成約インタビューM&A事例

情報サービス業のM&A事例【東京都】

AI技術と強固なデータ基盤の融合
さらなる成長に向けた戦略的M&A

  • 譲渡企業

    株式会社aiQ

    代表取締役

    山本 裕樹 様

    業種
    情報サービス業
    地域
    東京都
    売上
    1億5,000万円
    社長の年齢
    40代
    譲渡理由
    事業成長
  • 譲受企業

    株式会社アイ・エヌ情報センター

    代表取締役社長

    梶原 豊 様

    業種
    情報サービス業
    地域
    東京都
    売上
    15億円
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    更なる事業成長

金融分野において独自AIを用いたオルタナティブデータ分析を提供する株式会社aiQと、経済・ファイナンス分野における確固たるデータベース基盤を築いてきた株式会社アイ・エヌ情報センターのM&Aが成立しました。先進的なAI技術と長年蓄積された豊富なデータを掛け合わせ、新たな価値創造を目指す両社に、今回の資本提携の背景と今後のビジョンについて伺いました。

【譲渡企業】株式会社aiQ
本社:東京都
事業内容:データ分析支援、オルタナデータ販売、投資助言等を行っている。

【譲受企業】株式会社アイ・エヌ情報センター
本社:東京都
事業内容:債券・株式や経済統計のデータサービスの提供を行っている。

譲渡企業
株式会社aiQ
代表取締役 山本 裕樹 様
取締役 秋野 豪士 様 インタビュー

ビジネスコンテストからAI金融ベンチャーへ

―御社の創業の経緯、事業内容を教えてください。

山本様:元々、私と秋野は大手証券会社に同期として勤めており、金融分野で新たな事業に挑戦したいと常に話し合っておりました。社内のビジネスコンテストに出場し、大学教授にも参画いただいた結果、見事グランプリを獲得し、社内ベンチャーとして創業しました。現在は、携帯電話の位置情報やPOSデータなどの「オルタナティブデータ」を活用し、金融機関や投資家向けに独自AIを用いた分析支援や情報提供サービスを展開しております。

受託分析からAIプラットフォームへの進化

―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

山本様:創業当初は、データの販売や個別の受託分析を中心に行ってまいりました。特にクオンツ・ヘッジファンドなど、機械的にデータを処理するお客様への提供で実績を積んでまいりました。事業のさらなるスケールを目指す上で、AIを活用して人間の判断を直接サポートするプラットフォームの開発へと舵を切りました。

秋野様:より多くのアナリストの方々にデータを使っていただくためには、AIによるサポートが不可欠だという思いは、二人で共通して抱いていた課題意識でした。現在は、誰でも手軽に高度な投資分析ができる生成AIサービスの展開に注力しております。

開発・営業面の課題解決と事業スケールの模索

―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。

山本様:オルタナティブデータの販売や受託分析を中心に事業を展開してまいりましたが、特定の大口顧客に依存するリスクもあり、自社単独での事業拡大には限界を感じていました。

秋野様:同時期に創業した同業他社が成長していく中で、当社がスケールするためには、新たなAIサービス開発に向けた資金の確保や、営業力の抜本的な強化が喫緊の課題でした。そこで、明確なシナジーが見込めるパートナー様との資本提携を通じてこれらの課題を解決し、成長を加速させたいと考えたのが検討のきっかけです。

強力な営業基盤とデータ拡充のシナジーを重視

―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。

山本様:最も重視していたのは、営業面およびデータ仕入れにおける明確なシナジーの創出です。強力な営業基盤をお持ちであること、そして、AI分析の精度向上に不可欠である多様な経済データを提供していただけるパートナーであることを希望条件としていました。

秋野様:当社のAI分析においてオルタナティブデータは「説明変数」にあたりますが、分析の精度を評価していただくためには、比較対象となる豊富な「目的変数(企業の業績データなど)」が不可欠です。自社の弱みを補完し合い、互いの強みを最大限に発揮できる企業様との連携を求めていました。

直感した魅力と補完し合える事業の親和性

―最終的にアイ・エヌ情報センター様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決めた理由を教えてください。

