2024年04月12日更新
M&Aコンサルタントとは?アドバイザリーとの違い・コンサル会社の比較ポイント・利用するメリットも解説
M&Aコンサルとは、M&Aの案件に特化して受注・アドバイスを行う業務です。今回は、M&A コンサルとアドバイザーとの違いや、M&Aコンサルタント会社の比較ポイントやM&Aコンサルタントの一覧、流れについて解説します。
目次
1. M&Aコンサルタントとは?
M&Aコンサル会社の一覧と特徴を紹介する前に、M&Aコンサルとの基本的な事項を解説します。
M&Aコンサルタントの事業内容とサービス
M&Aコンサルとは、M&Aの案件に特化して受注・アドバイスを行う業務をさし、M&Aの買収先や売却先からの相談を受けたり、M&Aの契約を代理で行ったりする会社のことです。
具体的な事業内容としては、M&Aの買収・売却の戦略立案、M&Aの手続きや契約業務などを行います。基本的に、M&Aコンサルのサービスは、M&A契約締結までです。M&Aコンサル会社によっては、M&A後の組織再編を相談できるケースもあります。
弁護士や社労士などの専門家が在籍しているM&Aコンサル会社の場合、このようなサービスを提供しているところも多いです。規模が小さい会社や大手のグループ会社などでは、その会社のネットワークを使って、専門家を紹介してもらったり、業務提携を行っている会社を紹介してもらったりできるでしょう。
M&Aコンサル会社に勤務する担当者ですが、M&Aコンサルを行うための公的な資格はありません。M&Aコンサルは誰でも従事できます。
しかし、M&Aは大きな額のお金が動く案件が多いため、担当者は依頼者の信頼を得ることが必要です。そこで、M&Aコンサル実績や能力を示すバロメーターとして、民間会社がM&Aコンサル能力を認定する制度が存在します。
具体例としては、M&Aエキスパート認定制度(日本M&Aセンターと金融財政事情研究会が企画・運営)や、M&Aスペシャリスト資格(全日本能率連盟が資格称号の品質を審査・評価)などが有名です。
M&Aコンサルタント、M&A仲介会社、M&Aアドバイザリーの違い
M&Aコンサルとは、M&Aの案件に特化して受注しアドバイスを行う業務をさし、M&Aコンサルを専門的に行う会社をM&Aコンサルティング会社と呼んでいます。
M&Aコンサルティング会社は、そのコンサル形態や業務内容から2つに分類され、それは「M&A仲介会社」と「M&Aアドバイザリー」です。
M&A仲介会社は、会社を買収したい経営者(買い手)と会社を売却したい経営者(売り手)を募集して、それぞれの条件に合うようにマッチングさせます。
M&A仲介会社は、主に中小企業を顧客としており、1案件当たりの規模の上限は20億円程度です。一方、M&Aアドバイザリーとは、買い手もしくは売り手の会社と専属契約をし、買い手・売り手のM&Aアドバイザリー同士でM&A契約を行う形態のことです。
M&Aアドバイザリーでは、M&Aにおける自社の利益を最大限にしてもらえるよう、相談・依頼できます。
M&Aアドバイザリー業の報酬額は、一般的にM&A仲介会社よりも高いのが特徴です。上場企業同士など1案件当たりの規模が大きいM&Aでよく行われている形態になっています。
M&Aコンサルタントが必要な理由
M&Aコンサル・アドバイサリーが必要な理由は、会社の社長・経営者が本業を行いながらM&Aを行うことは難しいからです。
M&Aを行う際は、会社の不利益にならないよう、トラブルにならないよう、以下の事案を考える必要があります。
- 関係法令
- M&Aの契約
- M&A後の人事・組織
関係法令
1つ目は、関係法令です。M&Aを行う際、M&Aの契約を締結した後は関係法令に抵触しないようにしなければなりません。
一例として独占禁止法がありますが、特定分野の強化のためにM&Aを行う際、市場占有率が増加するケースがあるでしょう。
ただし、市場占有率があまりにも増加しすぎると独占禁止法に抵触する可能性があります。M&Aを行うためには、独占禁止法に抵触しないような会社を選ぶ必要があるでしょう。
