商工会議所の融資とは?相談方法やマル経融資、審査に通過できない場合の対処法を解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

企業を運営していくうえで、特に小規模事業者では融資を受けるのが非常に重要です。融資の相談を行いたい場合は、まず商工会議所へ足を運ぶとよいでしょう。商工会議所ではさまざまな融資がありますが、当記事では「マル経融資」と呼ばれる融資方法を特に詳しく述べます。

目次

  1. 商工会議所とは
  2. 商工会議所が行う融資の種類
  3. 商工会議所への融資相談の方法
  4. 商工会議所が行うマル経融資とは
  5. 商工会議所のマル経融資の審査ポイント
  6. 商工会議所のマル経融資の審査落ちの理由
  7. 商工会議所で融資相談するメリット・デメリット
  8. 会社・事業の売買ならM&A総合研究所へ
  9. 商工会議所の融資まとめ
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1. 商工会議所とは

商工会議所は、「商工会議所法(昭和28年法律第143号)」と呼ばれる法律によって規定・運営されている特殊法人のことで、地域商工業者の世論を代表する唯一の地域総合経済団体です。

商工会議所の組織は、大企業・中小企業といった規模や業種を問わず、商工業者を組織のメンバーとして構成されています。

商工会議所の目的は「国民経済の健全な発展をはかり、兼ねて国際経済の進展に寄与する」と規定されており、以下のような特徴があります。

  1. 公共性:公益法人としての組織や活動などの面で強い公共性を持つ
  2. 地域性:地域を基盤として商工業の発展をはかる地域団体となっている
  3. 総合性:会員は様々な業種・業態の商工業者から構成される
  4. 国際性:世界各国との連携を持つ国際性豊かな団体となっている

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相談できる内容

商工会議所では、小規模事業者や中小企業などを対象に、主に以下の相談内容を受け付けています。

  • 経営相談・支援
  • 税務相談・経理指導
  • 金融相談・斡旋
  • 労務相談
  • 連鎖倒産防止相談

売上の伸び悩み、資金調達、取引先とのトラブル、海外展開、資金繰りの行き詰まりなど、経営者は多くの課題に直面します。商工会議所では、企業の経営に関するさまざまな課題の解決をサポートするために幅広い相談を受け付けています。

商工会との違い

商工会議所と類似する組織に、商工会が挙げられます。一般的に商工会議所は市の区域を担当している一方で、商工会は町村を対象としています。「営利目的ではない」「企業の経営相談を受けている」などの特徴は共通しているものの、根拠となる法律・管轄官庁・事業内容は異なります。

商工会では中小企業施策や小規模事業施策に重点を置いており、経営改善普及事業を中心に手掛けています。その一方で、商工会議所は、中小企業支援以外にも、国際的な活動を含めた幅広い事業を実施している組織です。

2. 商工会議所が行う融資の種類

商工会議所は、特定の事業主・企業の資金需要に対してさまざまな融資を行っています。ここでは、その中で以下3種類の融資方法を解説します。

  1. メンバーズビジネスローン
  2. 創業支援融資保証制度
  3. マル経融資

①メンバーズビジネスローン

「メンバーズビジネスローン」は、商工会議所と銀行・信用金庫などの民間金融機関との提携によって行われる融資制度です。

商工会議所の会員は、提携している金融機関から優遇された条件で融資を受けられます。ただし、優遇の内容は各金融機関・商品ごとに異なるため確認が必要です。

②創業支援融資保証制度

「創業支援融資保証制度」は、商工会議所と信用保証協会の提携によって行われる融資制度となっており、保証協会が保証人となって提携金融機関に融資を斡旋してくれます。

商工会議所が計画書の作成から起業後のフォローアップまでを支援してくれ、最大2,500万円まで原則無担保で利用できます。

③マル経融資

「マル経融資」は、正式名称を「小規模事業者経営改善資金」といい、商工会議所などで経営指導(原則6ヵ月以上)を受けた者に対し、無担保・無保証人で日本政策金融公庫が融資を行う国の制度です。

マル経融資の融資窓口は商工会・商工会議所であり、融資元は日本政策金融公庫と役割が分かれている点が特徴といえます。

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3. 商工会議所への融資相談の方法

商工会議所を利用するメリットとしては、融資の相談ができる点です。商工会議所はさまざまな融資方法の中から、相談者の条件や希望によって最適な融資方法を紹介してくれます。

