化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収の動向は?事例や価格相場を解説!

会計提携第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

本記事では、化学製品製造/化学メーカーのM&Aによる売却・買収について、動向からM&A価格算定方法や、M&Aにおける売却・買収を成功させるためのポイントを解説します。また、事例なども紹介します。M&Aを検討中の方は必見です。
 

目次

  1. 化学製品製造・化学メーカーの特徴・動向
  2. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収の動向
  3. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収の事例
  4. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却の理由5選
  5. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収価格の相場
  6. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収を成功させるコツ
  7. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収時におすすめの相談先
  8. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収のまとめ
  9. 化学メーカー業界の成約事例一覧
  10. 化学メーカー業界のM&A案件一覧
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1. 化学製品製造・化学メーカーの特徴・動向

化学製品製造/化学メーカーとは、化学変化を利用して基礎材料や中間材料を製造し、販売している企業をさします。化学製品製造/化学メーカー製品の多くは対企業向けなので、個人消費者にはなじみのない商品も多いですが、中には生活日用品といった個人消費者向けのものもあります。

現在は、石油を原材料とする石油化学が中心ですが、脱石油に向けた動きも活発です。

化学業界の特徴

化学業界は、石油や天然ガスといった化学物質の原料に化学反応を加えて、より価値の高い素材や製品を製造する業界です。資本力の大きな企業から小さな企業まで、多数の企業によって業界全体が構成されています。

業界の川上は、巨大なプラントや工業を要するなど、資本集約型であるため、大手企業が主要なプレイヤーとなりますが、川中では川上で製造した基礎材料から付加価値の高い機能性素材を製造しています。川中では、BtoB産業がメインとなり、販売先には同業者が多いです。

川下では、最終製品メーカーとしてさまざまな製品を製造しており、他業界との関わりも深い業界になります。

化学業界は、高度な知識を持つ人材を確保しなければならず、多額の設備投資が必要な業界です。化学業界は、売上高の一部を研究開発費に充て、従業員に研究者が必要なので、知識集約産業といえます。多額の設備投資が必要な業界なので、資本集約型産業ともいえるでしょう。

化学業界の市場規模

業界動向サーチにおける化学業界の(2021-2022年)の業界レポートによると、化学業界の市場規模は35.1兆円です。

経済産業省「化学産業の現状と課題」(令和3年)によると、化学産業は、事業所数が2万程度、製品出荷額が約46兆円で、製造業全体の1割強を占め、経済や雇用の側面からでも欠かせない業界です。

また、総務省の「日本標準産業分類」による化学工業の分類によれば、化学工業の下に「化学肥料」「無機化学工業製品」「有機化学工業製品」「油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料」「医薬品」「化粧品・歯磨・その他の化粧品調整品」「その他の化学工業」といった業種が含まれています。

化学業界の現状と課題

化学業界は、近年、グローバル市場における需要減や規制環境の強化によって、大幅な戦略の見直しが迫られている業界です。

川上の企業は、より優秀な人材の確保と新規投資の必要に迫られ、M&Aを通じて成長してきました。川中の企業は、川上の企業から仕入れた原材料を加工して、より付加価値が高い製品の製造に迫られています。川下の企業は、消費者へ製品を届けるために、高度なサービスを求められている状況です。

化学業界全体が競争にさらされており、今後もM&Aなどにより業界の再編が行われることが予想されます。

化学業界のM&A

化学業界のM&Aは、国内中小企業を中心とした業界再編の動きが活発化しているのが現状です。各企業は収益性・成長性が期待できない事業を切り離し、事業の集中を図るなどの対策としてM&Aを活用する例もあります。

また、資本力の大きな企業から小さな企業まで、多数の企業によって業界全体が構成されていますが、大手企業によるM&Aが増加傾向です。海外輸出を盛んに行ったり、海外市場に進出したりするなど、国内外を問わず積極的なM&Aを実施しています。

2. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収の動向

化学製品製造/化学メーカーのM&A動向は以下のように変化しています。

  1. 国内中小企業を中心とした業界再編の動き
  2. 大手企業によるM&Aが増加傾向
  3. 立地条件の良い工場を求めたM&Aが増加
  4. 特殊技術や特許を持つ企業を対象にした買収も見られる
  5. 異業種企業と化学製品製造・化学メーカーも増加