売却する会社側にも抵触する可能性のある関係法令があります。それは、会社法の競業の禁止です。
M&Aにより事業を売却した後、売却した経営者は20年間、同じ地域で同一の事業を行ってはならないと決められており、これに抵触しないように事業を行っていくのが必要でしょう。
M&Aの契約
2つ目は、M&Aの契約です。M&Aの契約をするときは、自社に有利になるように、自社が不利にならないように締結するものです。
その場合には、M&Aそのものだけでなく、財務会計など会社経営に関して、かなりの専門知識が必要となります。
M&Aにより会社を買収する際は、負債も含めた全てを引き継がねばなりません。しかし、売却側の社長が負債事実を隠していたり虚偽の情報を伝えたりする可能性もあります。敵対的買収を行う際は、被買収会社を買収させないような戦略を行っている可能性もあるでしょう。
これらの調査を、その方面の知識があまりない経営者が行うと、M&Aに失敗する可能性がふくらんでしまうものです。M&Aコンサルは必要な存在といえます。
M&A後の人事・組織
3つ目は、M&A後の人事・組織です。M&Aにより、売却側の社員も引き継ぐ必要があるので、買収側の会社組織の改編なども考える必要があります。
M&Aを行う際に考えるべき代表的なポイント3つを紹介しました。そして、これ以外にも考察すべき内容はたくさんあり、M&Aではかなりの労力・時間と、専門的な知識が必要です。
M&Aコンサル・アドバイサリー抜きでは、安全なM&Aの実施は望めないといってもいいでしょう。
2. M&Aコンサルタント・アドバイザリーをする会社一覧
M&Aコンサル・アドバイザリーを行う会社には、いろいろな種類がありますが、大別すると以下の4つに分類できます。
- 証券会社、銀行
- 外資系投資銀行
- M&A仲介会社
- 財務系アドバイザリー
この項では、上記4種類のM&Aコンサル会社の特徴や代表的な会社を紹介します。
証券会社、銀行
証券会社・銀行内には、M&Aコンサル・アドバイサリー業に特化した部署があります。証券会社が行うM&Aコンサルの特徴は、上場企業の公開買い付け(TOB)ができる点です。
銀行が行うM&Aコンサルは、銀行の規模によって得意分野が変わります。メガバンクは、一般的なM&Aコンサル以外にもM&Aアドバイザー業務も行っている点が特徴です。
地方銀行では、主に地域の中小企業を相手としたM&Aコンサルを行っています。地方銀行の融資先は基本的にその地域で活動する中小企業がメインであり、その融資先が減少しないように業務を行っている面もあるといえるでしょう。
今回紹介する会社一覧の中で該当する会社はありませんが、M&Aのマッチングや廃業の阻止を目的としたM&Aによる事業承継推進のための業務内容となっています。
代表的な証券会社・銀行を以下にまとめました。
- 野村證券
- 大和証券
- SMBC日興証券
- みずほ証券
- 三菱UFJモルガンスタンレー証券
- 三菱東京UFJフィナンシャルグループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- みずほフィナンシャルグループ
- 新生銀行
外資系投資銀行
外資系投資銀行は、日本だけでなく世界中で活躍をしています。したがって、大型案件のM&A実績を数多く持っており、報酬額は他の種類のM&Aコンサル会社より高い点が特徴です。
外資系投資銀行は、M&A契約までが専門領域となります。M&A契約後の組織再編などのアドバイスは専門領域ではないため、行わないことが一般的です。 代表的な外資系投資銀行を以下にまとめました。
- ゴールドマン・サックス証券
- UBS証券
- JPモルガン証券
- メリルリンチ日本証券
- クレディスイス証券
- ドイツ証券
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、先述のとおりM&Aの買収会社と売却会社を募集してマッチングさせる業務をメインとしています。