主な融資方法は、次の3種類です。以下でその詳細を解説します。

  1. メンバーズビジネスローン
  2. 創業支援融資保証制度
  3. マル経融資

①メンバーズビジネスローンの相談方法

メンバーズビジネスローンの相談をする際は、まず商工会議所に足を運んで窓口にて直接相談します。ここでは、メンバーズビジネスローンの詳しい申し込み方法・申し込み条件を説明します。

メンバーズビジネスローンとは

「メンバーズビジネスローン」は、商工会議所と銀行・信用金庫などの金融機関との提携によって、提携金融機関から優遇された条件で融資を受けられる制度です。

融資を受けるには、いくつかの条件を満たしているほか、商工会議所発行の会員確認書が必要となります。

申込みの条件

「メンバーズビジネスローン」の融資条件は、以下の3点です。融資条件の内容から、多くの人が当てはまります。

  1. 商工会議所の会員であること
  2. 商工会議所の会費に未納がないこと
  3. その他、各金融機関が定める条件に当てはまること

申し込み方法

「メンバーズビジネスローン」の融資を申し込む際は、以下の手順で行います。

  1. 商工会議所窓口にて商工会議所メンバーズビジネスローン会員確認書の発行を申し込む
  2. 会員確認書の発行する(費用は無料)
  3. 会員確認書を持参のうえ、融資を希望する提携金融機関へメンバーズビジネスローンの申し込みを行う
  4. 各金融機関での審査のうえ、融資を行う

融資の申し込みを行う金融機関によっては会員確認書の発行申し込み・発行を省略でき、金融機関で直接メンバーズビジネスローンの申し込みが行えるところがあります。

その際は、金融機関窓口において「メンバーズビジネスローンを利用したい」旨を伝えるだけで融資の申し込みが可能です。

②創業支援融資保証制度の相談方法

創業支援融資保証制度の相談をする際は、まず指定金融機関または信用保証協会に足を運び、直接相談してください。

創業支援融資保証制度とは

「創業支援融資保証制度」とは、これから事業を開始する人もしくは事業開始後で間もない人たちを支援する保証制度となっており、都道府県と信用保証協会、指定金融機関の三者協調のうえに成り立っている公的融資制度です。

融資対象

「創業支援融資保証制度」は、次の要件に該当する人を対象として融資されます。

  1. 創業支援融資保証制度に係る債務がないこと
  2. 個人では対象地域に住所を有して、中小企業者として創業しようとしており、創業を速やかに行うための具体的な計画を有していること
  3. 法人では対象地域において中小企業者として創業しようとしており、創業を速やかに行うための具体的な計画を有していること
  4. 創業する事業が信用保証協会の保証対象業種であること
  5. 対象地域に納付すべき市税の滞納がないこと
  6. 信用保証協会が必要と認める場合は、連帯保証人を立てること

融資条件

「創業支援融資保証制度」では、次のいずれかの要件に該当する人に対して融資されます。

  1. 事業を営んでいない個人であって、1ヶ月以内に新たに個人でまたは2ヶ月以内に法人を設立して事業を開始しようとする者 
  2. 創業した日から5年未満に事業所を有する中小企業または組合
  3. 分社化しようとする中小企業または分社化により設立された日から5年未満の中小企業 

申込み方法

「創業支援融資保証制度」の融資を申し込む際は、以下の手順で行います。

  1. 商工会議所より創業支援融資保証制度の対象となる創業支援事業を受ける
  2. 信用保証協会に保証申し込みを行う
  3. 信用保証協会から民間金融機関へ融資の斡旋が行われる
  4. 民間金融機関より融資を受ける

4. 商工会議所が行うマル経融資とは

小規模事業者(個人事業主や中小企業)にとって、資金操りや資金の追加借入は難しい問題です。

そのような場合、検討すべき資金調達の方法の1つに「マル経融資」と呼ばれる制度を活用できます。

この制度は、商工会議所を通じて受けられる日本政策金融公庫の融資制度の1つで、事業者にとってさまざまなメリットがあります。

マル経融資とは

マル経融資とは「小規模事業者経営改善資金」の略称で、国が100%出資している金融機関の日本政策金融公庫から受けられる公的な融資制度です。

マル経融資の窓口は商工会議所で、融資元は日本政策金融公庫と役割が分かれている点が特徴です。

小規模事業者(個人事業主や中小企業)は、商工会議所を通じて融資を受けられるよう日本政策金融公庫へ推薦してもらい、審査に通ると日本政策金融公庫から融資が受けられます。

