サラリーマンがセミリタイアするメリット・リスク・必要な資産はいくら?実例から5パターンを解説

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

セミリタイアとは会社員を辞めて、貯蓄と最低限のアルバイト、投資などで生活するライフスタイルのことです。本記事では、セミリタイアするにはどのぐらいの収入が必要か、メリットやデメリット、投資方法や実例を紹介しながら解説します。

目次

  1. セミリタイアとは?
  2. セミリタイアの理由・メリット
  3. セミリタイアのリスク
  4. セミリタイアの年齢
  5. セミリタイアするための条件
  6. セミリタイアに向けたおすすめの方法
  7. セミリタイアした結果
  8. セミリタイア成功者の実例パターン5つ
  9. サラリーマンがセミリタイアするために必要な資産まとめ
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1. セミリタイアとは?

セミリタイアとは、会社などは退職して定職に就かず、貯金や投資などの不労所得や短時間のアルバイトなどの収入で生活することです。一切、仕事をしない場合は「完全リタイア」と呼び、セミリタイアとは区別されます。

別な言い方をすれば、完全リタイアは不労所得のみで生活できますが、不労所得だけでは生活費が足りないため、その分をアルバイト収入で賄うのがセミリタイアです。不労所得のみでの生活は可能でも、マイペースで自由に何らかの仕事をするケースもあります。

アーリーリタイアとは

2025(令和7)年4月から65歳定年制は全企業の義務となりますが、アーリーリタイアとは、その定年を待たず60歳未満で退職し転職はしないことです。早期リタイアともいいます。セミリタイアも完全リタイアも、いずれもアーリーリタイアに該当するものです。

FIREとは

セミリタイアに類する言葉として昨今、使われるようになったのがFIREです。FIREは、「Financial Independence, Retire Early」を略しています。日本語に翻訳すると「経済的自立とアーリーリタイア(早期リタイア)」です。

一見、完全リタイアと思われますが、実は意味が異なります。完全リタイアでは、不労所得として貯金を切り崩すことも含まれますが、FIREはその点が異なります。FIREは貯金を切り崩さず、準備した資金を元手に投資を行い、その運用益で生活していくことです。

2. セミリタイアの理由・メリット

セミリタイアを目指している人たちやセミリタイアした人たちのブログやSNSを見てみると、セミリタイアをしたいと考えた理由で多かったものは下記になります。

  • ブラック企業からの脱却
  • 田舎でのんびりと暮らしたい
  • 人付き合いが苦手
  • 人生の見直し
  • その他

これらの理由を事例とともに紹介します。

ブラック企業からの脱却

40代のKさんは、不動産関係の営業職として働いています。セミリタイアを考え始めたのは30代の頃からで、40代後半か50代前半には早期リタイアしたい考えです。

厳しいノルマや支店長からのパワハラまがいの言動に耐える毎日で、家族とゆっくり過ごせず、早期リタイアに向けて準備を進めています。独身であればすぐにでも会社を辞めたいところを、妻と子供がいるので貯金や投資で早期リタイア資金を蓄え中です。

セミリタイアを目指す理由で多いのが、会社員生活が苦痛で耐えられないものでした。30代から責任ある立場になり、40代、50代では会社での責任と家族の責任を背負うようになります。責任の重さと自由のなさから、セミリタイアしたいと考える人が多くなるようです。

田舎でのんびりと暮らしたい

50代前半のSさんは東京の金融機関に勤めていますが、55歳で会社を辞めて田舎暮らししたい考えです。30代の頃に転勤で住んでいた田舎に一軒家を購入してお店を開く目標があります。子供も大学を卒業して働き始めたので、夫婦で田舎に移住する予定です。

定年退職者の間で流行していた田舎暮らしブームは、世代を超えて続いています。以前は60代の定年退職者や50代で早期リタイアした方がほとんどでしたが、近年は40代や30代の田舎暮らしも増加中です。

人付き合いが苦手

30代のHさんは人付き合いが苦手で、仕事もアルバイトを含めて転職を繰り返してきました。Hさんは、インターネットでの収入を、生活できるレベルまで上げてアーリーリタイア生活することを目指しています。

アーリーリタイア後は、アルバイトなどはせずにインターネットでの収入だけで生活していきたい考えです。人付き合いが得意ではなく、会社と人間関係から自由になるためにアーリーリタイアをする人は、特に20代、30代の若い人に増えています。

