譲渡企業
株式会社アクシア
代表取締役 中村 薫 様 インタビュー
警備会社を引き継ぎ独立し創業
ーまず、御社の創業の経緯について教えてください。
約20年前、私が勤めていた警備会社が経営難で事業継続が困難になった際、私が引き継ぐ形で独立し、株式会社アクシアを創業しました。創業当初は顧客もいたので順調でしたが、その後は苦労もありました。主な事業内容は道路の交通誘導警備で、山口県の東部から中央部(周南、防府、山口、宇部など)を中心に展開しています。
―御社の事業内容と強みについて教えてください。
事業内容としては、主に一般道の交通誘導警備を手掛けています。これまでのお客様との関係を維持しつつ、新規のお客様も開拓しながら、できるだけ地場の業者様と手を携えて事業を広げてきたという形になります。
高齢化による人材不足と売上の伸び悩み
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
創業当初は順調だったのですが、やはり人の集まりが悪くなったり、業界全体によくある高齢化で人数が減ってきたりという問題に直面し、売上が思うように伸びず、資金繰りにも苦労する面がありました。苦しい時期もありましたが、お客様との繋がりを大切にし、一つ一つ乗り越えてきました。
事業継続への危機感からM&Aを検討
―譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。
この先、現状のままでは経営が厳しいだろうと感じていたところで、ご縁がありM&A総合研究所様にご相談しました。それまではM&Aを検討したことはありませんでしたが、特に売上や利益の伸び悩みが厳しく、このままで資金繰りが大丈夫かという懸念もありました。
従業員の待遇維持・向上を最優先

―検討を進められる上で、希望や大事にされた条件を教えてください。
最も重要視したのは、今の従業員の待遇が変わらないこと、今のまま、もしくはそれ以上になることでした。M&Aによって急に従業員の流れや待遇が変わるという話を聞いたこともあったので、その点が一番の懸念でした。今回、B社様からは「待遇は変わらず維持できる」というお話をいただき、非常に安心しました。
誠実な印象と「打倒協業他社」への熱意
―最終的に道路維持管理事業B社様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。
B社の本件のご担当者様や、そのほかの皆さんに非常に誠実な印象を受けました。また、考え方や話し方が自分と似ている部分があり、上手くやっていけるのではないかと感じました。特に、従業員を大切にするという考え方や、先を見てそこに向かって進んでいくという姿勢に強く共感しました。最終的な決め手は、従業員に関する条件面と、トップ面談で感じた「打倒協業他社!」という熱い熱意に惹かれたところですね。
従業員が精神的に余裕をもって働ける体制へ
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
今後、従業員の待遇が良くなってほしいというのが一番の願いです。現状、皆一生懸命頑張ってくれているものの、目一杯で動いている状態です。ある程度余裕をもって働ける体制が取れれば、精神的にも良く、モチベーションも上がって、もっと会社が良くなるのではないかと期待しています。全体的な底上げに加え、能力のある人には対価を払える体制になってほしいです。また、一般道と高速警備という事業的な相乗効果も楽しみにしており、これからが非常に楽しくなりそうだと感じています。
「食わず嫌い」せず、まずは話を聞いてみるべき
―M&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。
一言で言えば「いいですよ」ですね。私は本当に良かったと思っています。M&Aについて「食わず嫌い」で話を上手に捉えきれていない人がいると思いますが、まずは話を聞いてみるべきだと思います。最初は警戒しても構いません。きちんと説明してくれる人、不安や希望に答えを出してくれるアドバイザーと出会い、自分で理解しようという姿勢で話を聞くことが大切です。私自身、何年も悩んできたことが改善され、気持ち的にも楽になりました。
譲受企業
道路維持管理事業B社 インタビュー
「西日本一」の企業を目指す
―まず、御社についてご紹介いただけますでしょうか。
現社長とは幼少からの友人で、「警備の仕事がしたい」という夢を一緒に追いかけて創業しました。現在は警備事業を中心に、清掃事業、飲食事業を手広く展開しており、今月からは自動車整備工場も内製化しました。今の目標は「西日本で高速道路警備といえばここだ」と言われる会社になることです。
山口エリアへの進出をM&Aで加速
―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
元々、山口県に支店を出そうと考えていました。支店をゼロから立ち上げる費用や時間、労力を考えると、既に基盤のあるところを譲り受ける方が早いのではないかとひらめいたのがきっかけです。ちょうどそのタイミングでアクシア様のお話をいただき、すぐに話を進めました。当社では昨秋にもM&Aを実施しており、事業規模拡大の手段としてM&Aを前向きに推進しています。
社長の人柄と事業に対する「熱」に共感
―最終的に株式会社アクシア様を譲り受けされた理由を教えてください。
正直なところ、山口で事業をやりたいという夢の方が大きかったので、「譲り受けた」というよりも、「同じ意志を持つ者を増やしたい」という気持ちが強かったです。中村社長に初めてお会いした時の第一印象が非常に良く、「真面目な人だ」と感じました。面談を重ねるうちに、社長が「若い時は我々と同じ気持ちで、この業界で勝つために模索していた人」だと感じ、共感しました。また、現場のキーマンの方々も仕事熱心で、会社の現状の問題(人手不足)をしっかりと把握できていることも決め手となりました。
一般道と高速警備のシナジーで事業拡大
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
早速ですが、今年度末の入札案件で、アクシア様と協業を進めたいと考えています。一般道を得意とするアクシア様と協力することで、高速警備の事業規模を拡大したいです。
M&Aは事業拡大のポジティブな選択肢
―今後、事業展開の一つとしてM&Aを活用されることはありますか?
もちろんです。M&Aは事業規模を拡大していく上で、非常にポジティブな選択肢だと感じています。自分自身の士気も上がるので、これからも積極的に活用していきたいです。九州への進出を目標に、エリアを広げていく方針です。譲り受けた会社を1〜2年で良い状態に持っていけるよう、まずはアクシア様も僕自身が関わって事業の底上げを図りたいと思っています。

経営者の「やりたい感」が最も重要
―M&Aをご検討されている経営者様にメッセージをお願いいたします。
M&Aは、最終的には「譲受企業の気持ち」、つまり経営者の「気持ち」が一番大きなウェイトを占めると思います。数字的な条件も大切ですが、「ここでどうやるか」という熱意や夢が成功の鍵を握るのではないでしょうか。事業拡大を目指す経営者にとって、M&Aは自分の尻に自分で火をつけ、更なる成長を促す良い機会になるはずです。
高齢化と人手不足に苦しむ山口の警備会社と、「西日本一の高速警備」を目指し山口進出を模索する成長企業。二社の出会いは、お互いの強みを活かし合い、同じ志を共有する理想的なM&Aとなった。中村氏の従業員への想いと事業継続への責任感、そしてB社の戦略的な視点と事業拡大への熱意が見事に合致した結果と言える。M&A後のアクシアは、B社グループの支援のもと、人材強化と待遇改善を図り、一般道と高速警備の相乗効果で山口エリアの警備事業を大きく発展させていく。このM&Aは、「同志」との出会いによって、譲渡企業・譲受企業双方の更なる成長への期待を高めている。