譲渡企業
製造業 M社
代表取締役 E.K.様 インタビュー
ニッチ市場で光る独自の技術力
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
先代が創業した会社で、事業が多忙な時期に手伝ったことをきっかけに入社いたしました。事業内容は主に、ガス圧縮機や高圧ポンプなど特殊機器の製造です。強みは主に2つあり、1つ目は、大手が手を出しにくい特殊かつ危険を伴う高圧ガス関連設備の製造に特化している点です。国内でも競合が極めて少なく、独自のポジションを確立できています。2つ目は、需要が拡大し続ける半導体市場において、製造の要となる洗浄用ポンプを顧客のニーズに合わせて開発・供給し続けられる技術力がある点です。
顧客ニーズへの迅速な対応
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
弊社は少人数の組織ですが、お客様からのご要望や引き合いに対して、常に見積もりから納品まで迅速かつ柔軟に対応する体制を整えてきました。また、半導体の用途が広がりを見せる中で、多様化する市場のニーズに合わせた新製品の開発にも注力し、お客様の課題解決に直結するご提案を行うことで、着実に事業基盤を築いてまいりました。
技術を次世代へ残す
―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
業績は安定していましたが、直近は新たな人材の採用が難しく、技術や営業を担う後継者が不在であることが大きな課題となっていました。私たちが手掛ける製品はニッチな市場向けではありますが、産業にとって必須となる重要なものです。この技術と製品を絶やさずに将来へ残していくためにはどうすべきかと考えた結果、M&Aによって共に歩んでいただけるパートナーを探すという選択に至りました。
社名へのこだわり
―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
業界内で広く認知されている弊社の社名をご継続いただくことです。愛着があるという理由ではなく、現在の社名で多くの問い合わせをいただいており、今後の営業活動を有利に進める上で不可欠だと判断したためです。また、営業人材を育成するために私がしばらく代表にとどまることも重視しました。そして何より、事業の要である従業員の雇用維持です。皆が自社の製品に誇りを持って働ける環境を守り、彼らが安心して働き続けられることを大切な条件としていました。
不安を払拭する思慮深さと力強い意志
―最終的にU社様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決めた理由を教えてください。
初めてお会いした際、非常に思慮深く、言葉を選んで丁寧にお話しされる方だという印象を受けました。私たちの不安をうまく緩和してくださるような温かいご対応に、深い安心感を覚えました。そして最大の決め手となったのは、私たちが提示した希望条件をすべて受け入れてくださったことです。人材不足という課題に対しても両社で協力して次世代を育てていこうという力強い意志を感じ、大切な従業員を安心して任せられると確信しました。
ノウハウの共有による事業の拡大

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
U社様の持つ事業拡大のノウハウを共有いただけることに大きな期待を寄せています。両社の製品には高い親和性がありますので、互いの情報や技術を積極的に交換し、既存のお客様へより幅広いご提案を行っていく考えです。両社の強みを最大限に掛け合わせることで、これまで単独では踏み込めなかった新たな領域にも力強く挑戦していきたいです。
信頼できる専門家への早期の相談
―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
厳しい経済環境において、単独での事業継続に不安を抱える経営者様は多いと思います。一人で悩み続けるより、心を開いて共に歩む企業を探すことも有効な選択肢です。また、多くの中小企業では会社運営に必要な書類管理が後回しになりがちだと思います。弊社も交渉の際に書類の準備や内容の把握に苦労したので、できる範囲で準備をしておくと良いのではないでしょうか。独自に交渉を進め、後にトラブルに発展するケースがあると耳にします。スムーズな承継を実現するために、信頼できる専門家を活用することをおすすめします。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
実は当初はM&A仲介に対して不安を抱いておりました。しかし、担当アドバイザーからの熱心で誠実なご提案や情報提供を受ける中で、まずは一度詳しく話を聞いてみようと考えました。何度かお話を重ねる中で、重く不安になりがちなM&Aの話も、常に明るい雰囲気で前向きに和らげてくださり、その人間味あふれる温かな対応に徐々に信頼を寄せるようになりました。最後まで安心してお任せすることができ、大変感謝しています。
譲受企業
製造業 U社
代表取締役社長 O.J.様 インタビュー
独自の配管部品で成長を続ける
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
