2022年06月06日更新
早期リタイアに必要な資金・貯金とは?計画の立て方やメリット・注意点や成功のポイントを解説
早期リタイアを実現させるためには、1億2,000万円程度の資産が必要です。「本当に早期リタイアしてもいいのかな?」と不安な人も多いはず。今回は早期リタイアするメリットや注意点をご紹介します。すぐに始めるべき計画も説明しているので、参考にしてください。
目次
1. 早期リタイアするために1億2,000万円貯めよう
50歳までに早期リタイアを実行するには、1億2,000万円の資金を貯めるべきといえます。なぜ1億2,000万円なのか、以下の3つの条件を仮定して理由を説明していきます。
- 今40歳で、50歳で早期リタイアをしたい
- 家族は妻と子供2人である
- 60歳以降、子供は自立する
以上3つの条件をふまえて、早期リタイア後に必要な費用を計算していきましょう。
50歳~59歳に必要な費用
まず、50歳~59歳までに必要な費用を計算していきましょう。家族4人に必要な生活費は450万円/1年と想定します。
それが10年間なので、450万円×10年間=4,500万円が必要です。
60歳~89歳に必要な費用
次に子供が独立した後の60歳~89歳に必要な費用を計算していきます。日本人の平均寿命は84歳ですが、今回は長めに見積もっておきましょう。
60歳以降、夫婦2人に必要な生活費は300万円/1年と想定します。それが30年間なので、300万円×30年間=9,000万円が必要です。
国民年金による収入額
2020年の規定によると、国民年金は月額65,141円、年間78万1,692円支給されます。65歳~89歳までの25年間受給できるのです。
そのため、78万1,692円×25年間=1,954万2,300円の年金収入が見込めます。もちろん、厚生年金に加入していれば収入額は増えますが、あくまでも最低限もらえる額で計算しておきましょう。
参照:日本年金機構「令和2年4月分からの年金額等について」
50歳までに集めておきたい資金
最後にそれぞれ求めた数字を使って集めておきたい資金を計算しましょう。
- 50歳~59歳で必要な費用:4,500万円
- 60歳~89歳で必要な費用:9,000万円
- 年金による収入額:1,954万2,300円
上記のとおり計算すると、50歳〜89歳までに必要な費用は、1億3,500万円です。
年金収入が約2,000万円とすると、ある程度余裕を持たせて1億2,000万円の資金があれば安心して老後を送れる計算になります。
もちろん、生活費は人によって異なるものです。家族構成や日々のぜいたく度合いによっては、もっと必要になることもあることを覚えておきましょう。
また以下の記事では、早期リタイアに必要な資金や貯蓄について詳しく紹介しています。年齢別に必要な資金の目安も記載していますので、興味がある人は確認してください。
2. 早期リタイアするための3つの計画
いきなり1億6,000万円を集めようとすると「少し無理がある」と感じる人もいるはずです。そこで、40歳から始める早期リタイアのための3つの計画をご紹介していきます。
- 毎月積立貯金をしよう
- 資産運用を始めよう
- マイホームを購入しよう
①毎月積立貯金をしよう
早期リタイアに向けて、毎月積立貯金をしましょう。積立貯金は、通常の金利より高くなるのでおすすめです。
貯金0から10年間で1億6,000万円を貯めようと思うと、年間1,600万円(およそ月135万円)ずつ貯めなくてはなりません。
もし、老後に向けて今まで貯金してきたのであれば、50歳で1億6,000万円を貯めるためには月々いくら貯めるとよいのか計算しましょう。
ただ、「給料からそれだけの資金を捻出するのは難しい」人も多いかもしれません。そうした人は次の資産運用を活用して資金集めをしていきましょう。
②資産運用を始めよう
早期リタイアを考えているなら、資産運用を始めましょう。
毎月135万円の貯金が難しい人でも資産運用をしておけば、早期リタイアした後も定期的に収入を得られるのです。
以下の4つの資産運用方法をご紹介していきます。
- 不動産
- 株
- FX
- 投資信託
どの資産運用であっても、若いうちから始めることでより収入は多くなります。4つの資産運用方法を確認していきましょう。
不動産投資
不動産投資とは、マンションやアパートを購入し、その物件を貸し出して家賃収入を得ることです。住居以外にも、駐車場やコインランドリーを経営する方法もあります。
