M&A仲介とは?M&A仲介会社の役割と選び方や依頼のメリット・費用相場を紹介!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

中小企業における事業承継問題の解決など、中小M&AではM&A仲介会社が大きな役割を担う存在です。この記事では、M&A仲介とはどのような業態なのか、M&A仲介会社の役割や選び方、依頼するメリット・費用相場を紹介します。

目次

  1. M&A仲介とは
  2. M&A仲介とFA(ファイナンシャルアドバイザー)の違い
  3. M&A仲介を利用するメリット
  4. 中堅・中小企業のM&A
  5. M&A仲介に依頼するときの費用(依頼料)
  6. M&A仲介会社の選び方
  7. 主なM&A仲介会社の一覧
  8. M&A仲介会社以外の相談先
  9. M&A仲介業における利益相反問題
  10. M&A仲介の相談まとめ
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1. M&A仲介とは

会社や事業の売買や事業同士の合併などを行うM&Aは、事業承継や経営戦略の手段として中小企業でも活用されるようになってきました。

この記事では、M&A仲介会社の役割・メリット・費用相場を紹介しつつ、M&A仲介がどういう形式なのか、FAの違いとあわせて解説します。

M&A仲介の概要

M&A仲介では、売り手側・買い手側企業間に同一のアドバイザーがたち、中立的な立場から調整や助言を行って交渉をまとめM&A成立を目指します。

仲介契約も売り手側・買い手側企業の両社と結び、手数料(報酬)も双方から得る形式です。そのため、いずれかの利益が最大化することを目指すのではなく、両者が折り合えるところをみつけ交渉を進めていきます。

M&A仲介の役割

M&A仲介は特に中小M&Aで多く活用されており、主な役割には以下の5つがあります。

マッチング

満足度の高いM&Aは、譲渡価額の大きさで決まるわけではありません。M&A後に十分なシナジーが発揮されたり、事業単独で行っていた時より成長・発展したりして初めてM&Aが成功したといえるものです。

相手先選びが重要となりますが、そのマッチングをM&A仲介は行っています。M&A仲介会社は、独自のネットワークや保有する売り手・買い手企業の情報を活用して、希望条件にあった相手先を依頼者へ紹介し交渉相手の選定へ進むケースが多いです。

M&A仲介は中立的な立場からM&Aを支援するので、売り手・買い手企業の企業風土は合うか、十分シナジー創出が見込めるかなどを、客観的な視点から判断することができます。

中立的な交渉の仲介

先に述べたとおり、M&A仲介業者は売り手・買い手企業の間にたつので、その立場はあくまでも中立的です。

交渉では双方の経営者(あるいは創業者)やM&A担当者の希望を汲み取り、そのうえで条件の折り合いをついけていきます。

単にM&A成立を目指すだけでなく、売り手・買い手企業の社員に発表する適切なタイミングや、PMIの実施を含めたM&A成約後の運営を見据えて支援するので、満足度の高いM&A実現にはM&A仲介業者の存在は不可欠ともいえるでしょう。

企業価値評価

企業価値とは言い換えると「会社(あるいは事業)の値段」であり、M&Aの価格交渉は企業価値をベースに行われます。

ノウハウ・技術・従業員・特許など目に見えない部分も価値に含まれるため、適正な価格でのM&A成立には企業価値評価が不可欠です。

企業価値を算出する方法には数種類あるため、どれを用いるのがベストなのかはケースによって異なりますが、M&A仲介業者は培った経験やノウハウを活かして企業価値評価のサポートも行います。

資料作成

M&Aを進めるうえでは資料作成が必要な場面がいくつもでてきます。たとえば、売り手側企業で考えられるのは、戦略策定・事業計画書・売り手側企業へ対する自社の提案書などです。

このような資料は自社をアピールするために重要な役割を果たすため、ポイントをおさえるてしっかりまとめあげることが求められます。

M&A仲介業者はこのような資料作成のサポートも行っており、M&A当時会社は通常業務への負担を最小限に抑えつつ進めていくことが可能です。

スケジューリング

M&A成立までいくつもの行程があり、多くの手続きが必要となります。そのなかでは、売り手側・買い手側企業のトップ面談や交渉、行政機関への資料提出など、当時会社間でのスケジュール調整が必要となる場面も多いです。