20代、30代では長期間アーリーリタイア生活するだけの貯金がない人も多く、そうであるからといってアルバイトをする気もなく、投資やインターネットでの収入によってアーリーリタイア生活をしたいと考える人たちが多いようです。

人生の見直し

50代のYさんは長年、会社一筋で生きてきました。しかし、40代後半で管理職になった頃から、漠然とした将来の不安を感じるようになったそうです。特に何かやりたいことがあるわけでもないのですが、このままではいけない焦りと不安からセミリタイアを考えています。

今すぐセミリタイアをするつもりはないのですが、早期退職はしたい漠然とした気持ちのようです。Yさんのように現在の環境に大きな不満はないものの、「現状のままでは駄目なのではないか」という漠然とした不安を抱えている人は多いでしょう。

その他

他にも、やりたいことを行うために早期リタイアする人たちも多いでしょう。農業をするために早期リタイアした50代の方や、ゲームをするために会社を辞めた30代の方もいます。子供が独立したことをきっかけに、会社を辞めてやりたかったことを行う50代の方もいました。

気付いたらセミリタイア生活のようなライフスタイルになっていた」という人たちも多くいます。アルバイトやフリーランスなどで働く量を調節しているうちに、セミリタイアと変わらない労働量のパターンです。

3. セミリタイアのリスク

セミリタイアは、どのようなリスクがあるのでしょうか。事前にリスクを知っておくと、有効な対策を立てられるでしょう。

資金が不足し生活水準が下がる

サラリーマンが退職をしてセミリタイアする際は、ある程度の生活資金を用意しておく必要があるでしょう。しかし、生活費は予想以上にかかる可能性があります。最低限必要な出費だけであれば問題がない場合であっても、けがや病気で急な出費が必要になるケースも考えられます。

想定していなかった事態に直面し、資金が不足し生活水準が下がる可能性も考えられます。特に余剰資金がないサラリーマンの場合は、万苦労するかもしれません。

社会的な信用が下がる

セミリタイアをすると、住宅ローンやクレジットカードの新規作成ができないケースも考えられられるでしょう。過去に多くの資産を獲得しセミリタイアをした人であっても、セミリタイア後の仕事がアルバイトであれば、社会的には信用が下がります。
 
サラリーマンより信用が下がるため、ローンやクレジットカードの審査に通らない可能性もあります。多額のお金を使用する際、信用の低さを実感することでしょう。

再就職が難しい

セミリタイアをチャレンジしてみて、うまくいかなければ再就職すると考えている人もいるでしょう。しかし、セミリタイアをすると空白期間が長くなるため、再就職が難しいケースもあります。

また、年齢が高くなるほど再就職の難易度は高まるでしょう。再就職も検討している人は、専門的なスキルや知識を身につけておくといいかもしれません。
 

4. セミリタイアの年齢

年齢層は、50代、40代でセミリタイアする事例が最も多くなっています。しかし近年は、インターネットで収入を得たり、アルバイトで最低限の収入を得たりしながら、20代、30代のうちにセミリタイア生活を始める人も増えてきました。

30代、40代のセミリタイアでは、さまざまな理由からセミリタイア生活に失敗し、再び働き始める事例も見られます。

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5. セミリタイアするための条件

ここでは、セミリタイアするために必要な資金額の一般例を紹介します。

  • セミリタイアに必要な資産
  • セミリタイアに必要な投資額
  • セミリタイアに必要な生活費

セミリタイアに必要な資産

仮に40代から85歳まで、月に15万円の生活費で早期リタイア生活をする場合を想定します。月5万円をアルバイトなど何かしらの収入源で賄いながら生活すると、40代から年金を全額もらえる65歳までは月に10万円の不足です。

年間120万円、40歳からだと25年間で3,000万円不足するので、その分の資金を用意する必要があります。65歳からは国民年金の6.5万円を加えて月15万円で生活するとして、8.5万円不足することになり、年間で102万円、65歳から85歳まで2,040万円が必要です。

合計すると、40代で早期リタイアしてから85歳まで途中で失敗せずに早期リタイア生活を送るには、5,040万円以上の資金が必要になります。妻子がいる場合は、月々の収入をさらに増やすか、早期リタイアまでの貯金を増やすことで失敗の確率を下げられるでしょう。

セミリタイアに必要な投資額

長期間に渡って失敗のリスクを抑えながら投資を続けるには、年利5%のリターンを狙うのが一般的です。利益を再投資ではなくその都度引き出しながら生活費に充てるとすると、単純計算で5,000万円投資に回せば年間250万円の収益が得られます。