仕組みがわかりやすく、初心者でも始めやすいため人気の資産運用方法です。比較的安定した資産運用ができるので、株などのように価格変動を気にする必要はありません。
しかし、近年は東京オリンピック需要の影響で、不動産の価格は高騰しています。そのため、まとまった資金がある人でないと購入ができないのが難点です。
5,000万円以上の資金があれば、不動産投資を始めましょう。
株投資
株投資とは、企業が発効する株式を自ら売買をして利益を得ることです。自分で購入する株式銘柄を選び、自分で売却するタイミングを決めなければなりません。
株式は持っているだけで株主配当金や株主優待を受けられるので、得する場合が多いです。また、株価上昇により高い利回りを実現できます。
しかし、ある程度の知識と経験が必要となるため、セミナーなどでの勉強が必要です。さらに、早期リタイア後も株価を常に心配しなければならない事態にもなりかねません。
初心者には少しハードルの高い資産運用方法といえます。それでも「始めたい!」と思うなら、必ずセミナーを受けて株投資を始めましょう。
FX投資
FX投資とは、外国為替を売買して利益を得る方法です。魅力は何といっても、10万円からでも始められる気軽さにあります。
少ない資金で大きな投資ができるレバレッジ(テコの原理)があることです。レバレッジとは、10万円の投資額で100万円投資したことにできる仕組みで、その分、もうけが大きくなります。
株式投資と比べると、選べる銘柄が少ないのもメリットです。株式投資は上場している会社の数だけ銘柄がありますが、FXは取引できる通貨ペアが限られています。
特に、日本円を使った取引はドル円・ユーロ円といったメジャー通貨がメインです。一方で、外貨為替は日本だけでなく世界の経済状況に敏感でなくてはいけません。
早期リタイアまでの資金集めとしては適しています。しかし、早期リタイア後も常に情報に敏感でいるのは面倒と感じる人にはおすすめできない資産運用方法です。
常にアメリカなど先進国における経済情報の収集が苦でない人には、おすすめの資産運用方法となります。
投資信託
投資信託とは、資産運用のプロに資金を渡して運用をしてもらう金融商品です。複数の投資家から集められた資金を、資産運用のプロが株式や債券などに投資して運用してくれます。
このように、投資信託ならプロにお任せできるのがメリットです。一方で、元金保証はなく、損をするリスクもあることを覚えておきましょう。
ただ、プロに任せるので自分で投資を行うよりリスクが軽減される可能性が高いです。初めての投資を考えるなら投資信託からスタートするとよいでしょう。
③マイホームを購入しよう
早期リタイアを考えているなら、マイホームを購入しましょう。50歳で早期リタイアした後、無職・無収入となったときに支払う賃貸料は大きいです。
万が一、資金が尽きてしまった場合でも、住む場所があれば何とかなります。そういった安心感をマイホームで購入すると考えましょう。
ただし、「早期リタイアした後は田舎で暮らしたい」「海外に移住したい」人は居住地が変わってしまいます。
そういった夢がある人は、早期リタイアした後にマイホームが購入できるよう、老後資金とは別で貯金をしておきましょう。
また、以下の記事では早期リタイアにおいて年代別に必要な資金や貯蓄を貯める方法について紹介しています。早期リタイアに必要な準備や支払いについても紹介しているので、興味がある人はこちらの記事も確認してください。
3. 早期リタイアする3つのメリット
早期リタイアをすると、以下のような3つのメリットがあります。
- 元気なうちに自由な時間が増える
- ストレスから解放される
- 生活リズムを整えられる
3つのメリットについて、詳しく確認していきましょう。
①元気なうちに自由な時間が増える
50歳で早期リタイアすると、元気なうちに自由な時間が増えます。仕事に夢中になっていたときは難しかった家族との時間を確保でき、混んでいる時期にしか行けなかった旅行も自由にできるのです。
「自分が行きたいタイミングに」「好きなだけ」「好きなこと」に時間が使えます。また、元気で若い年齢だからこそできることも多くあるのです。
例えば、山登りやキャンプ、長期の海外旅行などが挙げられます。さらに新しい趣味の選択肢としてスポーツも視野に入るでしょう。
このように、若くて元気なうちに自由な時間を確保し、自分でできる幅を広げられるのです。
②ストレスから解放される
早期リタイアをすれば、ストレスから解放されます。どんな仕事であっても、さまざまなストレスとの戦いがあるものです。
そりの合わない人との仕事や苦手な仕事をさせられる精神的ストレス、遠距離の職場へ行く、通勤ラッシュ時による満員電車の肉体的ストレスなど、日々多くのストレスを感じています。