しっかりスケジュールを策定したうえで進めなければ、必要な手続きに漏れや抜けが生じたり、焦りが生じて本来の方向性を見失ったりする可能性もあります。

M&Aは相手先選定~クロージングまで半年から1年程度はかかるケースが多いといわれますが、M&A仲介業者がスケジューリングすることでスムーズな進行が可能です。

【関連】M&Aのスケジュールを解説!【買収までの流れ・手順】

2. M&A仲介とFA(ファイナンシャルアドバイザー)の違い

M&Aを支援する専門家には、M&A仲介会社以外にM&AアドバイザリーやFAがいます。いずれもM&A成立に向けたサポート業務を行う専門家という意味では同じですが、大きな違いはサポートを行う立ち位置や手数料体系です。

役割や業務内容

M&A仲介会社は売り手側・買い手側企業の双方と契約し、中立的な立場でサポートを行いM&A成立を目指しますが、M&AアドバイザリーやFAは売り手側・買い手側企業のどちらか一方と契約し依頼者の利益が最大化するように交渉を進めます。

M&Aアドバイザリー・FAは顧客(依頼者である売り手企業または買い手企業)の利益最大化を目標とし、主な業務はM&A戦略立案・交渉・必要書類や契約書の作成など、M&A一連に関する助言やサポートです。

M&Aアドバイザリーには、財務面を中心に支援するFAや法務面を中心に支援するFAなどが該当し、主にFA業務は主に証券会社・大手銀行・外資系投資銀行などが行っています。

【関連】アドバイザリー契約とは?M&Aコンサル契約との違いや契約書の内容、報酬を解説!

手数料

前述したとおり、M&AアドバイザリーやFAは売り手側・買い手側企業のどちらか一方とのみ契約をします。一方M&A仲介は売り手企業、買い手企業の両方から手数料を受け取ります。

M&AアドバイザリーやFAへ依頼することにより依頼者の利益最大化を目指せるわけですが、手数料は契約した1社からのみ受け取るかたちとなるため、M&A仲介会社と比較した場合はM&A当事会社(売り手または買い手)の手数料負担が大きくなります。

【関連】M&AのFA(アドバイザリー)が担う役割とは?仲介との違い、業務・費用を解説

3. M&A仲介を利用するメリット

前章ではM&A仲介の役割やM&Aアドバイザリー・FAの違いを述べましたが、M&A仲介を利用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。M&A仲介を利用する主なメリットには以下の4つが挙げられます。

M&Aの相手先を多数の候補の中から探してもらえる

M&A仲介を利用する大きなメリットは、幅広い候補のなかから交渉先企業を探してもらえることです。M&A仲介会社はそれぞれネットワークを持っており、売り手側・買い手側企業の案件を多数保有しています。

もちろん、自社でM&Aを行う相手先企業を探すことも可能です。しかし、通常業務を行いながら希望条件に合った企業を探すとなれば時間が必要となるため、M&Aの最適なタイミングを逃してしまう可能性も考えられます。

M&A仲介会社は単なるマッチングを行うだけでなく、売り手側・買い手側企業の双方に納得感の高い相手先を探すため、効率的かつ効果的な相手先選定が可能です。

M&Aのサポートやアドバイスを受けられる

M&A仲介会社には、M&Aの知識・経験を兼ね備えたM&Aアドバイザーが在籍しており、M&A行程のサポートを行います。

会社によってサポート範囲は違いますが、最近は相談からクロージングまでの一貫支援を行っているM&A仲介会社が多いです。また、M&A仲介会社によっては、M&A成立後のPMIも支援しています。

M&Aを進めていくうえでは専門的な知識や経が必要なプロセスも多いですが、M&A仲介会社はそれを専門業務としているため、具体的なアドバイスやサポートが受けられるのがメリットです。

