2024年08月23日更新
山形県のM&A・事業承継の動向!動向や案件一覧・仲介会社の選び方も解説
山形県でM&A・事業承継・会社売却を行うにあたり、仲介会社の存在は欠かせません。この記事では、山形県におけるM&A・事業承継・会社売却の動向や仲介会社選びのポイントを紹介します。また、案件を探す手段も詳しく解説します。
目次
1. 山形県の産業の特徴・経済動向
山形県は、東北6県のうちの1つです。日本海に面し、秋田県の南側、宮城県の西側、福島県の北西側、新潟県の北東側に位置します。人口は1,013,543人です。(前月比 △974人)、男女別では男性が491,965人、女性が521,578人、世帯数は401,917世帯(前月比 △41世帯)です(令和6年7月1日現在)。
県庁所在地は山形市で、蔵王スキー場が有名です。まずは、山形県の経済面の特徴について、その概要を見てみましょう。
参照:山形県「山形県の人口と世帯数(推計)(令和6年7月1日現在)について」
山形県の産業に見られる特色
山形県経済は、令和元年までリーマンショックや東日本大震災からの低迷期を脱し、個人消費や鉱工業生産、雇用などで回復傾向にありました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で再び厳しい状況となっています。
日銀の短期経済観測調査では、製造業・非製造業ともに1回目の緊急事態宣言時に大幅に悪化しましたが、令和3年までは回復傾向が見られました。ただし、令和4年3月には資源価格高騰の影響で再び指数が悪化しています。
全国の中小企業との比較では、山本県企業の業況判断について、足元ではほぼ全国と同水準で推移している状況です。
参考:山形県産業創造振興課「山形県産業の現状 令和4年6月」
山形県の経済を取り巻く環境
本来、農林業中心だった山形県で製造業が活発になったのは、1970年代の高度経済成長期に建設された、大規模な工場とその従業員のための団地群が発端です。それ以降、鶴岡市や山形市、東根市などを中心に、製造業が拡大しました。
現在では、製造業の出荷額は2兆8,456億円(2020年工業統計調査)で、県民総生産額の約3分の2を占めています。
2. 山形県のM&A・会社売却・事業承継動向
帝国データバンクの山形県内企業「休廃業・解散」動向調査(2023年)によると、2023年に山形県で休廃業・解散した企業数は470件で、前年比で11.1%増加しています。
昨今は長引くコロナ禍だけでなく複合的な要因で、原材料価格やエネルギー価格の高騰が続いています。また、人手確保のための人件費増加などにより収益面・財務面に大きな痛手を受けた企業の休廃業割合が高くなっているのが現状です。
事業再建を含め将来の見通しが立てず、自主的に休業・廃業、解散を行う「あきらめ休廃業」 が増加している可能性があります。
山形県での休廃業・解散をしている代表者は2023年において、平均71.2歳となっています。これは、事業承継がスムーズに進まず、代表者の高齢化が進み、休廃業・解散を余儀なく決断していると想定されるでしょう。
この大きな理由は、以前から指摘されている後継者不在問題です。少子化や価値観の多様化の影響で親族に後継者がおらず、また、社内でも適任者がいないために事業承継が行えなくなっているのです。
その一方、近年では新たな事業承継方法として、M&Aで会社売却し、その買い手を後継者(新たな経営者)とすることが実施されるようになってきました。休廃業・解散を決める前に、M&A・会社売却を検討してみるよう、国や自治体も啓発を行っています。
参考:帝国データバンク「山形県「休廃業・解散」動向調査(2023年)」
3. 山形県近郊・東北地方のM&A案件一覧
ここでは、山形県のM&Aでの譲渡を希望している案件情報を紹介します。
【東北エリア/EBITDA1億円越えの高収益】金属加工業
1つ目に紹介する山形県のM&A案件は、金属加工業です。EBITDA1億円越えの高収益体質を維持し、現状も生産キャパシティにまだ余剰を残していることから、さらなるトップラインの引き上げ余地があります。
業種 | 商社・小売・流通 |
エリア | 東北 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
売却希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡形式 | 会社売却 |
【NetCash約1億円/EBITDA平均23百万円】東北地方の熱絶縁工事業
2つ目に紹介する山形県のM&A案件は、熱絶縁工事業です。設備配管など保温保冷工事、板金工事を営んでいます。後継者がいないことを理由に事業承継を検討しており、対応エリアは東北地方全域となっています。
