譲渡企業
ホテル業 B社
顧問 I.S.様 インタビュー
先代の旅館からビジネスホテルへ進化
―まず、御社の創業の経緯、事業内容と強みについて教えてください。
もともと母が旅館業を営んでおり、区画整理による取り壊しを機に、現在の本館となるビジネスホテルを建築したのが始まりです。当時は近隣に大手企業の事業所があり、出張される社員の方々に多くご利用いただいていたため、数年後には新館も増築しました。当ホテルの強みは立地の優位性にあります。隣の駅の近隣にはホテルが多数ありますが、当ホテルの最寄り駅周辺にほかの宿泊施設はありません。出張でのご利用はもちろん、観光の要所へもアクセスしやすい立地が、お客様からの高い評価に繋がっております。
顧客層の変化を乗り越え安定収益を確立
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
2000年頃までは、近隣にある大手企業の出張需要が宿泊客の大半を占めていましたが、同社の大規模な人員削減を機に顧客層が大きく変化しました。そこで、周辺に他の宿泊施設がない立地を活かし、周辺企業の工場修繕工事などに伴う作業員の方々の長期宿泊需要を確実に取り込んでいきました。また、時期によって宿泊料金を変えない一律料金制を採用し運営の効率化を図ることで、近年は安定した利益を創出しております。
引退の時期を見据え、事業承継を検討

―譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。
一番の理由は、後継者が不在だったことです。60歳を超えた頃から本格的に引退を考え始めていたタイミングで、M&A総合研究所の担当アドバイザーからご提案をいただきました。具体的なお話を伺う中で、成約までに費用が発生しない完全成功報酬制に安心感を抱き、本格的に検討を進めることにしました。
従業員の雇用とテナントの営業継続
―検討を進められる上で、希望や大事にされた条件は何でしたか?
事業の継続、従業員の雇用と待遇の保証、ホテル1階に入居している飲食店の営業継続の3点を絶対条件としていました。実は、不動産会社からマンション用地として土地と建物を譲渡してほしいというお話もいただいていました。金額のみを考慮すればその選択肢もありましたが、長年貢献してくれた従業員やテナントの未来を第一に考え、M&Aが最適だと判断しました。
温かな人柄と厚い信頼関係が決め手に
―最終的にK社様へのご譲渡を決断されましたが、決め手は何でしたか?
一番の決め手は、K社様の皆様のお人柄です。会長をはじめ誠実で温かな方ばかりで、初対面のときから波長が合い、緊張せずに何でもお話しできる雰囲気に惹かれました。 また、私のこれまでの経営手腕を高く評価してくださり、深い信頼関係を築けたことも大きかったです。M&A成立後も何度もお食事にお誘いいただくなど、素晴らしいご縁に恵まれたと感じています。
ホテルのリニューアルと更なる発展
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
希望していた条件をすべて叶えていただき、大変満足しています。譲渡後には早速、K社様のご尽力によりフロントや客室、廊下の壁紙などが全面的に張り替えられ、ホテルが見違えるほど美しく生まれ変わりました。従業員にとっても働きやすい環境が整備され、リニューアルされた施設でこれまで以上にお客様にご満足いただけることを期待しています。
譲れない条件を明確にし妥協しないこと
―M&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。
経営者として大切にしたいさまざまな希望条件があると思います。その条件を決して妥協しないことが最も重要です。私自身、M&A成立までに約2年と時間を要しましたが、自らの想いを一切妥協することなく進めた結果、条件面でもお相手の人柄という面でも、これ以上ない最高の譲受企業様と巡り会うことができました。焦らず、理想の承継を実現してください。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
成約まで費用が発生しない完全成功報酬制であったことが、安心してお任せできた大きな理由です。担当アドバイザーが常に親身に寄り添い、手厚くサポートしてくださったこともお任せした理由です。また、私自身の今後の活動の活力となるようなご縁も紹介いただき、120点満点の支援をしていただけました。
地域に根ざした老舗ビジネスホテルと、まちづくり事業を手掛ける企業。誠実な「人の縁」で結ばれた二社は、深い信頼関係で結ばれる理想的なパートナーとなりました。B社顧問の「従業員とテナントを守りたい」という強い想いと、K社のこれまでの歩みを高く評価する姿勢が合致した事例になりました。リニューアルによるホテルの魅力向上というシナジーにより、両社の更なる発展と未来に向けた事業承継が期待されます。
担当者からのコメント

当初、オーナー様からは「引退を考えているが後継者がおらず、M&Aが成立しなければ廃業して不動産を売却するしかない」とのご相談を頂戴しました。一方で、従業員やテナントの皆様のために「どうにかして事業を継続させたい」という強い想いもお持ちでした。幾度もご相談を重ねた結果、オーナー様のご希望条件には一切妥協せずにお相手探しを行うことを決断いたしました。ご希望を全て叶えられるお相手と巡り会うまでに2年の歳月を要しましたが、最終的にお引き合わせできたK社様には、初期段階からオーナー様の想いを深くご理解いただくことができました。全ての条件をご快諾いただいたうえに、スピーディーなご決断をいただいたことで、オーナー様も安心してお引き継ぎを決意されました。今後、ホテルの内装は刷新され、より宿泊者の皆様に必要とされるホテルとして再出発することとなります。今回のご成約により、長年「地域の顔」として親しまれたホテルを守ることができたことは、担当者冥利に尽きる思いであり、心から嬉しく思っております。
(企業情報本部 シニアマネージャー 虫鹿 明弘)