譲渡企業
飲食業 C社
取締役 N.B.様 インタビュー
独自の価値を追求した日本料理
―御社の創業の経緯、事業内容を教えてください。
18歳で和食の世界に入り、伝統的な食材の販売を行う店で10年以上修行を重ねた後、30歳で独立いたしました。創業にあたって恩義ある修行先に迷惑をかけることがないよう、飲食店へと業態を変えて事業をスタートしました。現在は、その食材を用いた老舗和食店として長きにわたり店舗を運営しております。
常識を打ち破る新しい食の提案
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
古くから地域に根付いていた味付けの常識にとらわれず、自身の舌を信じた独自の味付けを開発し、既存の食文化に新たな価値を提案してまいりました。さらに、本格的な日本料理の技法を掛け合わせ、食事に四季の移ろいを添える工夫を重ねてきました。単に料理を提供する以上の付加価値を生み出し、他店との明確な差別化を図ることで、事業を展開・拡大してまいりました。
後継者不在で見据えた事業承継

―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
長年事業を継続してまいりましたが、事業承継については深く悩んでおりました。当初は親族や従業員への承継も検討しましたが、体力・精神面ともに非常にハードな運営の重責を、身近な人間に負わせることには強いためらいがありました。適任者にも巡り会えなかったことから、結果として企業様への譲渡という選択に至りました。
生活の安定と愛着ある看板の存続
―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
最も重視していたのは、これまで事業を支えてくれた家族や従業員の生活を守ることです。彼らの衣食住が保障されれば、経営者としての私の責任は果たせると考えておりました。また、半世紀にわたり苦労して育て上げた店舗の看板を残すことも重要な条件でした。地域で長年愛されてきた名前を存続させることが、これまで支えてくださったお客様への責任を果たすことにも繋がると感じていたからです。
従業員を守る強固な体制と経営者としての共鳴
―最終的にS社様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決められた理由を教えてください。
S社様は強固な経営基盤を有しており、個人経営では限界のあった福利厚生や労働環境が徹底して整備されている点に強い感銘を受けました。従業員の働きやすさが担保されることは非常に魅力的でした。また経営陣の皆様から、幾多の困難を乗り越えてきた経営者ならではの共通の信念を感じ取りました。言葉を交わさずとも深く信頼できるお相手だと直感的に確信できたことが、最大の決め手です。
伝統を土台にした新たな価値創造
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
これまで築き上げたものを単に踏襲するのではなく、新しい感覚や発想を取り入れ、私が構想しつつも実現できなかった「さらに上のステージ」へ事業を発展させていただけることを期待しております。顧客ニーズが多様化する現代では、付加価値の高い特別なサービスの提供が求められます。S社様と手を取り合って同じ方向を向き、強固な組織力と当社の伝統を融合させ、新たな価値が創造されると信じております。
未来を見据えた決断の重要性
―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
「振り返るな、前を見ろ」とお伝えしたいです。経営者にはさまざまな苦労や葛藤があると思いますが、これからの事業をどう繋いでいくかという前向きな視点が重要です。ご自身の目指す未来像を明確にし、その価値観に合致して共に未来を創造していける企業様と、M&Aのパートナーシップを結ばれることをお勧めいたします。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
担当アドバイザーが足繁く通い、経営者特有の孤独な悩みに真摯に向き合ってくださったことが最大の理由です。耳触りの良い言葉だけでなく、時には本音で語り合うことで深い信頼関係を築くことができました。対話のたびに新たな気づきを与えてくれた、人間味あふれる温かなご支援に心から感謝しております。
譲受企業
飲食業 S社
取締役 Y.K.様 インタビュー
海外の業態をヒントに多角化を実現
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
海外の飲食事業にヒントを得て創業しました。早期から積極的なプロモーションと店舗展開を行い、大規模なブランドへと成長させることができました。現在は複数のブランドを展開しており、独自の開発力と顧客ニーズに合わせた細やかな改善力が強みです。展開する複数のブランドを、それぞれ着実に成功へ導いている点が大きな競争力となっています。
