譲渡企業
農業 F社
代表取締役 E.K. 様 インタビュー
祖父から続く育種技術と独占的な遺伝資源
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
祖父が種苗の研究開発を行っており、退職後に新たな土地で農園を構え、法人化したのが始まりです。現在は特定品目の育種と種苗生産に特化し、種苗のライセンス契約等を中心に事業を展開しています。最大の強みは、長年培ってきた独自の遺伝資源です。国内の流通品種において、特定の切り花では圧倒的なシェアを誇っています。
高付加価値商品へのシフトによる収益化
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
創業当初は生産量で勝負し、種苗の卸売で軌道に乗せました。その後、私が経営に参画したタイミングで、労働集約型のモデルから利益率の高いビジネスへの転換を図りました。単なる量の拡大ではなく、高付加価値な新品種を開発し、ロイヤリティを得るライセンスビジネスを導入することで、収益性を大きく向上させることに成功しました。
人生の限られた時間を最大化するための選択
―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
事業を成長させる一方で、私自身の人生プランを考えた際、経営の第一線を退き、投資や新たな挑戦に時間を使いたいという想いが強くなりました。連続起業家への憧れもあったので、M&Aによるイグジットには抵抗ありませんでした。そんな折、M&A総合研究所様から事業承継に関するご提案をいただき、自社の企業価値を客観的に知りたいと考えたことが具体的な検討の始まりです。
事業の適正評価と従業員の安心の両立
―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
最も重視したのは、独自の事業モデルを正当に評価していただくことです。それが私自身の人生における次の挑戦への重要な基盤になるからです。また、共に会社を支えてくれた従業員の待遇が維持されることも重視していました。従業員を大切にしていただける譲受企業様であれば、その後の経営方針や事業展開については、新しい視点で自由に描いていただきたいと考えていました。
資本・経営のプロと提携することで広がる可能性
―最終的にS社様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決めた理由を教えてください。
S社様は、非常にスピード感がありながらも、腰が低く、礼儀正しく誠実な対応をしてくださいました。M&A成立後も変わらない印象です。また、投資会社様だからこそ、農業の既存の常識にとらわれず、ビジネスパートナーとして効率的にライセンス事業を拡大できると感じました。譲渡後も完全に独立した立場を維持しつつ、S社様に支援いただけるため、事業の可能性がさらに広がると確信しました。
関わるすべての人の理想が叶う組織へ

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
従業員とF社様、双方が思い描く理想の環境が実現することを期待しています。従業員のモチベーションをさらに高め、より良い事業環境を築いていただきたいです。私自身は、投資や旅行を通じて見聞を広めつつ、タイミングが来れば連続起業家として、社会に新たな価値を提供する事業に情熱を注ぎたいと考えています。
幅広い選択肢に目を向ける姿勢を
―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
経営の選択肢において、固定観念にとらわれないことが大切です。「同業種に譲渡すべきだ」といった先入観を捨て、さまざまな業界からのご提案に耳を傾けることで、思いがけないシナジーが生まれる可能性があります。また、企業様により経営状況は異なりますが、特に若手の経営者の皆様は、自身の右腕となる人材の育成を進めておくことをおすすめします。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
担当アドバイザーのレスポンスの早さと明確なご提案、完全成功報酬制という明確な料金体系、そして上場企業であるという安心感が大きな理由です。M&Aの進行には膨大な準備が必要ですが、私たちの状況を深く理解し、必要な手続きを先回りしてサポートいただきました。特に最終局面での細やかな実務支援には精神的にも大いに助けられました。
譲受企業
自己勘定投資会社 S社
Y. W. 様 インタビュー
後継者不在の課題を解決する事業承継
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