山本様:アイ・エヌ情報センター様のお話をいただいたとき、「まさにここだ」と直感しました。長年築かれた金融機関との確固たる顧客基盤を共有できる点や、多様なデータ群を我々のAI分析に組み込める点は非常に魅力的でした。経営陣の皆様が我々のビジネスに対する深い理解と熱意を示してくださり、共に事業を大きく成長させていけるという確信を持てたことが最大の決め手です。

秋野様:お話を伺う中で、お互いの強みとビジョンが見事に合致し、本当に「ドンピシャだ」と山本と二人で顔を見合わせました。このパートナーシップであれば、大きなシナジーを生み出せると確信しました。

豊富なデータとAIの融合で新たな価値を

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

山本様:アイ・エヌ情報センター様との協業により、多様なデータを当社のAIプラットフォームに組み込んでいく予定です。企業業績や株価データとオルタナティブデータを横断的に分析し、高精度な投資レポートの自動生成や投資シグナルの提供を実現したいと考えています。

秋野様:数ヶ月単位で世界が一変するほど、AI技術は驚異的なスピードで進化しています。我々もこの変化に急ピッチで対応し、最新技術を最大限に活用することで、金融業界における情報の価値をさらに高め、両社で革新的なサービスをいち早く展開していくことを目指しております。

成長に向けたM&Aという効率的な選択肢

―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。

山本様:IPOのハードルが高まる一方で、資金調達の手段は多様化しています。成長実現のためにM&Aを早期から検討することは、ベンチャー企業において一般的な選択肢になるでしょう。経営者自身がAIをはじめとする最先端の技術や、企業の成長に繋がるあらゆる手段を幅広く活用していく精神が非常に重要だと考えています。

秋野様:創業期はアイデアだけで進めても、事業をスケールさせる段階では必ず実行力の壁に直面します。自社単独で乗り越えるより、強みを補完し合える良きパートナーを見つけることは非常に有効な選択肢です。早期に行動を起こし、信頼できるアドバイザーと共に最適なご縁を探求していくことが、企業のさらなる飛躍に繋がると実感しています。

最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください

山本様:完全成功報酬制という安心感に加え、当社の事業を深く理解し、最高のパートナーをご提案いただけたことに感謝しております。私たちが不安に感じる場面では、担当アドバイザーが豊富な知見と過去の成功事例を交えて的確に導き、力強く背中を押してくださいました。

秋野様:細かな疑問に対しても常に迅速かつ的確なアドバイスをいただくなど、その温かく頼もしいサポート体制が今回の成約の大きな原動力となりました。まるでAIのような驚異的なスピード感と熱量で伴走していただき、事業を進めながらでも安心して実務をお任せできる高い実行力には本当に助けられました。

譲受企業
株式会社アイ・エヌ情報センター
代表取締役社長 梶原 豊 様 インタビュー

長年培ってきた盤石なデータベース基盤

―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。

当社は1984年に銀行および証券会社のバックオフィスとして設立されました。1990年代より本格的に外販を開始し、現在は経済情報、ファイナンス情報、企業情報という3つの強固なデータベースを柱に事業を展開しております。私自身はメガバンクで30年以上勤務した後、2023年に当社の代表に就任いたしました。長年にわたり金融市場のデータサービスを提供し続け、市場からの高い信頼と安定した需要を獲得していることが、当社の最大の強みであり財産です。

安定成長から次なる事業ステージへの挑戦

―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。

既存の3つのデータベース事業によって長年安定した成長を遂げてまいりましたが、上場企業グループの一員として、さらなる飛躍とデータビジネスの拡大が求められていました。そこで、自社にはない新たな技術を取り入れ、成長の起爆剤となる4つ目の事業の柱を構築するためには、外部との連携が必要不可欠だと判断しました。その有効な成長戦略の1つとして、M&Aを通じた資本提携を検討し始めました。