自社にはない歴史と価値を求めて
―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
飲食業界において企業規模が求められる中、自社の成長戦略に新たな選択肢を持ちたいと考えたことが理由です。当社は多様な業態を自社開発できる体制を整えている一方で、独自の歴史やストーリー、特別な取引先との関係性など、一朝一夕には構築できない事業領域も存在します。そうした自社にはない独自の価値を持つ企業様とのご縁を求めておりました。
細部へのこだわりと理念の共鳴
―最終的にC社様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。
事前に店舗を視察させていただいた際、清掃が隅々まで行き届いており、日頃の意識の高さに感銘を受けました。料理の質はもちろん、サービスや内外装に至るまで強いこだわりを感じました。また、面談でお会いした際に当社の経営理念とも深く共鳴する部分が多く、双方の強みを活かした素晴らしい事業展開ができると確信し、譲り受けを決定いたしました。
伝統の承継と新たな市場への展開
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
C社様が提供する日本料理は、次世代へ承継すべき非常に価値の高いものです。まずは長年愛されてきたブランドと卓越した技術をしっかりと守り、現場から学ぶことを最優先とします。その後は当社の持つ出店ノウハウや組織力を最大限に活かし、より多くの皆様に召し上がっていただけるよう新たな市場への展開を目指しております。

事業基盤の確立を最優先に
―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
今回の経験を通じて、「事業を譲り受けてからが本番」であると再認識いたしました。まずは今回ご縁のあった事業を安定して運営し、強固な事業基盤を築き上げることに注力します。当社はグループ内に複数の事業があるため、当社の理念に合致し、かつ自社では構築できない独自の価値を持つ素晴らしいご縁があれば、今後も前向きに検討していきたいと考えております。
目的の明確化と理念の共有
―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
譲渡企業様へ:
特に飲食店を経営されている皆様には、確固たる「経営理念」が現場の隅々まで浸透していることの重要性をお伝えしたいです。コンセプトには流行り廃りがありますが、何十年も同じブランドを続けていくためには、どのようなスタンスで経営しているかという根底の理念こそが重要です。それがあってこそ、地に足のついた業態となり、長く愛されるブランドを築くことができると感じております。
譲受企業様へ:
M&Aをする目的を明確にし、事前に社内でコンセンサスを取っておくことが大切です。自社にとって不可欠な条件の軸や切り口を定めておかなければ、検討に時間を要してしまいます。単なる規模や売上だけではない明確な判断基準を共有しておくことが、結果的にスムーズな事業承継に繋がると考えております。
最後に、弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。
当社の意図を的確に汲み取ったご提案をしていただけました。また、C社様と担当アドバイザーの間に、ビジネス上の付き合いを超えた信頼関係が築かれていると傍から見ていても感じられました。成約ありきではなく、双方の意向を丁寧に汲み取りお引き合わせいただいていると感じられたことが、大きな安心感に繋がりました。
看板を次世代へ残したいと願う有限会社Cと、その歴史と理念に深い敬意を払い、より良い労働環境と新たな成長戦略で応えようとする株式会社S。両社の強いこだわりと未来への想いが完全に合致したことで、理想的な事業承継が実現しました。新たな体制で歩み出した伝統の味を、今後さらに多くのお客様へお届けできることが期待されます。今後さらに多くのお客様へ届けられることが期待されます。
担当者からのコメント
オーナー様からは、長年守り続けてきたお店の味や卓越した技術を次世代へ伝承し、後継者不在の現状を解決されたいとのご意向から当初ご相談をいただきました。全国でも有数の知名度を誇る名店であり、地域を代表するお店だからこそ、オーナー様のこだわりや想いは非常に強いものがありました。お相手探しの段階では、その高い魅力から数多くの候補企業様より手を挙げていただきましたが、最終的にオーナー様ご自身が心から納得できる条件を満たした企業様をご紹介でき、担当として大変嬉しく思っております。これから新たなスタートとなりますが、伝統と技術が守られ、今後さらに大きくご発展されますことを心よりお祈り申し上げます。
(企業情報本部 次長 池口 拓馬)
