2024年09月27日更新
石川県・金沢市のM&A・事業承継・会社売却の現状や動向は?案件一覧や事例も紹介!
本記事では、石川県・金沢市のM&A・事業承継・会社売却の現状や動向、ポイントやMM&AA仲介会社など相談先の選び方を紹介しています。石川県・金沢市の後継者人材バンクなどのM&A・事業承継・会社売却に役立つ公的支援についても解説しています。M&Aを検討中の方は必見です。
目次
1. 石川県・金沢市の産業・経済状況
石川県が発表した「石川県の産業を取り巻く状況・課題【基礎データ】」によると、石川県の人口は1,111,466人(令和5年6月現在)ですが、2040年頃には100万人を割ると予想されています。石川でも少子高齢化が進んでおり、後継者不在の課題を抱えている会社も増えているのです。
石川県は製造業が基幹産業です。主に生産用機械、電子部品・デバイ ス、繊維工業が盛んです。繊維産業は、昔から「繊維王国いしかわ」として全国に広く知られており、繊維産業とそれを支える繊維機械が発展してきました。また、伝統工芸が受け継がれており、加賀友禅や九谷焼など国指定の伝統工芸が有名です。
石川県では、県内の支援機関と協力して、起業家、学生、ベンチャー企業などを積極的に支援しています。そのため石川県は、新規参入や成長の可能性が十分見込めるでしょう。また、高齢化に伴い、後継者確保のためのM&Aは増えてくることが予想されます。
参照:石川県「石川県の産業を取り巻く状況・課題【基礎データ】」
2. 石川県・金沢市のM&A・会社売却・事業承継の現状・動向
帝国データバンクの「石川県「後継者不在率」動向調査(2023年)」の調査では、後継者不在率は過去最高の58.5%でした。経営者が80代以上の会社が26.3%、70代で29.5%が後継者不在です。また、2023年における石川県の休廃業・解散件数は526件で、前年から23.8%上昇しています。
企業の運営がうまくいかなった場合は、事業承継・会社売却・M&Aなどの方法がありますが、それらを自分自身で行うことは難しいため、専門家の意見を聞いて事業承継・会社売却・M&Aを検討または実施するのが重要です。
参考:石川県「後継者不在率」動向調査(2023年)
3. 石川県・金沢市近郊のM&Aの案件一覧
ここでは、石川県・金沢市近郊のM&A案件をご紹介します。
①【EBITDA1億円以上の高収益/有資格者・拠点多数】 地場優良建設コンサル業
石川県・金沢市近郊のM&A案件は、自技術士や測量士有資格者を多数抱える地場優良建設コンサル業です。県及び近隣県の行政機関との取引も行っており、安定した顧客基盤が整えられています。
業種 | 住宅・不動産・建設 |
都道府県 | 中部・北陸 |
法人形態 | 法人 |
譲渡価格 | 10億円〜15億円1,000万円 |
②【北陸地方/安定した事業展開】警備・点検業
石川県・金沢市近郊のM&A案件は、北陸地方で2号警備を中心とした警備業を展開する警備・点検業です。後継者不在を理由に事業承継を検討しており、2024年中の譲渡を希望しています。
業種 | サービス |
都道府県 | 北陸 |
法人形態 | 法人 |
譲渡価格 | 1,000万円〜5,000万円 |
③【業歴80年以上/北信越エリア】40種以上の商品を展開する製茶業・仏事関連業
石川県・金沢市近郊のM&A案は、茶葉の仕入れから選別、ブレンドまで一貫して行う製茶業です。地域では一定の知名度があり、各小売店への販路を確保しています。
業種 | メーカー |
都道府県 | 北陸 |
法人形態 | 法人 |
譲渡価格 | 5億円〜7.5億円 |
4. 石川県・金沢市内のM&A・事業承継に役立つ公的支援
石川県・金沢市内でM&A・会社売却・事業承継を検討する場合、公的機関に相談するのもよいでしょう。石川県では、以下の3つの機関・事業があります。
- 七尾事業承継オーケストラ~事業承継ネットワーク~
- 石川県事業承継・引継ぎ支援センター
- プッシュ型事業承継支援高度化事業
①七尾事業承継オーケストラ~事業承継ネットワーク~
七尾事業承継オーケストラ~事業承継ネットワーク~とは、地域における経営者の高齢化や後継者不在による廃業を防ぐため、事業承継支援体制の強化に向けて発足しました。
