成約インタビューM&A事例

洋菓子店のM&A事例【宮崎県】

老舗洋菓子店×地域密着スーパー
三世代の伝統と技術を未来へ繋ぐM&A

  • 譲渡企業

    株式会社児玉菓子工房

    代表取締役

    児玉 大樹 様

    業種
    洋菓子製造販売業
    地域
    宮崎県
    売上
    非公開
    社長の年齢
    25歳
    譲渡理由
    事業承継と会社の成長
  • 譲受企業

    株式会社マルミヤストア

    代表取締役

    池邉 恭行 様

    業種
    小売業
    地域
    大分県
    売上
    552億円
    上場有無
    上場(リテールパートナーズ/東証プライム)
    譲受目的
    自社商品の強化

宮崎県西都市で洋菓子店「ベルグレフィン」を運営する株式会社児玉菓子工房と、大分県を拠点に九州エリアでスーパーマーケットを展開する株式会社マルミヤストアのM&Aが成立しました。両社の代表に、M&Aに至った背景や今後のビジョンについてお話を伺いました。

【譲渡企業】株式会社児玉菓子工房
本社:宮崎県
事業内容:洋菓子の製造・販売を行っている。

【譲受企業】株式会社マルミヤストア
本社:大分県
事業内容:スーパーマーケット「マルミヤストア」を運営している。

譲渡企業
株式会社児玉菓子工房
代表取締役 児玉 大樹 様 インタビュー

祖父の想いを継ぐ地域密着の洋菓子店

―御社の創業の経緯について教えてください。

1981年に祖父が創業した宮崎県西都市の洋菓子店です。「美味しいお菓子で一人でも多くの方に笑顔になってほしい」という祖父の想いを三代にわたり繋いできました。西都市は人口3万人に満たない小さな町ですが、地域の皆様に支えられ、創業当時から通ってくださるお客様もいらっしゃいます。看板商品の「鬼の窟シュー」をはじめ、こだわった商品づくりを続けております。長年培ってきた技術と地域に親しまれている「ベルグレフィンの味」こそが最大の強みであり、財産です。

時代に合わせた新たな取り組みへの挑戦

―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

祖父が創業した当時は3坪ほどの小さな店舗でした。お客様との信頼関係を第一に、真摯にお菓子づくりに向き合ってきた結果、少しずつリピーターのお客様が増え、現在の店舗への移転・規模拡大を経て今日に至ります。私が代表に就任してからは、経営体制の整備や業務改善に加え、SNSを活用した情報発信や新商品の開発など、時代に合わせたさまざまな取り組みに力を入れ、新規顧客の獲得に努めております。

単独経営の限界とブランド拡大への使命感

―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。

祖父や父が守り続け、長年この地域で愛されてきた店舗とベルグレフィンの味を、これから先も長く存続させ、より多くのお客様に届けたいことが理由です。情勢が目まぐるしく変化している中、将来を見据えると、安定した経営や雇用の維持、事業拡大をしていくためには、自社だけで実現するのではなく、新たなパートナーとともに歩むことが最善の選択肢だと考えました。

歴史への深い理解と従業員の環境維持

―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。

45年の歴史や商品を深く理解し大切にしてくださることを前提に、店舗を存続させ、私たちが描くビジョンに共感していただけることが条件でした。また、従業員がこれからも安心して働き続けられる環境を確保するだけでなく、製菓業界が抱える課題に真摯に向き合い、共に改善を図っていただきながら発展していくことも強く希望していました。何より、お客様にこれまでと変わらず愛され続けるベルグレフィンであり続けること。それが、最も大切にしていた希望条件でした。

トップ面談での真摯な対話と将来の可能性

―最終的にマルミヤストア様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決められた理由を教えてください。

直接顔を合わせるまでは不安もありましたが、トップ面談で大きく気持ちが動きました。マルミヤストア様は私たちが大切にしてきた想いや今後のビジョン、業界の課題をお話しした際、真摯に耳を傾けてくださり、具体的なシナジーをご提案いただきました。ベルグレフィンのブランドを大切にしながら、ただ会社を引き継ぐだけでなく、さらに成長させていこうという想いを感じ、将来を一緒に描けると確信できたことが最大の決め手です。

多様な販売網を活用した新商圏への挑戦

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

これまで店舗販売が中心でしたが、マルミヤストア様が持つ幅広い販路やグループの強みを活かすことで、さらに多くのお客様にもベルグレフィンの商品をお届けできることを期待しています。また、新商品の共同開発など、自社単独では挑戦できなかったことにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。ベルグレフィンというブランドを、より多くの地域のお客様に親しまれ、愛されるブランドへと成長させていきたいと思っています。そして、グループの皆様と力を合わせ、大きなシナジーを生み出し、新たな価値を創造していけることを楽しみにしています。

変化の時代における英断としての選択肢

―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。

私自身、若くしてM&Aを決断したため不安もあり、周囲のさまざまな意見に悩むこともありました。しかし、「この会社を未来へつなぎたい」という強い想いと、「どのような会社にしていきたいか」という明確なビジョンを持っていました。M&Aは会社を手放すためのものではなく、会社やお店をより良い形で未来へつないでいくための大切な経営戦略の一つだと考えています。インフレや経済環境の悪化が懸念され、経営を取り巻く環境が変化している時代だからこそ、会社や従業員、お客様を守るために新しい選択を検討されてみてはいかがでしょうか。もし少しでも会社の将来について悩まれているのであれば、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。相談することで、自社の未来に向けた新たな可能性が見えてくると思います。

