譲渡企業
株式会社中西商店
代表取締役 中西 弘 様 インタビュー
明治30年創業、128年の歴史
ーまず、御社の創業の経緯について教えてください。
創業は明治30年です。今年で128年になります。事業内容は、珍味や乾物、豆菓子を阪神間のスーパーに直接卸しています。お店のニーズに合わせたオリジナル商品を開発できる点が当社の強みです。
後継者問題と事業成長への模索
―譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。
一番のきっかけは、後継者がいないことでした。128年続く歴史の看板を下ろしたくない、従業員の雇用を守りたいという思いが強く、事業の未来を真剣に考えた結果、M&Aという選択肢を検討し始めました。
―検討を進められる上で、希望や大事にされた条件を教えてください。
一番大事にしていたのは、近隣にある大きな会社であることでした。地理的に近いことで、密に連絡を取り合って、お互いに情報交換ができることが重要だと考えました。最終的には、神戸という地域で事業を展開しているL社様が理想的だと感じました。
協業による新たな未来

―最終的にL社様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。
L社様が非常に規模の大きな会社で、食品関連など様々な事業を拡大されているというお話を伺いました。当社がグループに入ることで、今後さらに事業が広がっていくという可能性を感じたのが決め手で、相性が非常に良いと思いました。
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
今は、お菓子の製造会社と共同で新しい商品を開発していくという話が進んでいます。お互いの強みや弱みを補い合いながら、共に成長していきたいと考えています。まだグループインして間もないので実感はありませんが、安心して事業を継続できると確信しています。
一歩踏み出す勇気と信頼
ーM&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。
M&Aに踏み出せない一番の理由は、「騙されるのではないか」という不安だと思います。まずは一歩踏み出して、アドバイザーの方と密に話し合い、信頼できる関係を築くことが大切です。その信頼関係がなければ、最終的な決断はできないでしょう。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください。
顧問の森田会計事務所さんからお話をいただいたのがきっかけです。見知らぬ会社からではなく、信頼できる窓口からだったので、不安は少なかったです。まずは近くの税理士先生に相談するのもいいかもしれませんね。
また、アドバイザーの塚本さんは、私の言葉にならない想いを汲み取って、代わりに伝えてくれるような存在で、おかげで相手方にも良い印象を与えられたと思います。塚本さんは、とても素晴らしいアドバイザーでした。大変感謝しております。
128年という長い歴史を持つ老舗の暖簾を守りたいという中西氏の強い想いと、食品事業の拡大を目指すL社様の戦略が見事に合致した今回のM&A。中西氏が描く、従業員の雇用維持と事業の継続、そしてさらなる成長というビジョンは、L社様という新たなパートナーを得て現実のものとなった。信頼できるアドバイザーとの出会いもM&A成功の大きな要因となったようだ。両社の協業によって、新たな価値が創造される未来に期待が高まる。
担当者からのコメント

今回のM&Aは、神戸市に拠点を置く企業様同士によるご成約となりました。中西商店のオーナー様は64歳で、後継者が不在というご状況から、「M&Aが実現しなければ廃業しか選択肢がない」とご相談をいただいておりました。
今後、中西商店様のように、長い歴史を持ちながら後継者不在というケースは、さらに増えていくと見込まれます。そのような中、本件のご支援をさせていただけたことを大変光栄に存じます。関係された皆様のさらなるご発展を、心よりお祈り申し上げます。
(提携本部 会計提携第一部 シニアマネージャー 塚本 航洋)