駐車場業界のM&A・買収・売却!相場、メリット、業界動向を解説!【事例あり】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

現在、駐車場業界では業界再編が進んでおり、大手企業を中心に積極的なM&Aが実施されています。本記事では、駐車場業界の現状やM&A動向、M&Aにおけるメリットや注意点、駐車場業界で実際に行われたM&A事例について解説します。

目次

  1. 駐車場業界とは
  2. 駐車場業界のM&A・買収・売却相場
  3. 駐車場業界のM&A・買収・売却動向
  4. 駐車場業界でM&Aを行うメリット
  5. 駐車場業界のM&A・買収・売却する際の注意点
  6. 駐車場業界のM&A・買収・売却事例
  7. 駐車場業界のM&Aを成功させるには
  8. まとめ
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1. 駐車場業界とは

駐車場業界とは、時間貸や月極の駐車場の経営や管理、および運営などを行う業界のことです。

特に、時間貸の駐車場は、都市部を中心に高い需要と市場規模の拡大が見込まれており、活発なM&Aが実施されています。

本章では、駐車場業界の定義や現状など、駐車場業界の基本情報について詳しく解説していきます。

駐車場業界の定義

駐車場業は、月極駐車場と時間貸駐車場の2種類に大別できます。月極駐車場は、特定の利用者と賃貸借契約を結び、利用者が毎月賃貸料を支払うタイプの駐車場です。

時間貸駐車場はコインパーキングと呼ばれる駐車場を指し、不特定多数の利用者が空いているスペースに車を停め、時間に応じた利用料を支払うシステムになっています。

時間貸駐車場には、タイムズ・三井のリパーク・ナビパークなどを運営する大手企業に加えて、中小企業や個人事業主などが参入しています。また、時間貸駐車場と月極駐車場を併設した駐車場もあります。

駐車場業界の現状

駐車場業界を取り巻く環境は、若者の自動車離れや少子高齢化、道路交通法改正などの影響を受けて、時代とともに変化を続けています。現在は、都市部のコイン式駐車場を中心に市場規模の拡大が期待されています。

【駐車場業界の現状】

  1. 大都市部の駐車場が不足している
  2. 地方では小型のコイン式駐車場が増加
  3. カーシェア需要の拡大

1.大都市部の駐車場が不足している

東京・大阪・名古屋などの大都市部には、コイン式駐車場が不足しているエリアがあります。というのは、ビルなどが林立し、駐車場となるスペースが少ないためです。

その結果、都心部の駐車料金の高騰路上駐車の増加、また、それに伴う交通渋滞などを引き起こす一因となっています。

駐車場となる土地が少ないため、立体駐車場や機械式の駐車場などを活用して、少ないスペースにより多くの車を収容できる工夫などがなされていますが、根本的な解決には至っていません。

2.地方では小型のコイン式駐車場が増加

駐車場事業は賃貸アパートなどとは異なり、初期費用も少なく狭い場所でも運営できるため、遊休地の活用を目的に気軽に経営することができます。

特に地方では、子供世代が都市部に居住し、親世代の住む地方の家や土地を必要としないケースが増えています。

相続した土地を駐車場にすることで多少なりとも利益を上げることができるため、地方ではコイン式駐車場が増加しています。

3.カーシェア需要の拡大

税金・駐車場代・ガソリン代などの自動車にかかる維持費が高いことや、自動車や環境意識の変化などが要因となり、公共交通機関が発達した都心部ではカーシェアの需要が拡大しています。

カーシェアとは、利用者で車を共有するサービスのことです。子供送り迎えに短時間だけ利用したり、週末の外出に利用するなどレンタカーよりも手軽に利用でき借りることができ、車を保有するよりも費用が安いため、カーシェアの市場規模は右肩上がりとなっています。

2. 駐車場業界のM&A・買収・売却相場

駐車場事業を展開する会社のM&A・買収・売却相場は、企業の規模や経営状況、企業価値の算出方法、M&A手法などにより大きく異なります。

多くの駐車場を運営しており経営も堅調な企業は企業価値が高いため、買収には多くの資金が必要になる一方で、経営が芳しくない企業は少ない資金でも買収が可能となります。

例えば、資本金1000万円、純資産1億3700万円の駐車場を管理・運営を行う会社が、2017年に6600万円で株式譲渡されたケースがあります。

しかし、譲渡価額が公表されていないM&Aが大半であるため、駐車場業のM&A相場や自社の評価額などの詳細は、M&A仲介会社などの専門家への相談が必要不可欠といえるでしょう。

【関連】M&Aの譲渡価格の相場はいくら?決め方を解説!