業種 | 住宅・不動産・建設 |
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
売却希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡形式 | 会社売却 |
【東北】施工管理技士 / 建設系人材派遣業
3つ目に紹介する山形県のM&A案件は、建設系人材派遣業です。地元の大手建設会社への取引をメインに行う、建設系人材派遣会社です。施工管理技士や、事務等の派遣業を手掛けています。
業種 | 住宅・不動産・建設 |
エリア | 東北 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
売却希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡形式 | 株式譲渡 |
【業歴20年以上】東北地方の介護福祉施設運営
4つ目に紹介する山形県のM&A案件は介護福祉施設運営を行う企業です。医療機関・ケアマネジャーによる紹介、口コミ等で利用者を確保しています。有資格者が多数在籍しており、幅広いサービスを提供可能です。
業種 | 医療・介護 |
エリア | 東北 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
売却希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡形式 | 株式譲渡 |
【東北エリア】建築設計・不動産売買・仲介業
5つ目に紹介する山形県のM&A案件、東北エリアに拠点を置き、県内の2カ所の市区町村を中心に注文住宅などの建築工事と不動産売買・仲介を行う企業です。後継者不在とさらなる経営基盤強化のため譲渡を検討しています。
業種 | 住宅・不動産・建設 |
エリア | 東北 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
売却希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡形式 | 株式譲渡 |
4. 山形県のM&A・事業承継・会社売却事例
ここでは、山形県で過去に実際に行われたM&A事例の概要を紹介します。
- ナ・デックスによるNDYエンジニアリングとシンテックの合併
- サクサHDによるソアーのM&A
- きらやか銀行による富士通山形インフォテクノのM&A
- 牧野フライス製作所によるエツキのM&A
ナ・デックスによるNDYエンジニアリングとシンテックの合併
2024年7月、ナ・デックスは、完全子会社であるNDYエンジニアリングとシンテックを吸収合併し、NDYエンジニアリングを存続会社とすることを決定しました。シンテックは合併効力発生日に解散します。
NDYエンジニアリングは産業用機械の製造・販売を行い、シンテックは専用工作機や自動化機械の製造・販売を行っています。
この合併は、ナ・デックスグループが顧客課題に最適なソリューションを提供するため、システムインテグレーション(SI)機能の効率化と強化を図り、事業リソースの最適化と相互の得意分野への進出を目指すものです。
サクサHDによるソアーのM&A
2024年5月、サクサホールディングスは、ソアーの全株式を取得し、子会社化することを決定しました。サクサHDは、情報通信システム関連の開発・製造・販売を行う子会社を管理しており、山形県米沢市にある主力工場であるサクサテクノとともに、一貫した生産プロセスを提供しています。
ソアーは、カーエレクトロニクス関連の製品開発・製造に強みを持ち、同じく米沢市に生産拠点を置いています。今回の株式取得により、両社は生産体制の強化やスマート工場化を進め、事業の維持拡大を図ることが期待されています。
きらやか銀行による富士通山形インフォテクノのM&A
2023年9月、きらやか銀行は富士通山形インフォテクノの全ての株式を取得し、子会社化しました。
きらやか銀行は山形市に拠点を置く、じもとホールディングスの子会社です。対象会社の富士通山形インフォテクノは、金融機関向けソフトウエア開発を行っており、富士通の子会社です。主に、金融機関のシステム開発や社内システム、ATMの運用管理などを行っています。
今回のM&Aにより、システム安定運用やシステム人材の確保を図ります。
牧野フライス製作所によるエツキのM&A
2023年4月、牧野フライス製作所は、エツキの株式を取得し、子会社化しました。牧野フライス製作所は工作機械の大手企業で、主力製品はマシニングセンタや放電加工機です。
一方、エツキは各種自動化専用機や産業機械の設計・製作・販売を手掛けています。このM&Aにより、牧野フライス製作所は生産協力体制を強化し、相互にシナジーを発揮することで、企業価値のさらなる向上を目指しています。
