成約インタビューM&A事例

情報通信業のM&A事例【石川県】

北陸エリア同士の成長戦略型M&Aで
更なる地域貢献を目指す

  • 譲渡企業

    株式会社MiraieCompany

    代表取締役社長

    大海 一朗様

    業種
    情報通信業
    地域
    石川県
    売上
    2.7億円
    社長の年齢
    40代
    譲渡理由
    グループ再編、後継者不在、成長戦略
  • 譲受企業

    金融業 M社

    業種
    金融業
    地域
    富山県
    売上
    非公開
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    地域貢献、成長戦略

この度、株式会社MiraieCompany様とM社様とのM&Aが成立いたしました。
譲渡企業様に、M&Aを決意した背景や今後のビジョンについてインタビューいたしました。

【譲渡企業】株式会社MiraieCompany
本社:石川県
事業内容:地域密着型住宅サイト「イエタッタ」のメディア運営や、住宅相談窓口「イエタッタカウンター」の運営を行っている。

【譲受企業】金融業 M社
本社:富山県
事業内容:投資事業、成長支援事業

譲渡企業
株式会社MiraieCompany
代表取締役社長 大海 一朗様 インタビュー

まずは御社についてご紹介いただきたいと思います。

ー御社の創業の経緯を教えてください。

当社はもともとFavoグループにて、月刊フリーペーパー事業を展開しておりました。その営業活動の中で、住宅会社のクライアントから「折り込みチラシの集客効果が低下している」という課題について相談を受け、何か解決策を提供できないかと考えたことがきっかけで、「イエタッタ」というサービスを立ち上げました。その後、事業の成長と特化を目指し、分社化を進めることになり、新たにMiraieCompanyを設立しました。

ー事業内容と強みを教えて下さい。

当社の主力事業は、地域密着型住宅サイト「イエタッタ」の運営です。この事業は、(1)住宅サイトの運営、(2)住宅相談窓口の運営監修、(3)住宅会社向けデジタル販促支援という3つの柱で構成されています。また、一級建築士が監修している点が当社の大きな特徴です。「イエタッタ」の最大の強みは、定額料金で利用できるサブスクリプション型サービスを提供している点です。この仕組みにより、広告やSNS運用など、さまざまな形で情報発信を行い、エンドユーザーとのつながりを効果的に構築しています。さらに、地域密着型のポータルサイトであるため、SNSとの相性が良く、地元のフォロワーに対してダイレクトにアプローチできる点が、他の一般的なポータルサイトとの差別化ポイントとなっています。

ーどのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

2014年9月、石川県で地域密着型サービスとして事業を開始しました。収益が黒字化したタイミングで、そのノウハウを他地域にも展開していきました。当初から全国展開を目指していたわけではなく、取引先や関係者からの紹介を通じて、少しずつ活動範囲を広げていきました。

M&Aを検討したきっかけ

ー譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。

当社では、グループの再編と事業承継という2つの大きな課題を抱えており、それがM&Aを検討するきっかけとなりました。
代表が70歳を超えた頃から課題が顕在化し、コロナ禍の影響で業績が低迷する中、何度もグループ全体の経営について話し合う機会を設けてきました。しかし、事業承継の問題を先送りする状況が続き、会社の将来的な継続が難しくなる懸念がありました。そこで、第三者の資本やノウハウを持つ企業と提携し、支援を受ける選択肢を真剣に検討するようになりました。

ーご検討を進められる上で、ご希望や大事にされた条件を教えてください。

当初の希望条件としては、グループ再編と社員の雇用継続を挙げていました。しかし、グループ再編については現実的に難しいと判断し、「社員の雇用継続」と「社員を大切にしてくださる企業様であること」を最優先事項としました。また、社員の働き方が大きく変化することは避けたいと考え、事業シナジーがあるかどうかについても重要な検討ポイントとしました。

M社様との出会い

ー最終的にM社様への譲渡をご決断されましたが、M社様の印象や譲渡を決められた理由を教えてください。

オーナーは譲渡後に勇退し、私が譲渡後のMiraieCompanyの経営を引き継ぐ予定となっていました。そのため、M社様であれば経営的な視点から多くを学べると感じました。また、社員の雇用や待遇を尊重していただき、これまで通りの運営が継続できる点が非常に魅力的でした。さらに、地理的な近さもあり、経営者様と直接お話できたことが大きな決め手となりました。昨今ではオンラインでのトップ面談も一般的ですが、直接お会いして話すことで得られる信頼感は特別だと考えています。