七尾市内の事業承継関係機関など、官民連携の支援ネットワークと連携した地域における事業承継支援のための取り組みです。後継者人材の確保・育成、事業承継計画策定、伴走型経営支援、税制や資金関係、各種許可関係など、幅広いサポートを行います。
②石川県事業承継・引継ぎ支援センター
石川県事業承継・引継ぎ支援センターは、円滑な事業承継を支援し、次世代への経営資源のスムーズな承継を促進させるために設立された機関です。
石川県では、事業承継問題の先送りなどが起こり、結果的に企業が廃業し、雇用が失われるといったことが増加しています。高齢化の進んだ中小企業の経営者が抱える、企業の存続の課題や悩みを解決・支援するために設立されました。
石川県事業承継・引継ぎ支援センターでは「後継者人材バンク」事業も行っています。
後継者人材バンクとは、後継ぎを探す中小企業や個人事業主と、事業を引き継ぎたい企業や個人とのマッチングを支援する機関です。後継者人材バンクでは、事業承継に関する情報提供やアドバイスをしたり、M&Aの専門家や金融機関を紹介したりしています。
【後継者人材バンクの主な目的】
- 後継者の不足を解決する
- スムーズなM&Aや事業承継を行えるようにアドバイスをする
- 起業を行いたい者に対する人材を支援する
事業承継・引継ぎ支援センターの活用を政府も後押し
国による支援事業として、各都道府県に事業引継ぎ支援センターが設置されています。
石川県事業承継・引継ぎ支援センター内には後継者人材バンクが設けられ、石川県内の小規模事業者や個人事業主の後継者マッチングは、後継者人材バンクを通じて行われています。
後継者人材バンクの活用によって、石川県・金沢市内の事業者と後継者のマッチングを行うことが可能です。
日本政策金融公庫による資料
日本政策金融公庫では、事業承継ネットワークや事業承継・引継ぎ支援センター、後継者人材バンクなどへの理解を深め、事業承継を広く周知させるために、「経営情報」の定期刊行物を発行しています。
「経営情報」はインターネット上でも閲覧できるため、事業承継ネットワークや事業引継ぎ支援センター、後継者人材バンクなどを詳しく知りたい場合におすすめの資料といえるでしょう。
このようなことから、国が力を入れて事業承継支援を行っていることがわかります。
事業承継ネットワーク事業について
事業承継ネットワーク事業とは、中小企業庁の委託により地方自治体が中心となって、商工会議所・商工会・金融機関・士業専門家などと、密に連携を取っていくための事業です。
事業承継ネットワーク事業は、平成29年度に地域における事業承継支援体制の強化を目的として、各都道府県に拠点を置く事業承継に関わる組織を連携させ、実施されました。
事業承継・引継ぎ支援センターや後継者人材バンクも「事業承継ネットワーク事業」の一つです。少子高齢化に伴う後継者不足などが大きく影響しているため、後継者人材バンクを通じて国全体で事業引継ぎを後押ししています。
③プッシュ型事業承継支援高度化事業
公益財団法人石川県産業創出支援機構では経済産業省中小企業庁から委託を受けて「プッシュ型事業承継支援高度化事業」を行っており、詳細は以下のようになっています。
プッシュ型事業承継支援高度化事業とは
プッシュ型事業承継支援高度化事業とは、市町村・地域の商工団体・金融機関・専門家などを組織化し、アンケート調査票を通じて、企業に早期かつ計画的に「事業承継」の準備への気付きを与えるものです。
そのようにして出てきたニーズに対して、地域の各分野の専門家が連携し、より踏み込んだ事業承継支援を実施します。
5. 石川県・金沢市のM&A・会社売却・事業承継案件を探す3つの手段
続いて、石川県・金沢市周辺のM&A・会社売却・事業承継の案件を探す手段を紹介します。案件を探す手段は、主に以下の3種類があります。
①地元の金融機関などに相談する
2つ目の石川県・金沢市のM&A・会社売却・事業承継案件を探す手段は、地元の金融機関などに相談する方法があります。
②M&Aマッチングサイトなどを活用する
3つ目の石川県・金沢市のM&A・会社売却・事業承継案件を探す手段として、M&Aマッチングサイトなどを活用する方法があります。
M&Aマッチングサイトの利用により、石川県だけではなく、全国のM&A・会社売却・事業承継案件を探せるでしょう。
M&A総合研究所
M&A総合研究所のマッチングプラットフォームはAIシステムを採用しており、精度の高いマッチングを実現しております。
