【2026年最新】M&Aの手法11種類を一覧で比較!株式譲渡・事業譲渡など特徴・メリット・税金・選び方を解説

代表取締役社長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&Aの手法は株式譲渡や事業譲渡など多岐にわたり、目的や状況に応じた選択が成功の鍵です。本記事では、代表的なM&A手法を一覧で解説し、各スキームの特徴や流れ、税金、選び方のポイントをわかりやすく紹介します。

M&Aの手法(スキーム)を11種類、一覧の比較表でわかりやすく解説。株式譲渡・事業譲渡・株式交換・合併・会社分割・TOB・MBOなど各手法の特徴とメリット・デメリット、手法ごとの税金、選び方のポイント、実行までの流れ、成功事例まで専門家が網羅的に紹介します。【2026年最新】
 

目次

  1. M&Aの手法の全体像|「買収」「合併」「提携」の3分類
  2. M&Aの代表的な手法(スキーム)11選
  3. M&Aの手法・スキームを選ぶ際の3つのポイント
  4. M&Aの手法を選択し実行するまでの流れ
  5. 【手法・スキーム別】M&Aで課される税金
  6. M&Aの手法・スキームを選ぶポイント
  7. M&Aの手法・スキームに必要な会計・仕訳
  8. M&Aの手法・スキームにかかる費用・手数料
  9. M&Aの手法・スキームを活用する企業が増える背景
  10. M&Aの手法・スキーム別の成功事例
  11. M&Aの手法に関するよくある質問
  12. M&Aの手法・スキームまとめ
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1. M&Aの手法の全体像|「買収」「合併」「提携」の3分類

M&Aの手法は数多くありますが、大きく「買収」「合併(広くは組織再編)」「提携」の3つに分類すると整理しやすくなります。

・買収:相手企業の経営権や事業を取得する手法。株式を取得する「株式譲渡・株式交換・株式移転・株式交付・第三者割当増資・TOB・MBO」と、事業のみを取得する「事業譲渡・会社分割」に分かれます。

・合併・組織再編:複数の会社を1つに統合する「合併」など。会社分割もこの組織再編に含まれます。

・提携(広義のM&A):資本の移動を伴う「資本提携(株式持ち合い・合弁会社設立など)」。資本移動を伴わない単なる業務提携はM&Aには含まれません。

この全体像を踏まえると、次に紹介する11の手法がどの位置づけにあるかを理解しやすくなります。

2. M&Aの代表的な手法(スキーム)11選

M&Aの分類

上図はM&Aの手法を一覧にしたものです。以下では、上図にないものも含めて各M&A手法の概要を説明します。なお、上図に示されているとおり、単なる業務提携は資本の移動を伴わず、共同業務契約にとどまりますので、M&Aとは見なされません。

  1. 株式譲渡
  2. 株式交換
  3. 株式交付
  4. 株式移転
  5. 第三者割当増資
  6. 事業譲渡
  7. 合併
  8. 会社分割
  9. 資本提携
  10. TOB
  11. MBO

まず、代表的な手法の特徴を一覧表で比較します。詳細は各手法の解説をご覧ください。

手法 取得対象 主な対価 承継方式 買収資金の要否 主な活用場面
株式譲渡 株式(経営権) 現金 包括承継 必要 中小企業の事業承継で最多
株式交換 株式(完全子会社化) 買い手株式 包括承継 不要 完全子会社化・グループ再編
株式交付 株式(子会社化) 買い手株式 包括承継 不要 完全子会社化までは不要な資本提携
株式移転 株式(持株会社化) 新設会社株式 包括承継 不要 ホールディングス体制への移行
第三者割当増資 新株(出資) 現金 不要 資金調達・資本提携
事業譲渡 事業・資産(選別) 現金 個別承継 必要 一部事業の売買・不採算事業の切離し
合併 会社全体(統合) 買い手株式等 包括承継 不要(株式対価の場合) 完全統合・グループ内再編
会社分割 事業部門(丸ごと) 買い手株式等 包括承継 不要(株式対価の場合) 事業の切り出し・再編
資本提携 株式の一部 現金等 場合による 緩やかな協力関係の構築
TOB 上場株式(市場外) 現金等 包括承継 必要 上場企業の買収・子会社化
MBO 自社株式・事業 現金 包括承継 必要 非公開化・事業承継

なお、中小企業のM&Aでは、手続きが比較的シンプルな「株式譲渡」が大半を占め、次いで「事業譲渡」が多く用いられます。
実務では、件数ベースでこの2手法で大部分を占めるのが実情です。