ー譲受企業様と物理的に距離が近いというのもポイントになりましたか。

そうですね。何か問題が起きた際に、すぐに連携や相談ができる環境は、事業成長のスピードを高める上でも非常に重要だと感じています。その点で、距離の近さは非常に良かったと考えています。

今後への思い

ー今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

グループ会社から独立して経営を行うことで、会社の存在意義や役割を改めて見つめ直す良い機会となりました。これまでは1年単位の短期的な計画にとどまっていましたが、行動目標やKPIを明確に設定した3ヵ年計画(中期経営計画)を策定するようになりました。経営方針として大きな変化はありませんが、社員に「M&Aをして良かった」と思ってもらえる環境を作ることが何より重要だと考えています。社員が会社や仕事に誇りを持てるよう、全力で取り組んでいきたいと思っています。

ー3ヵ年計画の具体的な目標を教えてください。

「イエタッタ」はサブスクリプション型のストックビジネスモデルとして成長してきました。また、相談カウンター事業や販促支援事業といったスポット型ビジネスの割合も拡大しています。このような状況を踏まえ、3年後には現在の2倍の粗利益を達成することを目標としています。そのために、具体的な施策をスケジュールに細かく落とし込み、計画を進めています。目標を達成することで収益の向上と経営の安定を図り、さらに社員にしっかりと還元できる企業を目指していきたいと考えています。

M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

ー譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。

日本では事業承継の課題が深刻化しており、企業が廃業することは社会的な損失にもつながります。そのような状況において、企業間で連携し、シナジー効果を創出するM&Aは、これからますます重要な選択肢となるでしょう。M&A仲介会社は数多く存在しますが、それぞれ特徴が異なりますので、慎重に比較検討した上で、自社に適したパートナーを選ぶことが重要です。業界に詳しい信頼できるアドバイザーを選び、積極的に相談することをお勧めします。

最後に、M&A総合研究所についてお聞かせください。

ーM&A総合研究所にお任せいただいた理由を教えてください。また、弊社のアドバイザーのサポートはいかがでしたでしょうか。

M&A総合研究所様にご依頼したのは、非常に良いタイミングだったと感じています。M&Aを進める中で困難な局面がある場合、無理に進める必要はないと考えていました。しかし、そのような状況下でも担当アドバイザーの塚本様はIT業界の豊富な知識を活かし、丁寧に対応してくださいました。私から厳しい指摘があった場面でも最後まで粘り強く対応し、決して諦めることなくフォローしていただきました。段取りも的確で、スケジュール調整にも柔軟に対応していただいた結果、無事に成約を迎えることができ、心から感謝しております。

担当者からのコメント

塚本 航洋
今回のM&Aは北陸エリアにおける地域密着型の企業様同士のご成約事例となりました。譲渡企業のオーナー様が70代を超え、事業承継の課題を抱えておられる一方で、M&A後、代表取締役となる大海様はグループ再編と成長戦略の実現を目指しておられました。このように双方のご要望が非常に重要であり、妥協を許さない繊細なM&Aとなりました。 本件をご支援できたことを大変光栄に感じております。関係された皆様が今後さらに飛躍されることを心よりお祈り申し上げます。また、IT業界におけるM&Aは、専門的な知識と深い業界理解がなければ、両社のニーズを的確に満たすことは難しいものです。本件のように、多様なご要望にお応えできるご提案が可能ですので、今後もお気軽にご相談いただければ幸いです。
(会計提携第一部 マネージャー 塚本 航洋)

成約インタビュー一覧

M&Aアドバイザーのご紹介

M&A成約実績

過去にM&A総合研究所が、
M&A成約に導いた実績の一部をご紹介させていただきます。

※ 本ページには、成約時期に関わらず、過去に弊社がお手伝いさせていただいたお会社様の一部を掲載しております。

ご相談はこちら
(秘密厳守)