売り手側企業はM&Aを始めて行うケースも多いですが、一貫支援を受けることで安心・安全にM&Aを進めることができ、通常業務への負担を最小限に抑えることができます。

【関連】M&Aのサポートの依頼先とサービス内容は?仲介会社の選び方も紹介

M&Aの取り決めを過不足なく行ってくれる

株価(企業価値)の交渉や従業員の雇用待遇など、M&Aで決定すべき事項は非常に多いです。

また、各種法律などがかかわる内容も多いため、契約後の保全保護を考慮して進めなければなりません。

取り決めた内容に抜けや漏れがあれば思わぬトラブルに発展する恐れもありますが、M&A仲介会社が間に入ることで過不足なく行うことができ、起こりうるリスクを把握しながら進めることができます。

M&Aの相手先とのコミュニケーションを円滑にしてくれる

売り手側企業・買い手側とが直接交渉すれば、時に感情のもつれが起こることもあるかもしれません。

M&A仲介会社が間に入り、売り手側企業・買い手側の双方とコミュニケーションをとりながら進めることで、希望条件や主張を尊重しつつ客観的に落としどころをみつけやすくなります。

また、情報の伝達や整理がスムーズになるため、M&Aが成立する確率が高くなるのもメリットです。

【関連】M&Aのメリット・デメリットとは?企業買収の効果を買い手・売り手ごとにわかりやすく解説!

4. 中堅・中小企業のM&A

近年は国の支援制度が拡充されたことやM&Aのイメージが向上しつつあることで、中堅・中小企業でもM&Aが活用されるようになってきました。ですが、大企業が行うM&Aと中堅・中小企業が行うM&Aでは目的やリスク面での違いもあります。

大企業のM&Aとの違い

中堅・中小企業が行うM&Aと大企業が行うM&Aでは、以下の2点で大きな違いがあります。

M&Aの目的

中堅・中小企業のM&Aは事業承継の手段として行われるケースが非常に多いですが、大企業のM&Aはシェア拡大や事業規模拡大、新規事業への参入などを目的とするケースが多いです。また、大企業のM&Aは企業再生目的で実施されることもあり、合理化を図るべく大規模な人員削減を伴うケースもみられます。

中堅・中堅企業のM&Aは自社あるいは事業の存続目的である場合が多いため、従業員雇用はほぼ維持され、友好的なM&Aとなるケースが多いです。そのため、売り手・買い手双方の事情や希望を汲み取りながら交渉を進める、M&A仲介会社が利用されるケースが多くみられます。

M&Aのリスク

中堅・中小企業のM&Aと大企業のM&Aでは、株主に対するリスクも大きく違います。中堅・中小企業の場合、経営者(オーナー)やその親族などが株主であるケースが多く、経営者(オーナー)が全株式を保有しているケースも珍しくありません。

ですが、大企業は上場していることが多く、その場合は不特定多数の株主が存在することとなります。M&Aの内容や価額が適切でないと株主が判断すれば訴訟を起こされる可能性もでてくるため、企業側は自社の希望に沿ったM&A成立を目指さなければなりません。

それに対して中堅・中小企業の場合は株主に対するリスクはほとんどないため、M&Aがスムーズに進むことを優先することが多いです。

M&A仲介会社が中堅・中小企業のM&Aに向いている理由

中堅・中小企業のM&A支援にはM&A仲介会社が向いているといわれますが、その理由はどこにあるのでしょうか。ここでは、その主な理由を解説します。

お互いにコミュニケーションが取れる

M&A仲介は、売り手・買い手の間に同一のM&Aアドバイザーが入り、交渉を進めていく方式です。同一のM&Aアドバイザーが入るので情報の伝達や整理がしやすくなり、売り手・買い手は客観的に折り合える条件をみつけやすくなります。

特に事業承継目的でM&Aを行う売り手企業の場合、経営者(オーナー)は自社や従業員に対して強い思いを持っていることがほとんどです。このような要素もM&Aアドバイザーは丁寧にヒアリングし、尊重しながらM&A成立を目指し交渉を進めていきます。