しかし、早期リタイアをすればこのようなストレスから解放されます。
③生活リズムを整えられる
早期リタイアをすれば、生活リズムを整えられます。残業や早朝からの打ち合わせがなくなり、体を十分に休ませられるのです。
人によって適切な睡眠時間や起床時間は異なります。もちろん、早期リタイア後にうまく生活リズムを整えられるかは自分次第です。
しかし、自分で時間をコントロールできるので、自分に合った生活リズムを作り出せるようになります。
4. 早期リタイアをするときの3つの注意点
早期リタイアには3つのメリットがあります。一方で、注意する必要がある面もあるので、事前に確認しておきましょう。
早期リタイアの注意点は、3つあります。
- 安定した収入がなくなる
- 社会的信用がなくなる
- 生活水準を落とす可能性がある
以上の3つの注意点について、詳しく確認していきましょう。
①安定した収入がなくなる
まず、安定した収入がなくなることを改めて確認しておきましょう。もちろん、貯金0で早期リタイアをするわけではなく、ある程度の資産形成をしたうえで早期リタイアをするはずです。
そのため、基本的には想定した生活費の範囲内で生活すれば問題ありません。しかし、ハイパーインフレなどの経済変化や、家族の病気など予測できないこともあります。
早期リタイア前に貯金した資産に依存しすぎず、ご紹介した資産運用を継続するのが大切です。何か少しでも収入源を確保しておくと安心度は高まります。
②社会的信用がなくなる
早期リタイアをすると、社会的信用がなくなってしまうことも覚えておきましょう。「早期リタイア」や「アーリーリタイア」への憧れがあるかもしれません。
しかし、リタイアした後の肩書は「無職」なのです。そのため、クレジットカードを作ったりローンを組んだりする際には、不利になる可能性があります。
また、家を借りようと思っても入居拒否をされることもありえるのです。そのため、以下のことに注意しておく必要があります。
- 大きな買い物はリタイア前に済ませておく
- 必要なクレジットカードはリタイア前に作っておく
- マイホームを購入しておく
気をつけていても、「急に引っ越しが必要になった」ケースもあるでしょう。
収入を確保して投資家などの個人事業主になっておくと「無職」の肩書はなくなります。
そういった意味でも、早期リタイア以降も収入を確保するのは大切です。
③生活水準を落とす可能性がある
早期リタイアによって、生活水準を落としてしまう可能性があります。まず、早期リタイアをするための資金捻出のために節約を検討する人もいるでしょう。
今までは気にせずブランド品を購入したり、外食をしたりしていたかもしれません。しかし、資金を集めるために生活水準を落とす必要があるのです。
さらに、資金が集まって無事早期リタイアができても生活水準はさらに下がる可能性があります。このように生活水準を落とすことはストレスにつながるので要注意です。
できるだけ生活を持続する形で早期リタイアを検討しなければなりません。
5. 早期リタイアに失敗しないためのポイントとは?
次に、早期リタイアに失敗しないためのポイントについて見ていきましょう。ポイントがわかれば、どんな点に注意して早期リタイアを準備すればよいのかわかるようになります。
ポイントは、以下の3つです。
- 資金計画は長期的な視点を持って立てる
- リタイア後の資金は厳しく試算する
- リタイア後の生活レベルを検討する
- 低予算で始められる趣味を見つける
1つずつ、見ていきましょう。
①資金計画は長期的な視点を持って立てる
早期リタイアに使う資金の計画は長期的な視点を持って立てましょう。なぜなら、無計画に早期リタイアをしてしまうと、自由に使うことのできる資金に制限がかかってしまい、生活すら困難になってしまうことにつながってしまうからです。
退職金を資金に充てる人も多いですが、まとまったお金を運用するスキルがなければ、長期に渡り資金を維持するのは困難といえます。
したがって、資金計画は長期的な視点で立てて、生活に無理が出ないようにしなければいけないのです。
②リタイア後の資金は厳しく試算する
リタイア後における資金は厳しく試算しましょう。資金管理に長けている人であっても、必要な資金の見積もりが甘ければ、結果的に生活に無理が生じてしまう可能性があるからです。
例えば、無職の高齢夫婦における毎月の支出は約26万円とされています。したがって、年間約300万円、40年で1億2,000万円の資金が必要になるのです。