①国内中小企業を中心とした業界再編の動き

大企業同士による業界再編が続いてきた化学製品製造/化学メーカーですが、近年は中小企業によるM&Aの動きが活発になっています。

化学製品製造/化学メーカーは現在大きな転換期を迎え、大企業による事業ポートフォリオの見直しを受けて、中小化学製品製造/化学メーカーもM&Aによる短期間での大きな転換を図らざるを得ない状況です。

②大手企業によるM&Aが増加傾向

大手の化学製品製造/化学メーカーは、国内外を問わず積極的なM&Aを展開しています。これまでの事業拡大目的のM&Aから、収益力改善や事業ポートフォリオにおける再構築目的のM&Aに変化したため、M&Aの平均売買価格は下がり、M&A件数は増えているのが最近の傾向です。

③立地条件の良い工場を求めたM&Aが増加

化学製品製造/化学メーカーは、事業の特性上、研究所や工場の立地が重要になります。国内外で好立地の製造拠点を求めたM&Aが増加しており、特にアジアの拠点確保は、各企業にとって重要な戦略の1つです。

④特殊技術や特許を持つ企業を対象にした買収も見られる

従来の製品における付加価値が急速に低下しているので、化学製品製造/化学メーカーは、付加価値の高い製品獲得と自社のブランド力向上が必須といえる状況です。他社と差別化できる特許技術などの獲得を目的としてM&Aを行うケースも目立ちます。

⑤異業種企業と化学製品製造・化学メーカーも増加

化学メーカーと異業種企業の間でもM&Aが多く実施されています。例えば、IoT・クラウド・ビッグデータなどの技術を持つ企業へのM&Aです。

IT技術の進展は、あらゆる事業に大きな影響を与えるため、最先端の技術を取り入れるだけで、事業が拡大する可能性は非常に高いでしょう。そのため、IT系の企業をM&Aで買収し、事業の強化や多角化・新たなサービスの開発などを実現するケースが増加しています。

塗料・塗料卸売業界のM&A・売却・買収については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】塗料・塗料卸売業界のM&A・売却・買収!動向や事例、ポイントを解説【2022年最新】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

3. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収の事例

ここからは、化学製品製造/化学メーカーの日本国内企業を対象としたM&A事例と、外国企業へのM&A事例を見ていきましょう。

日本国内を対象としたM&A事例

まずは、日本国内を対象とした化学製品製造/化学メーカーのM&A事例です。

  • 昭光ハイポリマーによる高分子商事の買収
  • 田中藍ホールディングスによる活材ケミカルの買収
  • 信越化学工業による三益半導体工業の買収
  • 鶴見化学工業による日本乾溜工業の買収
  • アカルタスHDによる美濃化学工業の買収
  • オリンパスによるOlympus Innovation Ventures, LLCの設立
  • 三菱ケミカルホールディングスによるDAIZとの資本業務提携
  • 日本曹達による丸善油化商事の事業買収

昭光ハイポリマーによる高分子商事の買収

2024年8月、昭光ハイポリマーは高分子商事の全ての株式を取得しました。

昭光ハイポリマーは、昭光通商グループの子会社で、石油化学製品、合成樹脂などの化学系素材の販売を行う企業です。対象会社の高分子商事は、接着剤、合成樹脂成型品、成型用・加工用合成樹脂関連資材の販売を行う企業です。

今回のM&Aにより、共通点の多い2社における高付加価値事業を連携させ、顧客サービスの向上・事業の拡大を目指します。

昭光ハイポリマー株式会社「高分子商事株式会社の株式取得に関するお知らせ」

田中藍ホールディングスによる活材ケミカルの買収

2024年7月、田中藍ホールディングスは活材ケミカルの株式を取得しました。

田中藍ホールディングスは、化学工業薬品、石油化学製品、染料、顔料、ゴム製品などの販売を展開する化学専門商社です。活材ケミカルは、大手総合化学メーカーである三井化学の子会社で、ウレタン樹脂材料や誘導品および、副資材、工業薬品等の化学製品類の販売・リサイクルの事業を行っています。

