成約インタビューM&A事例

運送・物流業のM&A事例【神奈川県】

規模拡大と関東進出の夢を乗せて
安定と成長への一歩を踏み出したM&A

  • 譲渡企業

    ミエ梱包倉庫合同会社

    代表取締役社長

    前田 正浩 様

    業種
    運送・物流業
    地域
    神奈川県
    売上
    約1億円
    社長の年齢
    50代
    譲渡理由
    後継者不在・事業成長
  • 譲受企業

    東洋ロジテム株式会社

    代表取締役社長

    赤星 雄二 様

    業種
    運送・物流業
    地域
    愛知県
    売上
    約20億円
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    事業成長

衣類などの流通加工や発送代行を手掛けるミエ梱包倉庫合同会社が、物流センター運営や運送業を営む東洋ロジテム株式会社への譲渡を決断した。後継者不在と人手不足という課題に直面し、事業の継続を真剣に考えた売り手側の前田正浩代表と、会社の成長を願ってM&Aを検討していた買い手側の赤星雄二代表。お互いの「人柄」に惹かれた両社の想いと、決断の背景を伺った。

【譲渡企業】ミエ梱包倉庫合同会社(現:湘南東洋ロジテム株式会社)
本社:神奈川県
事業内容:衣類などの流通加工や発送代行、貨物利用運送事業などを行っている。

【譲受企業】東洋ロジテム株式会社
本社:愛知県
事業内容:共同配送などの運送や物流センターの運営、倉庫保管や流通加工を行っている。

譲渡企業
ミエ梱包倉庫合同会社
代表取締役社長 前田 正浩 様 インタビュー

大手が手を出さない細やかな仕事が強み

ーまず、御社の創業の経緯と、事業内容ついて教えてください。

最後に勤めていた会社の退職を機に、以前からお付き合いのあった業者さんから「ひとりでやってみたら?」とお声がけいただいたのをきっかけに創業しました。当初は流通加工のみで事業をスタートし、約5年前に運送業も開始しました。現在は、衣類などの流通加工や発送代行、貨物利用運送事業などを手掛けています。大手企業が手を出しにくいような細々とした業務を、当社のスタッフが丁寧にこなしていく形で事業を続けてきました。
お客様の困りごとに寄り添い、できる限りのお手伝いをするという気持ちで、日々の仕事を積み重ねています。

事業継続と人手不足の課題

ー譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。

事業を今後も継続していくにあたり、後継者不在と、人手不足の深刻化という課題に直面していました。これまでの事業規模では将来に大きな不安を感じたので、M&Aという選択肢を考えてみようと決意しました。

従業員の継続雇用が最優先事項

ー検討を進められる上で、希望や大事にされた条件を教えてください。

一番大事にしていたのは、従業員たちがこの先も継続して働けることです。また、従業員を増やしていけたら、そして事業所の規模ももう少し広げていきたい、という希望もありました。

直感で「いいな」と感じた人柄

ー最終的に東洋ロジテム様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。

一番はじめにお会いした時の直感で「いいな」と感じました。運送業界の方は「とがっている」方が多い印象でしたが、赤星社長をはじめとした経営陣の皆様は反対に、非常に柔らかい人柄で安心しました。お話していくうちに「いい意味で運送屋さんじゃない」と感じたことが決め手となりました。

ー今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

今までは経営に不安定な部分も多かったのですが、M&Aによって安定に向かうことを期待しています。今後のビジョンとしては、赤星社長や三浦部長の構想にできるだけ沿って動いていけたらと考えています。

仲介会社選びがM&A成功の鍵

ーM&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。

M&Aを検討する際は、間に立っていただく仲介会社をしっかり選ぶことが大切だと思います。また、譲渡する側の意見をどこまで聞いていただけるのかを注意深く見極めていくことが重要だと感じました。

最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください。


最終的にM&A総合研究所様に依頼した理由は、最初のステップで、弊社の内情を細かく深く知ろうとしてくださった点に尽きます。
色々な数字や、本当に細かいところまでしっかりとヒアリングしていただき、その上で「どう進めるか」という話を組み立ててくれた。このプロセスが非常に安心感がありました。