主に中小企業をメインとしており、1案件当たりの報酬額が比較的小さいことが特徴です。今回紹介する会社一覧(TOP20)の中で該当する会社は存在しません。仲介業務がメインであるため、組織再編のアドバイスは基本的に行わないことも特徴の一つです。
財務系アドバイザリー
財務系アドバイサリーは、M&Aの仲介以外にも、会計・財務上のアドバイス、企業価値の査定を行います。財務系アドバイサリーは、弁護士などが在籍しており、他のM&Aの会社よりも業務範囲は広いです。
M&A契約後の組織再編アドバイスも行ってもらえる場合があり、M&Aの戦略・契約からその後の組織再編まで全てのサポートを依頼できます。
3. M&A コンサルタントの業務内容と流れ
M&A コンサルタントの業務内容は、非常の幅広く専門的なスキルも求められます。ここからは、それぞれのプロセスにおいてM&Aコンサルタントの業務内容を解説します。
M&A 戦略の策定
M&Aを行うにあたり、まず最初に行うのがM&A戦略の立案・策定です。M&Aを行う目的は?その目的のためにはどのような戦略が必要なのか?スケジューリングはどうするのか?など、M&Aの大枠を協議する段階です。
業務の中には、競合他社や業界全体の動きをマーケティングしたうえでの戦略の提案や相談を依頼した企業自体の分析やディスカッションも含まれます。豊富な経験や専門知識に裏付けされたアドバイスにより、M&A戦略の策定を効率的に進められます。
M&A スキームの決定
M&Aの戦略が策定できたら、続いてはスキームの検討です。M&Aスキームは法務の手続き面や税務面など専門知識が必要です。
まだ、相手が決まっていないので、各分野の専門家に相談するかは状況によりますが、スキームの検討が必要で、M&AコンサルタントにM&Aの進め方のなかで事前相談をそておく必要があります。
相手が決まる前なのでスキームは変更される可能性はありますが、事前にM&A戦略に沿ったスキームは検討しておく必要があります。
M&A候補企業の選定
続いての段階は、M&A候補企業の選定です。候補企業の選定は、一般的には「ロングリストの作成」から「ショートリストの作成」という流れで実施します。
ロングリストとは、M&Aの候補として可能性のある企業を広範囲にわたりリスト化したものです。ロングリストの場合は、初めから範囲を決めず、幅広い業種や地域から候補企業を検討します。
一方、ショートリストは、ロングリストのなかから、策定したM&A戦略との適合性やシナジー効果の可能性などを一定の基準で対象企業を絞り込み、優先順位をつけてリスト化したものです。
最後にショートリストのなかから希望に適合する候補企業を絞り込んでいき、最終的な候補企業を選定します。候補企業の選定は、M&A実施に向けての重要な業務です。2つのリストを作成する際は、M&Aコンサルティングと慎重に相談し、選定していきましょう。
デューデリジェンスの実施
M&Aの相手が選定されたら、デューデリジェンスを行います。デューデリジェンスを行うことによって、買収対象の企業の事案、法律の遵守状況、対象企業の理解とリスクの把握を行います。
デューデリジェンスの段階でM&Aコンサルタントは、各専門家の斡旋や対象企業の財務、税務の評価、ビジネスモデル、IT資産の分析を行い、買収対象企業の精査を実施します。
デューデリジェンスで得た結果を元に、対象企業との交渉ポイントの整理、相手企業との会議調整なども行います。対象企業を買収してよいかの意思決定の材料を入手する段階です。
M&A交渉に関するサポート・アドバイス
対象企業の選択が終わると、M&Aを実行に移すために交渉が始まります。交渉段階でのM&Aコンサルタントの役目は、交渉戦略の策定およびアドバイスを行い、クライアントに有利な条件を引き出すことにほかなりません。
M&Aの交渉では、専門知識や条件などM&Aの専門用語が使われるので、M&Aコンサルタントなどの専門家に間に入ってもらわないと、なかなかうまくいきません。経験豊富なM&Aコンサルタントに入ってもらうことで効率的に進められるとともにリスクも低減できます。