買い手・売り手様とも無料で利用でき、専門家による仲介が必要となった場合は、実務経験が豊富なM&Aアドバイザーによる専任サポートを利用することも可能です。
Batonz (バトンズ)
Batonz(バトンズ)は、全国の豊富な案件の中からマッチングが可能となっています。
料金はプラットフォームの利用のみであれば、売り手買い手とも利用料無料で、仲介を依頼したい場合は、全国の提携専門家の中から地元のアドバイザーを紹介してもらうことも可能です。
トランビ(Tranbi)
トランビ(Tranbi)は、M&Aマッチングプラットフォームの運用で、近年急成長している会社で、登録ユーザー数が30,000人を超えるマッチングプラットフォームとなっています。
現在では、国内で豊富な案件数を保有しており、小規模事業者でも手軽に利用できるシステムや手数料が特徴です。
③M&A仲介会社・専門家に相談する
石川県・金沢市のM&A・会社売却・事業承継案件を探す手段として、M&A仲介会社・専門家に相談するのはポピュラーな方法です。M&Aを専門に扱っているため豊富な知識と経験があり、独自ネットワークを活用して相手先を探してもらえます。
6. 石川県・金沢市でM&Aをする際に仲介会社を選ぶ5つのポイント
ここでは、石川県・金沢市でM&Aをする際に仲介会社を選ぶポイントを解説します。
①該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
M&A・会社売却・事業承継は、企業によって異なるため、全く同じ方法が良いとは限りません。M&A・会社売却・事業承継をスムーズに行うには、業界ごとの変化に対応できることが重要です。
相談する分野の専門的知識・M&A実績がある仲介会社であれば、適切なサポートができます。
②案件規模・地元M&A実績などがある
M&A・会社売却・事業承継を仲介会社に依頼する際は、相談する自社と同じ程度の案件を行った実績があるのか、地元でM&A・会社売却・事業承継の実績があるかが重要です。
これらの実績があれば、多くの地元企業・地元の金融機関・士業専門家などとのつながりが強いことになるため、スムーズにM&A・会社売却・事業承継を行えます。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&A・会社売却・事業承継の専門家は、財務会計、業界の専門知識などのさまざまな知識が必要でしょう。M&Aなどの案件は案件ごとに全て異なるため、持っている知識を案件ごとに使いこなせることも重要です。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
仲介会社によっては、手数料・相談料・報酬体系が非常に複雑な体系の場合があります。料金体系がわかりづらい仲介会社の場合、予想していなかった費用が発生する可能性があり、トラブルになることもあります。
仲介会社との信頼関係を築き、M&Aを安心して任せるためには、報酬体系がシンプルで手数料が安い仲介会社を選ぶことが重要です。
⑤担当スタッフの対応や相性がいい
M&A・会社売却・事業承継など会社の将来に関する重要なことを任せるためには、担当者との信頼関係が非常に大切になります。M&A・会社売却・事業承継などの案件は1つずつ異なるため、自社に対する経営者の考え方などを理解し、誠実に対応してくれる仲介会社を選びましょう。
7. 石川県・金沢市のM&A総合研究所での成約事例
弊社では、特殊塗料事業から輸入雑貨の卸売まで幅広く事業を手掛ける株式会社アクセスホールディングスと、ガソリンスタンド建設工事を中心にインフラ事業をグループで行うタマダ株式会社とのM&Aをお手伝いいたしました。
譲受企業であるタマダ株式会社の玉田善久様に、M&Aを決意した背景や今後のビジョンについてインタビューいたしました。
詳細は以下のURLからご覧ください。
【譲渡企業:株式会社アクセスホールディングス】
創業約30年 石川県金沢市本社
防食防水材などの特殊塗料の製造販売施工を手掛け、北陸地方の大手企業との取引実績に強みを持つ。子会社3社を持ち、輸入雑貨の卸売など幅広く事業を展開している。
【譲受企業:タマダ株式会社】
創業約73年 石川県金沢市本社
ガソリンスタンドの建設工事やタンク・水槽の製造などを行う。インフラ全般のビジネスを手掛けるグループ会社を複数持ち、更なる事業の発展を目指す。
8. 石川県・金沢市のM&A・事業承継・会社売却の事例