5. 山形県内のM&A・事業承継に関する公的支援
山形県で事業承継の相談ができる公的機関はいくつかありますが、最も使い勝手がよく頼れる存在は、山形県事業承継・引継ぎ支援センターでしょう。山形県事業承継・引継ぎ支援センターの概要を説明します。
山形県事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターは、国(中小企業庁)からの委託事業として全国の各都道府県に設置された公的機関です。当初は事業引継ぎ支援センターという名称でしたが、事業承継ネットワークと統合され、2021年4月に現在の名称に改称されました。
山形県の事業承継・引継ぎ支援センターは、公益財団法人やまがた産業支援機構が国(経済産業省、東北経済産業局)の委託事業として平成27年6月12日に開設した公的相談窓口です。
事業承継・引継ぎ支援センターの目的は、各地域の中小企業の円滑な事業承継実現をサポートすることです。親族や社内に後継者がいる会社に対しては、計画性のあるスムーズな事業承継の実施を支援します。
後継者のいない会社に対しては、事業承継・引継ぎ支援センターの独自事業である後継者人材バンクの活用や、外部の専門家(士業やM&A仲介会社、金融機関など)と連携してM&A実施をサポートします。
事業承継・引継ぎ支援センターのメリットは、公的機関なので相談やサポートが無料で受けられることです(M&A実施時に、専門家に業務依頼した場合には手数料が発生)。
山形県事業承継・引継ぎ支援センターの場合は、公益財団法人山形県企業振興公社に事務局が置かれ、運営されています。
後継者人材バンク
後継者人材バンクとは、事業承継により経営者になることを目指す起業志望者と、後継者不在の中小企業をマッチングするサービスです。事業承継・引継ぎ支援センターでは、随時、起業志望者を募集しており、申込者を登録しておきます。
その後、後継者不在企業から事業承継・引継ぎ支援センターに相談があったときに、双方の条件が合致する相手がいれば、紹介・引き合わせを行うのです。面会後、話が進むようであれば、事業承継に向けた具体的な手続きなどを事業承継・引継ぎ支援センターがサポートします。
後継者人材バンクの情報は、全国各地の事業承継・引継ぎ支援センターで共有されるので、山形県内で適する後継者候補が見当たらなくても、隣接県などで見つかるかもしれません。M&Aの検討と並行して、利用してみる価値はあります。
6. 山形県のM&A・会社売却・事業承継案件を探す3つの手段
山形県でM&A・会社売却・事業承継案件を探す場合、以下の3つの方法が有効です。
- 地元の金融機関などに相談する
- M&Aマッチングサイトなどを活用する
- M&A仲介会社・専門家に相談する
①地元の金融機関などに相談する
1つ目の手段は、地元の金融機関への相談です。M&A・会社売却・事業承継を取り扱う金融機関へ相談するのも良いでしょう。
②M&Aマッチングサイトなどを活用する
2つ目の手段は、M&Aマッチングサイトの活用です。昨今、マッチングサイトが急増しており、以下におすすめのマッチングサイトを紹介します。
- M&Aプラットフォーム(M&A総合研究所)
- Batonz(バトンズ)
- TRANBI(トランビ)
- スピードM&A(アイデアルパートナーズ)
- 介護M&A支援センター(ブティックス)
M&Aプラットフォーム(M&A総合研究所)
M&Aプラットフォームは、M&A総合研究所が運営するM&Aマッチングサイトです。独自AIを採用し高精度のマッチングを実現しています。登録手数料は、売り手・買い手とも無料です。
基本的に手続きや交渉などは当事者のみで行うシステムですが、不安のある場合は、アドバイザーによるサポートを別途、ご依頼いただけます(その場合は手数料が発生します)。
Batonz(バトンズ)
Batonzは、国内で最大級の規模を誇るマッチングサイトで、1,000件を超える案件を掲載しています。自社のみでの交渉に不安を抱く企業に対しては、承継アドバイザーの紹介依頼も可能です。
TRANBI(トランビ)
TRANBIも、国内で最大級の規模を誇るマッチングサイトで、常に1,000件以上の案件を掲載し、登録するユーザーの数は3万人を超えています。2021年1月から新しい料金システムが導入され、無料登録後、ユーザーは3種の有料プランから選択することになりました。
スピードM&A(アイデアルパートナーズ)
スピードM&Aは、2018(平成30)年11月創業のアイデアルパートナーズが運営しています。ITを活用した友好的M&Aの推進が、サイトのモットーです。買い手の資金調達サポートサービスも行っています。
介護M&A支援センター(ブティックス)