①株式譲渡

株式譲渡とは、対象企業の株式を買収することで、その企業の経営権を取得するM&A手法です。株式譲渡での対価には現金が用いられます。株式譲渡によるM&Aのメリットと特徴は、M&Aの手続き自体が容易であるためM&Aを早く行えることです。

株式譲渡のデメリットは、会社を丸ごと取得する包括承継のため、帳簿に記載されていない簿外債務や偶発債務なども引き継いでしまうリスクがある点です。また、対価は現金で支払うのが一般的なため、買収側は多額の資金準備が必要になります。

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②株式交換

株式交換とは、完全親子会社関係になる前提で買い手が売り手の株式を取得し、その対価として買い手の株式を交付する手法です。つまり、売り手側の株主は、買い手側の株主へと立場が変わります。

株式交換によるM&Aのメリットと特徴は、資金を準備する必要がないこと、株主全員の賛成を得られなくても株主総会の特別決議の承認があれば実施できることなどです。

株式交換によるM&Aのデメリットは、株式譲渡と比較すると手続きが複雑なこと、買い手企業の株主構成が変わってしまうことなどが挙げられます。

【関連】株式交換とは?対価の支払い方法や株式交換との違いを紹介!

③株式交付

株式交付とは、買い手企業が他の株式会社を子会社化する際に、対価として自社の株式を交付できるM&A手法です。2019年の会社法改正で創設され、2021年3月1日から施行されました。

株式交換と異なり完全子会社化が要件ではないため、より柔軟な資本提携が可能です。近年では、事業承継やスタートアップのM&Aでも活用事例が増えています。

株式交付のメリットは、買収資金として現金を用意する必要がなく、自社株式を対価にできる点です。また、株式交換と違い対象会社を完全子会社にする必要がないため、過半数の取得など柔軟な比率で子会社化できます。

一方デメリットは、買い手の株式を交付するため既存株主の持株比率が希薄化すること、対象が「株式会社の子会社化」に限られ(外国会社や合同会社などは対象外)、一定の場合に開示・手続きが必要になる点です。

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④株式移転

株式移転とは、新しく親会社を立ち上げ、既存の会社は自社株式を親会社に移転させて子会社となる手法です。いわゆるホールディングス体制(持株会社体制)を取る際に実施され、既存会社の株主は、対価として持株会社の株式を得ます。

株式移転のメリットは、買収するときに株式を交付できるので、買収資金は必要ありません。事業会社(子会社)はそれぞれ独立した組織なので、多くの事業会社がいる場合でもPMI(経営統合プロセス)の負担が少ないこともメリットです。

デメリットは、事務的な手続きに手間がかかる点です。企業数が増えるため管理費用が増え、株価が下落する可能性があることもデメリットといえます。

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⑤第三者割当増資

第三者割当増資とは、特定の第三者に対し、売り手側企業の新株式、または所有する自社株式を交付する手法です。買い手としては買収ではなく出資であり、売り手は増資して資金調達したことになります。したがって、課税を受けません。

買い手が取得する株式の割合によって、売り手企業の経営に及ぼす影響力が変わります。第三者割当増資によるM&Aのメリットと特徴は、手続きが容易であること、株式の再売却を行う際も手続きが簡単であることなどです。

第三者割当増資によるM&Aのデメリットは、買い手は資金が必要であること、出資比率が低ければ経営には関与できないことなどが挙げられます。

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⑥事業譲渡

事業譲渡とは、売り手側の事業・資産・権利など選別して売買取引する手法です。買い手側は、対価を現金で支払います。事業譲渡によるM&Aのメリットと特徴は、一部の事業を選んで買収できるため、売り手側が抱える負債などは引き受ける必要がないことです。

事業譲渡のデメリットは、資産や契約、従業員との雇用契約などを個別に移転させる必要があり、手続きが煩雑になる点です。また、原則として許認可は引き継げないため、買い手側で再取得が必要です。売り手側には譲渡益に対して法人税が課税される点も留意すべきでしょう。

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⑦合併

複数の企業が1つに統合される手法が合併です。存続会社は、統合された企業の事業や資産、権利義務全てを承継します。存続会社以外の企業(消滅会社)の法人格は、消滅して残りません。合併には、吸収合併と新設合併の2種があります。

合併の主なメリットは3つです。1つ目は、対価として自社の株式を交付できるため、買収資金を準備する必要がない点です。2つ目は、組織が一体化することでスケールメリットやシナジー効果が期待できる点、3つ目は契約や許認可などを包括的に承継できる点です。


合併によるM&Aのデメリットは、包括承継であるため、簿外債務などがあっても引き継がなければならない点です。2つ以上の会社における株主が一緒になるため、経営戦略の差異が生まれる点なども挙げられます。

