譲渡企業
医療機器卸売業 K社
代表取締役 N.S.様 インタビュー
高度医療機器の販売で創業
ーまず、御社の創業の経緯について教えてください。
今から8年前に創業しました。製薬会社での長期間にわたる勤務経験から、大学病院など多くの先生方とコネクションがありました。その人脈を活かし、同じ医療業界でも医薬品とは全く異なる、病院しか販売できないような高度医療機器を扱う会社を立ち上げたいと考えたのがきっかけです。お得意様である先生方から「このまま人生を終えるのはもったいない、人脈を活かして創業したら協力する」と大きなバックアップをいただいたことも、創業の大きな後押しとなりました。
全国の医療関係者との人脈が強み
―御社の事業内容と強みについて教えてください。
事業内容は高度医療機器販売貸与業と修理業です。麻酔科の先生方との繋がりが多かったので、最初は麻酔科向けのモニターやバイタルサインを監視する装置を扱い、現在では脳神経外科、心臓外科領域のコアな製品も扱っています。当社の強みは全国の医療関係者との深いつながりと販売実績です。新卒からずっと医療業界におりましたので、医療関係者とは数十年来の付き合いをしている方もいらっしゃいます。
販路拡大と手術室の施工が発展の柱

―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
創業1年目に、ある会社とタイアップして手術室4室の施工を担当しました。とても好評をいただき、現在も継続的に受注しています。また、特定の診療科だけでは販路が狭いと考え、脳神経外科や循環器内科、心臓外科といった領域へ製品を拡大しました。具体的にはMRI、CT、血管撮影装置や、脳外科向けの人工硬膜などの新製品の販売にも取り組み、現在もこれらが収益の柱となっております。
高齢とコロナ禍が後継者問題を加速
―譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。
私自身が高齢となり、真剣に後継者を探さないと会社が立ち行かなくなると考えたのが一つです。また、全国の著名な先生方とのお付き合いを活かし、一緒に事業を拡大できる会社とのM&Aなら大歓迎という気持ちが以前からありました。そして、コロナ禍の3年間で経営が大きなダメージを受け、銀行への返済や運転資金が枯渇したことも背景にあります。このリスクを回避し、資金的な支援を得て、より強靭な会社にしたいという思いで、今回のご縁を探すことになりました。
―検討を進められる上で、希望や大事にされた条件を教えてください。
まずは当面の運転資金を確保してバックアップしてくださる会社が前提でした。また、銀行債務についても、早急に支援してくれることを求めました。事業面では、異なる商品構成であっても、同じ業界で同じお得意様を持ち、同じような営業スタイルである会社を希望しました。さらに、社長のポリシーがしっかりとしており、将来のミッションを持って経営されている会社かどうかも重視しておりました。
役員の人柄とシナジー効果が決め手
―W社様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。
役員の方々が非常に良い雰囲気で、皆さんのお人柄が良かったという印象です。また、先方のメイン事業が弊社の領域と重複しないため、非常に大きなシナジー効果が期待できると考えました。何より、先方が弊社に関心を持っていただき、「素晴らしいビジネスをやられていますね」と評価してくださったこと、そして私の人脈も活用したいというお話をいただいたことで、両社の呼吸がぴったり一致したことが大きな決め手となりました。
新製品の販路拡大と相互協力
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
まずは両社が手を取り合い、お互いの目標を持ってビジネスを展開することです。弊社には今、新製品が多く舞い込んでおりますので、W社様にもそれらの商材を扱っていただき、彼らの営業力の幅が広がることを期待しております。逆に私も、W社様の商品販売に積極的に協力し、私の力の及ぶ限り販売の強化をさせていただきたいと考えています。相互に協力し、シナジー効果を最大化していきたいですね。

数年先を見据えた経営と仲介会社の選定
―M&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。
会社の立場や文化、業種はそれぞれ違いますが、経営者は社員やお得意様のために、会社の2年、5年先の育成をどのように考えていくかが非常に大事だと思います。日頃からお得意様を大切にお付き合いし、継続的な提案をしていくという、社員に対する社長の教育も重要です。そのような会社であれば、M&A総合研究所のような信頼できる仲介会社にお願いすることで、きっと良い結果が得られると信じております。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください。
今回、担当アドバイザーの森さんが、弊社の特徴や私の人柄を見て、責任を持って動いてくださいました。厳しい財務状況の中、森さんの提案能力と継続的なコミュニケーションで先方にご理解いただき、成約に至ったことに大変感謝しています。双方が納得いく条件を提示してくれた点も大きいです。
創業8年ながら確かな技術と強力なドクター人脈を持つK社と、新たな販路と商材を求めるW社。同じ医療機器販売を主軸とする二社の出会いは、お互いの弱みを補い、強みを活かし合う理想的なM&Aとなりました。K社代表の事業継続への強い責任感と、W社の戦略的な事業拡大への視点が見事に合致した結果と言えるでしょう。M&A後の相互協力による新製品の販売強化は、両社の更なる発展への期待を高めます。
担当者からのコメント
オーナー様はご高齢且つ後継者もご不在の状況であり、早く誰かに事業を引き継いで、後顧の憂いを断ち、さらに事業拡大をめざしたいというご相談を当初頂戴しました。今回、コロナ禍にて資金繰りが悪化し、直近の財務状況も悪い中、 譲受企業様は同業種だったこともあり、状況を初期段階からよくご理解いただき、ご決断もスピーディーに行っていただいたため、オーナー様のM&Aのストレスも最小限に進めることができました。 今回のご成約により、オーナー様の将来の不安を除くことができたこと、担当として心から嬉しく思います。
(企業情報本部 マネージャー/経営企画部 森 亮佑)