3. 駐車場業界のM&A・買収・売却動向

近年、市場規模拡大が期待されている駐車場業界では積極的なM&Aが実行されていますが、どのような目的のM&Aが増加しているのでしょうか。この章では、駐車場業界のM&A動向について詳しく解説します。

【駐車場業界のM&A・買収・売却動向】

  1. カーシェア需要の拡大が影響しM&Aの増加
  2. 駐車場確保のためのM&Aも目立つように
  3. 市場が徐々に動き始めM&Aも活発に

1.カーシェア需要の拡大が影響しM&Aの増加

一般的に、カーシェアサービスでは、コインパーキングの一区画を利用して車両を駐車しています。そのため、カーシェア事業拡大を目的とするカーシェア用駐車場確保のためのM&Aが実施されています。

カーシェアの需要は大きく拡大しており、2019年の市場規模は2013年と比べて約3倍ほどに伸びています。

しかしながら、カーシェア用の車両台数は2019年の時点で4万台に満たず、全体の車保有台数が約6000万台であることを鑑みると、まだ大きな市場とはなっていません。

これは、まだまだ市場拡大の余地があるということであり、今後はカーシェア市場拡大を期待した駐車場業界のM&Aが増加することが見込まれています。

2.駐車場確保のためのM&Aも目立つように

駐車場事業を拡大するためには、新しく駐車場として利用できる土地を探し、土地オーナーと交渉して合意を得た後に、アスファルト工事や駐車場設備の導入を経て駐車場オープンとなります。

時間もコストもかかりますが、土地が小さければたったの数台分の駐車場にしかならないということも多々あります。

しかし、駐車場を管理・運営する同業の会社をM&Aすれば、土地を探したり、土地のオーナーと交渉する手間が省けるうえ、一気に多くの駐車場を確保できるため非常に効率的です。

そのため、駐車場事業の拡大には、同業をM&Aするケースが目立つようになっています。土地のオーナーとしても、有名なコインパーキングの方が集客を望めるため、M&Aに積極的な姿勢をとる場合が多くなっています。

3.市場が徐々に動き始めM&Aも活発に

新しいサービスであるカーシェアの市場規模拡大に加えて、公共施設・病院・ショッピングセンターなどのような大型施設の駐車場を一括で受託・管理するビジネスも始まっています。

このような新しい動きは市場が活発な証拠でもあるため、他業界からの参入や同業間での業界再編を助長し、駐車場業界での活発なM&Aを後押ししています。

駐車場市場の拡大と市場の新しい動きに伴い、今後も積極的なM&Aが実施されることが見込まれています。

4. 駐車場業界でM&Aを行うメリット

市場の拡大とともに駐車場業界では積極的なM&Aが実施されていますが、駐車場業をM&Aすることでどのようなメリットを享受することができるのでしょうか。

この章では、売り手側と買い手側それぞれの立場から、駐車場業のM&Aを行うメリットについて詳しく解説します。

売り手のメリット

駐車場業を営む会社が売り手側の場合、M&Aの目的には、不採算部門の整理や事業承継などがあります。また、M&Aのメリットは以下のような点を挙げることができます。

【売り手のメリット】

  1. 大手傘下に入ることでブランド力を強化できる
  2. 従業員の雇用を確保できる
  3. 人材が集まりやすくなる
  4. 売却益を獲得できる

1.大手傘下に入ることでブランド力を強化できる

買い手企業が大手であれば、M&Aにより大手傘下に入り、ブランド力を強化することができます。

駐車場業界では、ブランド力は集客力に直結する部分でもあるので、結果的に売り上げの増加につながり、会社として大きなメリットとなります。

また、事業譲渡の場合には、駐車場の土地のオーナーの同意が必要となりますが、買い手企業が大手であれば、オーナーとしてもメリットがあるので、容易に承認が取れる傾向にあります。