20%課税されるとして手持ち額は200万円です。アルバイトや貯金などの資金と合わせて生活すれば、さらに上積みできます。投資額が半分の2,500万円だとしても単純計算で年間100万円得られるので、アルバイトなどで賄いながらセミリタイア生活をすることも可能です。

高いリターンを狙う場合は、その分、失敗するリスクも高くなります。ブログやSNSでも、ハイリスク・ハイリターンの投資を続けた結果、数年でセミリタイア生活に失敗した事例も少なくありません。

セミリタイアに必要な生活費

総務省統計局の調査では、1人暮らしの場合は平均で月に約17万円の支出となっています。3人暮らしの世帯では平均約29万円、4人暮らしの世帯では平均約33万円の支出です。60代以上の年金暮らし世帯では、収入よりも支出が5万円多く、貯金を切り崩しながらの生活になります。

セミリタイア時に全く貯金がない場合で計算すると、老後のための貯金も行いながらセミリタイアを途中で失敗することなく続けるには、独身で月に約20万円、家族がいる場合は月に30万円以上の収入が必要です。

【年齢別】セミリタイアに必要なお金

ここでは、より具体的にセミリタイア生活のために必要な資金額を年代別で考察します。厚生労働省の発表では、2021(令和3)年の日本の平均寿命は84.52歳(男性81.47歳、女性87.57歳)でした。そこで、まず、セミリタイア生活は85歳までという前提にします。

次に、政府統計ポータルサイト(e-Stat)の統計によると、2020(令和2)年の単身勤労者世帯の平均消費支出額は月168,965円でした。セミリタイアでの支出額は、この金額を用いて算出します。

30代でセミリタイアする場合

30歳でセミリタイアすると、85歳まで55年あります。その間の必要生活費は168,965円×12カ月×55年=1億1,151万6,900円です。日本年金機構の発表では、2022(令和4)年の国民年金(老齢基礎年金満額分)は月額64,816円となっています。

つまり、65歳からの20年間は64,816円×12カ月×20年=1,555万5,840円の収入があるので、これを差し引くと必要生活費は9,596万1,060円です。

この前提でセミリタイア中、投資運用益やアルバイト収入などが月額5万円・10万円・15万円の3ケースで、セミリタイアまでに必要な貯蓄額を計算しました。

  • 月収5万円の収入総額3,300万円:必要貯蓄額6,296万1,060円
  • 月収10万円の収入総額6,600万円:必要貯蓄額2,996万1,060円
  • 月収15万円の収入総額9,900万円:必要貯蓄額不要(303万8,940円の余裕)

ただし、投資の運用益を得るためには、その元手となる資金が必要です。その金額を勘案すると必要額はもっと増えることになります。

40代でセミリタイアする場合

40歳でセミリタイアすると、85歳まで45年です。その間の必要生活費は168,965円×12カ月×45年=9,124万1,100円となります。ここから年金収入1,555万5,840円を差し引くと必要生活費は7,568万5,260円です。

40代の場合もセミリタイア中の月額収入5万円・10万円・15万円の3ケースで、セミリタイアするまでに必要な貯蓄額を計算しました。

  • 月収5万円の収入総額2,700万円:必要貯蓄額4,868万5,260円
  • 月収10万円の収入総額5,400万円:必要貯蓄額2,168万5,260円
  • 月収15万円の収入総額8,100万円:必要貯蓄額不要(531万4,740円の余裕)

投資の運用益を得る場合、その元手となる資金が上記以外に必要になるのは、30代と同様です。

50代でセミリタイアする場合

50歳でセミリタイアすると、85歳まで35年です。その間の必要生活費は168,965円×12カ月×35年=7,096万5,300円となります。ここから年金収入1,555万5,840円を差し引くと必要生活費は5,540万9,460円です。

50代の場合もセミリタイア中の月額収入5万円・10万円・15万円の3ケースで、セミリタイアするまでに必要な貯蓄額を計算しました。

  • 月収5万円の収入総額2,100万円:必要貯蓄額3,440万9,460円
  • 月収10万円の収入総額4,200万円:必要貯蓄額1,340万9,460円
  • 月収15万円の収入総額6,300万円:必要貯蓄額不要(759万540円の余裕)

投資の運用益を得る場合、その元手となる資金が上記以外に必要になるのは、30代・40代と同様です。

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6. セミリタイアに向けたおすすめの方法

セミリタイアをするためには年齢や保有資産、家族の状況などさまざまなことを考慮しながら計画を立てる必要があります。その中でも多くの人がセミリタイアの資金として考える投資について解説します。

