2024年09月29日更新
鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の動向は?案件一覧や事例も紹介!
本記事では、鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継に関して、動向や案件一覧、経済情勢などを紹介するので参考にしてください。鹿児島県では後継者問題などの影響から、M&A・会社売却・事業承継が増加中です。M&Aを検討中の方は必見の内容です。
目次
1. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の動向
2023年に帝国データバンクが実施した調査より、事業承継を行う際の移行期間を尋ねたところ、「3年以上」を要する割合は50.7%と半数超にのぼったことがわかりました。内訳をみると、「3~5年程度」が26.1%で最も高く、「6~9年程度」が13.3%、「10年以上」が11.3%で続いています。
後継者への移行期間を規模別にみると、3年以上かかる割合では「大企業」は38.8%でした。一方、「中小企業」では52.6%、「小規模企業」では55.3%と、企業規模が小さくなるにつれて移行期間に時間を要することが判明しています。
そこで最近では、かごしま中小企業支援ネットワークや鹿児島事業承継・引継ぎ支援センターなど、事業承継に関するサポートを目的とした公的機関・サービスが充実している状況です。
参考:帝国データバンク「事業承継に関する九州企業の意識調査(2021年8月)」
鹿児島県のM&A件数の推移
レコフにおける「鹿児島県のM&A」を見ると、2020年における鹿児島県のM&A件数は、9件です。2018年は15件強、2019年は15件であることから、鹿児島県のM&A件数は減っているといえます。2022年の鹿児島県のM&A件数は10件でした。
2022年のM&Aの内訳をみると、鹿児島県内の企業が買収側と売却側であるM&A件数は2件のみでした。買収側が鹿児島県内で売却側が鹿児島県外のM&Aは3件となっています。買収側が鹿児島県外で売却側が鹿児島県内のM&Aの数は5件でした。
鹿児島県の産業の特徴・経済情勢
M&Aや事業承継を検討する際には、その地域の産業構造によって見込めるシナジー効果が変化してくるため、地域の産業の特徴や経済情勢についても把握しておくことが大切です。
鹿児島県は、1955年に人口が204万人とピークになってからは、人口減少が続いています。また、高齢化も進んでいる状況です。
鹿児島県は、全国平均よりも第一次産業の割合が高く、農林水産業のなかでも漁業が盛んです。第二次産業では、飲料や食料品製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業がメインとなっています。
九州地方のM&A・事業承継・会社売却については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
2. 鹿児島県近郊のM&A案件一覧
ここでは、鹿児島県近郊のM&A案件一覧をピックアップし紹介します。
【創業40年以上の地元老舗/取引先200社以上】九州地方のラベルシール印刷業、包装資材卸売業
食品用シール・工業用シールを中心としたラベルシール印刷事業及び包装資材卸売事業を手掛ける企業です。業歴40年以上の信頼・実績に基づき、200社以上の取引先と継続取引率の高さが特長です。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 3,000万円(応相談) |
譲渡理由 | 事業存続に対する不安、戦略の見直し |
【九州 / HACCP認証あり】NB/PB商品製造の水産食品加工業
卸売業者から仕入れたものを自社にて加工/冷凍・冷蔵/梱包までを手掛けています。生協向け、九州エリアの学校給食向けの商品も提供しており、安定的な売上確保を実現しています。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【世界遺産案件の実績あり】九州の構造設計業
構造設計・耐震診断を行う会社です。九州、四国、沖縄など幅広いエリアで受注実績があります。世界遺産、重要文化財の案件に携わっています。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 希望なし |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、その他 |
【九州/無借金経営】製造業向け人材派遣業
大手製造工場との取引があり、売り上げは拡大基調です。創業間もないですが、すでに安定的な売り上げを確立しています。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 事業の集中と選択 |
【九州/セントラルキッチン保有】病院・介護施設への給食事業
九州で病院・介護施設への給食事業を手掛けています。九州6県の70箇所以上の市町村郡に配達可能です。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【財務健全/有床診療所】九州地方の内科クリニック
九州地方の内科クリニックを運営する医療法人です。再診患者が全体の9割を占めており、収益構造は安定しています。業歴も長く、地域住民から厚い信頼を獲得しています。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【平均年齢35歳/ドライバー20名以上】九州管内一円を配送網とする運輸・倉庫業
九州エリア全体を配送網とする運輸・倉庫業を手掛ける企業です。カーゴ台車輸送、精密機械輸送、半導体輸送、食品トレー輸送、建材輸送をはじめとして、幅広い輸送対応が可能です。大手取引先とも継続的な取引もあります。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 応相談 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
長崎県のM&A・会社売却・事業承継案件一覧については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
3. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の事例
本章では、鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の代表的な事例をご紹介します。
①西原商会によるミキヤの買収
業務用食品卸の大手である西原商会(鹿児島市)は、北海道函館市でさきいかやあたりめなどの珍味を製造するミキヤを買収したと発表しました。2024年7月に全発行済み株式を取得したものの、買収額は明らかにされていません。
ミキヤの2023年12月期の売上高は4億3300万円です。
西原商会は、この買収によりグループ内でのシナジー効果を強化することを狙っています。
②ヤマシタヘルスケアHDによる鹿児島オルソ・メディカルの買収
ヤマシタヘルスケアホールディングスは、鹿児島オルソ・メディカルの全株式を取得し、子会社化しました。
ヤマシタヘルスケアホールディングスは医療機器の卸売を行い、オルソ・メディカルは整形外科向けの医療機器卸売を専門としています。
今回の買収により、ヤマシタヘルスケアホールディングスは九州南部での事業拡大を加速させ、グループ内でのシナジー効果を追求することを目指しています。オルソ・メディカルの持つ資源を最大限活用し、それぞれの事業分野の拡大とグループ全体の機能強化に取り組む計画です。
③ショーゴルフによるさつまゴルフリゾートの買収
韓国でゴルフ練習場を運営するショーゴルフが、日本でゴルフ場経営に進出します。同社は大和証券グループから「さつまゴルフリゾート」(鹿児島県さつま町)の全株式を取得したと発表しました。また、2025年までに日本国内で5カ所以上のゴルフリゾートを買収する計画を明らかにしています。
さつまゴルフリゾートは、125万平方メートルの広大な敷地に客室70のホテルや屋内プール、テニスコート、サッカー場などを備えています。
今回の買収により、ショーゴルフは日本市場でのゴルフ場運営に本格的に参入し、さらなる事業拡大を目指します。
4. 鹿児島県内のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的支援
鹿児島でM&Aを行う際は、仲介会社への依頼以外に、公的機関に相談する方法もあります。
鹿児島県では、かごしま中小企業支援ネットワークや、鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センターなどがM&Aや事業承継に関するサポートを行っています。
- かごしま中小企業支援ネットワーク
- 鹿児島県の事業承継機関
- 鹿児島県事業引継ぎ支援センター
各機関の概要を順番に見ていきましょう。
①かごしま中小企業支援ネットワーク
かごしま中小企業支援ネットワークは、鹿児島県内の後継者問題を抱える中小企業へのサポートを実施している公的なネットワークです。
県内のさまざまな金融機関・団体が協力して事業承継支援に関する活動を行っており、無料で相談できます。
お問い合わせ先 | 099-286-2946 |
サイトURL | https://www.pref.kagoshima.jp/af02/sangyo-rodo/syoko/shien/shiennetwork/network.html |
②鹿児島県の事業承継機関
鹿児島県には、かごしま中小企業支援ネットワーク以外にもさまざまな事業承継機関があります。以下は、その代表例です。
鹿児島県信用保証協会
鹿児島県信用保証協会では、事業承継サポートチームを結成し、一貫した支援を実現しています。事業承継に関するアドバイスや事業承継者に向けた保証制度の案内など、事業承継後まで徹底したサポートを行っている機関です。
公益財団法人かごしま産業支援センター(KISC)
公益財団法人かごしま産業支援センターとは、創業・経営革新など幅広い分野で中小企業への支援を行う機関です。事業承継分野では、税理士・中小企業診断士などを複数回派遣するなどして、中小企業の円滑な事業承継を支援しています。
鹿児島県よろず支援拠点
よろず支援拠点とは、無料で相談できる経営相談所であり、国が全国に設置している公的機関です。鹿児島県よろず支援拠点では、県内の中小企業・小規模事業者に向けて、事業承継・経営に関するサポートを行っています。
③鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業の事業引継ぎ支援を目的とする公的機関です。鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センターでは、M&A・事業承継に関する知識を備えた専門員による無料相談を受けられます。
鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センター | |
設置場所 | 鹿児島商工会議所ビル13F 〒892-8588 鹿児島県鹿児島市東千石町1-38 |
お問い合わせ先 | 099-225-9534 |
サイトURL | https://shoukei.kagoshima.jp/ |
相談の手順
相談の手順は下記です。
- 申込みと受付
- 相談とアドバイス
- 業引継ぎ支援
電話、メール、FAXのいずれかで申し込むと、担当者から電話があり、相談日の日程を決めます。
窓口まで出向く、あるいは相談員が事業所へ行き、相談員が会社の状況や経営者の意向などを聞いて、事業実態の把握や具体的な課題を抽出し、事業引継ぎについてのアドバイスを行います。
相談後、M&Aなどによる第三者への事業引継ぎを希望するケースでは、M&Aに詳しい金融機関や税理士など登録民間支援機関への橋渡しを行ったり、全国のセンターに登録している売り手と買い手の情報提供を実施したりする流れです。
相談するメリット
ここでは、相談するメリットを見ていきましょう。メリットは主に4つあります。まずは、国が運営する事業なので、安心して相談できることです。
次に、相談は無料といったメリットがあります。また、秘密厳守で相談に乗ってくれる点も、大きなメリットです。