マル経融資の利用条件

マル経融資を利用するためには、以下の条件を満たさなくてはなりません。

  1. 従業員20人以下の法人・個人事業主(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)
  2. 指導を受ける商工会議所の地域内で1年以上、事業を行っている
  3. 商工会議所の経営・金融指導を受けて事業改善を行っている
  4. 税金(所得税、法人税、事業税、住民税)を完納している
  5. 商工業者であり、日本政策金融公庫の融資を受けることができる事業を行えている

①対象は小規模事業者

小規模事業者は経営力が弱いことが多く経営が安定しにくいため、銀行融資を受けるのも簡単ではありません。

そのような場合、マル経融資は一定の要件を満たした小規模事業者であれば銀行から融資を受けられない人(会社)でも融資を受けられる可能性があります

無担保・無保証人でも、低金利で最大2,000万円までの借入が可能です。

②最近1年以上、商工会議所地区内で事業継続

マル経融資は1年以上事業を営んでいる方が対象となっているため、創業資金としてマル経融資での融資は受けられません。

マル経融資は起業資金のための融資制度ではなく、これまで1年以上事業を継続してこられた企業や個人事業主の経営改善のために融資を行う制度となっています。

③商工会議所による経営・金融指導の受講

マル経融資は、小規模事業者が「経営改善資金」を借りるための融資制度です。そのために、商工会・商工会議所の経営相談員に6カ月間、経営指導を受ける必要があります。

経営指導の内容としては、商工会・商工会議所の経営相談員が事業者の元を訪問し、経営に関する悩みや相談に対し無料で対応してくれます。

経営指導をある一定期間受講したうえで商工会議所・商工会からの推薦状をもらい、日本政策金融公庫から融資してもらう公的融資制度です。

④税金の完納

マル経融資は公的な融資制度であるため、所得税・法人税・事業税・住民税などの税金を完納していなければ、融資を受けられません

もし税金を滞納している場合は、まず税金をすべて支払ってからマル経融資を申し込みましょう。

⑤日本政策金融公庫が定める非対象事業者などに属していない

マル経融資の対象者は小規模事業者となっており、対象業種は商工業系でサービス業も含まれます。

ほとんどの企業が当てはまりますが、宿泊業やパチンコなどの娯楽業、生命保険や損害保険の代理店などは非対象業種となり、融資が受けられないため注意が必要です。

マル経融資を検討する際、自社が対象であるかが不明の場合は、地元の商工会議所で相談すると詳しく教えてくれます。

⑥その他

マル経融資の制度は、基本的には今まで述べてきたもので実施されていますが、地域によって商工会議所特有の条件がある場合もあります。

マル経融資の制度に関して不明な点がある場合は地元の商工会議所で相談しましょう。

マル経融資の内容

続いては、マル経融資の内容について以下の項目を解説します。

  1. 融資限度額
  2. 返済期間
  3. 融資金利
  4. 担保・保証人
  5. 融資対象
  6. 資金使途

①融資限度額

融資限度額は2,000万円となっており、無担保無保証の制度の中では、融資限度額の金額は非常に大きい金額です。

②返済期間

返済期間は運転資金と設備資金に分かれ、それぞれの返済期間は下記のとおりです。

  • 運転資金7年以内(据置期間1年以内)
  • 設備資金10年以内(据置期間2年以内)

③融資金利

令和2年9月1日現在の融資金利は1.21%です。経営改善が必要な小規模事業者が受ける融資としては低金利だといえます。

④担保・保証人

マル経融資は無担保・無保証人制度であるため、担保や保証人の必要はありません。

⑤融資対象

融資対象は、以下5つの要件を全て満たす者とされています。

  1. 従業員20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)の法人と個人事業主
  2. 商工会議所の経営・金融指導を受けて事業改善に取り組んでいる
  3. 最近1年以上、同一会議所の地区内で事業を行っている
  4. 商工業者であり、日本政策金融公庫の融資対象業種を営んでいる
  5. 税金(所得税・法人税・事業税・住民税)を完納している

⑥資金使途

運転資金と設備資金に分かれており、それぞれの資金使途は以下のとおりです。

  • 運転資金:仕入資金 、掛金・手形決済資金、給与・ボーナスの支払い 諸経費等の支払い
  • 設備資金:店舗・工場改装、営業車両購入、機械・設備・什器等の購入

マル経融資の必要書類

マル経融資の必要書類は個人・法人で異なります。以下では、それぞれの必要書類を解説します。

  1. 法人の場合
  2. 個人事業者の場合

①法人の場合

法人の場合は、以下に挙げる書類が必要です。

  • 前期・前々期の決算書と確定申告書
  • 決算後6ヶ月以上経過の場合は最近の残高試算表
  • 法人税・事業税・法人住民税の領収書または納税証明書
  • 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 設備資金の申込みの場合は見積書・カタログなど