安定志向の方は貯蓄+配当目的の投資がおすすめ

投資で売買益によって長期間利益を得続けるには勉強と経験、センスが必要になります。売買益でセミリタイア生活を長く続けることは失敗するリスクも伴うものです。

失敗するリスクを抑えるには、複数の安定株に長期投資し売買益ではなく配当利益を狙う方法や、低リスクの投資信託に再投資し続けながら評価額を増やしていく方法などがあります。投資資金が多いほどリスクも軽減できるので、セミリタイアまでに十分な投資資金をためることも大切です。

不動産投資によって家賃収入を得る方法もあります。アパートやマンションなどの家賃収入でセミリタイアする場合は、不動産購入費をどれだけ抑えられるかが重要です。管理会社への支払額と家賃収入の見込み額を、しっかりと考慮することもポイントになります。

たとえば、物件価格が5,000万円で満室時の年間収入が500万円の場合、入居率が80%とすると、年間の収入は400万円です。各種支払いをすませたあとの利益が150万円残れば、セミリタイア生活の大きな資金となります。

多少リスクを取るならハイリターンの投資がおすすめ

リスクを取れる資金や他の収入源があれば、リスクを上げてハイリターンの投資を行う方法もあります。年間7%から8%のリターンを目指せば、リスクは高くなりますが大きな収益となるでしょう。年間10%以上の投資収益を目指す場合は、ハイリスクとなります。

長期間に渡って収益を得る必要のあるセミリタイア生活でハイリターンを狙う場合は、損失が出そうなときに素早く撤退できるスキルとメンタルが必要です。セミリタイア生活でハイリターンの投資を行う場合は、投資成績が悪くてもつぶしの効く収入源を少なくとも2種類は確保する必要があります。

FXもおすすめ

FX(Foreign Exchange)とは、外国為替証拠金取引のことです。異なる国の通貨の為替レートは常に変動しており、その変動の差額で利益を得ます。FXの場合、外貨預金と違って、外貨を買って価値が上がったら売るような一方向のみの取引ではありません。

為替レートが下がりそうな局面では、売り注文を入れ予測どおりに下がったら、そこで決済すると差額分(為替レートが下がった分)の利益が得られます。FX取引の特徴は、最大25倍のレバレッジがかけられることです(日本の場合)。

これにより、10万円の資金で最大250万円の取引が可能となり、少額資金でもすぐに始められます。ただし、損が出た場合はレバレッジ分、増幅されますから、FXを始めるには、十分に仕組みや外国為替の知識を得てからが望ましいでしょう。

いずれにしろ、FXを始めた当初は、レバレッジは低めで行うのが肝要です。

FXが向いている人

FXは、平日24時間いつでも取引ができます。セミリタイア前の貯蓄のための収入を得る手段としても有望です。ただし、投資にはその種類によって、向き不向きもあります。FXは、一般に以下のようなタイプの人が向いているでしょう。

  • 長期的視点で投資ができる:無理に利益を追求せずリターン率や目標額を設定して堅実な取引をする
  • 損失を無理に取り戻そうとしない:FXではレバレッジを高くすれば高額利益をも可能ですが、それではギャンブルと大差ありません
  • 冷静沈着に判断や分析を行う:FXでは利益追求をあきらめ損を拡大しないための損切りの判断も時には必要です

7. セミリタイアした結果

続いて、実際にセミリタイアした人たちのブログやSNSを参考に、セミリタイア後の生活を事例とともに紹介します。

  • 貯金や投資で悠々自適な生活
  • 蓄えと副収入で快適な生活
  • セミリタイア後に破産
  • 海外移住生活
  • その他

貯金や投資で悠々自適な生活

50代のWさんは、30代から続けている株式投資で億り人(投資による資産が1億円を超えた人の呼び方)となり、50代になってすぐ早期リタイア生活を始めました。それまでの貯金と会社の退職金も含め、投資を続けながら家族と早期リタイア生活を楽しんでいます。

同じセミリタイアでも、お金に余裕のないセミリタイアと、十分に余裕を持った富裕層のセミリタイア生活を送る人もいるのが現実です。お金に余裕のあるセミリタイア生活をしている人たちは、精神的にも余裕があります。

蓄えと副収入で快適な生活

40代でセミリタイアしたAさんは、30代から始めた不動産投資と、フリーランスで仕事を受注して生活しています。Aさんは50代でさらにマンションを購入する予定です。セミリタイアまでにためてきた貯金と副収入で、余裕のあるセミリタイア生活を続けています。