その結果として、円滑な満足度の高いM&Aが実現しやすいことが中堅・中小企業のM&AにM&A仲介会社が向いているといわれる理由のひとつです。

友好的なM&Aが期待できる

M&A仲介は売り手・買い手のどちらかの利益だけが大きくなるかたちではなく、双方が納得できる条件をみつけてM&A成立を目指す支援形式です。

自社の利益最大化を追及すれば意見がぶつかり合う事態が起こることも多いですが、M&A仲介会社は売り手・買い手が折り合える条件を探りながら交渉を進めていくため、友好的なM&A実現に期待できます。

包括的なサポートが受けられる

M&Aを進めていくうえでは、相手先企業との交渉だけでなく、企業価値評価や契約書作成など、専門的な知識や経験が必要となる場面が非常に多いです。

M&A仲介会社のほとんどは相手先を探す段階からクロージングまでの一貫支援を行っているため、売り手・買い手企業は包括的なサポートを受けながら安心してM&Aを進めていくことができます。

5. M&A仲介に依頼するときの費用(依頼料)

M&A仲介会社にサポートを依頼した場合、以下のような費用(依頼料)がかかります。ここで紹介するのは一般的に存在してる費用です。料金体系はM&A仲介会社によって異なるため、必ずしも全てが必要になるわけではありません。

相談料

相談料は、M&A仲介業者へM&Aの実施・検討の前相談を行った際に生じる費用で、5,000~10,000円程度が相場です。

近年は事前相談は無料で行っている仲介会社が大半ですが、事前にホームページなどで確認しておくと安心でしょう。

【関連】M&Aの費用とは?相場、算出方法、安くするコツ、仲介会社ごとの報酬体系を解説!

着手金

着手金は、M&A支援サポート業務をアドバイザリー会社や仲介会社へ依頼するタイミングで発生する手数料です。依頼する専門家によって幅はあるものの、50~200万円程度が相場と考えられます。

最近では、着手金がかからないアドバイザリー会社や仲介会社も増えていますが、着手金の設定がある場合はM&Aが成立に至らなくとも返還されません。

中間報酬

中間報酬は、M&A行程において基本合意締結など一定事象が達成した時点で発生する手数料です。M&Aのちょうど中間あたりで発生するため中間報酬と呼ばれ、そのタイミングは基本合意締結後や意向表明提出後など専門家によって異なります。

成功報酬の10~20%分、100万円のような固定報酬、中間報酬がかからない設定など専門家によってさまざまです。

いずれも成功報酬の一部前払いとされるケースが多く、その場合はM&A成立時は成功報酬額から中間報酬額を差し引いて支払います。

中間報酬が設定されている場合も着手金同様、M&Aが成立に至らなくとも返還されません。

デューデリジェンス費用

デューデリジェンスは、対象企業の財務・法務・人事などについて各専門家が行う調査であり、買い手側が費用負担するのが一般的です。

デューデリジェンス費用は各専門家が調査した工数と時間単価で決まることが多く、最終的にM&Aが成立しなくてもデューデリジェンスを行っていれば費用が発生します。

成功報酬

成功報酬はM&A成立時に発生する手数料であり、もしM&Aが不成立に終わった場合の費用負担はありません。

成功報酬の計算体系は、仲介会社・アドバイザリー会社ともに「レーマン方式」を採用していることが多いです。レーマン方式については後ほど詳しく説明します。

リテイナーフィー(月額報酬)

リテイナーフィーとは、M&A仲介会社がアドバイザリー会社が行う調査や相手先訪問などの業務に対して支払う手数料です。M&Aが成立するまでの一定期間にわたり毎月支払うため案件が長期化するほど金額も当然高くなります。

【関連】M&Aの費用とは?相場、算出方法、安くするコツ、仲介会社ごとの報酬体系を解説!