最後に弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。

私自身、M&Aについての知識はほとんどなく、経営者としてもまだ経験が浅い中での挑戦でしたので、何から始めればよいのかも分からない状態でしたが、一つひとつ丁寧に教えていただきながら、約1年半という長い期間、本当に親身になって伴走していただきました。進める中で納得できるまで何度も話し合いを重ね、数え切れないほどやり取りをさせていただいたことを覚えています。不安や小さな悩みが生じたときも、一方的に話を進めるのではなく、私たちの考えや想いを尊重しながら、「どうすればより良い形になるのか」を一緒に考え、最善の道を示してくださいました。その姿勢には本当に感謝しています。25歳という若さでM&Aという人生でも大きな決断を経験できたことは、私にとって何よりの財産となりました。そして、その挑戦を最後まで安心して進めることができたのは、担当アドバイザーが常に寄り添い、支えてくださったおかげです。

譲受企業
株式会社マルミヤストア
代表取締役 池邉 恭行 様 インタビュー

青果店から発展した地域密着型スーパー

―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。

先代が青果のトラック1台から八百屋を創業し、現在は大分県佐伯市に本社を置き、九州で地域密着型のスーパーを展開しております。「地域のお客様の豊かな食生活と健やかな暮らしに奉仕する」という使命を掲げており、少しでも良いものを安く日々の食卓にお届けし、地域社会に貢献できるよう運営しております。青果を通じた素材の力を活かすとともに、ディスカウントストアと新鮮市場の2業態を活用し、地域特性に合わせて柔軟に店舗を展開できることが当社の強みです。

不足する製造技術と商品開発力の獲得

―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。

変化の激しい時代において、自社の限られた経営資源のみで成長戦略を描くことは難しくなってきていると感じております。地元の皆様に必要とされている企業様は数多ございますので、良きパートナーと提携していき、両社の強みを生かし、手を取り合いながら成長していけるのではと考えております。同業種はもちろんのこと、川上へも視野を広げ、優れた製造技術を持つ企業様と連携することでも、大きなシナジーが生み出せると考えております。

長年愛された味の承継と熱意への共感

―最終的に児玉菓子工房様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。

長年地域で大切にされてきた商品とブランドを、しっかりと守るべきだと強く感じたからです。地元で愛されてきたベルグレフィンの味をどう残すか、優れた技術を持つパティシエが正当に評価される環境を作るにはどうしたらいいか、と熱心に考えておられる児玉社長の姿勢や想いに心を打たれました。児玉社長の情熱と当社の販売網を掛け合わせれば、販路拡大や新たな商品を共同開発し、共にブランドを育てていけると確信いたしました。

職人技術の体系化と付加価値の向上

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

ベルグレフィンのブランドと技術、従業員の皆様の雇用を守ることはもちろん、当社の販売網だけでなく、可能性がある先には色々と展開していきたいと考えております。地域のお客様の豊かな食生活と健やかな暮らしに奉仕することを使命として、おいしい商品をより多くのお客様へ届けるべく模索してまいります。また、パティシエの処遇改善も検討しております。おいしいものを届けるためにも、生産者が非常に重要な存在であると考えております。優れた技術を今後も残し続けていくためにも、多方面にて挑戦し、皆様が幸せになる環境を作っていきたいです。

資源を共有し合う融和型シナジーの追求

―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。

地域の皆様に必要とされている小売店を残すための取り組みや、製造拠点を持つ企業様との連携を進める方針です。企業が単独で新たな工場を建設するなど、莫大な設備投資を行うことは難しい時代です。だからこそ、優れた技術を持つ企業様と資源を共有し合える仕組みづくりや、コストコントロールができる体制を構築し、相互に協力しながら事業規模を拡大していきたいと考えています。

相手の経営理念を尊重する誠実な対話

―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

譲渡企業様へ:
自社の強みを深く理解し、事業基盤の中でその強みが最大限に活きる相手を見極めることをお勧めします。

譲受企業様へ:
同じ業種に固執せず、幅広い視野で可能性を探ることが重要だと考えております。単なる投資回収の計算に終始するのではなく、相手企業がしっかりと成長できるかという視点を持ち、誠実な対話を通じて相手の経営理念を徐々に理解していくことが、結果的にM&Aの成功に繋がると感じております。

最後に弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。

双方の立場を深く理解し、円滑に進行していただきました。常に状況を分かりやすく伝えていただいたおかげで、双方が納得できるように調整いただきました。細やかな配慮を持って対応していただいたからこそ、成約できたと感じています。
 

地域で40年以上愛され続けてきた洋菓子店と、地域密着を掲げるスーパーマーケット。自社にはない製造技術や商品開発力を求める株式会社マルミヤストアと、受け継がれた伝統の味を未来へ残し、販路を拡大したいという株式会社児玉菓子工房の想いが深く合致し成約に至りました。双方の強みを補完し合うことで、従業員の皆様の活躍の場が広がり、新たなブランド価値の創出とさらなる事業成長が期待されます。

担当者からのコメント

40年以上にわたり代々親族で承継され、地元で深く愛されてきた名店と、東証上場グループである大手小売企業様との素晴らしいご縁が結ばれました。地域に根差したお菓子作りの伝統をしっかりと未来へと残していきながら、両社の強みを融合させ、さらなる成長へとつなげる理想的な事業承継M&Aとなりました。地域密着型で、消費者様や従業員様のことを常に最優先に考えている両社の温かい想いと、確かな雇用維持を含めて業界に貢献する双方のビジョンが美しく重なり合う姿に、私も担当者として深く感銘を受けました。両社が手を取り合い、新たな飛躍へと向かう素晴らしいご縁に立ち会えたことを心より嬉しく思います。両社の今後ますますのご発展を祈念しております。
(企業情報本部 シニアマネージャー 押田 真吾)
押田 真吾

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※ 本ページには、成約時期に関わらず、過去に弊社がお手伝いさせていただいたお会社様の一部を掲載しております。

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