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吸収合併

吸収合併を行う企業をA社とし、吸収合併される企業をB社とします。吸収合併の場合、A社が存続会社、B社が消滅会社です。A社はB社の株主に、吸収合併をする際、株式などを対価として支払います。そして、B社が吸収されA社に統合となると、B社の株主はA社の株主です。

A社はB社が持っていた権利などを取得し、B社は合併後に解散登記を行って消滅しA社が存続します。吸収合併によるM&Aの特徴とメリットは、会社を丸ごと統合するので、従業員や権利など事業ごとに細かく分ける手間がないことです。

対価は株式で払えばよいので特別に資金を用意する必要がありません。そのうえ、大規模な会社による小規模な会社の吸収合併では、取締役会決議のみで吸収合併を決定できる簡易合併という制度があり、簡単に実施できます。

新設合併

新設合併とは、既存企業が新設企業に吸収・統合される合併のことです。新設合併は手続きが複雑なため、合併の場合は、吸収合併が選ばれることがほとんどでしょう。

⑧会社分割

会社分割とは、売り手企業の事業部門を丸ごと切り出し、買い手企業がそれを取得・承継する手法です。会社分割の場合も、吸収分割と新設分割の2種があります。買い手は、対価に自社株式を用いることが可能です。

会社分割によるM&Aのメリットと特徴は、包括承継であるため許認可なども引き継げること、現金の準備が必要ないことなどが挙げられます。

会社分割によるM&Aのデメリットは、事業部門を丸ごと分割するため、その事業が負債を抱えていた場合、その負債も引き受けなければならないことです。業種によっては、許認可を引き継げない場合があります。

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吸収分割

吸収分割とは、既存企業間で行われる会社分割のことです。吸収分割によるM&Aのメリットは、分割の際の支払いは現金だけではなく株式でも可能なため資金の準備が必要ないこと、分割する事業を選べることが挙げられます。

吸収分割によるM&Aのデメリットは、不要な債権なども引き継ぐリスクがあることです。

新設分割

新設分割とは、新設された企業が既存企業の事業部門を承継する会社分割のことです。新設分割によるM&Aのメリット・デメリットは、吸収分割の場合と同じになります。

⑨資本提携

資本提携は、資本の移動を伴うため、広義のM&Aとされています。資本提携の具体的な手法としては、第三者割当増資、株式の持ち合い、合弁会社の設立がありますが、第三者割当増資は説明済みですから、ここでは、株式の持ち合い、合弁会社の設立を見てみましょう。

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株式の持ち合い

複数の企業が相互に相手企業の株式を所有することが、株式の持ち合いです。株式の取得方法としては、第三者割当増資が用いられます。近年は、単に株式を持ち合うだけでなく、業務提携と合わせ資本業務提携として行われる傾向が強いです。

合弁会社の設立

合弁会社設立とは、複数の企業が出資をして新たに会社を設立するものです。ジョイントベンチャーともいいます。合弁会社設立の主なメリットは以下の3点です。1つ目は、合弁を行う会社と協力して出資を行うため、出資のリスクを抑えられます

2つ目は、合弁を行う企業同士の強みを活用できることです。3つ目に、新規分野への参入や海外進出などが行いやすいことが挙げられます。

⑩TOB

TOB(Take Over Bid=株式公開買付)とは、上場企業の株式に対し市場外で株式を買付することです。株式公開買付では、買付価額と買付数、買付期間を公表し株式の買付を行います。

TOBのメリットは、大量の株式を買収できることや、買収価額を宣言して行うため予算が立てやすいことです。TOBは、予定した株式数の申し込みがなければ取引のキャンセルができます。

TOBのデメリットは、TOBを実施する側とTOBをされる側に敵対する意思があった場合、TOBを行う側が損をしてしまう、あるいはTOBが成功しない可能性があることです。

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⑪MBO

MBO(Management Buyout)とは、会社の経営陣が自社の株式や事業を買収し、経営権を取得する手法です。M&Aの手法の一つで、上場企業が非公開化して経営の自由度を高めたり、敵対的買収を防いだりする目的で実施されます。また、中小企業においては、経営陣がオーナーから事業を引き継ぐ事業承継の手法としても活用されています。

MBOのメリットと特徴は、経営の効率化や迅速な意思決定ができるようになることです。一方、MBOのデメリットは、自社が発行している株式を株主から買収するのは難しい点が挙げられます。

MBOのメリットは、経営陣が引き続き事業を担うため、従業員や取引先への影響を抑えつつ経営の自由度を高められる点です。上場企業では短期的な株主の意向に左右されず、中長期的な視点で構造改革を進められます。

一方デメリットは、買収資金の調達が課題になりやすい点です。経営陣個人やSPC(特別目的会社)が金融機関やファンドから資金を借り入れる(LBOを併用する)ケースが多く、買収後は返済負担を負います。