6. M&A仲介会社の選び方

M&Aに認知度が向上したこともあり、近年はM&A仲介会社の数も増えています。満足度の高いM&A実現には、自社にあったM&A仲介会社選びがポイントです。ここでは、M&A仲介会社を選ぶ際にポイントとなる4つを紹介します。

業種ごとの実績で選ぶ

M&A仲介会社の支援実績は確認すべきポイントのひとつです。M&A仲介会社には、特定業界のM&Aを得意とする「業界特化型」とさまざまな業種のM&Aを広く取り扱う「非特化型」の2種類があります。

業界特化型の場合、自社とお同じ業種を得意としていれば、より専門的で細かなサポートに期待できるでしょう。非特化型の場合は、同業種に限らず幅広く相手先を探すことができる点がメリットです。

確かな実績はノウハウや経験を十分持っているということでもあるため、まず業種ごとの実績を確認するとよいでしょう。その際は自社と企業規模が同程度のM&A実績を確認すると、より見極めやすくなります。

分野の専門家がいるのかも確認

M&Aを進めるうえでは、会計・法務・法務などの専門知識が必要な場面も多いです。M&A仲介会社の場合、多くは自社に士業が在籍しているか、あるいは連携体制を整えています。

しかし、もしこれらの体制がないM&A仲介会社へ依頼した場合、士業が必要となった場面で外部へ依頼しなければなりません。

時間や費用を考えると効率的ではないため、分野の専門家が在籍あるいは連携体制が整っているかを必ず確認しておきましょう。

手数料体系で選ぶ

M&A仲介会社に支払う手数料は決して安いものではありません。事前に料金体系を確認するとともに、疑問点があれば質問して解決しておきましょう。

また、手数料体系が明瞭であるかどうかも重要です。料金体系がわかりづらければ、想定外の費用が掛かってしまったという事態も起こり得ます。

M&A仲介会社を利用した場合はM&Aが成立したときに「成功報酬」が生じますが、その計算には「レーマン方式」が採用されているケースが多いです。手数料体系で選ぶ際は、レーマン方式の料率や計算ベースも併せて確認しておくとよいでしょう。

【関連】M&Aの手数料が高い理由は?相場や手数料の種類、安く抑える方法も解説

完全成功報酬制

完全成功報酬では、M&Aが成立(成約)となった時点で初めて報酬が発生します。最大のメリットは、M&Aが不成立に終わった場合は費用負担がないことです。

資金面に不安のある場合でも活用しやすい料金体系であり、最近では完全成功報酬制を採用しているM&A仲介会社も増えています。

ただし、完全報酬制であっても買い手のみ中間金が生じるなど、料金体系はM&A仲介会社によって異なるため事前の確認が必要です。

レーマン方式

成功報酬の計算体系は、仲介会社・アドバイザリー会社ともに「レーマン方式」が採用していることが多く、ベースとなる取引価格に一定の料率をかけて算出します。

ベースとなる価格は、主に株式価値・企業価値・オーナー受取額・移動総資産額などです。どれを基準とするかによって、M&A最終価額が同じでも成功報酬額は変わります。下表は代表的なレーマン方式の料率です。
 

計算ベースとなるM&A価額 料率
100億円を超える場合 1%
50億円超~100億円以下の場合 2%
10億円超~50億円以下の場合 3%
5億円超~10億円以下の場合 4%
5億円以下の場合 5%

【関連】レーマン方式とは?M&A仲介会社の成功報酬や手数料の算出方法からメリットも解説!
【関連】M&A手数料の相場はいくら?計算方法や仲介会社に支払う報酬について解説!

M&Aのご相談はM&A総合研究所へ

M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。当社は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、全国に案件に対応しています。

知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。

M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

無料相談を随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお電話・Webよりどうぞお気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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対応エリアかどうかで選ぶ

M&A仲介会社には、全国対応している会社もあれば特定エリアに特化してサポートを行っている会社もあります。

全国対応している場合は、M&Aの相手先企業を全国から探せるという点が大きなメリットです。

また、エリア特化型の場合は当該エリアの動向や企業情報を把握しているので、その強みを活かしたマッチングに期待できます。

アドバイザーの人間性で選ぶ

M&A仲介会社選びでは、担当となるアドバイザーとの相性も大切です。M&A完了までには半年程度はかかるケースが多く、その期間は当時会社の経営者とアドバイザーは連携して成立を目指します。