石川県・金沢市のM&A・事業承継・会社売却事例をピックアップしてご紹介します。
売り手は、将来性のある企業や大手の企業への売却や事業承継によって、事業成長や後継者問題の解決、雇用の継続につながります。自社のM&Aを検討する際の参考にしてみましょう。
①ホテル金沢がサムティホテルマネジメントへ株式譲渡
2024年3月、ホテル金沢がサムティホテルマネジメントへ株式譲渡しました。
サムティホテルマネジメントは「S-PERIA」シリーズのホテルを中心に、国内にて9ホテルを展開しています。対象会社のホテル金沢は、サイトリグループの子会社です。サイトリグループはリアルアセット事業、メディカル事業などを手掛けている会社です。
今回のM&Aにより、サイトリグループはメディカル事業に主軸をシフトしていく予定です。
②K‐ブランドオフによるRECLOの買収
2024年4月、K-ブランドオフはRECLOの株式を取得し、子会社化しました。
K-ブランドオフは、石川県金沢市に本社を置き、海外の中古ブランド品買取・販売、オークション事業、質業などを展開する企業で、コメ兵ホールディングスの子会社です。対象会社のRECLOは、ハイブランドを専門としている「RECLO」事業を展開している企業です。
今回のM&Aにより、グループの中長期的な収益拡大、海外事業の強化、EC事業の強化などを目指します。
③エムスリーがM&Aによりロジックを子会社化
2022年3月、エムスリーはロジックを子会社化しました。
エムスリーは医療ポータルサイト「m3.com」のサービスを行っている企業です。対象会社のロジックは石川県金沢市に本社を置き、介護・看護事業所の業務効率化のためのソフトウェアを開発・提供しています。
今回のM&Aにより、ロジックの技術とノウハウを共有することで、介護・看護分野での市場拡大とサービスの向上を目指します。
④日成ビルド工業によるアーバン・スタッフの買収
日成ビルド工業は2018年7月、アーバン・スタッフを買収しました。日成ビルド工業は、建築・土木工事業のアーバン・スタッフを買収しました。日成ビルド工業は、石川県金沢市に拠点を置き、プレハブプランニングから設計・施工、立体駐車場などの製造、施工を行う企業です。
アーバン・スタッフは栃木県宇都宮市にある建設業者で、遊休不動産の有効活用やソリューション展開に力を入れています。さらに、太陽光発電事業にも進出し、30カ所を超える太陽光発電設備を自社で保有している点が特徴です。
日成ビルド工業は太陽光発電事業分野に参画しており、今回のM&Aによりサービスの幅の広がりやストック型ビジネスの拡大を目指します。
⑤日海不二サッシによるアジアニッカイの買収
日海不二サッシは2018年4月、アジアニッカイの全ての株式を取得し、子会社化しました。石川県金沢市にある日海不二サッシは、不二サッシの連結子会社であり、北陸地区を営業基盤としアルミサッシの製造・販売を展開しています。
対象会社であるアジアニッカイは、石川県内の官公庁を中心にビル用建材の販売、アルミサッシ加工・組立などを行う企業です。今回のM&Aにより、不二サッシグループは北陸地区での地域戦略の強化、顧客基盤の拡大を目指します。
⑥たくみやHDによる笹屋昌園の買収
たくみやホールディングスは2017年12月、笹屋昌園を買収し、子会社化しました。石川県金沢市に拠点のあるたくみやホールディングスは、グループ会社である観光土産菓子製造販売卸のたくみやを運営しています。
対象会社である笹屋昌園は京都にあり、1918年創業の老舗の和菓子屋です。今回のM&Aにより、たくみやホールディングスは菓子業界を牽引(けんいん)するグループとして事業拡大を目指します。
9. 石川県・金沢市のM&A・事業承継・会社売却のまとめ
今回は、石川県・金沢市のM&A・会社売却・事業承継におすすめの仲介会社を解説しました。
石川県・金沢市でM&A・会社売却・事業承継をうまく行うためには、公的機関なども使用し、しっかりとした戦略を練ったうえで進めていくことが重要です。
M&A・会社売却・事業承継の案件を探し進めていくためには、M&A仲介会社など専門家に依頼・相談するのをおすすめします。
10. 石川県の成約事例一覧
11. 石川県のM&A案件一覧
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