2021年09月25日更新
アーリーリタイアとは?成功するポイントや必要な資金・貯金はいくら?
アーリーリタイアとは、早期リタイア・セミリタイアなどとも呼ばれ、最近では30代でのリタイアに向けて活動する人もみられます。本記事では、アーリーリタイアとはどのようなものか、成功ポイントや必要な資金や貯金について解説します。
目次
1. アーリーリタイアとは
アーリーリタイア(早期リタイア)とは、60代の定年を待たずに仕事生活からリタイアすることです。最近では30代・40代のサラリーマンを中心に、アーリーリタイア(早期リタイア)を志す若者が急増しています。
アーリーリタイアは民間企業のサラリーマンだけでなく、公務員などの団体職員の人も憧れる行為であり、計画的かつ長期的に貯金して30代でアーリーリタイアを実現している人も多いです。
アーリーリタイア(早期リタイア)と類似する言葉としてセミリタイアもたびたび話題になりますが、ここではまず、アーリーリタイア(早期リタイア)とセミリタイアの違いについて解説します。
アーリーリタイアとセミリタイアの違い
セミリタイアは辞書で調べても明確な定義付けはされておらず、セミリタイアという言葉自体はテレビタレント・放送作家・政治家であった大橋巨泉氏の発言により世に出回ったとされています。
セミリタイアとは、貯金や資産をもとに定年前に退職して、自由な時間を過ごしながらアルバイトなどで収入を得るという生活スタイルを意味する言葉です。
一般的にアーリーリタイア(早期リタイア)とは、早期優遇退職制度にもとづき退職金などを受け取り定年前に退職するという生活スタイルであり、「希望退職」という言葉でも表現されます。
以上のことをまとめると、セミリタイアでは自由な時間の中でアルバイト・ホームワークなどの仕事をこなしながら生活するのに対して、アーリーリタイア(早期リタイア)では長年貯めた貯金・退職金・資産のみで生活を送ります。ここに、両者の大きな相違点が見られるのです。
2. アーリーリタイアのメリット
アーリーリタイア(早期リタイア)には、30代・40代・50代の人まで幅広い人が憧れを抱いています。ここでは、アーリーリタイアにより得られるメリットをまとめました。
- 時間に余裕が生まれる
- 仕事をするストレスがない
- 自分の好きなことに没頭できる
- 年齢に制限があることができる
それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。
①時間に余裕が生まれる
アーリーリタイア(早期リタイア)をした場合、仕事に取られていた時間がなくなるため、これまでよりも自由な時間が生まれます。
アーリーリタイアに成功した人の多くは、時間を有意義に使って、本来は仕事をしていた時間で趣味に打ち込んだり、子供達との触れあいにあてたりしています。
②仕事をするストレスがない
いかなる仕事でもストレスはつきものであり、生活の中に仕事という縛りがなくなるだけで、ストレスは激減します。
仕事をしていた時のストレスで体調不良を起こしたり病気になったりする生活から解放されるのも、アーリーリタイアのメリットです。
③自分の好きなことに没頭できる
アーリーリタイアをすると、仕事を理由にこれまでできなかった趣味などを存分に楽しめます。
現代日本において自分の好きなことに没頭できている人は珍しく、アーリーリタイアには人生で貴重な体験が得られるメリットがあるのです。
④年齢に制限があることができる
一般的に人間は日々同じ仕事を繰り返して、自然と年を取っていく生き物です。そのため、年齢制限を理由に、60代などの定年を迎えてからでは実行不可能となってしまうこともあります。
アーリーリタイアすることで、40代や50代のうちにやり残すことなく有意義な生活を楽しめる点は大きなメリットです。
3. アーリーリタイアのデメリット
メリットのみを見ると夢のような生活と思われるアーリーリタイアですが、当然デメリットとなる要素も存在します。両者のバランスの中で、自身の好きなことや自由な時間を楽しまなければなりません。