一般的にM&A仲介会社の場合は、双方の仲介を行うので、ちょうどよい妥協点を探っていきます。しかし、実際のところ売却側と買収側では利害が対立するので、一方が有利になり、もう一方は多少なりとも不利益を被ります。
M&A仲介会社と売却側との付き合いはその1回だけですが、買収側との付き合いは今後も継続する可能性があるので、売却側が不利になってしまうことも珍しくありません。しかし、M&Aコンサルタントの場合は、クライアントの利益を最優先に考えますので、売却側の望む結果が手に入りやすくなります。
取引条件交渉
売り手側・買い手側双方の、M&A条件のすり合わせを行います。取引条件の交渉の時点でM&Aコンサルタントは、顧客の利益を最大限にするために、相手企業との交渉戦術の立案や交渉のサポート、代理、買収、非買収価格へのアドバイスなどを行います。
双方に譲れる点、譲れない点があるので、それぞれの意見を考慮して落とし所を見つけるのがM&Aコンサルタントです。また、各種専門家と連携して、基本合意書や最終契約書の草案を作ります。
契約書作成
続いては、契約書の作成になります。デューデリジェンスで発見された事項やM&Aを実行するのにあたっての必要な条件、すり合わせた条件などが契約書に盛り込まれます。
契約書は法律に強く関係するので、契約書の作成は弁護士が行います。
取引執行
取引執行の時点でM&Aコンサルタントは、買収資金調達へのアドバイスを行います。また、上場企業の場合であれば、対外公表として株主総会、IR対応サポートなどを含む、クロージングまでの一連の業務を手助けしてくれます。
クロージング準備
交渉が終わり、契約書が作成され取引が執行されれば、案件もクロージングに向かっていきます。
クロージングとは、株式などの引き渡しと対価の支払いを行うことですが、さまざまな必要な手続きがあります。
例えば、合併の場合には、基本的にM&Aの効力が発生する日までに、売主側と買主側双方それぞれで株主総会を行い、M&A契約についての承認決議を得る必要があります。
その他、株式譲渡・会社分割・株式交換などスキームによってクロージングの内容は異なりますが、もれなく行うためには、M&Aコンサルタントの力が必要です。
PMIの実施
PMIとはポストマージャーインテグレーションの略で、組織統合を指します。M&Aが成功だったか否かは、このPMIをいかにスムーズで効果的に行えるかにかかっているといってもいいでしょう。
PMIの段階で、M&Aコンサルタントは統合プランの策定、PMOとしての進捗管理、新組織体制へのマニュアル整備、M&A後の会計・税務上の実務処理関係のアドバイスをはじめさまざまな立案・支援を行います。
IT資産については、システムの専門家の斡旋や自社のITコンサルティング部隊へつなげます。このようにM&AにおけるM&Aコンサルタントの役割や業務内容は非常に多岐で高い専門性が必要です。
4. M&Aコンサルタントを利用するメリット
M&Aコンサルタントを利用するメリットは以下の3つがあります
- 専門知識が豊富
- M&A経験が豊富
- M&A後の人事や組織編成に関する知識が豊富
1つずつ詳しく解説します。
専門知識が豊富
M&Aを実行に移すには、さまざまな法令が関係してくるので、抵触しないように進めなければなりません。さらに、法務や財務に始まり、税務・人事労務など幅広い知識も必要です。
しかし、一般の人にとって関係法令のすべてに抵触していないかを確認するのは容易ではありません。また、多くの企業にとってはM&Aを行うのは初めてでしょうから社内にM&Aの経験がある社員がいることは少ないと思います。
M&Aコンサルタントには、それぞれの分野に専門家がいるので、各専門家に不足している知識を補ってもらえます。
M&A経験が豊富
当然の話ではありますが、M&Aコンサルタントは、M&A経験が豊富です。M&Aの関連情報は多方面に渡るため、M&Aを行ううえでは、さまざまな場面で悩み事が発生したり、交渉中に困りごとができたりします。