また、経営陣が買い手・現株主が売り手となるため、買収価格の妥当性をめぐって利益相反に配慮する必要があります。

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3. M&Aの手法・スキームを選ぶ際の3つのポイント

M&Aの手法は多岐にわたるため、自社の目的や状況に最も適したスキームを選択することが成功の鍵となります。ここでは、手法を選ぶ際に考慮すべき3つの重要なポイントを解説します。
 

①M&Aの目的を明確にする

なぜM&Aを行うのか、その目的によって最適な手法は異なります。例えば、後継者不在による事業承継が目的ならば株式譲渡が、不採算事業のみを切り離したい場合は事業譲渡や会社分割が適しているでしょう。目的を明確にすることで、手法の選択肢を効果的に絞り込めます。

②対価の種類(現金か株式か)を検討する

M&Aの対価は、主に現金と株式に分けられます。買い手側に十分な資金があれば現金対価の株式譲渡や事業譲渡が選択肢となりますが、資金調達が難しい場合は自社株式を対価とする株式交換や合併、株式交付などが有効です。対価の種類は、資金繰りや株主構成に大きな影響を与えるため、慎重な検討が必要です。
 

③税務・法務上の影響を比較する

M&Aの手法によって、課税される税金の種類や税率、必要な法的手続きの煩雑さが大きく異なります。例えば、株式譲渡では株主個人に所得税が課されますが、事業譲渡では会社に法人税が課されます。複雑な税務・法務リスクを避けるためにも、各手法のメリット・デメリットを比較し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることが不可欠です。
 

4. M&Aの手法を選択し実行するまでの流れ

M&Aを実施する方法は、11のステップに分けられます。11のステップは、以下のとおりです。

  1. 事前準備
  2. アドバイザー選定
  3. アプローチ
  4. 秘密保持契約
  5. IM提示
  6. トップ面談
  7. 基本合意書締結
  8. デューデリジェンス
  9. 条件交渉
  10. 最終契約とクロージング
  11. PMI

①目的の明確化と事前準備

M&Aを行うための事前準備として重要なのが、目的の明確化です。M&Aにおける最大の目的は、対象企業と協力して、シナジー効果を最大限に引き出すことにあります。自社はどのような企業を目指しているのか検討することが大切です。

買収側であれば、目的の明確化は、最終契約書締結後のPMI実施を想定して検討すると、より具体的な目的を取り決められます。M&Aの目的を決めたら、その目的をM&Aを行うチーム全体で共有するのも重要です。

②アドバイザー選定

事前準備として目的の明確化を終えたら、M&Aのアドバイザーを選定します。M&Aのアドバイザーは、M&A仲介会社から選定するのが一般的です。M&Aアドバイザーの選定を終えたら、業務委託契約を締結します。

業務委託契約はFA(ファイナンシャルアドバイザリー)締結とも呼ばれ、この契約を結ぶことにより正式に企業のM&Aアドバイザーとして就任します。アドバイザーが決まったら取引候補となる企業の選定ですが、M&A仲介会社を利用することで適切な相手を選べるでしょう。

ただし、昨今はM&A仲介会社も急増していることから、アドバイザー選びに迷ってしまうかもしれません。そのような場合​​​​​​には、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には、M&Aの専門知識や経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、培ったノウハウを生かしてM&Aをフルサポートします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談を行っていますので、M&Aをご検討の際には、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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③アプローチ

M&A仲介会社のリサーチで候補先が決定したら、アプローチを実施します。ここでのアプローチとは、M&A取引候補企業に対し、M&Aを実施する意思を問うことです。なお、このプロセスでは、具体的な会社名などは明かされていません。

マッチングのポイント

M&Aの相手候補選び(マッチング)では、特に以下の3点に留意しましょう。

  • 業務を依頼するM&A仲介会社は、得意とする業種や企業規模が自社と合致しているか確認して決める
  • できるだけ多種多様なシナジー効果が望める相手を選ぶ
  • 経営統合が行いやすいと思える相手を選ぶ(買い手側)

④秘密保持契約

対象会社へのアプローチを終えてM&Aの意思を確認できたら、秘密保持契約(NDA=Non-Disclosure Agreement)を締結します。M&Aは企業にとって非常にデリケートな問題なので、情報がもれないように細心の注意を払わなければなりません。

秘密保持契約は、売り手側が自社の機密情報を守るため、そして買い手側も自社の情報を守るために締結するものです。

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⑤IM提示

秘密保持契約を締結したら、IM(Information Memorandum)の提示が必要です。IMとは、売り手企業に関する詳細な情報が記載された資料をさします。IMは、基本的に、売り手側のM&A担当者やアドバイザーが作成するものです。

