譲渡企業
株式会社A
代表取締役 T.W.様 インタビュー
鉄骨製作の図面設計とITを活用した独自の就労支援体制
—創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
建設業界の好景気を背景に、自身の力で挑戦したいという思いから1990年代後半に鉄骨製作図に特化した会社を創業しました。鉄骨製作図を得意とし、全国の鉄工所や商社、ゼネコンとの強固な取引基盤を確立しております。また、2013年頃からは障害者の方々が働きやすい環境を整備するため、就労継続支援事業も開始しました。IT分野を活用した独自の支援体制は同業他社には少なく、当社の大きな強みとなっております。
理念に共感し、前向きに取り組んでくれる優秀な人材の集結
—どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
周囲とのご縁やネットワークに支えられてまいりました。また、会社の理念に共感し、前向きに取り組んでくれる幹部社員に恵まれたことも大きな要因です。採用時には、互いの本音を引き出せるような対話中心の面接を行い、人柄を重視するようにしていました。結果として、事業方針に深く賛同してくれる優秀な人材が集まり、今日のような強固な組織を構築することができました。
後継者不在でも会社を後世に残す決断
—譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。
50代後半で大学で経営学を学び、事業のさらなる飛躍を視野に入れ上場を目指しておりました。しかし、その矢先に健康上の問題が発覚し、自身の身を案じるようになりました。 上場以外の方法で、後継者不在でも会社を後世に残し、発展させるための選択をしたいと強く考えるようになりました。優秀な技術者である社員たちの雇用を守るだけでなく、新たなシナジーを生み出し、会社がさらに成長できるお相手への譲渡を検討し始めました。
社員の待遇向上と、二つの事業の社会的意義への深い理解
—ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
これまで右肩上がりで成長してきた会社の価値を、適正に評価していただけることを前提としておりました。また、社員の待遇が向上し、企業としてさらに成長できる体制を築けるお相手であることを重視しました。設計事業だけでなく、就労支援事業の社会的意義や独自性に対しても深い理解を示し、双方の事業を尊重して発展させてくださる企業様を希望しておりました。
誠実で対等な姿勢と、異業種の組み合わせに対する高い解像度

—譲受企業様の印象や譲渡を決めた理由を教えてください。
マラトン2号投資事業有限責任組合の皆様とお会いした際、非常に誠実で、対等な立場で向き合ってくださる姿勢に安心感を覚えました。また、企業価値を向上させる専門性に優れており、どのように会社を成長させていただけるのか非常に興味を持ちました。設計と就労支援という異業種の組み合わせに対しても高い解像度と理解を示してくださり、安心して事業を託すことができると決断いたしました。
専門的な支援による売上向上と、安定的な収益基盤の構築
—今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
譲受企業様の専門的な支援を通じて、会社の売上と価値が向上し、社員の待遇がさらに良くなることを期待しております。今後は店舗数の拡大や、就労支援の仕組み化による安定的な収益基盤の構築を目指しております。経営目標を共に設定し、そこに向かって新たな取引先を開拓するなど、より強固で安定した組織へと成長させていきたいと考えております。
双方の強みを掛け合わせ、イノベーションを起こすパートナー選び
—譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
M&Aは単なる事業の引き継ぎではなく、双方の強みを掛け合わせることでどのような相乗効果が生まれるかを重視することが大切です。異なる業種や強みを持つ企業同士が結びつくことで、大きなイノベーションを起こす可能性があります。ビジネスに対する深い理解と想像力を持って、会社をより良くしてくれる信頼できるパートナーを見つけることをお勧めいたします。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由を教えてください。
担当アドバイザーの誠実なお人柄がお任せした最大の理由です。どのようなご相談にも真摯に向き合っていただき、常に本音で話し合うことができる信頼関係を築くことができました。難しい局面や不安に感じる場面でも、的確なアドバイスとサポートを提供してくださり、スムーズな承継へと導いていただいたことに深く感謝しております。
譲受企業
マラトン2号投資事業有限責任組合
T.K. 様 インタビュー
プロ経営者ネットワークを活用した、中小企業特化の経営支援