もし、それらの悩み事や困りごとを自力で解決しようと思ったら、多くの時間と労力がかかりますし、場合によってはM&Aを一旦止めることになるかもしれません。しかし、そのような事態になってもM&Aコンサルタントを活用していれば、数多くの場数を踏んでいるので、従来の経験を生かして適切なアドバイスをしてくれます。
M&A後の人事や組織編成に関する知識が豊富
M&Aコンサンルタントを利用するメリットとして、M&A後の人事や組織編成に関する知識が豊富な点も挙げられます。M&Aは成功して終わりというわけではありません。M&Aの買収の際には売却側企業の従業員を自社で引き継ぐケースが多いです。
M&A実行後は新たに加わった社員の人事を決めたり。組織編成を行う必要があります。そのためM&Aの規模が大きい場合には膨大な人事手続きの必要が発生します。
その際に、M&Aコンサルティングを活用していれば、このような人事手続きもサポートしてもらえるので、自社が行なわなければならない業務を減らせます。
さらに人事手続きには、難しい法令問題も絡む場合もあるので、M&Aコンサルティングに相談すれば法令に抵触するリスクも低減可能です。
5. M&Aコンサルタントへの依頼費用の相場
M&Aコンサルへ依頼した際に要する費用は、M&Aコンサル会社によって異なります。通常、規模の大きいM&Aは手続きが煩雑になるため、かかる費用も高額になります。
M&Aコンサルによって、手数料の設定や支払うタイミングなども異なるでしょう。ここでは、押さえておくべきM&Aの料金の項目や相場を詳しく紹介します。
相談料
相談料は、M&Aの依頼をした際やM&Aコンサルへ相談した際に発生する費用です。M&Aコンサルに対して、M&Aへの意向の有無に関わらず、専門家からの助言に対し、相談料が発生します。
昨今は、相談無料となっている会社が多いですが、相談料が発生する会社もあるため事前に確認しましょう。
着手金
着手金は、M&Aコンサルが顧客のニーズをM&Aに相手先をリサーチする際、M&Aの業務をスタートする際に支払われるものです。着手金も会社によって設定が異なるため、事前に確認しておくのが良いでしょう。
着手金が無料の会社も多くあるため、着手金の相場は0円から200万円程度が相場となっています。
月額報酬
月額報酬は、M&A成立まで毎月業務を受けていることに対して支払われる手数料で、業務が終了するまでの期間毎月支払うケースと、業務内容に応じて支払うケースがあります。
月額報酬は、無料〜数百万で設定されるなど幅広く、案件が長期間になると費用が高額になってしまうため注意が必要です。
中間報酬
中間報酬は、M&Aの相手先が見つかり、基本合意書のタイミングで支払う報酬です。M&Aコンサルによってもさまざまであり、固定報酬として設定されるケースや成功報酬の10〜20%程度で設定されるケースがあるでしょう。
中間報酬支払い後、デューデリジェンス、最終合意、クロージングに進みます。なお、案件途中で買い手がM&Aの検討を中止するケースがあったとしても、一度支払われた中間報酬は返金されません。
成功報酬
成功報酬とは、M&Aの最終契約書の締結した後に支払う手数料です。成功報酬の金額は、一般的にレーマン方式といわれる計算方法を採用しているケースが多いでしょう。
M&Aの規模によって金額も大きく違いますが、取引金額が少額の場合は最低報酬額が設定されているのがほとんどです。M&Aコンサル会社によって手数料率や最低報酬額は違いますので、事前に確認するのが大切です。
成功報酬は、案件が成立しなければ支払うことはありません。成功報酬は、M&Aコンサルの主な収益源となっているため、案件成立が重要な仕事となっています。
その他の報酬
その他の報酬は、デューデリジェンス、バリュエーション、PMIにかかる費用などが挙げられます。これらの報酬は、依頼するM&AコンサルやM&Aの規模によって発生する金額に大きな幅があります。その他、工数に応じて報酬が変化するでしょう。
したがって、M&Aの案件がうまくいかなくなった際は早めに切り上げて費用を抑えるのが大切です。工数を抑えるために業務範囲を絞り、報酬費用を削減するのも可能でしょう。