余裕のある蓄えと安定した副収入で、精神的な安定も手に入れているようです。セミリタイアをする際は、現在の収入源に継続性があるのか、貯金を極力切り崩さなくてもやっていけるのか、などをしっかりと試算する必要があります。

セミリタイア後に破産

Nさんは30代のときにFXで大きな資産を築きました。今後もFXでやっていけると確信しセミリタイアしたものの、会社を辞めてFX専業になった途端にうまく稼げなくなってしまったのです。

思うように稼げない焦りがさらに失敗を招き、生活がままならないところまで大失敗してしまいました。分割払いも自己破産も不可能で、最終的に親に支払ってもらっています。

投資やアフィリエイトなどで数年、大きな収益を得たものの、やがて収益が上げられなくなってセミリタイア生活が失敗に終わる人が少なくありません。十分な安定収入がないと、どこかでセミリタイア生活が失敗してしまうこともあります。

海外移住生活

Iさんは50代で会社を辞め、東南アジアに移住しました。物価が日本よりも安いことから、セミリタイアまでの貯蓄と退職金、株式投資でお金には困ることなく海外移住生活を続けています。

病気や治安の問題など決して安心して生活できる環境ではないものの、長年、続けてきた海外移住生活を止めるつもりもなく、60代になった現在も海外移住生活中です。自由で快適な生活を求めて海外移住生活を始める人たちが年代を問わず存在しますが、年代によって移住方法が違います。

50代以上の場合は、十分な移住資金を準備して海外移住生活を始めるケースがほとんどです。30代などの若い方の場合は、日本である程度お金をためたら海外に移住し、お金がなくなったらまた日本で稼ぐライフスタイルの方もいます。

海外移住生活は快適なイメージがありますが、不便さや苦労もゼロではありません。物価の上昇や治安の悪さ、病気になったときにどうするかなどの課題があるため、それも覚悟のうえで海外でのセミリタイア生活をする必要があります。

その他

Hさんは40代でアーリーリタイアしたものの、アーリーリタイア生活を2年ほど続けたところで、知り合いの誘いで再び本格的に会社員として働き始めました。

お金には困っていませんでした。しかし、アーリーリタイア生活をする中で、社会とのつながりや会社員として働く刺激を求めるようになったのです。50代目前の現在も会社員を辞めるつもりはなく、定年退職まで働こうと考えています。

実は、セミリタイア後に再び本格的に働き始める人が多くいるでしょう。会社員に戻る人もいれば、起業して仕事に没頭する人もいます。セミリタイア生活の失敗要因はお金だけではありません。お金以外の要因でセミリタイア生活に失敗する人も多くいます。

セミリタイアは失敗ですが、一生懸命に働く生活に戻ったことで逆に人生に充実感を感じている人も少なくありません。

8. セミリタイア成功者の実例パターン5つ

ここでは、実際にセミリタイア生活を予定どおりのペースで進めている人や、セミリタイア生活を始めるための準備を進めている人のブログを紹介します。

不労所得でセミリタイアを目指す30代のブログ

セミリタイア成功者の実例パターン5つ①

不労所得でセミリタイアを目指す30代のブログ

出典:http://semiritaiafx.com/

こちらのブログ主は、FXのアフィリエイトブログ収入でセミリタイアしました。ブログ運営主の鈴さんは、ブログでFXの手法を公開しています。紹介しているのは、主にトラップリピートイフダンという、FXの自動売買方法です。

セミリタイアしたときの年齢

鈴さんは2018(平成30)年9月に会社を辞め、32歳でセミリタイアしています。

セミリタイアした手段

セミリタイアの主な収入源はブログのアフィリエイトです。FX会社のアフィリエイト広告で収益を上げています。

セミリタイアした理由

鈴さんは会社を辞めるためにFXを始めました。FXの自動売買で収益が上がるようになり、その手法を公開しているブログのアフィリエイト収益も伸びたことから、貯金2,500万円でセミリタイアをしています。

セミリタイアした現在

ブログの収益が大幅に伸びたことから、2018年10月に個人事業主となっています。

29歳からの貧乏セミリタイア 人生よよよのブログ

セミリタイア成功者の実例パターン5つ②

29歳からの貧乏セミリタイア 人生よよよのブログ

出典:https://jinseiyoyoyo.hatenablog.com/

こちらのブログ主は、20代からアーリーリタイア生活を始めました。ブログ運営主のよよよさんは、会社員時代からブログを開始し、アーリーリタイア生活で考えたことなどを書き続けています。