②個人事業者の場合

個人事業者の場合は、以下に挙げる書類が必要です。

  • 前年・前々年の決算書(または収支内訳書)および確定申告書
  • 所得税・事業税・住民税の領収書または納税証明書
  • 設備資金の申込みの場合は見積書・カタログなど

マル経融資の流れ

マル経融資は以下のような流れで行われます。ここでは、各手順を解説します。

  1. 商工会議所への経営相談および借入の申し込み
  2. 商工会議所から日本政策金融公庫への融資の推薦
  3. 融資希望者への決定通知
  4. 融資希望者と日本政策金融公庫との融資契約
  5. 融資実行

①商工会議所への経営相談および借入の申し込み


「マル経融資」の申し込みの窓口は地域の商工会議所や商工会になり、商工会議所経由でないとお金を借りることができない特殊なローンといえます。

「マル経融資」の借入を検討している人は、まずは商工会議所や商工会へ相談してください。

商工会議所で経営指導員の経営指導を受けて、商工会議所から推薦状をもらうことが融資の条件です。商工会議所へ相談に行ってすぐにマル経営融資が借りられるわけではありません。

経営指導の主な内容は、1カ月〜2カ月に1度会社を訪問する、経営指導員と会社の状況などについて話しをして助言を受けるなどがあります。このような経営指導を、原則6ヶ月以上受ける必要があります。

場合によっては4カ月程度で推薦が得られることもありますが、いずれにしても新規かつ即座の資金調達には不向きなローンです。

②商工会議所から日本政策金融公庫への融資の推薦

商工会議所の経営指導員から6カ月以上の必要な指導を受けた後に商工会議所から推薦を受け、商工会議所から日本政策金融公庫へと推薦される手順を踏みます。

③融資希望者への決定通知

商工会議所からの推薦が日本政策金融公庫へ上がると審査が行われ、その結果が融資希望者への決定通知を行います。

④融資希望者と日本政策金融公庫との融資契約

日本政策金融公庫での審査で融資が決定し、融資希望者への決定通知を行った後に日本政策金融公庫との融資契約を行います。

⑤融資実行

融資が決定し、手続きが全て終了すると融資金額の振り込みが行われます。マル経融資を受けるための審査は数回に渡って行われるため、融資までに時間を要するため資金が必要となるタイミングに間に合うよう注意しなければなりません。

5. 商工会議所のマル経融資の審査ポイント

商工会議所のマル経融資は個人事業主や中小企業が、商工会・商工会議所の経営指導をもとに経営改善を図っていることが保証人の代わりになるため、無担保・無保証人で借りられます。

しかし、必ずしも商工会議所のマル経融資を受けられるわけではなく、次のような審査ポイントがあるため理解しておきましょう。

  1. 融資条件に当てはまっていること
  2. 黒字経営であること
  3. 業績計画書の作成
  4. 資金使途を明確にしておくこと

①融資条件に当てはまっていること

マル経融資の融資条件は小規模事業主もしくは中小企業であり、商工会議所の会員として6カ月以上経営について指導を受けている人が絶対の融資条件となります。具体的なマル経融資の条件は以下のとおりです。

  • 従業員数:20人以下(商業・サービス業は5人以下)
  • 商工会議所からの指導期間:6か月以上(場合によっては例外あり)
  • 事業年数:商工会議所地区内に1年以上偉事業を行っている
  • 対象となる事業内容:金融業、風俗業、ギャンブル関連を除く業種

②黒字経営であること

商工会議所のマル経融資は必ずしも黒字経営でなければならない必要はありませんが、基本的には経営状態を黒字にしておくことが重要です。

マル経融資は運転資金もしくは設備資金として融資をうけるため、赤字の穴埋めとして融資を利用していると判断された場合は審査を落とされる可能性が高くなります。

③業績計画書の作成

マル経融資の審査を受ける際は、具体的な業績計画書を作成しておくことも重要です。

マル経融資は融資であるため、月々返済する必要性がありますが、毎月確実に返済できることを証明できれば審査のときの印象も良くなります。

業績計画としてマル経融資を受ければ返済を行えるだけ業績が良くなることも提示できれば、より審査に通りやすくなるでしょう。

資金使途が運転資金なのか設備資金なのかで返済期間が異なるため、融資を受ける目的に応じた計画書の作成も重要です。

  • 運転資金:7年以内(据置期間1年以内)
  • 設備資金:10年以内(据置期間2年以内)

