成約インタビューM&A事例

飲食業のM&A事例【東京都】

“人と空間”でつながるM&A
異業種同士の新たな可能性

  • 譲渡企業

    ストックホルムロースト株式会社

    業種
    飲食業
    地域
    東京都
    売上
    非公開
    社長の年齢
    40代
    譲渡理由
    事業成長、バックオフィス機能の強化
  • 譲受企業

    株式会社リエイグループ

    業種
    企業・法人福利厚生サービス、介護総合サービス
    地域
    千葉県
    売上
    197億円以上
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    「食」事業の強化

この度、ストックホルムロースト株式会社様と、株式会社リエイグループ様とのM&Aが成立いたしました。
譲受企業様に、M&Aを決意した背景や今後へのビジョンについてインタビューいたしました。

【譲渡企業】ストックホルムロースト株式会社
本社:東京都
事業内容:丸の内・大手町などのオフィスビル内や、兜町・みなとみらいなどでカフェを展開している。

【譲受企業】株式会社リエイグループ
本社:千葉県
事業内容:企業福利厚生施設等への各種給食・冷凍ピザ販売、各種介護サービスを中心に事業を展開している。

―両社が挑む、ホスピタリティの新たなかたち

■インタビュー
譲受企業:株式会社リエイグループ 専務執行役員 椛澤 優奈 氏/シニアマネージャー 佐藤 明彦 氏

"食と介護の生活サービス"をテーマに事業展開してきたリエイグループが、今回新たに譲り受けたのは、都内のオフィスビル内に店舗を構えるカフェ「ストックホルムロースト」だった。一見すると接点が少ないように見える両社のM&A。その背景と今後のビジョンについて、リエイグループの椛澤専務とシニアマネージャーの佐藤氏に話を伺った。

「人の温もり」を軸に広がる事業ドメイン

リエイグループは1972年、銀座でのレストラン事業から始まり、その後、食と介護の生活サービスを標榜して"人の温もり"をサービスのベースにしながら事業領域を広げてきた。現在ではグループ全体で4,300名以上が働き、労務集約型のサービス業を支える体制を整えている。事業の核には常に「生活に寄り添うホスピタリティ」があり、ライフスタイル全般を支えるサービス提供を目指している。

“冷凍”が導いた、新たな事業シナジー

M&Aを検討するきっかけとなったのは、リエイグループ内にあるフードサービス事業とのシナジーだった。

「グループ内には、冷凍ピザをはじめとした冷凍食品の製造・販売を行う会社や、冷凍弁当・冷凍食材の提供に強みを持つ会社があります。そこで、現場の人手不足を補う手段として、“冷凍”というキーワードに着目しました」と椛澤氏は語る。

省人化が求められる社会環境の中で、“おいしい食”と“効率性”を両立できる可能性に着目し、そこからM&Aを通じた展開を模索し始めたという。

“ホスピタリティの空気感”がつないだご縁

今回のM&Aで、リエイグループが新たなパートナーに選んだのは、丸の内・大手町などのオフィスビル内や兜町・みなとみらいなどでカフェを展開している「ストックホルムロースト」。コーヒーだけでなく、空間とサービス全体で顧客に価値を提供することに重きを置く企業だ。

「『私たちは空間屋である。コーヒーは空間を彩る一要素』という代表の考え方に、共感しました。単なる商品提供ではなく、居心地のよい空間づくりを目指している点が、当社の“ホスピタリティ”と深く通じ合う部分でした」(椛澤氏)

従業員の接客レベルも高く、スタッフの一人ひとりが顧客に寄り添う姿勢にも共鳴したという。

サービスの可能性を“補完し合う”関係に

ストックホルムローストさんは、非常に高いレベルのサービスを提供されており、信用度も高いと感じました。小規模だからこそ実現できていた丁寧な顧客対応や提案力は、当社にとっても学びが多いものでした」(椛澤氏)

加えて、その明確なサービス設計は、社内の複数部門とも連携しやすく、提案の幅を広げる材料になるという。

「ストックホルムローストの持つDNAを大切にしながら、リエイグループのカルチャーも融合させて、今後はさらに事業を拡大していきたいと考えています」と佐藤氏は語った。

M&Aは“共感とシナジー”が鍵

今後もM&Aを事業戦略の一つとして検討していく方針だが、そこには明確な基準がある。

「グループが展開する企業福利厚生サービス事業、介護総合サービス事業に対して、シナジーが見込めるか。事業領域が少し違っていても共感できるお相手であれば、積極的にご一緒したいと考えています」(佐藤氏)

異業種であっても、相手の強みをグループ全体で活かせる可能性があれば、広く門戸を開いていくスタンスだ。

「M&Aには、100通りの理由がある」

M&Aを検討する経営者様に向けて、佐藤氏はこう語る。

「M&Aには100件あれば100通りの事情があります。誰かの成功例が、自社にそのまま当てはまるとは限りません。だからこそ、まずは自社の背景や目的をしっかり整理してから動き出すのが良いと思います」

“正解のない選択”だからこそ、自分の価値観や会社の未来をどう捉えるかが大切だと語る。

“人に寄り添う”アドバイザーの力

今回のM&Aを支えたM&A総合研究所のアドバイザー・姜について、佐藤氏はこう語る。

譲受企業としてはプロフェッショナルな視点を求めつつ、譲渡企業に対してはとても丁寧で温かい対応をされていたのが印象的でした。はじめてM&Aに取り組む譲渡企業にとって、姜さんの存在は大きかったと思います」。

また椛澤氏は、複数の困難な局面を乗り越えられたのは、「粘り強い調整力と熱意」のおかげだったとし、さらにこう続ける。

両社にしっかり寄り添った対応で、仕事としての枠を超えた親身さを感じました。説得力があり、つくろっていない自然体の姿勢がとても心地よかったです。3社で面談した際にも、ざっくばらんに話せる雰囲気を作ってくれたことが、特に印象に残っています」。

―暮らしに寄り添う、その一歩をともに

ライフスタイルと空間を支える両社が出会ったことで、新たなサービスの可能性が広がった今回のM&A。
その裏には、「誰と組むか」「どんな価値を届けるか」にこだわった、リエイグループの誠実な選択があった。
このM&Aがもたらす変化は、単なる事業の拡張ではなく、暮らしの中の“心地よい時間”を支えるサービスの未来を描いていく一歩となるだろう。

担当者からのコメント

姜 瑞賢
今回のオーナー様は40代と、M&Aをご検討される方の中では比較的お若く、単独で事業を継続する選択肢も十分にございました。しかし、将来に向けて組織力をより強固なものにし、従業員への還元やお客様へのサービス品質を維持向上させたいという強い思いから、今回のご相談をいただきました。 特に印象的だったのは、リエイ様とオーナー様が初めてお会いになった日から、両社の代表が意気投合され、M&Aが成立したその先の未来図について熱く語り合われていたことです。今回の成約により、従業員の雇用が守られることはもちろん、両社の既存のお取引先様に対しても、さらなる付加価値提供が実現する大きなきっかけとなることを、担当者として大変誇りに感じております。
(企業情報第十本部第二部 シニアマネージャー 姜 瑞賢)

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