成約インタビューM&A事例

幼稚園のM&A事例【埼玉県】

教育の灯を消さない
異業種の垣根を超えたM&A

  • 譲渡企業

    学校法人U

    評議委

    O.D.様、S.D.様

    業種
    教育・学習支援業
    地域
    埼玉県
    売上
    7,000万円
    社長の年齢
    80代
    譲渡理由
    事業存続
  • 譲受企業

    不動産業F社

    業種
    不動産業
    地域
    神奈川県
    売上
    12億円
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    幼児教育への注力

この度、学校法人U様と不動産業F社様とのM&Aが成立いたしました。
学校法人U様に、M&Aを決意した背景や今後へのビジョンについてインタビューいたしました。

【譲渡企業】学校法人U
本社:埼玉県
事業内容:幼稚園を運営している。

【譲受企業】不動産業F社
本社:神奈川県
事業内容:神奈川県で不動産売買・賃貸の仲介を行っている。

「音楽と心の教育」を未来へ―
学校法人と不動産業が描く、
幼児教育をつなぐM&Aの裏側

■インタビュー
譲渡企業:学校法人U 評議員O.D.様、S.D.様


埼玉県で長年、幼児教育に力を注いできた学校法人U。
その中心にあった幼稚園は、情操教育としての音楽に強みを持ち、地域に根ざした教育活動を続けてきた。
しかし、時代の変化とともに園の運営は難しさを増し、M&Aという決断に至った。
今回、その意思を受け継いだのは、神奈川を拠点とする不動産業F社。
伝統を守りながら新たな価値を加えるパートナーシップの背景を、両者に聞いた。

「教育を受けられなかった世代が、幼児教育を守った」

学校法人Uの始まりは、創業者が幼い頃に教育を受けられなかった実体験にある。
「だからこそ、子どもには音楽に触れてほしいという思いが強く、“音感教育”を柱に据えました」。
3~4歳から楽器に触れることで、感性や創造力を伸ばす。「どの子にも才能がある。その芽を卒園までに見つけてあげたい」―それが園の方針だった。

親御さんの思いに寄り添い、送迎無料・価格据え置きなど、教育だけでなく家庭への配慮も徹底してきた。

補助金ゼロでも守った教育方針、そして突然の喪失

運営は一貫して自立を貫き、行政からの補助金も利用せずにやりくりしてきた。
だが、理事長の突然の逝去が、園を大きく揺るがした。

「何をどうすればいいか、手探りの毎日でした。財務の不安、後継者の不在。運営の継続が難しくなる中で、M&Aという選択肢に出会いました」。

当初はM&Aという言葉すら知らなかったというが、「知り合いの園が譲渡した話を聞いて、“0円でもいいから譲渡したい”と思った」と振り返る。

「名前の由来を気にしてくれた」──出会いの印象で変わった

最終的に譲り受けを決めたのが譲受企業の不動産業F社だったが、実は候補には複数社があったという。

「私たちは、理事長の思いを尊重し、園の名前や方針を守ってくれる会社を探していました。その中で唯一、名前の由来まで聞いてくれたのがF社さんでした」。

候補の中でも最後に加わったF社だったが、「一番熱意が伝わってきた」と振り返る。

古き良き文化を残しながら、より多くの子どもたちに

今後のビジョンとしては、伝統を継承しつつ、より多くの家庭に選ばれる園を目指す。
「事故がなく、安全に楽しく過ごしてもらえたらそれでいい。園児にとって良い時間になることを一番に願っています」。

「財務の確認」そして「相談できる関係」の大切さ

譲渡を検討している経営者様に向けたメッセージとして、次のように語る。

「もっと早く財務をしっかり確認していればよかった。狭い業界で、M&Aという選択肢があることすら知りませんでした。でも、選択肢に出会えたことで救われたと思います」。

そして、M&Aアドバイザーには「遠慮せず、わがままを言うことも大事。疑問や不安は、どんなに小さくても相談するべきです」とアドバイスを添えた。

アドバイザーがいたから、乗り越えられた

M&A総合研究所のアドバイザー・辻本について、「正直、しんどい場面もたくさんありました。でも、辻本さんの目力と誠実さに支えられました」と語る。
 

「DD(デューデリジェンス)の書類作成など、本来ならもっと大変なはず。でも、私たちにわかりやすく導いてくれて、何とかやり切ることができた。全くの異業種で、言葉もよくわからなかったけれど、根気強く寄り添ってくれました」。

そして何より印象的だったのは、「結婚記念日にバラの花束を持って来てくれたこと。あれは本当に驚きました」と笑う。

“教育とは、想いを継ぐこと”──
M&Aは子どもたちの未来を守り育てる
「志のバトンパス」だった。

担当者からのコメント

幼稚園の運営を主として行ってきた理事長の突然の逝去により、園児募集を停止し、閉園を検討しているとのご相談を当初頂戴しました。 一方で、理事長の想いや長年の歴史がある幼稚園を存続させたい、との素晴らしいお気持ちも強く持たれていました。 譲受企業様には状況を初期段階からよくご理解頂き、ご決断もスピーディーに行って頂いた為、譲渡企業様のM&Aのストレスも最小限に進めることが出来ました。 今後は園舎の修繕や園児募集を再開される予定で、更に地域に必要とされる幼稚園になられると思います。 今回のご成約により、地域の幼児教育を守ることができたこと、担当者として心から嬉しく思います。
(企業情報第七本部第二部 次長 辻本 晃希)
辻本 晃希

成約インタビュー一覧

M&Aアドバイザーのご紹介

M&A成約実績

過去にM&A総合研究所が、
M&A成約に導いた実績の一部をご紹介させていただきます。

※ 本ページには、成約時期に関わらず、過去に弊社がお手伝いさせていただいたお会社様の一部を掲載しております。

ご相談はこちら
(秘密厳守)