アーリーリタイアをしたからといって生活のすべてが裕福になるわけではなく、計画的に生活を送らないと最悪な状況に陥るという点も理解しておく必要があります。アーリーリタイアのデメリットは、以下のとおりです。
- 収入源がなくなる
- 毎月、確実に資産が減る
- 年金額が減る
- 世間的な信用を失う
- 社会的なつながりを失くし孤独になりやすい
それぞれのデメリットを順番に見ていきましょう。
①収入源がなくなる
アーリーリタイアでは仕事をしない生活を送ることになるため、当然仕事で得ていた収入がなくなります。
これを原因にアーリーリタイアを諦めてしまう人も多く、収入源がなくなるというデメリットを十分に理解しておかないと、アーリーリタイアのメリットを享受できなくなってしまうため注意が必要です。
②毎月、確実に資産が減る
アーリーリタイアでは仕事を辞めて退職金として受け取ったお金などを資金に暮らしていくため、今までどおりの生活をしていると確実に貯金・資産は減っていき生活資金が足りなくなるおそれがあります。
仕事を収入源とする生活を送る人では問題ないものの、アーリーリタイアでは資産や貯金と綿密に相談しながら実行しなければなりません。
③年金額が減る
年金の支給額は、納めた期間で決まります。アーリーリタイアで仕事を辞めると退職以降は年金を納めないことになるため、老後に支給される年金額が満期まで納めていた人に比べると一般的に減少してしまうのです。
④世間的な信用を失う
ここでいう世間的な信用とは、ローンや信用情報に関わる信用度のことです。
アーリーリタイアにより仕事をしていない人は年金受給者ではないため契約関係で不利になるケースも多く、カードローンや借り入れなどが利用できなくなるおそれがあります。
⑤社会的なつながりを失くし孤独になりやすい
アーリーリタイアに成功すると多くの自由時間を確保できますが、時間を持て余して、むしろ生きがいを失くしてしまう人も少なくありません。自由な時間を持ち過ぎたことを理由に、暇を持て余してしまいがちです。
また、仕事を辞めると社内の人間関係もなくなるため、孤独感に悩まされる人もいます。
4. アーリーリタイアに成功するポイント
アーリーリタイア(早期リタイア)およびセミリタイアは、計画的に進めないと失敗をしてしまい、生活が最悪な事態に陥るケースも少なくありません。
ここでは、アーリーリタイア(早期リタイア)・セミリタイアを成功させるポイントを解説します。特にアーリーリタイアのような生活に憧れている人は、チェックして理解を深めておきましょう。
- 年齢により必要資産が違う点に注目
- 毎月の生活費や税金など必要なお金を確認
- 収入源の確保
- 寿命の計算を視野に入れる
それぞれの成功ポイントを詳しく解説します。
①年齢により必要資産が違う点に注目
アーリーリタイアの計画を立てるうえで大切なのが、どの年齢でアーリーリタイアを実行するかという点です。
もちろん年齢が早ければ早いほどリタイア生活を送るためにかかる資金が多くなるため、貯金を含めた資産の確保はそれだけ多く必要となります。
また、若い人はお金を使う機会も多くあるため、その点も含めて資金を確保しておかなければならないことを理解しつつ、アーリーリタイアに向けて計画的に行動しましょう。
②毎月の生活費や税金など必要なお金を確認
リタイア後の生活に必要な資金を確認するには、毎月のキャッシュフローを確認して年間どれほどの資金が必要になるのか考えなければなりません。ここで重要なのは、自分の生活費だけではなく税金や保険料などの金額も考慮する点です。
年金などは収入がなくなった年の次の年(仕事を辞めて2年目)から控除が可能となりますが、固定資産などにかかる税金は控除ができないため必要資金を細かく確認しましょう。
③収入源の確保
収入源の確保は最も重要な部分です。アーリーリタイアを考える人の多くは、このポイントでつまずいてしまいます。
重要なポイントであるため、収入源ごとに細かく見ていきましょう。
株式投資や不動産投資
アーリーリタイアやセミリタイアをする人の中には、株式投資・不動産投資により資金を集める人がいます。