情報を公開する範囲は売り手側が決定します。しかし、基本的には、M&Aの実施にあたり、メリットとなる内容が多く記載されることがほとんどです。

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⑥トップ面談

IMの内容をもとに、M&Aの条件を社内で検討をしたら交渉開始です。基本的に条件交渉は、M&A仲介会社が行います。交渉の過程で実施されるのがトップ面談です。売り手・買い手双方の経営トップが、直接会って話をします。

条件交渉はM&A仲介会社が行いますから、トップ面談では経営ビジョンや企業風土などを話し、お互いの人物像を見極めるのも狙いです。

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⑦基本合意書締結

M&Aの条件が大筋で合意できたら、基本合意書の締結です。基本合意書には、M&Aのスキームや買収価額など、さまざまな基本的な内容が記載されます。ただし、基本合意書は現時点での合意内容確認書という位置付けです。法的拘束力はありません

M&Aの成約は保証されていない点には、注意が必要です。

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⑧デューデリジェンス

基本合意書の締結を行ったら、デューデリジェンスの実施です。デューデリジェンスとは、買収監査のことで、企業を買収するにあたって大きなリスクはないか、買収価額は適正かなどを買収側が調査します。PMI計画策定に必要な情報収集も欠かせません。

財務・税務・法務・労務・IT・事業などの分野ごとに、士業などの専門家を起用して行います。

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⑨条件交渉

デューデリジェンスで得られた情報をもとに、条件の最終交渉をします。デューデリジェンスで発覚したリスクや技術の情報をもとに、買収価額や権利の譲渡など、M&Aに関する細かい条件の交渉を行います。

売り手側は高く買収してもらいたい、買い手側は安価で入手したいと考えるのが一般的なため、お互いの意見を尊重しつつ条件の交渉を行うことが重要です。

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⑩最終契約とクロージング

最終条件交渉によりM&Aの条件が決定したら、最終契約書の締結です。最終契約書の締結により、法的拘束力をもってM&Aは成約します。クロージングとは、契約書に記載された内容を相互に履行することです。

売り手であれば、株式の引き渡しや株主名簿の書き換え、登記内容変更手続きなど、買い手であれば、対価の支払い、資産や権利の引き継ぎ手続き、各種届出などが該当します。

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⑪PMI

最終契約書を締結したら、PMIの実施です。PMIでは、売り手企業と買い手企業の経営統合を行います。具体的には、業務システム、管理システム、ITシステム、組織の再編成と人員の再配置、社内規定、人事制度、企業風土などの統合です。

PMIの失敗はM&Aの失敗を意味します。したがって、PMIの計画策定は入念に準備を行い、万全なものを用意しなければなりません。

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5. 【手法・スキーム別】M&Aで課される税金

下表に、M&Aの手法・方法別に課される税金を簡単にまとめました。
 

  株式譲渡
(個人)
株式譲渡
(法人)
事業譲渡
(法人)
税金 所得税、住民税 法人税等 法人税等、消費税など
税率 20.315%
(所得税15.315%、住民税5%)
29.74% 法人税29.74%、消費税10%
課税方式 分離課税 総合課税 総合課税
納税者 株主 法人 法人


この章では、M&Aでよく利用される株式譲渡、事業譲渡、合併や会社分割などの組織再編行為に課される税金を解説します。

株式譲渡で課される税金

株式譲渡では、M&Aで会社を売る側の株主が、会社を買う側に株式を売却して売却代金を取得します。課税の対象は売却代金を受け取った株主です。株主が個人の場合は、受け取った利益である株式譲渡所得に分離課税されます。

この所得税は、売却した翌年の確定申告での納税です。税率は所得税15%・復興特別所得税0.315%(2037(令和19)年までの時限税)・住民税5%を合わせて20.315%です(2026年時点)。給与・事業収入などの所得が高い場合でも、納税額を抑えられます。

株主が法人の場合に課せられるのは、法人税(法人税、法人住民税、法人事業税、特別法人事業税)です。個人のような分離課税はなく、他の損益と通算した利益額に課税されます。これら法人税等を合わせた実効税率は、資本金や所得により異なりますが、おおむね30%前後です(2026年時点)。

法人の場合、損益を通算し決算が赤字であれば課税を受けません。節税のために、株式譲渡を実施する時期を調整してみてもよいでしょう。

事業譲渡で課される税金

事業譲渡の売却当事者は売り手側の法人です。したがって、売り手企業に法人税が課されます。課税内容は株式譲渡の場合と同様です。譲渡対象に消費税課税資産が含まれている場合、買い手企業に消費税が課されます。消費税課税資産は、以下のとおりです。