2.従業員の雇用を確保できる

経営不振による事業の撤退や会社の倒産、後継者不在による廃業など、経営の継続が難しい企業では、従業員を解雇しなければならないケースもあります。

しかし、M&Aにより事業譲渡や株式譲渡を行えば、売り手企業で働く従業員の雇用を確保することができるため、従業員を想う経営者には大きなメリットとなります。

ただし、契約内容によっては従業員の処遇が悪かったり、M&Aにあたって従業員の解雇を求めるケースもあるので、交渉を進める際は注意が必要です。

3.人材が集まりやすくなる

M&Aにより大手の傘下に入ることができれば、資金力を活用して事業を安定させることが可能になり、ひいては会社の知名度や価値が上がることにもつながります。

その結果、新卒や中途採用での人材確保が容易になるというケースもあります。少子高齢化や人口減少などの影響で、どの業界も人材確保が難しくなっている状況にあるため、人材確保は経営者にとって大きなメリットです。

4.売却益を獲得できる

M&Aの売り手側企業は、会社売却や事業売却により売却益を得ることができます。M&A後に引退して売却益で生活したり、売却益を利用して新しい事業にチャレンジすることも可能です。

負債の取扱いはM&Aのスキームによっても異なりますが、負債が残っている場合は売却益で負債を返済することもできるため、廃業や倒産するよりは大きなメリットがあります。

買い手のメリット

次に、駐車場業界のM&Aにおける買い手側のメリットを解説します。買い手企業は、M&Aのメリットを活かし、事業の拡大や新規事業への参入を図っています。

【買い手のメリット】

  1. 短期間で規模の拡大ができる
  2. 投資コストを抑えられる
  3. スケールメリットの恩恵を受けやすくなる

1.短期間で規模の拡大ができる

M&Aを行うことで、短期間での会社規模や事業拡大、新規事業への参入ができるため、買い手にとって大きなメリットとなります。

駐車場業界では、ゼロから新しい駐車場をオープンするまでに、土地探しや土地のオーナーとの交渉、機器類の導入など時間もコストもかかりますが、土地が小さければ数台分の駐車場にしかならない場合もあります。

しかし、M&Aで同業を買収すれば、一気に駐車場数を増やし、規模を拡大することができます。新規事業への参入も同様に、ゼロからの参入と比べて圧倒的に時間を削減でき、ノウハウなども手に入れることができます。

2.投資コストを抑えられる

M&Aにより駐車場事業を買収した場合、ゲートやロック板・精算機・照明などがすでに設置されているため、設備コストを抑えることができます。

一方で、更地から駐車場にする場合には、アスファルト舗装費用や機器設置費用がかかり、例えば100坪のアスファルト舗装の時間貸駐車場を作る場合、舗装費用と機器設置費用で約350万円がかかります。

駐車場の種類や土地のサイズなどによって費用は大きく異なりますが、M&Aを行えばすでに稼働している駐車場を利用できるため、これらの費用を削減することができます。

3.スケールメリットの恩恵を受けやすくなる

M&Aにより管理・運営する駐車場を増やすことで、スケールメリットを活かし、初期投資や間接費用の削減を行うことができます。

例えば、オープン時の機器設置費用や舗装費用などは、土地面積や機器発注数量が多ければ安くなる傾向にあるため、スケールメリットを享受できるポイントとなります。

初期の設備投資費が少なくなれば、駐車料金も安く設定でき、コスト競争で有利になります。

間接費用には、減価償却費・賃借料・保険料・修繕費・光熱費・通信費などが含まれます。賃借料や光熱費など削減が難しいものもありますが、修繕費などスケールメリットを活かして削減できるコストもあります。

【関連】M&Aのメリット・デメリットを徹底解説!【大企業/中小企業事例あり】

5. 駐車場業界のM&A・買収・売却する際の注意点

駐車場業界のM&Aでは、相手企業や市場の分析、土地の契約状況の調査などが必要であり、成功させるのは簡単なことではありません。

では、満足のいくM&Aを成功させるためには、どのような点に注意を払えばいいのでしょうか。ここでは、売り手側と買い手側、それぞれの注意点を解説します。

売り手の注意点

まずは売り手の注意点について解説します。M&Aにより従業員を守りながら、より高い価額で会社を売ることが大きなポイントになります。

【売り手の注意点】

  1. 買い手企業をきちんと調査する
  2. 従業員の流出やモチベーションの低下を防ぐ
  3. 不動産市況や地価に注目する

1.買い手企業をきちんと調査する

社風や企業風土、経営方針など買い手企業のことをきちんと調査することは、事業や従業員を守るために非常に重要です。

売り手企業の経営者は、M&A後に自らが経営してきた事業や大切な従業員が、これまで通り継続することを望んでいます。

もし、社風や企業風土、経営方針が大きく異なっていれば、M&A後に従来通りの事業を行うことができなくなったり、従業員同士の衝突を引き起こす可能性もあります。

M&A後に、このようなトラブルやリスクを避けるためには買い手企業のことをきちんと調査することが必要不可欠です。

2.従業員の流出やモチベーションの低下を防ぐ

従業員の流出やモチベーションの低下は、M&Aにおける会社の価値を落とすことになるため、防がなければなりません。というのは、駐車場業界でのM&Aにおいて従業員は会社の大きな価値となるためです。

