル、海外を含めた販売チャネル、農機具修理部門などの獲得で事業競争力強化が図れるとの狙いです。
⑤ジョイアーバンによる米子高島屋とのM&A
2020年3月、ジョイアーバンは、高島屋が所有する子会社の米子高島屋の全株式を譲受しました。譲渡価額は公表されていません。鳥取県米子市のジョイアーバンは、岡山TSUTAYA事業、米子市中心市街地活性化事業などを行っています。
大阪府大阪市の高島屋は、百貨店事業とともにグループ各店の統治を行っており、鳥取県米子市の米子高島屋もその1店舗でした。高島屋としては、米子高島屋の発展のためには、ジョイアーバン傘下で地域に根ざした経営体制がふさわしいと判断しました。
今回の株式譲渡とともに、高島屋と米子高島屋間で商標等ライセンス契約が締結されており、現在は、JU米子高島屋として営業されています。
⑥メインマークによるクリエイティブサポートとのM&A
2019(令和元)年5月、メインマークは、クリエイティブサポートから沈下修正工事事業を譲受しました。東京都江戸川区のメインマークは、建物の傾き修正・段差解消工事や空洞充填工事などを専門に行っています。
鳥取県米子市のクリエイティブサポートは、ボクシングジム・学習塾・健康体操教室の運営や高齢者向けデイサービス事業を行っている企業です。メインマークとしては、クリエイティブサポートの工事技術・ノウハウを融合させ、施工体制強化を図りました。
⑦プローバホールディングスによるGROW UPとのM&A
2018年3月、プローバホールディングスは、GROW UPを子会社化しました。買収価額は公表されていません。広島県広島市のプローバホールディングスは、パチンコ店・ゲームセンター・ボウリング場・スポーツジムなどを経営するグループの持株会社です。
鳥取県米子市のGROW UPは、パン・洋菓子の製造・販売および飲食店を複数、経営しています(2021年9月現在17店舗)。プローバホールディングスとしては、新たな事業分野に進出し事業領域を拡大する目的で、このM&Aを実施しました。
5. 鳥取県・米子市内のM&A・事業承継に役立つ公的支援
鳥取県・米子市でM&A・事業承継・会社売却を検討する場合、公的機関に相談するのも1つの手段です。鳥取県・米子市でM&A・会社売却・事業承継の相談ができる公的機関・サービスは、以下のとおりです。
- 鳥取県事業承継・引継ぎ支援センター
- 事業承継支援サイト ビズバトン
- 鳥取県よろず支援拠点
- 鳥取商工会議所
- 鳥取県信用保証協会
①鳥取県事業承継・引継ぎ支援センター
鳥取県事業承継・引継ぎ支援センターは、それまで組織されていた鳥取県事業引継ぎ支援センターと鳥取県事業承継ネットワークが2021年4月に統合されたものです。事業承継・引継ぎ支援センターは中小企業庁からの委託事業として各都道府県に設置されています。
鳥取県事業承継・引継ぎ支援センターの役割は、親族承継・社内承継・M&Aによる第三者への事業承継など、地域の中小企業の全ての事業承継に対し、無料で支援を行うことです。必要に応じ、士業事務所やM&A仲介会社などの紹介も行います(外部に業務を依頼した場合は有料)。
事業承継・引継ぎ支援センターの独自の取り組みとして行われているものが、後継者人材バンクです。これは、事業承継で経営者になることを希望する起業家と、後継者不在の中小企業をマッチングします。条件が合った場合に限られますが、成功例も少なくありません。
②事業承継支援サイト ビズバトン(BIZBATON)
ビズバトンは、米子商工会議所と境港商工会議所が開設した事業承継支援サイトです。サイト上から事業承継の相談や問い合わせを無料で受け付け、M&Aのマッチングサービスを行っています。
鳥取県地域の中小企業の事業承継支援が目的で、公的に近いサービスサイトなので、民間のM&Aマッチングサイトのような、サイト上で当事者が交渉相手や案件情報を探すのとは仕組みが違います。
③鳥取県よろず支援拠点
よろず支援拠点は全国に設置されており、鳥取県よろず支援拠点も公的機関です。鳥取県よろず支援拠点の位置付けは、中小企業・小規模事業者のための無料経営相談所であり、事業承継を含めた経営全般の相談が無料で行えます。
鳥取県よろず支援拠点の場合、本部(事務局)は鳥取県商工会連合会に設けられており、各商工会がバックアップする体制です。
④鳥取商工会議所
鳥取県は商工会が多く(18会)、商工会議所が少ない(4所)という特徴があります。ただし、商工会も商工会議所も受けられる支援内容に大きな違いはありません。鳥取商工会議所がホームページ上に記載している経営支援内容は、以下のようになっています。
- 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)
- 小規模企業共済
- ビジネス総合保険制度(PLプラン含む)
- 労働保険
- ビジネスモール
- 税務
- 創業
- とっとり企業支援ネットワーク
- 経営革新(法認定)
- 産業成長事業(小規模事業者挑戦ステージ)
- 産業成長事業(生産性向上挑戦ステージ)
- 海外展開支援事業
- 農商工連携
- 証明・申請
- 特許相談会
個別で明文化はされていませんが、もちろん事業承継の相談もできます。会員でなくても相談に乗ってもらえますが、会員であれば、より優遇的な制度が活用できる場合があることは覚えておきましょう。
⑤鳥取県信用保証協会