  • 有形固定資産(土地は除く)
  • 無形資産
  • 棚卸資産
  • のれん

組織再編行為で課される税金

合併や会社分割などの組織再編では、税制適格要件という規定があります。この税制適格要件を満たした合併や会社分割であれば、課税は受けません。

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6. M&Aの手法・スキームを選ぶポイント

M&A(企業の合併や買収)を進める際には、次の4つのポイントを考慮することが重要です。

  • 利益が見込めるか
  • 買収の価格が妥当か
  • 実施のタイミングが適切か
  • 企業統合後の計画(PMI)が明確か

まず、企業合併や買収の手法を選ぶ時、それが自社にとって利益をもたらす可能性があるか考えることが必要です。選んだ手法にこだわり過ぎず、交渉の相手や状況に応じて柔軟に考え、必要なら手法を変えることも視野に入れてください。

また、M&Aでは売り手と買い手の間で交渉を通じて買収価格が決まります。双方が納得のいく価格にするためには、適切な企業価値の評価と、買収の前に行う徹底した調査(デューデリジェンス)が必要です。

さらに、M&Aはタイミングが大切です。売り手としては、業界の市場が成長している時期や業界が再編成される時期を狙うと、買い手を見つけやすくなります。一方、買い手としては、後継者がいない中小企業を探す専門家に依頼すると、より多くの情報が得られるでしょう。

最後に、買収が完了した後の企業統合計画(PMI)が明確であることが重要です。売り手企業の情報も必要なので、デューデリジェンスでは情報収集も行い、その情報をもとにPMI計画を策定します。M&AやPMIが初めての企業の場合、PMI計画の策定について専門家からサポートを受けることが重要です。

7. M&Aの手法・スキームに必要な会計・仕訳

M&A(企業の合併や買収)においては、次の3つの種類の会計が必要になります。

  • 個別会計:一つの企業だけを対象とする会計で、企業の財務状況を明確にするためのもの
  • 連結会計:親会社とその子会社全体を含む企業グループの財務状況をまとめて表示するための会計
  • 税務会計:税法に基づいて行われる会計で、税金の計算や申告のために必要なもの。同じ項目でも、他の会計とは異なる計算方法を用いることがある。

さらに、会計を行う際には、次の3つの基準のいずれかを選ぶことになります。
  • 日本基準
  • 国際財務報告基準(IFRS)
  • 米国基準

これらの基準にはそれぞれ特徴があり、企業の状況や目的によって適切な基準を選びます。

8. M&Aの手法・スキームにかかる費用・手数料

M&A(企業の合併や買収)を進める過程では、以下のような種類の手数料が発生することがあります。

  • 相談料:専門家との最初の相談の際に必要となる手数料で、近年では多くの会社が無料で提供している
  • 着手金:業務を正式に開始する際に必要な手数料だが、全ての報酬を成功に応じて受け取るタイプの会社では、この手数料は発生しない
  • リテイナーフィー:契約締結後、合意に至るまで毎月必要な顧問料だが、多くの会社ではこの料金は無料
  • 中間金:基本合意が成立したときに必要な手数料で、成功報酬の一部を前払いする形を取る
  • 成功報酬:M&Aが正式に合意に至ったときに必要な手数料で、この料金の計算方法は会社によって異なる
  • バリュエーション費:企業価値を評価するために必要な手数料で、多くの会社では成功報酬に含まれている
  • デューデリジェンス費:買収対象企業の詳細な調査を行うための手数料で、成功報酬とは別に発生する

なお、基本的な合意書には法的な拘束力がないので、最終的な契約書が締結するまでM&Aの成約は確定しません。そのため、最終契約書が締結するまでの間に、取引が中止になる可能性があることを把握しておきましょう。

もしM&Aが途中で破談になった場合、それまでに支払った成功報酬以外の手数料は返金されないのが通常です。

【関連】M&A仲介手数料の相場は?計算方法や買い手・売り手の費用の種類も解説!

9. M&Aの手法・スキームを活用する企業が増える背景

日本の中小企業は、後継者がいなくて困っているところが多いです。後継者がいないと、企業がつぶれてしまうおそれがあります。そして、企業がなくなれば、働いている人たちが仕事を失ってしまいます。廃業を避けたい経営者たちが、他の企業と合併する「M&A」を選ぶようになってきました。

さらに、日本の経済が厳しい時期が続いている中、新しい市場を求めて外国の企業を買収する日本企業も増えています。これにより、日本の企業が外国での影響力を増しています。

また、特定の資金を集めて企業を買収する「ファンド」が増えてきています。以前は、ファンドの活動を警戒する企業も多かったのですが、最近ではその考えが変わり、ファンドが市場での役割を増してきました。