また、早期リタイアの考え方の1つに「4%ルール」があります。年間生活費の25倍の元本を年間4%の利回りで運用できれば、元本は減らずに生活ができる考え方です。
年間の生活費が400万円であれば、25倍の1億円を用意したうえ利回り4%で運用すると、利益の範囲内で生活ができます。しかし、多額の資産や利回りの維持する資産管理能力が必要となるため、難易度は高いといえるでしょう。
そのためリタイア後の資金は厳しく試算し、早期リタイアの失敗を回避しましょう。
③リタイア後の生活レベルを検討する
早期リタイアに向けて、生活レベルを検討しましょう。早期リタイアをすると、仕事をして収入があるときと比べて同じ生活レベルを維持するのは難しくなるからです。
貯蓄に余裕があると、逆にお金を浪費してしまう可能性もあります。しかし、リタイア後は資金が減る一方ですので、生活レベルを維持したければ、早期リタイアの判断を慎重に行うべきです。
④低予算で始められる趣味を見つける
早期リタイアをすると、リタイアする前より人と会ってと話す機会が減ります。そのため孤独感に耐えられなくなるなどストレスがたまってしまうでしょう。
そこでおすすめなのが、リタイアする前に趣味を見つけておきましょう。しかしお金のかかる趣味の場合、リタイア後の生活資金がすぐに減ってしまいます。そのため、お金のかからない趣味を見つける必要があります。
ウォーキングやジョギング、筋トレ、神社巡り、家庭菜園などは気軽に始められます。また続けていく中で、長く続けられそうであれば、サークルに入るなど、仲間を作る機会を増やしましょう。
趣味のサークルに参加すれば、孤独を感じるのも少なくなり、生活を有意義に過ごせるようになります。
6. 早期リタイアの失敗事例
「早期リタイアに失敗したらどうなるの?」と不安に思う人もいるはずです。
そこで、早期リタイアの失敗事例を2つご紹介します。
- 資金不足のため再就職が必要となった
- やることがなく無気力状態になった
- 移住先で人間関係が築けなかった
以上の失敗事例について、確認していきましょう。
①資金不足のため再就職が必要となった
資金が不足したため、再就職が必要となったケースです。
Aさんは30代からコツコツとお金を貯め、50歳を迎えると同時に早期退職をしました。 当時、Aさんの持つ資産は1億円を超えており「妻と2人だけだから1億円あれば十分だろう」とおおざっぱに見積もっていたのです。 リタイア後は趣味を充実させ、悠々自適な暮らしをしていましたが、65歳になって通帳を見ると残高は3,000万円ほどに。 Aさんの計算では、5,000万円以上は残っている予定だったのです。 年金収入はあるものの、3,000万円では老後は暮らせないと再就職する羽目になってしまいました。 |
このように、十分に資金を蓄えたつもりでも、不足してしまうことはあります。その原因は以下の2つです。
- そもそも試算が甘かった
- 試算では十分だったが予期せぬ出費が発生した
原因はこのような2つが考えられるでしょう。
「試算が甘かったケース」は、「資金が〇円あれば安心」と思い込んでしまった場合に起こります。リタイア後の生活水準をしっかり見極めなければ、貯めた資金だけでは足りないこともあり得るのです。
事例に挙げたAさんのケースは、「試算が甘かったケース」に当てはまります。「予期せぬ出費が発生したケース」は、家族の事故や病気などが発生する場合に起こります。予測ができないため、事前に十分な保険に入っておくことでリスクを少なくするのも大切です。
このように、資金不足で再び働かなければならない状況に陥る可能性があることを理解しておきましょう。
②やることがなく無気力状態になった
早期リタイアをしたにもかかわらず、やることがなくて無気力状態になった事例もあります。ここでBさんの事例を確認してみましょう。
Bさんは、毎日の仕事にストレスを抱えており、若いころから「早期リタイアをする!」と決めて資金を貯めていました。 ようやく目標の1億5,000万円が貯まったので、満を持して早期リタイア。 毎日好きな時間に起きて、好きなことのできる生活に新鮮さを感じていました。 ところが、1年もするとそんな生活に飽きてしまったのです。 その後も特に「やりたいこと」が見つけられず、無気力状態。 人と会うことも少なくなり、うつっぽくなってしまったのです。 |
このように早期リタイアしたものの、「やりたいこと」が見つからず無気力になってしまう人も多くいます。その原因は2つです。
- 仕事に代わるやりがいが見つからない
- 人や社会とのかかわりがなくなる