セミリタイアしたときの年齢

よよよさんは2017(平成29)年末に29歳で会社を退職し、 主に資産運用によってセミリタイア生活をしています。

セミリタイアした手段

29歳のセミリタイアまでに約780万円の貯金をし、投資信託の積立投資などを含めて約2,960万円の資金でセミリタイアしています。

セミリタイアした理由

よよよさんは会社の独身寮が解体となったことから退職し、アーリーリタイアをしています。

セミリタイアした現在

現在はアルバイトなどで働くことはせず、ゲームをして過ごしながらアーリーリタイア生活を行っています。

48歳からのセミリタイア日記

セミリタイア成功者の実例パターン5つ③

48歳からのセミリタイア日記

出典:https://luna3018.hatenablog.jp/

ブログ運営主のlunaさんは、セミリタイアをきっかけに2018年1月からブログを開始しました。ブログでは、セミリタイア生活の出来事や資産運用、時事問題などの記事を書いています。

セミリタイアしたときの年齢

lunaさんは48歳でセミリタイアしています。

セミリタイアした手段

lunaさんは十分生活していけるだけの貯金と、月数万円の投資収益を得ています。

セミリタイアした理由

長く公務員として働いてきたものの度重なる上司からのパワハラで体調を崩し、セミリタイアを決心します。もともとセミリタイアの計画はあったものの、前倒しで40代でのセミリタイアとなりました。

セミリタイアした現在

現在は徹底した節約法を実践しながら、ブログでも節約法を紹介しています。

小杉社員のセミリタイア教室

セミリタイア成功者の実例パターン5つ④

小杉社員のセミリタイア教室

出典:https://www.kosugi500.work/top/

こちらの方はセミリタイアを目指して、投資やセミリタイアの勉強を継続中です。ブログでは、インデックス投資信託やセミリタイアの記事を書いています。

セミリタイアしたい年齢

ブログ主さんは現在30代で、40代でのセミリタイアを目指しています。

セミリタイアするための手段

セミリタイア資金として、1,000万円から2,000万円の貯金とインデックス投資信託の収益、ブログアフィリエイトの収益化を狙っています。

セミリタイアしたい理由

対人関係が苦手だったり過敏性腸症候群を持っていたりと、会社員生活に向かないことからセミリタイアしたいと考えました。

セミリタイアしたあとの展望

セミリタイアしたあとは、投資やブログの収益で生活していくことを目標にしています。

株で暮らすマレーシア 快適超長期滞在

セミリタイア成功者の実例パターン5つ⑤

株で暮らすマレーシア 快適超長期滞在

出典:http://freeoverseas.seesaa.net/

ブログ主は株式投資を行いながら、2007(平成19)年頃からマレーシアで快適に暮らしています。マレーシアの情報、マレーシアで起こった出来事など、生活の中で起こる生きた情報がブログの中心です。

セミリタイアしたときの年齢

ブログ主は50歳くらいでセミリタイアしました。

セミリタイアするための手段

主に株式投資による収益の資産運用により、マレーシアで暮らしています。

セミリタイアした理由

給料も順調に上がっており特に仕事を辞める必要はなかったものの、日本で暮らすよりもマレーシアに魅力を感じて(物価が安いことも含め)セミリタイアを決意しています。

セミリタイアしたあとの展望

株式投資などで収入を得ながら、マレーシアで暮らす日々をブログに書いています。

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9. サラリーマンがセミリタイアするために必要な資産まとめ

以前までは50代や40代後半が多かったセミリタイアですが、近年は40代や30代、早ければ20代でセミリタイアする人もいます。しかしセミリタイアを長期間継続するには、十分な投資資金、生活資金などを確保することが必要です。

セミリタイアの資金を確保するには、投資やアルバイト、フリーランスやブログのアフィリエイトなどさまざまな方法があります。ブラック企業から逃れるため、田舎でのんびりと暮らすため、人付き合いをしたくないためなどの理由からセミリタイアを目指す人は多いでしょう。

しかし、十分な準備を行わなければ途中で破綻してしまうことになります。セミリタイア生活を実践している人たちのブログを紹介しましたが、ハイリスク・ハイリターンの投資を行っている人、貯蓄を切り崩して生活している人、アルバイトや配当で賄っている人など方法は人それぞれです。

セミリタイアを検討している方は、セミリタイア実践者のブログやSNSも参考にして、十分な準備を進めてください。

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