ベンチャー企業、つまり新しい技術やアイディアを持つスタートアップの企業も、M&Aの対象となって増えています。資金を集めるのが難しいベンチャー企業は、大きな企業と合併することで、新しい事業を速く展開することができます。

10. M&Aの手法・スキーム別の成功事例

ここでは、最新のM&A事例の中から、各M&A手法が用いられた代表的な成功事例を紹介します。

株式譲渡の成功事例

2022年3月、ケイ・テクノスは、株式譲渡により西九州電建工業の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。ケイ・テクノスは、エクシオグループの完全子会社で、通信インフラ事業、土木・舗装工事、電気・空調・環境施設工事などを行っています。

エクシオグループは、通信・土木・建築・電気設備・再生可能エネルギー事業やシステムソリューション事業などを行っている企業です。西九州電建工業は、情報通信事業、電気設備工事事業を行っています。

エクシオグループとしては、グループ各社と西九州電建工業の施工技術力の融合により、人財・ノウハウ・リソースの共有で高いシナジー効果を創出し、グループ全体の企業価値向上を図る考えです。

参考:グループ会社のケイ・テクノスによる西九州電建工業の子会社化に関するお知らせ

株式交換の成功事例

2022年3月、ケーズホールディングスは、株式交換によりサワハタキャリーサービスの全株式を取得し完全子会社化しました。株式交換比率は、ケーズホールディングス:サワハタキャリーサービス=1:0.0009と発表されています。

ケーズホールディングスは、家庭電化製品・関連商品の販売・付帯工事・修理などを行っている企業です。サワハタキャリーサービスは、一般貨物自動車運送業、業務用機器・家電製品メンテナンス、電気工事業、産業廃棄物収集運搬業などを行っています。

ケーズホールディングスとサワハタキャリーサービスは、25年間に渡り業務委託・受託関係にありました。ケーズホールディングスとしては、今回の子会社化でグループ内の配送・工事事業に関し効率的で安定した体制を構築する目的です。

参考:当社と株式会社サワハタキャリーサービスとの株式交換に関する基本合意書締結のお知らせ
参考:(訂正)「当社と株式会社サワハタキャリーサービスとの 簡易株式交換契約締結に関するお知らせ」の一部訂正について

第三者割当増資の成功事例

2022年3月、KOMPEITOは第三者割当増資を実施し、約13億円の資金調達をしました。KOMPEITOは、日本のオフィスを健康にする「OFFICE DE YASAI」の企画・運営、食に関するイベントの企画・運営などを行っています。

出資者は、ニッセイ・キャピタル、インキュべイトファンド、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、DDホールディングス ベンチャーキャピタル、中国銀行、京銀リース・キャピタル、とっとりキャピタル、NOBUNAGAキャピタルビレッジです。

各社個別の出資額は公表されていません。KOMPEITOにとって、コア事業であるOFFICE DE YASAIの地方拡大の加速化と進化、新規事業「SALAD STAND」の拡大に向けた資金調達となっています。

参考:KOMPEITO、シリーズCで約13億円の資金調達を完了

事業譲渡の成功事例

2022年2月、エフ・コードは、事業譲渡によりコミクスのSaaS事業を譲受しました。譲渡価額は3億円です。エフ・コードは、CX向上SaaSの提供事業、DX戦略設計・実行支援事業、デジタルマーケティング支援事業などを行っています。

コミクスは、デジタルマーケティング支援事業、SaaS支援事業、DX支援事業、SaaS事業などを行っていますが、今回、譲渡した具体的な事業は、EFO CUBE事業、chroko事業、Butterfly事業、Growth Hack LTV事業です。

エフ・コードとしては、SaaS事業におけるサービス内容の拡充を実現し、顧客満足度向上を図る目的でM&Aを実施しました。

参考:事業譲受に関するお知らせ

合併の成功事例

2022年3月、クスリのアオキは、ホーマス・キリンヤおよびフードパワーセンター・バリューと吸収合併を実施しました。クスリのアオキが存続会社、ホーマス・キリンヤとフードパワーセンター・バリューが消滅会社となります。

合併の対価は現金が交付されていますが、具体額は公表されていません。クスリのアオキは、クスリのアオキホールディングスの完全子会社で、医薬品・化粧品・日用雑貨などの近隣型小売(ドラッグストア)業、調剤業務(調剤薬局業)を行っています。

ホーマス・キリンヤは、岩手県と宮城県で食品スーパー6店舗、衣料品店2店舗を運営し、フードパワーセンター・バリューは、ホーマス・ キリンヤが運営する店舗向けに飲食料品・日用雑貨品の仕入業務を行っている企業です。