勤めている会社がM&Aにより売却されるということは、従業員にとっては非常に大きな出来事です。M&A後に雇用が継続されるのか、処遇が悪くなるのではないか、異動や転勤があるのではないかなど、さまざまな不安を抱えています。

それらの不安を解消して従業員の流出やモチベーションの低下を防ぐためには、会社の状況やM&A後のことなどを従業員に丁寧に説明し理解を得る必要があります。

3.不動産市況や地価に注目する

土地を保有または賃貸して駐車場を経営する駐車場業では、不動産市況や地価に注目することで、よりよいタイミングでのM&Aが可能となります。

例えば、不動産業が好況の時はビルやマンションなどの不動産開発が進むため、駐車場となる土地を探すことが難しくなります。

そのため、駐車場業を拡大したい企業が駐車場数を増やすためにM&Aを実施する傾向にあり、より高い評価額でのM&Aを期待することができます。

買い手の注意点

次に、買い手側の注意点につい解説します。買い手は、目的に合ったM&AとすることやM&A後のスムーズな経営などが大きなポイントになります。

【買い手の注意点】

  1. シナジー効果をきちんと分析する
  2. 土地の所有者や契約状況を把握する
  3. 駐車場法にも注意が必要

1.シナジー効果をきちんと分析する

M&Aにより得られるシナジー効果を分析することはM&Aの成否のカギとなり、M&A後の経営に大きな影響を与えることになります。

駐車場業界のM&Aにおけるシナジー効果としては、スケールメリットや投資コストの削減・事業拡大による収益増加・従業員の確保・節税効果などがあります。

どのようなシナジー効果を得たいかはM&Aの目的によって異なりますが、目的に合ったシナジー効果を得ることができるかどうかに注目して分析することが、駐車場業界でのM&A成功の大きなポイントになります。

【関連】M&Aのシナジー効果とは?シナジー効果の事例5選!

2.土地の所有者や契約状況を把握する

M&A後にスムーズに事業開始し安定した収益を得るためには、駐車場として利用している土地のオーナーや賃貸借契約の内容をきちんと把握することが重要です。

契約期間や契約条件などには、土地のオーナーの意向が強く反映されるため、イレギュラーな内容が契約に含まれている可能性があります。

例えば、1年後に契約期間が切れ、更地にして返却するなどの条件があれば、収益が上がる前にコストをかけて土地を更地に戻して返却しなければならず、大きな損失となります。

このような事態にならないように、事前に契約状況をしっかり確認することが重要です。

3.駐車場法にも注意が必要

売り手の保有する駐車場のなかに、駐車場法により届出や申請が必要なものがある場合は、M&A後に新しい会社として届出が必要になるケースもあるため注意しなければなりません。

届出が必要にもかかわらず怠っていると駐車場法違反となり、是正処置や罰金が科せられる可能性もあります。

ただし、M&Aの手法によって届出が必要かどうかは異なります。例えば、会社を丸ごと売却する株式譲渡の場合には届出は必要ありません。一方で、事業の一部を売却する事業譲渡では、買い手企業による届出が必要となります。

6. 駐車場業界のM&A・買収・売却事例

時間貸の駐車場を運営する会社を中心にM&Aが活発に行われている駐車場業界ですが、実際にはどのような会社がM&Aを行っているのでしょうか。

本章では、2014年以降に駐車場業界で実施されたM&A事例について、目的や取得価額など詳しく解説します。

1. 東京建物によるマオスの完全子会社化

東京建物Website

出典:https://tatemono.com/

2015年、東京建物株式会社は、東京都西部および神奈川県を中心に駐車場事業を展開する株式会社マオスの全株式を取得し、完全子会社としました。

M&A実行当時、マオスとマオスの完全子会社である株式会社新総企は、「J.PARK」および「フレンドパーク」のブランド名で600以上の駐車場を管理・運営していました。