M&Aを進めるうえでは、自社の強みだけでなく弱みや課題なども担当者へ伝えなければなりません。

もし、相性が合わず信頼できないと感じれば大きなストレスとなり、スムーズなM&A進行の妨げる要因となったり、満足度の高いM&A実現が難しくなったりもするでしょう。

M&A仲介会社を選ぶ際は会社の実績や業種などだけでなく、アドバイザーとの相性や人柄も確認して信頼理解者を選ぶことも重要です。

【関連】M&A仲介会社は必要?役割や選び方・おすすめのM&A仲介会社を紹介

7. 主なM&A仲介会社の一覧

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によってさまざまあります。以下に、主な企業をまとめました。

  • M&A総合研究所
  • 日本M&Aセンター
  • M&Aキャピタルパートナーズ
  • ストライク
  • fundbook
  • レコフ
  • M&Aベストパートナーズ
  • インテグループ
  • ブティックス
  • オンデック
  • ハイディールパートナーズ
  • クラリスキャピタル
  • 山田コンサルティンググループ
  • タナベコンサルティンググループ

8. M&A仲介会社以外の相談先

M&Aの相談を行うことができるのはM&A仲介会社だけでなく、主な機関・専門家・サービスには以下があります。

M&Aプラットフォーム

M&Aマッチングサイトでは、インターネットを介して売り手側・買い手側企業のマッチングができるサービスです。

利用者登録をすることで希望条件にあった相手先企業を自身で探すことができます。時間や場所を選ばずに使用できることや、ほかの支援サービスよりも費用が安価で済むことがメリットです。

一般的なプラットフォームはマッチングの場を提供するだけであり、M&Aの具体的な交渉や手続きは当時会社自身が行うかたちとなります。

実際には、M&Aマッチングサイトを運営するM&A仲介会社がアドバイザーによる支援サービス(別途料金がかかる)を行っているケースが多いです。

FA

先に述べたとおり、FAは売り手側・買い手側企業のいずれか片方と契約し、利益最大化を目指してサポートを行います。

M&Aを専業としているので実績や経験も豊富であり、M&A成立に向けた具体的な相談が可能です。

しかし、中小規模の案件は対応していないFAも多く、M&A仲介会社よりも報酬は高くなる傾向にあります。

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎセンターは国が設置する相談窓口であり、中小企業を対象として事業承継や事業承継M&Aに関する相談に対応しています。

相談窓口は全国に設置されているので地方都市の企業も利用しやすく、相談料無料であることもメリットです。

士業やM&A仲介会社などとのネットワークも持っており、個人事業主や小規模事業者でも相談することができます。

商工会・商工会議所

商工会・商工会議所でもM&Aの相談を行うことができます。日頃からの付き合いがあれば相談しやすく、経営全般の相談ができることもメリットです。

公的な支援制度に関する情報は持っていますが、M&Aの具体的なサポートは基本的に行っていません。

そのため、実際にM&Aを検討する段階となったら公的窓口や連携している専門家へ繋げるケースが多いです。

金融機関

最近は、専門部署を置くなどしてM&A支援に力を入れている金融機関が増えています。M&Aを行う際は、買取資金や融資などの協議が必要となることも多く、金融機関は欠かせない存在です。

普段から取引している金融機関であれば相談しやすい点がメリットですが、大手の金融機関では中小規模案件に対応していないところもあります。

サポート範囲や対応規模などは金融機関によって異なるため、実際に支援を依頼する場合は確認が必要です。

公認会計士・税理士

企業は顧問税理士や公認会計士を抱えているのがほとんどなので、自社の財務状況をよく知る税理士・公認会計士に相談するのもよいでしょう。

最大のメリットは、財務・経営の面から専門的なアドバイスが受けられることです。しかし、M&A自体に精通しているとは限らないため、相手先企業の紹介や交渉支援までは難しいケースも多く、サポート範囲が限定される可能性もあります。

弁護士

最近はM&A専門の弁護士も増えており、顧問弁護士がいる企業であれば相談相手のひとりとなります。M&Aでは契約書を締結する場面が多いため、作成依頼や相談できることは大きなメリットです。

また、法的トラブルが生じた場合は解決に向けた支援を依頼することもできます。日頃からつきあいのある弁護士であれば事業内容や会社の内情も理解しているので、相談しやすい点もメリットといえるでしょう。