④資金使途を明確にしておくこと

商工会議所のマル経融資の資金使途は運転資金もしくは設備資金であり、どちらの融資を受ける場合でも明確な資金使途が必要です。明確な資金使途を証明するための見積書やパンフレットなどを用意しなくてはなりません。

6. 商工会議所のマル経融資の審査落ちの理由

マル経融資の審査に落ちてしまうケースにはさまざまな要因がありますが、代表例は次の3つです。それぞれの理由を詳しく解説します。

  1. 面接の際の印象
  2. 過去の借り入れ状況
  3. 債務超過・延滞など

①面接の際の印象

商工会議所のマル経融資を申し込むときは、商工会議所・商工会や日本政策金融公庫の担当者と面談をし、その際に資金使途に対する必要性や計画書などを細かく聞かれます。

ここで、必要となる融資の金額の妥当性を伝えることができなかったり、計画書などを詳細に説明できなかったりすれば、担当者の印象は悪くなってしまいます。

マル経融資は支援を目的としている制度のため、事業者の印象が悪ければ融資を行いたいと思われず、融資してもらうことは困難です。

②過去の借り入れ状況

商工会議所のマル経融資は、消費者金融や高利の金融機関からの借入があると審査に通りにくいとされています。

特に、消費者金融からの借入には注意する必要があります。なぜなら、消費者金融から少額でも融資を受けていると、それだけで審査に通過できない可能性があるからです。

融資を受ける際は、まずは自社の借入状況を整理して不利となる可能性のあるものはきちんと返済を済ませておきましょう。

消費者金融以外の金融機関からの借入については、金利が10%を超えていると印象が悪くなります。過去に消費者金融から融資を受けたという場合も、マル経融資ではマイナス要素です。

マル経融資の融資を検討している人は消費者金融を使用せずに、別の方法で資金調達を検討することが重要です。

③債務超過・延滞など

商工会議所のマル経融資は、事前に提出した業績計画書をもとに判断されて融資を受けられるかが決まります

債務超過・延滞などは非常に厳しく見られるため、既存借り入れの月々の返済は滞りなく継続して行うことが必須です。

7. 商工会議所で融資相談するメリット・デメリット

ここでは、商工会議所で融資相談の際に活用するとどのようなメリット・デメリットがあるかを解説します。

融資相談のメリット

事業を行うには、何かと資金が必要とされます。そのようなときに銀行・信用金庫・信用組合・ノンバンクなどの民間の金融機関で借りる前に、金利が安い日本政策金融公庫を始めとした政府金融機関で借りることを最初に検討することが重要です。

政府金融機関で融資を受ける際、窓口となるのが商工会議所です。商工会議所での融資は、融資内容によって条件が必要になりますが、基本的にその条件を満たしていれば問題なく融資してもらえることが多いです。

融資相談のデメリット

商工会議所で融資相談するデメリットはほとんどありません。メリットの部分で述べたように、商工会議所での融資は条件を満たしていれば問題なく受けられるため、商工会議所で融資してもらえない場合は他の審査に通るのは難しいと判断できます。

ただし、手続きや書類は銀行・信用金庫などの金融機関より多いです。低金利かつ無担保・無保証であるため仕方のないことではありますが、資金が必要となるタイミングに間に合うよう早めに相談・申し込みを行う必要があります。

8. 会社・事業の売買ならM&A総合研究所へ

小規模事業者では金融機関からの融資で資金調達することが難しいことも多いため、融資を検討する際はまず商工会議所へ相談してみるのがよいです。実際に会社や事業の売買・M&Aを行う際は、M&A仲介会社などの専門家によるアドバイス・サポート下で進めていくことが成功のカギともいえます。

M&A総合研究所では、M&A・買収・売却の実績と知識が豊富なM&Aアドバイザーが専任に就き、ご相談から交渉・クロージングまでフルサポートいたします。M&Aの料金体系は完全成功報酬制(譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)を採用しており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様ともに無料となっておりますので、安心してご相談可能です。

無料相談を行っていますので、M&A・買収・売却をご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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9. 商工会議所の融資まとめ

今回、商工会議所の融資相談の方法やマル経融資について解説しましたが、商工会議所が行う融資の種類は大きく分けて「メンバーズビジネスローン」「創業支援融資保証制度」「マル経融資」の3つあります。

「マル経融資」は融資を受けるまでの手続きは多いものの、メリットが非常に多い融資です。融資の相談を行いたい場合は、商工会議所に一度足を運ぶとよいでしょう。

融資を受けた後、自社の成長のためにM&Aを検討する場合は専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。

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