クスリのアオキホールディングスとしては、東北地方におけるドミナントの強化を図るとともに、食品スーパーの持つ新鮮な食材の品ぞろえをドラッグストアに組み合わせて顧客に訴求を図る狙いです。

参考:株式会社ホーマス・キリンヤ及び株式会社フードパワーセンター・バリューの吸収合併に関するお知らせ

会社分割の成功事例

2022年1月、アサヒグループホールディングスは、会社分割(新設分割)により、新設した完全子会社であるアサヒグループジャパンに、グループ内の国内事業の事業管理などに関する事業を承継させました。アサヒグループジャパンは、対価として普通株式1株を交付しています。

アサヒグループホールディングスは、国内外で酒類事業、飲料事業、食品事業を行うグループの持株会社です。今後は、グループ全体の戦略策定と経営管理に特化するために、中間持株会社を設立して事業の一部を移管しました。

参考:吸収分割に係る事後開示書面

資本業務提携の成功事例

2022年3月、東芝デジタルソリューションズとDATAFLUCTは、資本業務提携契約を締結しました。資本提携としては、DATAFLUCTが発行する新株を東芝デジタルソリューションズが取得しますが、株式数や出資額は公表されていません。

東芝グループの東芝デジタルソリューションズは、システムインテグレーションおよびIoT/AIを活用したICTソリューションの開発・製造・販売を行っている企業です。

DATAFLUCTは、マルチモーダルデータ活用サービス(AI・機械学習・ビッグデータ解析)の提供、企業のDX支援などを行っています。

業務提携の内容は、東芝デジタルソリューションズのAIとDATAFLUCTのデータ基盤を組み合わせ、新たなデータサービスを開発し、製薬業界をはじめ需要のある業界へ提供することです。

参考:株式会社DATAFLUCTと資本業務提携契約を締結

TOBの成功事例

2018年、日本アジアグループはサンヨーホームズに対してTOBを実施しました。資本関係を強化し、利益を拡大することを目的として、このTOBが選ばれました。

日本アジアグループは、敵対的買収による取締役の派遣や経営の支配は行わず、現状を維持すると述べています。

参考:当社によるサンヨーホームズ株式会社株券等に対する公開買付けに係る対質問回答報告書提出のお知らせ 

MBOの成功事例

2021年3月、建設機械レンタルを手掛けるニッパンレンタルは、MBO(経営陣による買収)を実施し、株式を非公開化すると発表しました。MBOの目的は、短期的に収益が悪化する可能性がある店舗を統廃合し、事業構造の改革を進めるためです。

店舗の統廃合は一時的に多額の損失を伴うため、株主からの批判を招く可能性があります。しかし、MBOにより株式を非公開にすることで、迅速に店舗の統廃合が可能となり、思い切った事業構造改革を進められるようになりました。

参考:MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ

【関連】M&A成功事例30選!【2023年最新】買収・合併の失敗事例も併せて紹介!

11. M&Aの手法に関するよくある質問

M&Aの手法について、よく寄せられる質問にお答えします。

Q. M&Aで最も多く使われる手法は何ですか?
A. 中小企業のM&Aでは「株式譲渡」が最も多く使われます。手続きが比較的シンプルで、会社の経営権をまとめて引き継げるためです。次いで、一部の事業だけを売買する「事業譲渡」が多く用いられます。

Q. 株式譲渡と事業譲渡の違いは何ですか?
A. 株式譲渡は会社の株式(経営権)ごと引き継ぐ「包括承継」で、負債や契約・許認可もそのまま承継されます。事業譲渡は資産や契約を選んで引き継ぐ「個別承継」で、不要な債務を切り離せる反面、契約や許認可を個別に移転する手続きが必要です。

Q. 買収資金を用意できない場合に向く手法はありますか?
A. 自社株式を対価にできる「株式交換」「株式交付」「合併」「会社分割」などが選択肢になります。現金を準備せずに経営権の取得や統合が可能です。

Q. 手法はどのように選べばよいですか?
A. 「M&Aの目的」「対価(現金か株式か)」「税務・法務上の影響」の3点を軸に検討します。判断は専門的なため、M&A仲介会社やFAなどの専門家に相談しながら決めるのが一般的です。
 

12. M&Aの手法・スキームまとめ

M&Aにおける最大の目的は、お互いの協力によってシナジー効果を最大限に引き出すことです。M&Aの手法はさまざまありますが、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社の行うM&Aには何が適切なのか選択しましょう。

M&Aのやり方には11のステップがあり、それぞれのステップで重要な点があります。それぞれのM&Aのやり方を理解しつつM&Aアドバイザーのアドバイスを聞いてリスク回避を行い、M&Aの成功率を上げましょう。

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