成約インタビューM&A事例

保育園運営事業のM&A【愛知県】

社会福祉法人の事業承継
子どもたちの未来を繋ぐM&A

  • 譲渡企業

    社会福祉法人F

    理事

    I.N.様

    業種
    第二種社会福祉事業
    地域
    愛知県
    売上
    10~20億円
    社長の年齢
    75歳
    譲渡理由
    将来的な人材確保への懸念
  • 譲受企業

    特定非営利活動法人B

    業種
    児童福祉事業
    地域
    大分県
    売上
    30億円以上
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    事業拡大、保育理念への共感

丁寧な保育を理念とする社会福祉法人Fが、特定非営利活動法人Bへ保育園運営事業を譲渡された。時代と共に変化する保育ニーズと、本部機能の脆弱性という課題に直面した法人F。そして、教育事業とのシナジーを求めM&Aを決断した法人B。互いの理念と強みが響き合い、子どもたちの未来を最優先に考えたM&Aの背景を伺った。

【譲渡企業】社会福祉法人F
本社:愛知県
事業内容:愛知県内で保育園を運営している。

【譲受企業】特定非営利活動法人B
本社:大分県
事業内容:スポーツクラブ/幼稚園/児童発達支援・放課後デイサービスを運営している。

譲渡企業
社会福祉法人F
理事 I.N.様 インタビュー

国の子育て支援政策と共に始動

―まず、御社の創業の経緯について教えてください。

創業は約20年前、国が子育て支援に力を入れ始めたタイミングに、当時勤めていた建設会社の理事長が教育系の仕事をしていた関係で、ある地方自治体から法人設立のオファーがありました。会計に強いという理由で理事長に誘われ、事業を始めることになりました。当初はNPO法人で保育士の教育を手掛けていましたが、その後、社会福祉法人として保育園をスタートさせました。

理念に基づく丁寧な保育と高水準の人材配置

―御社の事業内容と強みについて教えてください。

理事長の理念に基づき、子ども主体で丁寧な保育を柱としています。強みは、保育士の配置基準よりも高い水準で人材を配置している点です。人件費のデメリットはありますが、理念実現のためには必要不可欠と考えています。また、理事長が教育関係者であるため、研修体制が充実しており、職員の質を高めている点も特長です。

待機児童問題の解決から始まった事業の拡大

―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

事業をスタートした後、中部地方の待機児童問題の解決に協力してほしいとの話がありました。これを機に、同エリアに事業が広がっていきました。関西地方にも運営している施設があり、こちらは後継者問題に悩む法人からの事業を承継し、現在に至ります。

時代変化に合わせたサービス提供と本部機能の強化

―譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。

大きく二点あります。一つは、弊社の丁寧な保育が、お手軽さを求める時代のニーズに合わなくなってきたこと。理念は曲げられないため、事業継続の難しさを感じました。もう一つは、長年の課題であった本部機能の脆弱性によるものです。現場にしわ寄せがいく前に、大規模な組織に承継し、安定した運営体制を速やかに構築することが、職員や利用者にとってプラスだと判断しました。

譲渡先法人への理念の承継と従業員の未来

―検討を進められる上で、希望や大事にされた条件を教えてください。

最も大事にしたのは、弊社の理念である丁寧な保育を理解し、承継してくれることです。また、従業員が今後も安心して働ける環境を提供してくれる組織を希望しました。利益を優先するような法人ではなく、利用者主体で事業を継続していただけることを重視しました。

本部機能の向上と理念の合致が決め手

―最終的に法人B様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。

法人B様が、当社の理念を尊重していただける法人であったことが決め手です。特に人材採用力に非常に強みを持たれており、本部機能の弱さを抱える弊社の課題を解消してくれるという点も大きな決め手となりました。

利用者ニーズへの合致と「安心感」

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

これまでは利用者のニーズにマッチしていないと感じていたので、質を低下させずに、利用者のニーズへ合致させてほしいと考えています。法人B様は未来と夢に溢れる子どもたちを大切にしてくれると感じているので、ビジョンというよりも、きっと良い方向に進むだろうという「安心感」を持ってお任せしています。

「現在地」を明確にするアドバイザーとの出会いを

―M&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。

M&Aは不安や「違和感」が生じやすいプロセスです。特に私たちのように書面や数字に慣れていない経営者にとってはなおさらです。M&Aを検討されている方は、今の自分の「現在地」と次のステップを明確に示してくれるアドバイザーと出会うことが重要です。また、今後、自分・会社・部下の未来が具体的に想像できるようになることが、検討を前向きに進める鍵になると思います。

最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください

当法人を担当していただいたアドバイザーが鞠子さんだったからです。スムーズなやり取りと専門的な知識でサポートしてくれるだけでなく、譲渡側の不安な心情に寄り添ってくれる丁寧な対応と不安払しょくのための具体的な提案をしてくれる姿勢は大変心強く、法人内部でも、「あの人なら大丈夫」と信頼を寄せていました。実務面でも心理面でも慣れないM&Aのプロセスを乗り越えて、成立までたどり着けたのは、ひとえに鞠子さんに担当していただいたからだと思っています。本当にありがとうございました。

「丁寧な保育」という揺るぎない理念を掲げる社会福祉法人Fと、「スポーツを通じた子どもたちの育成」をミッションとする特定非営利活動法人B。異なる事業領域を持つ二社のM&Aは、お互いの強みと想いが響き合う、理想的な事業承継となりました。法人Fの抱える「本部機能の脆弱性」という課題と「理念の承継」への強い想い、そして法人Bの「質の高い保育ノウハウの獲得」と「セカンドキャリア支援を含む新たな価値創造」への戦略が見事に合致した結果と言えるでしょう。このM&Aは、子どもたちの未来という共通のゴールを目指し、両法人の更なる発展と、地域社会への貢献への期待を高める一歩となりました。

担当者からのコメント

鞠子 功太郎
譲渡企業様は、丁寧な保育の実現のために、基準配置よりも多くの人材を配置される利用者第一のサービス提供をされており、安定した経営をされておりました。一見お悩みもないように見えましたが、従業員の定着や新規確保、将来的な園児数の減少、理事への業務集中等の複合的な課題があることを知りました。譲受企業様はスポーツ教育に強みを持っており、毎年新卒、中途社員の安定した確保ができております。また各地に本部機能があり、譲渡企業様の課題を解決できると考え、直接ご面談の場を設けさせていただきました。ご面談後、双方の企業よりM&Aに向けて申し分のないお相手とのお話をいただき、成約までスピーディーに進めることができました。本件ご成約までご支援をさせていただいたことを担当者として、大変嬉しく思います。
(企業情報本部 副部長 鞠子 功太郎)

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