知り合いの企業経営者

M&Aの具体的な相談は難しいかもしれませんが、実際にM&Aを行ったことがある経営者が身近にいれば、経営者としてのアドバイスに期待できます。

経営者の立場としてのリアルな体験談を聞けるうえ、M&A後に従業員や取引先がどう変化したのかなどを質問できる点がメリットといえるでしょう。

9. M&A仲介業における利益相反問題

事業承継問題の解決など、中小M&AにおいてM&A仲介業者は重要な役割を担っています。一方で、売り手と買い手の双方と契約を締結して取引を行う業態(取引)は利益相反にあたるとの指摘があるのも事実です。

ここでは、M&A仲介業における利益相反問題や関連する法律などを説明します。

利益相反の意味

利益相反とは、片方の利益になると同時に他方にとっては不利益になる行為をいいます。簡単にいえば「片方は得をするがもう片方は損になる行為」という意味です。

利益相反が起こりうる取引を「利益相反取引」と呼び、会社法では当該行為を行う場合は取締役会や株主総会などでの承認が必要であると定められています。

企業で問題となる例としては「取締役による会社との利益相反取引」があり、これは企業の利益を犠牲にするとの同時に取締役自身あるいば第三者の利益になるように行う取引のことです。

たとえば、取締役A氏の個人的な債務に対して会社が連帯保証するとなれば、A氏にとっては有益ですが会社からみれは不利益をこうむりかねないため、利益益相反取引にあたります。

M&A仲介業が利益相反だとされる背景

M&A支援形式にはアドバイザリー型と仲介型とがありますが、仲介型の場合は売り手企業・買い手企業の双方と契約し、両社に対して中立的な立場から助言・サポートを行います。

双方と契約を結ぶため報酬(手数料)も双方から得るかたちとなりますが、買い手はできるだけ安く買いたい、売り手は少しでも高く売りたいと考えるのが普通です。

しかし、M&A仲介会社は双方から手数料を得たうえでM&A条件や価額の調整を行うため、利益相反にあたるといわれています。

M&A仲介業が利益相反だといわれるのは「中小M&Aガイドライン」や、当時の行政改革担当大臣だった河野太郎氏のブログで取り上げられたことがきっかけです。

中小企業庁は同ガイドラインのなかで、利益相反のリスクはあるとしたうえで、中小M&Aにおいては仲介形態がFAよりも多く用いられており、M&A仲介業態が不適切と判断するのは現実的ではないとしました。

そのうえで、M&A仲介業者には「利益相反」となり得ることや、売り手・買い手双方から手数料を徴収していることなどの開示を徹底しリスクを最小化するよう求めています。

参考: 中小企業庁「中小M&Aガイドライン」について

民法第108条(自己契約及び双方代理等)について

民法第108条では、同一の法律行為について「双方代理」を原則禁止しています。双方代理とは当事者双方の代理人となること、法律行為とは2つ以上の対立する者の合意によって成立する行為(法律行為)です。
 

自己契約及び双方代理等(民法第108条関係) 民法第108条の規律を次のように改めるものとする。 (1) 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理 人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなすものとする。 ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限 りでないものとする。 (2) 代理人と本人との利益が相反する行為(上記(1)本文に該当するものを除 く。)についても、代理権を有しない者がした行為とみなすものとする。ただ し、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでないものとする。

ただし、あらかじめ双方が許諾している場合は例外となることも認められています。法律行為に該当するものには賃貸借契約や売買契約などがあり、M&Aもそのひとつです。

M&A仲介業務の場合、売り手・買い手の双方と事前に仲介形式である旨を伝えて契約を結ぶことで、許諾を得ているかたちになります。

10. M&A仲介の相談まとめ

中小M&Aは「友好的なM&A」の成立を前提とするのが一般的です。初期段階から売り手側・買い手側企業の事情やニーズを把握したうえで交渉を進め、M&A成立を目指す仲介形式は中堅・中小企業に向いた支援体制といえます。

経営者と株主が同一であることが多い中小企業では、円滑なM&A進行を優先させるためにM&A仲介が選ばれるケースが多いです。

M&Aを成功させるためには計画的に進めていくことが重要となるため、経営戦略として検討している場合や事業承継を検討している場合は、早い時期での相談をおすすめします。

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