一方で、東京建物は「NPC」ブランドで駐車場を展開する日本パーキング株式会社を2011年に買収しており、東京建物グループとして駐車場事業の拡大を図っているところでした。

マオスの完全子会社化により、東京建物グループは、駐車場事業の拡大や管理・運営の効率化、営業力の強化など、さまざまなシナジー効果を得ています。

2. 大和ハウス工業によるトモの子会社化

大和ハウス工業Website

出典:https://www.daiwahouse.co.jp/

2014年、大和ハウス工業株式会社は、駐車場経営や駐車場機器設備の販売を行う株式会社トモの株式を取得し子会社化しました。

トモは、デパートや病院のような大きな施設に併設された大規模駐車場の管理・運営にノウハウをもっています。

一方の大和ハウス工業は、子会社である株式会社ダイヨシトラストが小規模の駐車場を運営しており、ダイヨシトラストとトモの相乗効果を期待してのM&Aでした。

本M&Aの後、2015年には、トモとダイヨシトラストの経営統合を実施し、大和ハウス工業グループとして、更なる駐車場事業の強化を図っています。

3.テクニカル電子によるタキザワ企業の完全子会社化

テクニカル電子Website

出典:https://www.technical-e.jp/

2017年、駐車場の管理・運営や駐車場精算機の開発・販売を行うテクニカル電子株式会社は、新潟県を中心に駐車場事業を展開する株式会社タキザワ企業の全株式を取得し、完全子会社化しました。

新潟で高い知名度を誇るタキザワ企業の買収により、事業の拡大と企業価値の向上を図ることを目的としたM&Aでした。

大和ハウス工業は同時に、タキザワ企業が管理・運営する駐車場の不動産を所有する株式会社アスパイアホールディングスの全株式も取得しています。

取得関連費用を含めた株式取得価額は、タキザワ企業が6600万円、アスパイアホールディングスが4億9900万円でした。

7. 駐車場業界のM&Aを成功させるには

駐車場業界のM&Aを成功させるためには、相手企業や市場の分析、土地の契約状況の調査などをしっかり行う必要であります。

また、M&Aの契約完了までには、デューデリジェンスや表明保証、基本合意契約などさまざまな手続き・工程があり、経営を継続しながら独自に進めることは容易なことではありません。

書類の不備や調査不足は、M&A後の損失や損害賠償などのリスクとなる可能性もあるため、満足のいくM&Aを実現させるためには専門家のサポートはおすすめでしょう。

M&A総合研究所は中小・中堅規模のM&Aを取り扱っており、さまざまな業種で成約実績を有しております。案件ごとに専門的な知識を持つM&Aアドバイザーが就き、ご成約までをフルサポートいたします。

料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)となっており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも完全無料です。

無料相談はお電話またはWebより随時お受けしております。駐車場業のM&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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8. まとめ

現在、駐車場業界では、地方の小さな駐車場運営会社にもM&Aの波が押し寄せており、大手企業による業界再編が進んでいます。
 
この動きは今後も続くと予測されるため、駐車場業界のM&Aを検討している場合は、業界・M&A動向に注視していく必要があるでしょう

【駐車場業界の現状】

  1. 大都市部の駐車場が不足している
  2. 地方では小型のコイン式駐車場が増加
  3. カーシェア需要の拡大

【駐車場業界のM&A・買収・売却動向】
  1. カーシェア需要の拡大が影響しM&Aの増加
  2. 駐車場確保のためのM&Aも目立つようになっている
  3. 市場が徐々に動き始めM&Aも活発に

【売り手の駐車場業界でM&Aを行うメリット】
  1. 大手傘下に入ることでブランド力を強化できる
  2. 従業員の雇用を確保できる
  3. 人材が集まりやすくなる
  4. 売却益を獲得できる

【買い手の駐車場業界でM&Aを行うメリット】
  1. 短期間で規模の拡大ができる
  2. 投資コストを抑えられる
  3. スケールメリットの恩恵を受けやすくなる

【売り手の注意点】
  1. 買い手企業をきちんと調査する
  2. 従業員の流出やモチベーションの低下を防ぐ
  3. 不動産市況や地価に注目する

【買い手の注意点】
  1. シナジー効果をきちんと分析する
  2. 土地の所有者や契約状況を把握する
  3. 駐車場法にも注意が必要

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