以上のような原因が考えられます。
「仕事に代わるやりがいが見つからないパターン」は、早期リタイアした後の目的がない人によく起きる現象です。1人でも楽しめない人や、仕事だけが全てだった人はあまり早期リタイアに向いていないかもしれません。
「人や社会とのかかわりがなくなるパターン」は、家族以外との会話や交流がなくなることで心が廃れていってしまいます。一般的にも仕事の第一線から退くと老化が進むといわれており、それと同じです。
このように、やりがいや生きがいを早期リタイア後に見つけられない場合は「楽しい老後生活」を過ごせない人もいます。早期リタイアをしたら何をしたいのか、先に考えておきましょう。
③移住先で人間関係が築けなかった
早期リタイアをしたにもかかわらず、移住先で人間関係が築けない事例もあります。ここでは、Cさんの事例を確認してみましょう。
早期リタイアをしたCさんは独身で、念願の地方への移住を決断しました。 住んでいた都心のマンションを引き払い、田舎暮らしをスタートしました。のんびりとした雰囲気や豊かな自然は魅力でしたが、その地域にある独特のルールや密な関係がCさんを苦しめました。 強制的に行事の参加を求められたり、住民から過度な干渉をされたりする日々が続いたのです。その結果、Cさんはなじめず、その地域から浮いてしまいました。 |
このように早期リタイアしたものの、「移住先での人間関係」に疲弊してしまう人も多くいます。
次に、早期リタイアの実例を参考に成功する方法を解説しています。失敗例から学ぶ成功のポイントも紹介していますので、早期リタイアを検討している人はぜひ確認してください。
7. 独身なら早期リタイアしやすい
もし、あなたが独身かつ今後も結婚を考えていないのであれば、早期リタイアがしやすいです。
一方で、独身で早期リタイアをすると後悔する人も多くいます。
早期リタイアがしやすい理由と、後悔する人が多い理由を順番に確認していきましょう。
独身が早期リタイアしやすい3つの理由
独身者が早期リタイアしやすいため、早くから決断する人も多いでしょう。独身者が早期リタイアしやすい理由は3つあります。
- 集める資金が少なく済む
- 説得する家族がいない
- 想定外の出費のリスクが少ない
それぞれの理由について、詳しく確認していきましょう。
集める資金が少なく済む
当然ですが、独身なら集める資金が少なく済みます。既婚者は妻・子供を養う費用の分まで貯金しなければなりませんが、その必要が一切ないのです。
例えば、50歳~59歳までの10年間を年間500万円と計算していたところを250万円に抑えるのも可能ですし、60歳以降もそのまま250万円で計算ができます。
そうすると、単純に以下のような計算で必要な費用が算出できるのです。
250万円×40年間=1億円
また、もらえる年金の額は約2,000万円のため、1億円-2,000万円=8,000万円が必要な資金です。
もちろん、人によって年間で必要な費用は異なります。自分の場合はいくら必要なのか、しっかり計算してみましょう。
説得する家族がいない
説得する家族がいないことも、早期リタイアに踏み切りやすい理由です。妻や子供などの扶養者は家族の大黒柱である夫の収入を充てにしている場合がよくあります。
65歳までは安定した収入があると思っていたところ、急に15年間収入を自ら断ち切ると伝えると反対されることも多いでしょう。また、早期リタイアによって生活水準が落ちてしまう場合にも、反対される可能性は高いです。
しかし、独身者は自分で決め、自分で実行すれば早期リタイアができます。
想定外の出費のリスクが少ない
独身者は、家族がいない分想定外の出費によるリスクが少なく済みます。想定外の出費とは、病気や事故による予測できない出費のことです。
当然ですが、独身者は自分のリスクだけを考えるだけで済みます。そのため、資金面で早期リタイアを失敗する可能性は低いのです。
また、「何かあったときはどうにかしよう」と自分で責任が持てます。こうした身軽さから、早期リタイアがしやすいといえるのです。
独身で早期リタイアすると後悔する人が多い理由
独身は早期リタイアしやすい一方で、後悔する人も多くいます。その理由は2つあります。
- 会話する人がいなくなる
- 結婚をしたくなってもできない
それぞれの理由について、詳しく確認していきましょう。
会話する人がいなくなる
独身者が仕事をやめて早期リタイアすると、会話する人がいなくなる可能性が高いです。朝起きて寝るまでの間に、話している人は仕事関係の人がほとんどなのではないでしょうか。
もちろん友人や兄弟などもいるでしょう。しかし、毎日話すかは別です。