株式投資や不動産投資などは不労所得に分類される所得であり、以前から本業ではなく副業として実施していた人がアーリーリタイア後も生活資金を稼ぐために引き続き行っているケースが多いです。
株式投資や不動産投資ができる人はアーリーリタイアやセミリタイアの成功確率を高められるため、リタイア生活を送る前にあらかじめ検討しておくと良いでしょう。
著作物などの権利収入
ものづくりやアプリ開発を行っていた人や自身で会社を経営していた人などは、著作物などの権利収入によりアーリーリタイア生活を送るケースもあります。
権利収入も不労所得の一種であり、著作物として認可されている物を保有していると自身で仕事をしなくても収入が生まれる仕組みです。
アルバイトなど
アルバイトをする場合は、アーリーリタイアではなくセミリタイアに分類されます。
アーリーリタイアの定義からすると少し離れてしまいますが、例えば月に30時間のみなどお小遣い稼ぎ程度の感覚でアルバイトして生計を立ててリタイア生活を送る人も多いです。
計画的に資金を回そうとしても途中で思わぬ出費などが出て仕方なくアルバイトをしている人だけでなく、念のためにアルバイトしている人や単純にやってみたい仕事を手伝っている人もいるため、生活スタイルに合わせて検討してみると良いでしょう。
ブログ・アフィリエイトなど
アーリーリタイアをして海外旅行・海外移住をする人の中には、ブログ・アフィリエイトなどで収入を作る人も多いです。
ブログ開設には多少お金が発生するケースもありますが、世界各地どこにいても収入を得られるため、アーリーリタイア前から準備しておけば、リタイア後はブログだけで生活できてしまう場合もあります。
特にネットサーフィンや商品レビューが好きな人にはおすすめです。
④寿命の計算を視野に入れる
アーリーリタイアは、寿命も視野に入れて計画しなければなりません。
年間支出を計算するとしても、何年その支出がかかるのか把握しておかないといずれ資金はなくなってしまいます。年間支出額および年間支出が続く期間を考慮して、資金・貯金を準備しましょう。
以上、アーリーリタイアに成功するポイントを紹介しました。経営者の方であれば、会社・事業を譲渡したときに得られる利益によってアーリーリタイアを実現できる可能性もあります。
最近ではアーリーリタイアやセミリタイアを目的に、M&Aにより会社・事業を売却する経営者が増加している状況です。ただし、M&Aでは自社が所属する業界の知識だけではなく、M&Aに関する知識・経験も求められます。
少しでも高く売却してアーリーリタイア生活の成功につなげるためにも、専門家からサポートを得ながらM&Aの準備を進めると良いでしょう。
M&A総合研究所には、M&Aの知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、会社・事業売却などのM&Aをフルサポートいたします。
当社は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)となっており、着手金は完全無料です。相談料は無料となっておりますので、会社や事業の譲渡でアーリーリタイアを目指している経営者の方はお気軽にご相談ください。
5. アーリーリタイアに必要な資金・貯金額
アーリーリタイアに必要な資金や貯金額が気になる人は少なくありません。
まず毎月の生活費など必要な資金を考えると、家賃を含めても質素な生活をすれば12万円程度で収まる可能性があります。
上記を最低基準として考えると、税金その他の出費を踏まえても年間160万円程度は必要です。80歳まで生きると考えたときの支出額は、単純計算で以下のとおり算出されます。
年間支出額 | 80歳までの支出 | |
30代 | 160万円 | 約8,000万円 |
40代 | 160万円 | 約6,400万円 |
50代 | 160万円 | 約4,800万円 |
あくまでも1人暮らしで質素な生活をした場合であるため、家族がいれば家賃や生活費を含めて2倍近く必要となるほか税金の支払い額も増加します。
アーリーリタイアを目指す資金や貯金額の最低額を以下にまとめました。
- 30代→8,000万円〜1億円
- 40代→6,400万円〜8,000万円