4つ目のメリットは、登録民間支援機関を紹介してくれる点です。登録民間支援機関とは、鹿児島県事業承継・引継ぎ支援センターに登録した第三者承継を仲介する民間の会社(金融機関や税理士などの専門家)になります。
日本政策金融公庫による資料
日本政策金融公庫では、中小企業に向けた刊行物を複数発行しています。例えば、2009年2月より継続的に発行されている「JFC中小企業だより」や、中小企業経営に役立つ情報をまとめた「経営情報」などが代表的です。
事業承継に際して参考になる刊行物が多く、インターネット上で閲覧できる資料もあるため、目をとおすと良いでしょう。
大分県のM&A・事業承継・会社売却については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
5. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継案件を探す3つの手段
鹿児島でM&A・会社売却・事業承継案件を探す場合、以下3つの方法が有効です。
- M&A仲介会社・専門家に相談する
- 地元の金融機関などに相談する
- M&Aマッチングサイトなどを活用する
それぞれの方法を順番に紹介します。
①M&A仲介会社・専門家に相談する
1つ目は、M&A仲介会社・M&Aに関する知識を持っている専門家に相談する方法です。M&Aに関する経験・知識を豊富に備えているため、M&A案件を探す手段として有力な選択肢といえます。
②地元の金融機関などに相談する
2つ目は、地元の金融機関に相談する方法です。地方銀行や信用金庫特有のネットワークは、最適なM&A相手選びにも大いに役立ちます。
③M&Aマッチングサイトなどを活用する
最後は、M&Aマッチングサイトを活用する方法です。M&A案件をWeb上でチェックできるため、敷居が低い点はメリットといえます。
バトンズ(Batonz)
バトンズ(Batonz)のマッチングプラットフォームでは、売り手・買い手それぞれの立場に対して適切なサポートを実施しており、高い成約率を生んでいます。
トランビ(TRANBI)
トランビ(TRANBI)は、2011年よりサービスを開始しているマッチングプラットフォームです。掲載案件は、個人事業から大企業まで幅広い点に特徴があります。
後継者不足の求人募集に役立つM&Aマッチングサイトについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
6. M&A仲介会社を選ぶ5つのポイント
鹿児島県でM&Aや事業引継ぎを行う際、どの仲介会社に依頼すれば良いか迷ってしまう経営者は少なくありません。この章では、鹿児島県でM&A仲介会社を選ぶポイントを5つ紹介します。
①同業種の専門的知識・M&A実績がある
M&Aでは、業種ごとに異なる専門的知識が求められます。仲介会社が公表している実績などから、該当分野を得意としているかどうか確認しましょう。
該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている仲介会社であれば、適切なサポート・アドバイスを受けられるため、スムーズなM&Aにつながります。
②同程度の規模・地元のM&A実績がある
M&Aの案件規模も、成否に大きく影響する要素の1つです。数千万円前後だったり数十億円以上だったりと、仲介会社にはそれぞれ得意とする規模があるため、実績などを見て判断しましょう。
最近は、地元に根付いたM&Aサポートを行っている仲介会社もあります。案件規模・地元M&A実績を持つ仲介会社であれば、安心して任せることが可能です。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&Aに関する知識を持っていることは大前提ですが、M&Aは人を相手にする事業であるため、知識だけではなく交渉力や経験も求められます。
仲介会社を選ぶ際は、M&Aに関する幅広い知識・経験を持っているか事前に確認しましょう。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
M&Aはさまざまな過程を経て成約するため、仲介会社に支払う手数料・報酬は決して安い金額ではありません。最終的に支払う報酬が明瞭化されていることが重要です。報酬体系を把握しないまま依頼してしまうと、想定以上の支払額になりかねず、その後の経営に影響が出てしまう可能性があります。
仲介会社に相談をする際は、公式サイトや電話などで問い合わせ、手数料・相談料・報酬体系を確認したうえで、不明点を質問して解決すると良いでしょう。
M&Aの仲介手数料の相場については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
⑤担当スタッフの対応・相性が良い
M&Aを担当するスタッフとは相談から成約まで長期間にわたり幾度もやり取りを行うため、自社の状況に合わせた対応をしてくれる点・信頼しあえる点なども重要なポイントです。
M&Aを成功させるには、担当スタッフの対応・相性も重要な要素となるため、相性が悪いと感じれば、スタッフを変えてもらったり仲介会社を変えたりすることも検討しましょう。
宮崎県のM&A・会社売却・事業承継の現状については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
7. 鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継まとめ
本記事では、鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継の動向や、公的機関・サービスなどを紹介しました。
国のバックアップを受けている公的機関では、情報保持の面でも安心して利用できますが、案件管理数が少なく、仲介サポートまでは行ってくれません。M&A仲介会社であれば、相談から成約までフルサポートを実施しているので、事業承継を円滑に進められます。
鹿児島県のM&A・会社売却・事業承継を相談する際は、サポートを希望する内容によって相談先を選ぶことが大切です。トータルサポートが必要であれば、M&A仲介会社への依頼を検討しましょう。
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