会話する人がいなくなると、孤独を感じてしまいます。「人から認められたい」「人にほめられたい」などの欲求も出てくるのです。
既婚者の早期リタイアであっても、家族以外のコミュニティーを作るのが大切です。特に独身者の場合は自らコミュニティーに参加して人と会話をしなければ、孤独に耐えられなくなってしまうのです。
結婚をしたくなってもできない
もし、早期リタイアの後に結婚をしたいと思える相手と出会っても、結婚できない可能性が高いです。なぜなら、独身だからこそ満足のいく生活費と家を持っているからです。
資金がない中、無理に結婚して共同生活を始めると、生活水準を落とさなければならないことだってあり得ます。もちろん結婚相手が働いていたり、資金を十分に持っていたりすれば話は別です。
しかし「相手のためにしてあげたい」が、金銭的に難しいためできない、といった状況はストレスになってしまうでしょう。このように、独身であれば早期リタイアはしやすい一方で、早期リタイアしたことを後悔する人も多くいます。
2つの後悔する理由を踏まえても「やっぱり早期リタイアしよう!」と思う人は資金などの準備を始めていきましょう。
8. 早期リタイアして海外移住する選択肢もある
早期リタイアをして、海外移住する選択肢もあります。海外移住と聞くと「なんだか大変そうだ」と思う人もいるはずです。
一方で、「せっかく早期リタイアするなら、元気なうちに海外に住んでみたい!」と計画している人もいるでしょう。
そこで、海外移住をするメリットとデメリットや、移住に適した場所、海外移住をするための手続きを順番にご紹介していきます。
しっかりと確認して、早期リタイア後に海外移住するべきか判断しましょう。
海外移住するメリット
まずは、早期リタイアで海外移住するメリットから見ていきましょう。海外移住のメリットは、以下の2つがあります。
- 生活費を抑えられる
- 新しい経験ができる
2つのメリットについて、順番に確認していきましょう。
生活費を抑えられる
日本より物価の安い国へ移住すれば、生活費を抑えられます。日本は、世界の中でも物価の高い国です。
しかし、マレーシアやタイは日本の物価の半分~3分の1となっています。もし、早期リタイアのための資金と年金だけで暮らしていこうと思っているなら、日々の生活費を抑えられることは魅力的です。
物価の低い国へ移住すると、日本にいるより2倍も3倍もぜいたくができます。
新しい経験ができる
海外へ移住すると、新しい経験ができます。日本とは、環境も文化も全て初めてのことだらけになるのです。
異国の文化に触れながら新しいことを学び楽しむことは、生きがいにつながります。老後の海外移住は、人生で最後の冒険といっても過言ではありません。
ただのんびり過ごすのではなく、毎日刺激的な生き方をしたいと思っている人には海外移住がピッタリです。
海外移住するデメリット
早期リタイアをして海外移住をするメリットがある一方で、デメリットもあります。
海外移住をするデメリットは、大きく3つです。
- 友達ができにくい
- 健康面の心配がある
- 新興国の物価が年々上昇している
以上の3つのデメリットをしっかり確認した上で、海外移住をするべきかの判断をしましょう。
友達ができにくい
海外移住をすると現地での友達ができにくいデメリットがあります。言葉の壁や文化の違いに戸惑う人も多いです。
話す人がおらず、結局孤独を感じて日本に帰国する人もいます。そのため、移住は日本人が多い地域を選ぶようにしましょう。
どの国でも日本人が多く住んでいるエリアがあります。最初はなかなか現地の人に声をかけづらいので、日本人と仲良くなって現地に慣れていくのがよいでしょう。
健康面の心配がある
海外移住をすると、健康面が心配になってしまいます。加齢による健康面の不安もありますが、「海外で病気になったらどうしよう」と不安が強まってしまうのです。
もちろん、海外移住をすると現地の保健に加入が必要になります。保健に加入してれば、現地の医療機関で診察が受けられます。
しかし、「言葉が通じなかったらどうしよう」「高額になったらどうしよう」など海外だからこその不安もあります。そのため、海外移住する前に保険会社をしっかり比較検討していきましょう。
新興国の物価が年々上昇している
新興国の物価は年々上昇していることを覚えておきましょう。海外移住に人気のマレーシアやタイなどが当てはまります。
そのため、「今は日本よりはるかに物価が低いけど20年後はどうなっているかわからない」のが実情です。例えば、今移住すると1食500円程度で食べられるところ、10年後には800円程度になっている可能性もあり得ます。