今回のM&Aにより、両社のシナジーの発揮による事業機会の創出、事業領域の拡大を目指します。

三井化学株式会社「活材ケミカル株式会社の株式譲渡に関するお知らせ」

信越化学工業による三益半導体工業の買収

2024年4月、信越化学工業は三益半導体工業のTOB(公開買付け)によりM&Aを実施しました。

信越化学工業は、塩化ビニルやシリコーン、セルロース誘導体など汎用化学品から機能性化学品、電子材料の製造および販売を行う企業です。一方、対象会社の三益半導体工業は半導体事業としてシリコンウエハーの製造販売を行っています。

今回のM&Aにより、機動的な経営判断を行う経営体制を構築し、強固な協力体制を目指します。

鶴見化学工業による日本乾溜工業の買収

鶴見化学工業は2022年9月、日本乾溜工業の不溶性硫黄事業を吸収分割を実施しました。

鶴見化学工業は、ゴム製品や硫黄製品事業を扱う、硫黄のブランドメーカーでもあります。を行っ対象会社である日本乾溜工業は、土木建設業を中心に、化学品事業を行う会社です。日本乾溜工業は、昨今の新型コロナウイルスの影響や、人件費・原材料の高騰などで、経営環境は厳しい状況でした。

鶴見化学工業は今回のM&Aにより不溶性硫黄事業を獲得し、ゴム用不溶性硫黄によるタイヤ、ゴム業界の幅広いニーズに対応し、製造部門の強化を目指します。

アカルタスHDによる美濃化学工業の買収

アカルタスHDは2022年1月、美濃化学工業の株式を全て取得しました。

アカルタスHDは、プラスチックマテリアルリサイクル事業を成長事業の一つとしています。2020年にプラスチック素材の仕入販売を行うスカイコーポレーション、2021年には、容器包装リサイクル事業の新川リサイクルセンターを買収しました。

今後、事業を拡大するためにプラスチックを再生する製造ノウハウをグループ内に取り込むため、美濃化学工業のM&Aを実施しました。
今回のM&Aにより、製販一体の体制構築とともに事業拡大を目指します。

オリンパスによるOlympus Innovation Ventures, LLCの設立

2021年9月、オリンパスはコーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンドとして Olympus Innovation Ventures, LLCの設立を決めました。オリンパスは、事業戦略に基づいたM&Aなどを実施して、年率5~6%の売上高成長率を保つことを掲げています。デジタルやAIなどの新しいトレンドが医療技術の状況を変えつつあるので、成長する機会を創るために今回の設立を決めました。

このファンドは、アーリーステージにおける企業との関係を築き、自社技術と関連がある起業家チームとのパートナーシップ育成をサポートする見込みです。

三菱ケミカルホールディングスによるDAIZとの資本業務提携

2021年9月、発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZは、三菱ケミカルホールディングスと資本業務提携を結びました。三菱ケミカルホールディングスが保有する油脂技術を活用して新たな商品開発を進めています。

三菱ケミカルホールディングスが、第三者割当増資を引受け、DAIZは資金を調達しています。三菱ケミカルホールディングスが、日本国内のスタートアップに出資するのは初めての取組みです。

日本曹達による丸善油化商事の事業買収

日本曹達は2020年5月に、石油化学製品や各種資材などの卸売業を行っている丸善油化商事のフマル酸ステアリルナトリウム事業を買収しました。

これにより、既存販売チャネルを活用した海外展開を含む事業拡大や、既存製品との相乗効果を見込んでいます。

異業種企業による化学メーカー買収・出資事例

続いて、異業種企業による化学メーカーのM&A事例をご紹介します。

  • アカルタスホールディングスによる美濃化学工業の完全子会社化
  • カミ商事によるハクビ化学の完全子会社化
  • エア・ウォーターと双日によるGreen Earth Instituteへの出資

アカルタスホールディングスによる美濃化学工業の完全子会社化

2021年12月、アカルタスホールディングスは美濃化学工業を株式譲渡により完全子会社化しました。

アカルタスホールディングスは一般・産業廃棄物の収集や運搬などに関するコンサルティングや不用品回収・スクラップの仕入れや販売などの事業を展開する会社です。美濃化学工業はプラスチック原料の製造や販売事業を展開している会社で、アカルタスホールディングスはプラスチック製造のノウハウを取り込む目的でM&Aを実施しました。