誠実な人柄と先進的なAI技術への高い期待

―最終的にaiQ様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められたご理由を教えてください。

自社単独では手が出せないAI領域で既にビジネスを確立されているaiQ様は、まさに我々が求めていたお相手だと強い関心を持ちました。しかし、最終的な決め手となったのは、お二人の誠実なお人柄とビジネスに対する並々ならぬ情熱です。事業内容に魅力があっても、心から信頼できる経営者でなければM&Aという重要な決断はできません。共に新たな事業領域へ挑戦するパートナーとして、お二人となら間違いないと確信し、譲り受けを決断いたしました。

第4の柱となる革新的なAIビジネスの創出

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

弊社が長年蓄積してきた豊富なデータベースと、aiQ様が持つ優れたAI分析技術を融合させることで、これまでにない革新的な金融情報サービスを展開していきたいと考えております。また、長年銀行のカルチャーが根付いている当社の組織に新しい風を吹き込んでいただくことで、ちょうど世代交代を迎えている若手社員たちの良い刺激となり、グループ全体の組織的な活性化につながることも強く期待しています。

技術連携やアライアンスを通じた継続的な成長

―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。

まずはaiQ様とのシナジーを最大化し、AIビジネスを確固たる事業の柱へと育て上げることに注力するため、直近でM&Aを行う予定はございません。一方で、目まぐるしく変化する市場環境や技術革新に対応するため、技術連携やアライアンスの構築については常に前向きに検討しています。今後も柔軟な発想で、持続的な企業成長に向けた最適な選択肢を模索してまいります。

定量的な判断だけでなく「人柄」と「信頼」を重視

―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

私は銀行員時代から、新規案件の際は自ら足を運び「人を見る」ことを重要視してきました。事業内容などの定量面は後から判断できますが、定性的な相性の見極めは非常に困難です。だからこそ、譲り受けを検討される企業様には、経営者の人柄や価値観を重視することをおすすめします。また、譲渡を検討されている経営者様がM&A後も経営に携わる場合、心から信用でき、一緒にやっていける相手かを見極めることが、成功の最大の鍵になると思います。

最後に、弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。

専門的な知識と圧倒的な熱量で伴走していただきました。「もし一緒に働けたらどんなに頼もしいだろうか」と感じたほどです。資金投入の方法やインセンティブ設計など、スキームが非常に複雑でしたが、常に迅速かつ完璧に対応いただいたおかげで、深い信頼関係を築くことができました。担当アドバイザーの高い実行力と戦略的かつ温かなサポート体制があったからこそ、両社にとって最適な形での連携が実現できました。

最先端のAI技術で金融市場に新たな風を吹き込む株式会社aiQと、長年の実績と信頼で強固なデータ基盤を有する株式会社アイ・エヌ情報センター。互いの強みに対する深い理解と、経営者同士の厚い信頼関係から生まれた本件は、両社の事業に劇的な進化をもたらすことでしょう。強固なパートナーシップによって創出される革新的なサービスが、今後の金融業界を牽引していく未来に大きな期待が寄せられます。

担当者からのコメント

本件は、かねてよりお付き合いのあるベンチャーキャピタル様よりExitのご相談を頂戴し、経営陣お二方をご紹介いただいたことがきっかけでした。aiQ様は確かな技術力と豊富な知見を有しておられましたが、さらなる成長段階へと歩を進めるには、外部のリソースを取り入れることが不可欠な状況にございました。そうしたなか、アイ・エヌ情報センター様との初回の面談において、互いの課題を補完し合える事業面のシナジーはもとより、両社のお人柄が相通じるものであると強く実感し、必ずや最良のパートナーになられるであろうと確信いたしました。スキーム設計は複雑を極め、論点も多岐にわたりましたが、双方がお互いの人間性と事業シナジーに揺るぎない信頼を寄せておられたからこそ、最後まで調整をまとめ上げることができたと感じております。今後、ベンチャーフェーズにある企業様にとって、M&Aは経営戦略における有力な選択肢の一つとして、より一層浸透していくものと考えております。その折には、ぜひ経験豊富な私どもにご相談いただけますと幸いです。
(企業情報本部 シニアマネージャー 滝 智弥)
滝 智弥

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※ 本ページには、成約時期に関わらず、過去に弊社がお手伝いさせていただいたお会社様の一部を掲載しております。

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