弊社は、後継者不足に悩まれる経営者様から株式を譲り受け、永久保有を前提に長期的な経営を行っていくことを目的に設立されました。代表が過去に会計事務所や投資会社で培った知見を活かし、黒字でありながら廃業の危機にある全国の企業様を次世代へ繋ぐことで、日本経済の損失を防ぎたいという強い想いが事業の根幹にあります。
優良企業を次世代へ残すための積極的な投資
―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
投資会社として、優れた事業基盤を持つ企業様をグループにお迎えし、共に成長していくことが弊社の使命です。日本全国には、素晴らしい技術やノウハウを持ちながら、後継者不在という理由で存続が危ぶまれる企業様が数多く存在します。そうした社会課題を解決し、企業価値をさらに高めていくための手段として、M&Aを継続的に活用しております。
独自のライセンスビジネスへの高い評価
―最終的にF社様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められたご理由を教えてください。
F社様は、農業という不確実性の高い分野において、独自のライセンス販売という横展開が可能なビジネスモデルを確立されていました。社長の聡明な経営戦略と、それを実現する実行力に深く感銘を受けました。私自身も植物への関心があり、その圧倒的な商品力と収益性の高い仕組みは、今後の成長において非常に大きな強みになると判断しました。
圧倒的な商品力を武器に海外市場を開拓
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
F社様が持つ優れた品種を、国内だけでなく海外市場へ展開します。国内の収益は安定している一方、収益拡大には海外展開が必須になります。世界的な需要の増加を見据え、大規模な受注にも対応できる生産体制の構築を目指しています。弊社の知見と組織力を掛け合わせることで、長期的な視点で事業の価値を最大化していきたいと考えています。

社会に必要とされる企業をグループへ
―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
引き続き、良い企業様をグループにお迎えしていく方針です。規模の大きさにとらわれず、しっかりとした付加価値を生み出し、社会から必要とされている企業様を支援していきたいと考えています。中長期的にはグループ全体の大きな成長を目指しつつ、それぞれの企業様が持つ独自性を尊重し、共に発展できる環境づくりに注力してまいります。
単独でも強い企業へ、シナジーに依存しない
―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
譲渡企業様には、自社の価値を正しく評価し、長期的な視点で信頼関係を構築できる専門家をパートナーに選ぶことをおすすめします。譲受企業様に向けては、過度なシナジー効果を前提とせず、単独でも十分な事業価値を持つ企業様とご縁を結ぶことが大切だとお伝えしたいです。既存の強みを正しく評価することが、双方にとって良い結果に繋がります。
最後に弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。
F社様と担当アドバイザーが非常に強固な信頼関係を築いている点に驚きました。そのおかげで、情報共有や調整が驚くほどスムーズに進み、約4ヶ月という短期間で成約に至ることができました。常に冷静かつスピーディーに円滑な進行をプロの視点からサポートしていただき、大変感謝しております。
独自の育種技術と洗練されたライセンスビジネスを確立したF社と、次世代への事業承継を支援するS社。互いの強みを深く理解し、固定観念にとらわれない柔軟な視点が、理想的なM&Aを実現させました。両社の想いが融合し、日本の農業が世界へと広がる新たな挑戦が、ここから始まろうとしています。
担当者からのコメント
F社様は、特定の植物品種において圧倒的なシェアを誇る独自の遺伝資源を有し、高収益なライセンスビジネスを確立されている類稀な企業様です。当初はニッチな事業領域の理解に努める日々でしたが、幅広い知見と鋭い経営眼をお持ちの社長様とのお打合せは常に刺激に満ちており、私自身も多くの学びをいただきました。譲受企業のS社様は、非常に気さくで話しやすく、既存の枠組みにとらわれない柔軟な思考をお持ちでした。F社様の特異なビジネスモデルを初期段階から深くご理解いただき、スピーディーなご決断をいただけたことで、社長様が思い描く理想の事業承継が実現いたしました。今後はS社様の組織力により海外展開も加速し、さらなる飛躍を遂げられると確信しております。本件の素晴らしいご縁のお手伝いができたこと、担当として心から嬉しく思います。
(会計提携本部 会計提携第三部 シニアマネージャー 莊 友博)