参考
美濃化学工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

カミ商事によるハクビ化学の完全子会社化

2021年12月、カミ商事はハクビ化学を株式譲渡により完全子会社化しました。

カミ商事は紙原材料の仕入れや各種用紙・板紙シリーズの販売事業を展開している会社です。ハクビ化学は置き製紙用の接着剤や工業製品の製造を手がける会社で、カミ商事は家庭向けの紙製品生産をさらに効率化させるためにM&Aを実施しました。

参考
当社によるハクビ化学株式会社の株式取得について

エア・ウォーターと双日によるGreen Earth Instituteへの出資

2021年6月、エア・ウォーターと双日によるGreen Earth Instituteへの出資が行われました。

エア・ウォーターは産業ガスの供給や医療ソリューションサービスを手掛け、双日は自動車や鉄道・金属資源などを取り扱う総合商社です。Green Earth InstituteはRITE公益財団法人地球環境産業技術研究機構)発のベンチャー企業であり、バイオマス原料を使った非石油由来の化学品や燃料の開発事業を展開しています。

本出資によりバイオ化学品分野での新規事業展開や低炭素・循環型社会に貢献できるような環境ビジネスの創出を支援しています。

参考
RITE発のバイオベンチャー Green Earth Institute株式会社に出資  ~循環型社会の実現に向けて、環境対応ビジネスへの展開を強化~

  • 化学メーカーのM&A・事業承継

4. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却の理由5選

化学製品製造/化学メーカーでは、主に以下の理由でM&A・事業承継による売却が行われます。

  1. 後継者問題を解決する
  2. 深刻な従業員不足を解決する
  3. 大手グループの傘下に入って経営を安定させる
  4. 従業員の雇用先を確保する
  5. 売却益を獲得する

①後継者問題を解決する

後継者がいないために廃業せざるを得ない状況は、化学製品製造/化学メーカーに限らず、多くの中小企業にとって解決すべき課題です。近年は、M&A・事業承継仲介機関への相談件数が増え、事業承継に成功する中小企業が増加しています。

②深刻な従業員不足を解決する

化学業界が転換期を迎えているので、中小化学製品製造/化学メーカーも顧客の要望に応えるため、事業領域の拡大や製品の付加価値向上などを行う必要に迫られています。

しかし、変化に対応できる人材の確保は容易ではないため、人材確保を目的としたM&Aも行われている状況です。

③大手グループの傘下に入って経営を安定させる

国内需要の低下に伴い、中小化学製品製造/化学メーカーも、製品の付加価値向上や海外展開などが必要です。そこで、M&Aによる売却で大手グループの傘下に入ると、経営リソースを活用して経営を安定させられる可能性が得られます。

④従業員の雇用先を確保する

経営が苦しいにもかかわらず、従業員の雇用を考えるとなかなか廃業に踏み切れないケースは少なくありません。長く働いてくれたベテラン従業員の場合、再就職先がなかなか見つからない問題が生じるでしょう。

こういったケースでは、廃業ではなくM&A・事業承継によって、従業員の雇用を確保する方法もあります。

⑤売却益を獲得する

廃業後の生活を考えると、簡単には廃業に踏み切れないケースもあります。M&A・事業承継では売却益が得られるので、廃業よりもお金の不安を減らせるでしょう。

5. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収価格の相場

化学製品製造/化学メーカーにおけるM&A・買収・売却の相場は、どのようにして求めるのでしょうか。ここでは、企業価値評価の算定方法を見ていきましょう。

企業価値評価の算定方法

一般的に、企業価値評価は、現在の企業資産価値に加えて、将来の収益力などをプレミアム価格として上乗せして算定します。

プレミアム価格をどのくらい上乗せするかは、業界や案件ごとに異なりますが、化学製品製造/化学メーカーの企業価値評価算定は、他業界と比べると難しいです。化学製品製造/化学メーカーの業績は、石油価格・地政学リスク・各国の政治政策など、コントロール不可能な要素に大きく左右されるからです。

化学製品製造/化学メーカーの企業価値評価は、専門家でも算定結果に大きな違いが生じる場合があります。

企業価値評価の算定は個人でできるか

先述のとおり、化学製品製造/化学メーカーの企業価値評価を正確に行うためには、さまざまな要素を加味しなければならないため、個人で算定するのは非常に難しいといえるでしょう。