- 50代→4,800万円〜6,000万円
次に、1人暮らしではなく、家族がいる場合に必要な資金・貯金を計算します。総務省統計局の「家計調査 2019年(令和元年)平均」(2020年2月7日公表)によると、1世帯あたり約25万円(249,704円)が年間消費支出の平均値です。
そこで家族がいる場合に、80歳までに必要な資金・貯金を以下にまとめました。
- 30代→1億2,300万円〜1億5,000万円
- 40代→9,300万円〜1億2,000万円
- 50代→6,300万円〜9,000万円
もちろん上記よりも少ない金額で生活できる人もいるため、自身の生活・支出のバランスに合わせて試算表を作成しながら、細かく計算してみると良いでしょう。
6. アーリーリタイアに成功した人の例
実際にアーリーリタイアに成功した人の事例を見ると、不動産投資などの不労所得およびFX・仮想通貨などの積立投資で成功している人が多いです。
その中でも、不労所得で年収1,000万円を稼いでいる人は、30代でのアーリーリタイアに成功して悠々自適に暮らしています。
30代でリタイアをした人をみると、2,000万〜3,000万の資金を元手に投資などで収入を得ている人が多いです。
その一方で、40代〜50代でアーリーリタイアをしている人の中では、自身で経営していた会社などをM&Aで売却し、売却利益を資金に生活を送る人が目立ちます。
アーリーリタイアを目指す場合には、アーリーリタイア生活に関する知識と資金力が必要不可欠です。
7. アーリーリタイアのための資産運用を学ぶおすすめ入門書籍
アーリーリタイアするには資金集めも重要ですが、同時に資産運用などの知識を持っておくことも大切です。
最後に、アーリーリタイアに役立つ入門本を紹介します。
①いちばんカンタン!資産運用の超入門書(湯之前敦、高橋書店)
初めて資産運用を学ぶ人だけでなく、もう一度学び直すという人にもおすすめの本です。
一流のファイナンシャルプランナーが教える、少額からお金を増やす方法や運用を始める第一歩になる行為などが盛り込まれています。
数多くのレビューサイトにて評価が高い本であるため、入門書として手にとってみると良いでしょう。
②つみたてNISA&iDeCoでお得に資産運用(日本経済新聞出版社)
日本経済新聞社が編集・出版している書籍であり、2018年1月から始まった「つみたてNISA」や「iDeCo」と呼ばれる個人型確定拠出年金について資産運用の方法を学べる本です。
本書の冒頭では資産運用の専門家3人が本音の座談会を展開しているなど、これからの時代の資産運用について多角的に学べます。
③日本人が知らなかった海外口座 資産運用術(岩崎博充、翔泳社)
ゼロ金利の日本では、できない海外口座を使った資産運用術をこの1冊で学べます。
富裕層やミニ富裕層ではなく庶民向けの内容となっており、誰でも取り組める資産運用術が学べる1冊です。
④ずぼらな人でも絶対に損しない 手取り17万円からはじめる資産運用(横山光昭、宝島社)
投資によって資産運用を成功に導いてきた実績を持つ、横山光昭氏が監修する1冊です。
貯金が少なくて投資ができない人や知り合いなどの紹介で始めたが資産運用がうまくできているかわからない人など、資産運用に疑問を持つ人に向けた本であり、入門編として非常にわかりやすくまとめられています。
⑤図解 はじめての資産運用(大竹のり子、学研プラス)
超初心者にもわかりやすい資産運用の入門書です。
株式・投資信託・海外投資・NISA・確定拠出年金など各種資産運用の特徴を詳しく解説しています。
職業や目的にあったライフスタイル別の運用方法を紹介しているため、間口が広い1冊です。
8. まとめ
アーリーリタイアは簡単に実行できるわけではなく、慎重かつ計画的に準備を進めないと失敗してしまいます。
なお、現在事業を行っていて、会社売却でアーリーリタイアし仕事に打ち込んでいた生活から脱出したいと考える経営者の方にとって、M&Aは夢をかなえる1つの機会であるともいえるでしょう。
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