各都道府県に開設されている信用保証協会とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に、その債務保証を行う機関です。信用保証協会が債務保証することで、中小企業が融資を得やすくすることを目的としています。
債務保証だけでなく、創業や経営に関する支援も業務の1つです。鳥取県信用保証協会では、経営支援の一環として、定期的に事業承継セミナーを開催しています。
6. 鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却案件を探す3つの手段
鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却案件を探す手段には、以下の方法があります。
- M&A仲介会社・専門家に相談する
- 地元の金融機関などに相談する
- M&Aマッチングサイトを活用する
①M&A仲介会社・専門家に相談する
鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却案件を探す手段としては、まずM&A仲介会社・専門家に相談する方法があります。
専門的な見解やアドバイスが受けられ、特にM&A仲介会社は一貫支援を行っていることが多いので、M&Aに不安がある場合も相談しながら進められる点がメリットです。
②地元の金融機関などに相談する
鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却案件を探す手段としては、地元の金融機関などに相談する方法も効果的です。
③M&Aマッチングサイトを活用する
鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却案件を探す手段としては、M&Aマッチングサイトを活用する方法も有効です。
M&A総合研究所
M&A総合研究所が運営するM&Aプラットフォームは、独自AIシステムの採用によって高精度のマッチングを実現しております。M&Aアドバイザーによる仲介サポートが必要な場合は、別途ご依頼可能なシステムです。
Batonz(バトンズ)
Batonzでは、全国の豊富な案件からマッチングを図ることが可能です。仲介を依頼したい場合は、全国の提携専門家の中から地元のアドバイザーを紹介してもらえます。
TRANBI(トランビ)
TRANBIは、登録ユーザー数が60,000人を超えるマッチングプラットフォームです。2021年1月から料金体系が変更となり、具体的な交渉を進めたい場合は3種類の月額プランから選択するシステムになりました。
7. 鳥取県・米子市でM&Aをする際に仲介会社を選ぶ5つのポイント
鳥取県・米子市でM&Aをする際に仲介会社を選ぶポイントは以下のとおりです。
- 該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 案件規模・地元M&A実績などがある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
- 担当スタッフの対応・相性が良い
①該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
M&A仲介会社は業界特化型でなければ、基本的に幅広い業界のM&A・事業承継に対応できます。しかしながら、仲介会社ごとに得意な業界は異なるため、該当分野を得意とする仲介会社を選びましょう。
②案件規模・地元M&A実績などがある
大規模な案件と小規模の案件では、必要な手続きも人材も変わります。該当地域でM&A実績を積み上げると、その地域の企業・機関とのつながりが生まれるものです。M&Aを成功させるには、仲介会社の得意な案件規模や該当地域でのM&A・事業承継実績も確認しましょう。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&A・事業承継アドバイザーは、外部専門家と協力する場合であっても、M&Aに関する幅広い知識・経験を持っていなければなりません。仲介会社の規模の大小にかかわらず、豊富な実績を持ったアドバイザーを選ぶことも重要なポイントです。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
仲介手数料に不安を感じて、M&A・事業承継をためらう経営者も少なくありません。報酬体系がシンプルで手数料が安い仲介会社は、中小企業の事情に配慮している会社です。
⑤担当スタッフの対応・相性が良い
M&A仲介は属人的な性質も強く、特に会社への思い入れが強いケースが多いオーナー経営者のM&A・事業承継の場合では、担当スタッフとの相性・誠実さが結果に大きく影響します。担当スタッフを決める際には、人間性も十分に観察しましょう。
中国・四国地方のM&A・会社売却・事業承継については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
8. 鳥取県・米子市のM&A・事業承継・会社売却のまとめ
鳥取県・米子市でM&A・事業承継・会社売却を進めるにあたっては、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼するのが安心かつスムーズです。
成功確率が高まることも期待できるので、無料相談などを上手に活用して自社に合ったところにサポートを依頼するとよいでしょう。
9. 鳥取県の成約事例一覧
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