中小規模の化学製品製造/化学メーカーでも、M&Aの専門家に相談・依頼するなどして、企業価値評価を行う必要があります。

M&Aの企業価値評価については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

6. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収を成功させるコツ

化学製品製造/化学メーカーのM&Aを成功させるには、どのような点を意識して行えばよいのでしょうか。ここでは、化学製品製造/化学メーカーのM&Aを成功させるポイントについて、売却側と買収側それぞれの立場から解説します。

売却側の5つのポイント

売却側は、以下のポイントを意識して行いましょう。

  • 計画的に準備を行う
  • 希望条件を満たす買収先を探す
  • M&Aの目的を明確にする
  • 技術・特許など強みをまとめる
  • M&Aの専門家に相談する

①計画的に準備を行う

M&A・事業承継を成功させるには、「会社の現状把握」「企業価値の向上」「後継者の育成」など、目的に応じて計画的に準備することが重要です。売却後も会社が長く続くよう、将来を見据えた準備をする必要があります。

②希望条件を満たす売却先を探す

M&A・事業承継の際は、焦りや不安から条件を妥協してしまうケースがあります。しかし、譲れない条件や妥協できるラインを明確にし、信頼できるM&A・事業承継の専門家からサポートを受けるなどして、まずはしっかりと売却先を探しましょう。

③M&Aの目的を明確にする

売却側の経営者は、M&Aによって会社をどのようにしたいのか、自身はどのようにしたいのかなど、目的を明確にすることが大切です。目的が不明確だと、交渉で相手に振り回されたり不利な条件で成約したりするなど、満足のいかないM&A結果になる可能性があります。

④技術・特許など強みをまとめる

事業拡大目的のM&Aから、収益力向上や付加価値のある製品獲得目的のM&Aにシフトしている化学業界では、自社の強みを明確にアピールする準備を行うことも重要です。自社の強みを整理すれば、企業価値の向上にもつながります。

⑤M&Aの専門家に相談する

何の準備から始めたら良いかわからない場合でも、M&Aの専門家に相談すれば行うべきプロセスが明確になります。M&Aの専門家に複雑な交渉もサポートしてもらえるため、M&Aの精神的負担が大幅に軽減されるでしょう。

買収側の3つのポイント

買収側は、以下のポイントを意識して行ってください。

  • デューデリジェンスをきちんと行う
  • 買収先の従業員が離職しないようにする
  • M&Aの専門家に相談する

①デューデリジェンスをきちんと行う

買収後、円滑に事業を継続するためにも、デューデリジェンス(企業監査)は重要です。デューデリジェンスには高い専門性が必要となるため、経験豊富な専門家に依頼するなどして実施しましょう。

②買収先の従業員が離職しないようにする

M&A後の統合戦略を間違うと、買収先企業の従業員が離職してしまう可能性があります。丁寧にコミュニケーションをとりながら、時間をかけて企業風土を融合するなどの配慮が必要です。

③M&Aの専門家に相談する

M&Aの専門家によっては、M&A後の統合プロセスまで丁寧にサポートを行っているケースもあります。M&A仲介会社などの専門家に相談すれば、M&A手続きがスムーズに行えるだけでなく、経営力の向上にもつながるでしょう。

7. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収時におすすめの相談先

化学製品製造/化学メーカーのM&Aを成功させるには、M&A・事業承継や化学業界に精通した専門家によるサポートが欠かせません。

M&A総合研究所では、経験や実績の豊富なM&Aアドバイザーが親身になって案件をフルサポートします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を受け付けていますので、化学製品製造/化学メーカーのM&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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8. 化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収のまとめ

本記事では、化学製品製造/化学メーカーのM&A動向やM&A事例などを紹介しました。化学製品製造/化学メーカーのM&Aを行う際は、事業計画を立てたり自社の強みをまとめたりして事前の準備をしっかりと行い、計画的に進めることが大切です。

化学製品製造/化学メーカー業界における企業価値を正しく算定するのは非常に難しいです。化学製品製造/化学メーカーのM&Aを成功させるには、M&Aや化学業界に精通した専門家によるサポートを受けながら進めることをおすすめします。

9. 化学メーカー業界の成約事例一覧

10. 化学メーカー業界のM&A案件一覧

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