—御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
当社は、中小企業との資本提携およびM&Aに特化したPEファンドとして設立し、営業利益5億円以下の企業様に特化した事業承継の課題解決に取り組んでおります。また、国内最大級のプロ経営者ネットワークを保有しており、多様な業種において現場に入り込んだ経営支援が可能です。少数精鋭で質の高いプロフェッショナル支援をお届けできることが当社の強みです。
技術喪失リスクの回避と、社会的意義の大きい事業の統合
—M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
日頃から優良な企業様への経営支援を模索する中で、A社が展開する二つの事業に強い関心を抱いたことがきっかけです。鉄骨施工図の設計事業は、業界的に職人的な技術が属人化し、後継者不足による技術喪失リスクが高い領域です。同社を基盤とした事業統合(ロールアップ)の可能性を高く評価しました。また、マクロトレンドとしてニーズが拡大している就労継続支援事業は、社会的意義が大きい反面、運営基盤が脆弱なケースも多いのが現状です。両事業とも当社が経営支援を届けるべき重要なテーマだと確信し、前向きに検討を進めました。
全国トップクラスの技術への敬意
—譲渡企業様の印象や譲り受けを決められたご理由を教えてください。
設計事業において、地方発でありながら全国トップクラスの技術と実績を有している点に非常に強く惹かれました。また、創業者様が地域での雇用創出を目指して築き上げた就労支援事業への深い敬意も大きな理由です。二つの事業を一体として承継し、卓越した技術力と社会的意義を守り抜くことこそが、私たちが引き継ぐべき本質的な意味であると判断し、譲り受けを決定いたしました。
地方から全国への事業拡大
—今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
創業者様が長年かけて築き上げられた想いと企業文化を尊重し、次世代へしっかりと繋いでいくことが最優先の使命です。属人的なノウハウを組織に定着させるため、技術の標準化やプロ経営者の活用による次世代体制の構築を進めます。当社の経営支援リソースを活用し、地方から全国へと事業を拡大させ、就労支援の分野でも新たな標準モデルとなるような持続的な成長を目指してまいります。

—今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。
今後も積極的な事業展開の選択肢として活用していく方針です。今回の取り組みで得た知見を活かし、後継者不在に悩む設計会社様や、収益性の課題を抱える就労支援事業所様へのご支援を広げていきたいと考えております。規模や財務指標にとらわれず、その事業が果たす社会的役割や創業者様の想いを第一に尊重し、社会課題の解決に寄与するロールモデルを展開していきます。
歴史へのリスペクトと、対等な相互理解の場の認識
—M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
譲渡企業様には、M&Aが唯一の選択肢ではないことを前提に、早い段階で信頼できる専門家へご相談されることをお勧めします。譲受企業様においては、M&Aが対等な相互理解の場であることを認識し、創業者様の歴史や想いへの深いリスペクトが必要になります。双方の信念に対する敬意があってこそ、より良い形での事業承継が成立すると考えています。
最後に、弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。
一言でいえば、「誠実に常に本気で向き合ってくれた」ということに尽きます。譲渡企業様の思いが揺れ動く繊細な時期も真摯に寄り添い、強固な信頼関係を構築いただいたことで、無事成約まで進められたと感じます。安心してご一緒できる素晴らしいアドバイザーでした。
卓越した技術と社会的意義を持つ事業を次世代へ残したいと願う譲渡企業と、その想いと歴史に深い敬意を払い、経営支援で応えようとする譲受企業。両社の強みと未来へのビジョンが完全に合致したことで、理想的な事業承継となりました。相互のリスペクトと信頼関係を土台に、新たな体制で歩み出した両社のさらなる飛躍と、業界に新たな価値をもたらす展開が期待されます。
担当者からのコメント
ご体調の不安と後継者不在に悩まれていたオーナー様でしたが、「従業員と事業を守りたい」という強い熱意が、今回の素晴らしいご縁を引き寄せました。譲受企業様の深い事業理解とスピーディーなご決断により、オーナー様のご負担を最小限に抑えたスムーズなM&Aが実現しております。
今後は同ファンドの伴走による強固な組織力と新たな出店戦略により、さらに地域に必要とされる企業へと進化されることと思います。本件を通じて、地域の貴重な福祉事業を守り、未来へつなぐお手伝いができたことを担当者として心から嬉しく思います。
(会計提携本部 部長 宇野 凌麻)