譲受企業
東洋ロジテム株式会社
代表取締役社長 赤星 雄二 様インタビュー

親会社の物流部門が独立

ーまず、御社についてご紹介いただけますでしょうか。

当社の創業は1998年で、親会社である太田油脂株式会社の物流部門が独立してできた会社です。事業内容は運送業や物流センターの運営、倉庫保管、流通加工など物流全般を幅広く手掛けています。

高い参入障壁が強み

ー御社の強みについて教えてください。

運送部門における他社との差別化が一番の強みです。親会社が扱っている油を絞った後の油粕は、家畜の飼料となるのですが、これを運送する会社が少ないため、高い参入障壁になっています。それに加えて、一般貨物の配送や倉庫運営なども手掛けているため、総合的な物流業務を請け負えることも強みです。

ーM&Aを検討されたきっかけを教えてください。

売上高が伸び悩んでいたことがきっかけです。何かをきっかけに化学反応を起こし、会社がさらに成長できることを願って、3年ほど前から、本格的にM&Aを検討し始めました。

経営者の「人柄」と誠実さ

ー最終的にミエ梱包倉庫様を譲り受けされた理由を教えてください。

決め手は3つあります。1つ目は、経営者の人柄が良かったこと。2つ目は、譲渡後も経営に携わっていただけるという意思をお持ちだったこと。3つ目は、小さいながらも経営状況がしっかりしていたことです。中でも、やはり前田社長の人柄が一番の理由です。話す言葉の一つひとつを噛みしめるように話される姿や、常に真剣な表情でお話される姿を見て、とても誠実な方だと感じました

関東への拠点進出も視野に

ー今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

現在は愛知県だけで事業を行っていますが、将来的には関東への進出も視野に入れています。今後は数年かけて各地域に当社のブランドを築き上げ、点から面へと営業活動を展開していきたいと考えています。

異業種へのM&Aも視野に

ー今後、事業展開の一つとしてM&Aを活用されることはありますか?

物流業界だけでなく、荷主となる会社を譲り受けたり、飲食業など全く異なる業種とのM&Aも視野に入れています。当社だけでなく、グループ全体でM&Aを活用し、事業を多角化していきたいと考えています。

譲り受けは「人柄」が全て

ーM&Aをご検討されている経営者様にメッセージをお願いいたします。

譲渡企業様へは、譲渡後の会社がどのように運営されていくのかをしっかり確認されることをお勧めします。譲受企業様へは、経営者の人柄が何よりも大事だということをお伝えしたいです。過去に複数社とトップ面談を行いましたが、前田社長ほど誠実な方はいませんでした。

最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください。


担当アドバイザーの橋本さんに何よりも感動したのは、最初から最後まで真摯に対応してくださったことです。こんなにも熱心に動いてくれる人がいるんだと心から思いました。難しい条件にも関わらず、決して諦めずにサポートしてくれた姿勢に、私たちは非常に感謝しています。それが、M&A総合研究所さんを信頼し、最終的にお任せした大きな理由の一つです。

後継者不在と人手不足という課題に直面し、事業継続の安定を求めたミエ梱包倉庫合同会社。一方、さらなる会社成長と事業領域の拡大を目指していた東洋ロジテム株式会社。同業種である両社のM&Aは、ミエ梱包倉庫の事業の安定化と従業員の未来を確実なものとし、東洋ロジテムには目標達成と次のステージへの飛躍の機会をもたらしました。互いのニーズと成長への意欲が、人柄への信頼のもとで結実した今回のM&Aは、両社にとって未来への力強い一歩となるでしょう。

担当者からのコメント

譲渡企業様は神奈川県にて流通加工業を営まれており、前田代表は、従業員様の安定した継続雇用を最優先に考えられ、潜在的な後継者不足の解消と安定的な事業成長のため、本件を決断されました。 東洋ロジテム株式会社様と出会い、赤星社長、三浦部長との初回のトップ面談から、ご両社は事業面の補完性だけでなく、お人柄に対するご印象が良く、理想的なパートナーシップが築かれることを感じました。 ミエ梱包倉庫合同会社様から、湘南東洋ロジテム株式会社様へ組織変更、社名変更され、今後企業として新たなフェーズへ向かって行かれるかと思います。担当アドバイザーとして、本件ご支援できましたことを心より光栄に思うと同時に、新体制を担われる皆様の躍進とご発展を、陰ながら応援させていただきます。
(提携本部 金融提携部 次長 橋本 龍吉郎)
橋本 龍吉郎

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