介護M&A支援センターは、ブティックスが運営する介護事業者専門のM&Aマッチングサイトです。山形県内の介護事業者の案件登録も行われています。業種は限定されますが、専門性の高さは随一といえるでしょう。
③M&A仲介会社・専門家に相談する
3つ目の手段は、M&A仲介会社・専門家への相談です。M&A仲介会社や地元の会計事務所などでは、山形県のM&A・会社売却・事業承継案件を取り扱っています。
7. 山形県でM&Aをする際の仲介会社選びのポイント
山形県でM&Aを行う場合、仲介会社選びのポイントとして、以下の5点を把握しておきましょう。
- 該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 案件規模・地元M&A実績などがある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
- 担当スタッフの対応・相性が良い
①該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
1つ目に挙げる山形県でM&Aをする際の仲介会社選びのポイントは、該当分野の専門的知識とM&A実績があることです。
M&A仲介会社は、特定の業種を取り扱う、あるいは得意とする業種があります。譲り渡す事業・会社の業種と仲介会社のそれとが異なってしまうと、適切な譲渡価格・スキーム(手法)などが得られないかもしれません。
場合によっては、交渉先が見つからずにM&Aの機会を逃してしまう事態も考えられます。したがって、山形県でM&Aを行う場合には、譲渡する事業と同一のM&A実績の有無を確認し、仲介会社を決めましょう。
②案件規模・地元M&A実績などがある
2つ目に挙げる山形県でM&Aをする際の仲介会社選びのポイントは、案件規模と地元でのM&A実績です。M&A仲介会社によっては、業種に加えて、得意とする案件規模が異なります。売買を検討する事業・会社の規模に合った仲介会社を選ぶのが大切です。
M&A仲介会社は、取り扱う案件のエリア・得意とする地域が異なっています。山形県での売買を検討するなら、地元の金融機関や会計事務所などとのネットワークを持つ仲介会社を選ぶと、地元企業との事業承継・M&A実現の可能性が高まるでしょう。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
3つ目に挙げる山形県でM&Aをする際の仲介会社選びのポイントは、M&Aに関する幅広い知識・経験があることです。M&Aでは、譲渡価格、スキームの決定、デューデリジェンス、交渉・契約、譲渡後のPMI(経営統合プロセス)など、専門的な知識と経験を必要とします。
専門知識と実務経験が乏しい場合、M&A・事業承継を実現できないかもしれません。山形でM&A・事業承継・会社売却による事業の引継ぎを成功させたいのなら、専門知識と経験を兼ね備えたM&A仲介会社に相談するのをおすすめします。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
4つ目に挙げる山形県でM&Aをする際の仲介会社選びのポイントは、手数料・相談料などの報酬体系がわかりやすいことです。M&A仲介会社によっては、ホームページなどに手数料を明確に提示していない場合があります。
そのような場合は、相談時に見積もりを取るなどして、料金の明示を求めましょう。そのうえで比較検討し、仲介会社を選ぶべきです。昨今は、完全成功報酬制のM&A仲介会社も増えていますが、各社で成功報酬額の
算出方法が違うケースもあるので注意してください。
⑤担当スタッフの対応・相性が良い
5つ目に挙げる山形県でM&Aをする際の仲介会社選びのポイントは、担当者の対応と相性です。M&A・事業承継・会社売却では、担当者の対応も成功の鍵を握っています。
担当者の対応が悪いと、数カ月を経過しても交渉先が紹介されなかったり、事務的な応対のみで建設的な対応をしてくれなかったりと、M&Aの機会を逃してしまうかもしれないのです。
担当者との相性が悪ければ意思疎通がうまくつかず、時間を浪費するだけで希望条件に見合った候補が紹介されないケースもあり得ます。M&A仲介会社を選ぶ場合は、無料相談を活用してスタッフの対応・相性を見極めるようにしましょう。
8. 山形県のM&A・事業承継・会社売却まとめ
後継者不在で経営者が高齢の山形県の中小企業にとっては、廃業を免れる手段としてM&A・会社売却による事業承継が有効な手段です。そして、M&A・会社売却・事業承継を成功させるには、M&A仲介会社や公的機関の活用が欠かせません。
9. 山形県の成約事例一覧
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