このように、物価の度合いがわからないため、資金が十分であるかの判断ができません。日本で暮らすときと同じだけの資金を備えていれば、最終的に帰国しても安心です。
海外移住した場合の生活費でなく、日本での生活費で資金を計算するようにしましょう。
海外移住に適した場所
早期リタイアで海外移住するのに適した国は、アジアの物価が低い国です。中でも以下の国は、日本人に人気のある海外移住先となっています。
- マレーシア
- フィリピン
- タイ
マレーシア
マレーシアは、「マレーシア・マイ・セカンドホームビザ」を取得できれば、最大10年まで長期滞在できるビザがあります。マレーシアの物価は、日本の3分の2ほどです。
首都のクアラルンプールやリゾート地であるペナン島・キャメロンハイランドが移住先として人気があります。ただし、マレーシア・マイ・セカンドホームビザを取得するには毎月1万リンギット(約27万円)以上の収入がなければなりません。
年金だけで月1万リンギットに満たない場合は、在職中にビザを取得しましょう。
フィリピン
フィリピンには、リタイアメントビザの移住者向けビザがあります。フィリピンの物価は、3分の1以下です。
現地の人の平均月給が2.5万円程度から物価の低さがうかがえます。首都のマニラやリゾート地であるセブ島が移住地として人気で、留学する学生も近年多いです。
ビザを取得するには、35歳~50歳未満なら5万米ドル(約550万円)、50歳以上なら2万米ドル(約220万円)を支払う必要があります。他の国と比べてビザの取得要件が低いこともあって、日本人の移住先として人気があるのです。
タイ
タイには、50歳以上で取得できるリタイアメントビザがあります。タイの物価は日本の3分の1ほどです。
のんびりしたタイの人柄にひかれる人が多く、日本人の移住先として人気があります。首都のバンコクやリゾート地であるプーケット島・サムイ島、パタヤなどに日本人が多いです。
ビザを取得するためには、以下の3つのどれかの要件を満たす必要があります。
- 預金残高80万バーツ(約270万円)以上
- 年金収入月額6,500バーツ(2万2,000円)以上
- 年金収入と預金残高を合算して80万(約270万円)バーツ以上
タイもビザ取得の要件が低く、移住先として選ばれやすい国です。
海外移住をするための手続き
海外移住をするためには、リタイアメントビザか長期滞在ビザを取得する必要があります。早期リタイアで海外移住をするならリタイアメントビザを取得するのが望ましいでしょう。
リタイアメントビザとは、退職者や年金受給者の取得できる無期限滞在ビザです。昨今、アジア・ヨーロッパ・オセアニアなどを中心に40カ国以上で取得できます。
リタイアメントビザを取得するには、預金や収入の証明の必要となる場合が多いです。一方、長期滞在ビザは、一定期間与えられる観光ビザと考えましょう。
国によってその期間や条件は、「その国の不動産を保持している」「一定費用を払う」などさまざまです。長期滞在ビザは期間が決まっているため、延長の申請をしたり、一時帰国をしたりと面倒が多くなります。
このような理由から、リタイアメントビザを取得するのが望ましいです。移住を考えている国の大使館で細かい要件を教えてもらえるので、問い合わせてみましょう。
9. 経営者なら会社を売却して早期リタイアしよう
もし、あなたが会社の経営者なのであれば、会社を売却して早期リタイアする方法もあります。会社売却によって大きな資金が手に入るので、早期リタイアの実現が速くなる可能性が高いです。
もちろん、会社を誰かに事業承継する選択肢もあります。しかし、特に後継者が見つからないのであれば、M&Aを利用して会社を売却しましょう。
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10. まとめ
早期リタイアを考えているなら、まずは1億6,000万円の資金を集めることを目指しましょう。そのためにも、以下の3つの計画を実行していくのが大切です。
- 毎月積立貯金をする
- 資産運用を始める
- マイホームを購入する
もちろん、人によって目指す老後の生活は違います。自分の生活水準に合わせた資金を集めてください。
さらに、早期リタイア後に何をしたいのかまで考えて、より充実した生活が送れるはずです。できるだけ早く準備を始め、憧れの早期リタイアを実現させましょう。
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