不動産デューデリジェンスとは?不動産DDの調査の種類や流れを解説!

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

不動産デューデリジェンスでは買収される土地や建物の価値、状態、設備、老朽度、立地、権利関係、トラブルの有無などを調査します。M&Aで不動産を譲り受ける場合や、不動産投資を行うときには、不動産デューデリジェンスを実施したほうがいいでしょう。この記事では、不動産DDの流れなどを解説します。

目次

  1. 不動産デューデリジェンスとは?
  2. 不動産デューデリジェンスにおける3つの調査
  3. 不動産デューデリジェンスの流れ
  4. 不動産デューデリジェンスまとめ
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1. 不動産デューデリジェンスとは?

不動産投資のために新しい物件を購入するときや、M&Aで土地や建物の不動産を資産として譲り受けるときには、契約を成立させる前に不動産デューデリジェンスを実施する必要があります。

不動産デューデリジェンスとはどのような調査項目の種類があり、どのような流れで進めるのでしょうか。この記事では、不動産デューデリジェンスについて詳しく解説します。

デューデリジェンスの意味

まずは、デューデリジェンスの意味について押さえておきましょう。デューデリジェンスとは、英語では「due(当然行われるべき) Diligence(注意・義務)」です。

日本語では「買収監査」と呼ばれることもあり、取引を行う前に買収側が購入する対象物のリスク調査と価値評価を徹底的に行うことです。

M&Aで会社を買収するときや、不動産投資で不動産を購入する前に、外部の専門的な調査員に調査を依頼して、売却側が隠していたり、売却側が認知していなくても、買収後に何らかのリスクが生じたりする可能性がないかを徹底調査します。

デューデリジェンスの種類

デューデリジェンスには次の表のようにいくつか種類があり、不動産デューデリジェンスはその1種類となります。
 

デューデリジェンスの種類 内容
事業デューデリジェンス M&Aで買収側企業の事業内容を正確に把握するための調査
財務税務デューデリジェンス M&Aで買収側企業の財務や税務の詳細を調査する
法務デューデリジェンス M&Aで買収側企業に法律上のリスクが存在しないか調査する
人事デューデリジェンス M&Aで買収側企業の組織や人材について調査する
ITデューデリジェンス M&Aで買収側企業の情報システムが合併後に統合可能か、統合にかかるコストなどを調査する
環境デューデリジェンス M&Aで買収側企業の土壌汚染や地下水汚染などの環境リスクを調査する
不動産デューデリジェンス 買収する土地や建物の価値、状態、設備、老朽度、立地、権利関係、トラブルの有無などを調査する

デューデリジェンスの調査項目の多くはM&Aで実施するものですが、不動産デューデリジェンスはM&A以外にも、不動産投資でも頻繁に行われています。

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2. 不動産デューデリジェンスにおける3つの調査

不動産デューデリジェンスでは、どのような種類の調査を行うのでしょうか。不動産デューデリジェンスで実施する3つの調査項目の詳細をみておきましょう。

不動産の物理的側面の調査

不動産デューデリジェンスでもっとも重要な調査であるのが、不動産の物理的側面の調査です。物理的側面では、対象となる不動産の土地、建物、環境の正確な状況とリスクを調査します

土地であれば地積、地質、岩盤、地震や水害の災害リスク、地下埋蔵物、土壌や地下水の汚染などの調査を行います。建物であれば、築年数、劣化具合、石綿の使用の有無などの調査です。

調査の結果、今後の管理コストや、改良や修繕が必要であればそのコストも算出します。

不動産の経済的側面の調査

不動産デューデリジェンスでの不動産の経済的側面の調査では、対象となる不動産の資産価値と、投資物件である場合には収益性などの経済的価値を調査します。

資産価値の調査で調べるのは、公示価格、基準地価、固定資産税路線価、相続税路線価などです。

経済的価値の調査は、不動産経営の視点から、近隣での類似した物件の空室率や家賃相場などの不動産市場価値を調べた上で、家賃収入と運営支出から収益性を算定します。

不動産の法的側面の調査

不動産デューデリジェンスでの不動産の法的側面の調査では、対象となる不動産の契約状況と権利関係などを調査します

具体的な調査は、現在の所有権の確認、賃貸借契約の内容についての確認、売買契約書の確認、登記簿の確認、過去の売買履歴の確認などです。

また、土地トラブルとなりやすい境界の確認も法的側面の調査で行います。さらに、建築基準法や消防法などの法令違反がないかもチェックします。

特に、建築基準法などの各種法令は頻繁に見直しが行われて改正されているので、建築時には問題なかった項目が、現在では法令違反になっている可能性もあるので、法的側面の調査での徹底的な確認が必要となるところです。

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3. 不動産デューデリジェンスの流れ

不動産デューデリジェンスを実施する流れです。

調査チームの立ち上げ

まず、不動産デューデリジェンスを行うための専門チームを立ち上げます。自社内にデューデリジェンス専門チームがなければ、外部に依頼することが望ましいでしょう。

M&Aの専門会社には、デューデリジェンスに精通した専門家が多いので、投資用不動産のデューデリジェンスでも調査について相談してみることをおすすめします。

また不動産デューデリジェンスでは、土地や建物についての分析が欠かせません。建築士や不動産鑑定士、設備機器の専門家などもチームに入ってもらうようにしましょう。

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秘密保持契約の締結

不動産デューデリジェンスを行う前には、対象となる不動産の詳細な情報を売主から提供してもらう必要があります。中には外部に漏洩させたくない機密情報や、個人情報も含まれているので、情報の提出を受ける前にかならず秘密保持契約を結びましょう。

事前準備

不動産デューデリジェンスを実施する前に、チームメンバーが集って事前の準備を行います。特に、次の点についてメンバー間で認識を共有しましょう。

  • 調査項目の重要度と優先順位
  • 現在入手できる資料からわかる情報の確認
  • 調査方法や日程の調整

費用と日程が限られている中で、すべての項目を調査することは不可能です。調査項目の重要度を付けて優先度の高い項目から調査していきましょう。

不動産関連の専門家との調査方法の確認と、日程などの調整やスケジュールの共有も行っておきます。

調査の実施

準備ができたら実際の調査を行います。建築士や不動産鑑定士、設備機器の専門家による現地調査や、秘密保持契約締結後に入手した資料の精査なども実施します。

不動産の専門家による現地調査では、建物外観や経年劣化の度合い、土地の境界線の確認、周辺環境の調査などです。

現地調査や資料の精査の結果、必要であれば、売主への聞き取り調査を行うこともあります。

報告書の作成

調査が終了したら、調査結果を報告書にまとめます。不動産デューデリジェンスにおける3つの側面の調査のそれぞれの担当者から受け取った調査結果をまとめて、報告書を作成します。追加の調査が必要であれば、それぞれの担当者に依頼します。

投資用物件であれば、報告書から購入に値する物件なのかを判断しましょう。M&Aの場合には、該当する不動産に問題点が見つかった場合に、その解決策を売主に要求することもあります。

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4. 不動産デューデリジェンスまとめ

不動産を入手したあとで、地下埋設物が見つかったり、境界線トラブルがある土地であったことがわかる、といった不動産売買トラブルの事例は多くあります。

不動産購入後に不動産売買トラブルを避けるために重要なのは、購入前の不動産デューデリジェンスです。M&Aの専門会社には、デューデリジェンスについての専門家も多くいるので、不動産デューデリジェンスについても相談してみるといいでしょう。

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