祖父が戦後まもなく機械加工業を始めたのが原点です。その後、父が第二創業として製造装置に不可欠な特殊な配管部品の開発に成功し、現在は全国の主要都市に営業拠点を展開しております。長年にわたって培ってきた高度な技術力と、多様な産業の根幹を支える高品質な製品を安定して供給できる生産体制が弊社の強みです。
新たな成長に向けたパートナー探し
―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
会社が設立から節目の年を迎えるにあたり、さらなる発展を目指して新規事業の立ち上げを検討していました。しかし、自社単独での製品開発から事業化までの道のりには多くの障壁があることを実感しました。そこで、自前主義にこだわるのではなく、すでに優れた技術や製品を持つ企業様とパートナーシップを結ぶことも一つの有効な手段だと考えました。情報収集を進める中でご縁があり、検討するに至りました。
過酷な時代を生き抜いた経営者への共感
―最終的にM社様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。
M社様は非常にユニークで競争力のある技術をお持ちであり、成長が期待される半導体市場において確固たる強みを有している点に魅力を感じました。また、代表と直接お会いした際に、中小製造業にとって厳しい時代を生き抜いてこられた力強さと優しさに、深く共感いたしました。会社の規模に関わらず、同じ経営者として心から尊敬でき、共に歩んでいける素晴らしいパートナーだと確信し、譲り受けを決断しました。
技術的シナジーによる新製品開発
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
M社様が強みを持つ魅力的な市場において、両社の存在感をいかに高め、事業を拡大していけるかに大きな期待を寄せています。弊社の持つ技術やリソースと、M社様の専門技術を融合させることで、互いに情報を共有しながら、これまでにはなかった革新的な新製品の開発にも繋がると考えています。両社が一体となってシナジーを創出し、お客様に対してより付加価値の高いソリューションを提供してまいります。

信頼できる仲間を増やす慎重な展開
―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
闇雲に規模の拡大を追うことは考えておりませんが、市場環境の変化や製造業の未来を見据えたとき、互いに信頼できる仲間を増やしていくことは、非常に重要だと感じています。今回の経験を通じて、M&Aは単なる事業の拡大手段ではなく、素晴らしい経営者や技術を持つ企業と強固な協力関係を築くための有効な選択肢であると実感しました。今後も、両社にとってプラスとなる良縁があれば、慎重に検討していく方針です。
企業の未来を拓く前向きな選択
―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。譲渡企業様、譲受企業様の両者に向けてアドバイスをいただきたいです。
私自身、当初はM&Aに対して必ずしも前向きなイメージを持っていませんでした。しかし、実際に経験してみると、知識や経験が豊富な素晴らしい経営者様や従業員の皆様と新たな仲間になり、共に仕事ができることは非常に有意義であると気づきました。M&Aは企業や技術を次の世代へ繋ぎ、互いの視野を広げる前向きな手段です。譲渡企業様、譲受企業様を問わず、企業の未来を拓くための選択肢として積極的に検討されることをお勧めします。
最後に、弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。
担当アドバイザーには、両社の架け橋として非常に重要な役割を果たしていただきました。企業間の条件交渉だけでなく、関係者間の複雑な想いや立場を深く理解し、スムーズな承継に向けて見事にコーディネートしてくださったことに感謝しています。誠実なサポートのおかげで、終始安心して手続きを進めることができ、素晴らしいパートナーと巡り会うことができました。
独自の技術力を持ちながらも後継者課題を抱えていたM社と、新たな成長の柱を模索していたU社。互いの経営理念と人間性に深く共感し、強みを掛け合わせることで、技術の伝承と事業のさらなる飛躍を実現する素晴らしいM&Aとなりました。両社が築き上げた信頼関係をもとに、これからの産業を支える新たな価値が創造されていくことが大いに期待されます。
担当者からのコメント
オーナー様は、今後も経営に携わるご意向をお持ちの一方で、将来的な後継者不在を見据えM&Aを検討されました。譲受企業様には、初期段階から譲渡企業様の事業やオーナー様のお人柄に魅力を感じていただき、スピーディーな決断と諸々の条件への柔軟なご対応を行っていただいたため、スムーズにM&Aを進めることができました。譲渡企業様の扱う分野は、今後さらに需要が高まっていくと予測されます。そんな中で両社が多方面で協力し合うことで、売上をさらに伸ばしていかれると確信しております。今回のご成約により、将来の不安を解消しつつ、さらなる事業拡大への一歩を伴走できたこと、担当として心から嬉しく思います。
(企業情報本部 次長 越智 祐太郎)