6. M&Aコンサルタントを選ぶときの5つのポイント
M&Aコンサル会社はたくさん存在します。M&Aコンサルを選ぶポイントは何を基準にすれば良いのでしょうか。ここでは、M&Aコンサルを選ぶ基準を解説します。
①M&A実績
会社の実績確認は必須です。M&Aコンサル事業はサービス業であるため、実績のない会社や実績に乏しい会社には依頼しにくいと思われるケースは多いでしょう。
実績の中でも、自社が検討しているM&A形態の実績があるか、自社が検討している規模と同じ規模のM&A実績があるか、細かく調べる必要があります。
②自社の業種・案件に関する知識・経験
M&A案件を進める際は、自社の業種・案件に関する知識・経験があるM&Aコンサルに依頼するのがおすすめです。業種によって特有の論点や商慣行などが存在するため、自社の業種に詳しいコンサルであれば適切なアドバイスがもらえるでしょう。
他にも、M&Aコンサルの経験値により提供される質も変わってきます。事前に自社が依頼したい案件を整理しましょう。
③ネットワークの広さ
M&Aコンサルを選ぶポイントは、ネットワークの広さが重要となります。M&Aにはたくさんの知識が必要であり、弁護士や税理士などの専門家への相談が必要になる場面もあります。それらの専門家に紹介してもらえるネットワークの広さを持っているかが重要です。
比較的、規模の小さい案件を専門的に扱うM&Aコンサルティング会社は、会社の規模が小さいことも多いです。
そのような会社の場合は、M&Aコンサルの専門家しかいない場合もあるでしょう。M&Aコンサルを依頼する前に、ネットワークが広いかどうかチェックする必要があります。
大手M&Aコンサルティング会社やグループ会社の場合は、弁護士などの専門家を在籍させていたり、専門会社と業務提携をしていたりするので、すぐに依頼できる体制を整えていることが多いです。
④報酬費用の妥当性
M&Aコンサルに依頼する際は、報酬費用の妥当性も見極めましょう。昨今、M&Aの成約時に報酬費用のみ発生する成功報酬型を設定しているM&Aコンサル会社が数多くあります。
しかし、成功報酬の金額は計算方法やM&Aコンサル会社で設定している料率によって大きく変動するため、着手金、月額報酬、成功報酬の全て請求される場合と、成功報酬のみ請求される場合のどちらが良いのかは、一概に判断できません。
したがって、M&Aを相談するタイミングで、報酬費用は事前にM&Aコンサルに確認しておくようにしましょう。
⑤M&Aの担当者
M&Aコンサルを選ぶポイントは、M&Aの担当者も挙げられるでしょう。M&Aコンサル会社を選ぶ基準として紹介した中で一番重要な項目です。実績がありネットワークの広い会社でもM&A担当者との相性が良くなければ、M&Aが成功しない可能性があります。
M&Aの担当者自身の実績や顔の広さは当然として、人として依頼者と馬が合うか、何でも相談できる間柄になれそうかなども判断基準に設ける必要があるでしょう。
どれだけ依頼者に寄り添ってくれるか、どれだけ頑張って依頼者の会社のために仕事をしてもらえるかなども重要です。
M&Aは長期間にわたる業務であるため、M&Aの担当者と相性が合わないと感じたらすぐに別のM&A担当者に変えてもらう判断も必要になります。
7. 中小企業のM&AはM&A総合研究所へご相談ください
M&A総合研究所は、中小企業のM&Aを得意とするM&A仲介会社です。M&Aの仲介では、M&Aアドバイザーが専任担当者となり、案件探し・戦略策定・交渉・クロージングまでを徹底サポートいたしますので、安全・スムーズにM&Aを進めることが可能です。
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8. M&Aコンサルタントのまとめ
M&Aコンサル会社を紹介してきました。M&Aは会社の今後を左右するため、慎重に行う必要があります。しかし、かなりの時間と労力がかかるだけでなく、膨大な知識と経験が必要です。
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