譲渡企業
設備工事業 P社
代表取締役S.E.様 インタビュー
まずは御社についてご紹介いただきたいと思います。
1.御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えて下さい。
当社は東日本震災の2011年に創業し、今年で13年目です。震災をニュースなどで目の当たりにし、エネルギー事業に目を向けました。事業を進めていく中で、政府による再エネ普及拡大を支援する目的で、「固定価格買取(FIT)制度」が2012年にはじまり、屋根に太陽光発電を設置する、戸建てに配置するなどの発注が増えていきました。最初は営業などはせず、知り合いや友人など身近なところから声が掛かり、太陽光パネルを中心とした工事を手掛けていったのがスタートです。
2. どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
まずは、現在の社長との出会いが大きかったと思います。社長は当時、照明LEDを主軸とした事業を展開しており、その関係で知り合いました。当社で扱っている太陽光にも進出したいという強い思いがあり、ジョインしていただきました。社長は営業力が非常に高く、太陽光関係の事業拡大にも繋がったと思います。
M&Aを考えたきっかけ
3.譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
2011年に創業して13年、コロナ前から少しずつ検討はしていましたが、コロナが明けてから本格的にM&Aを検討するようになりました。
4.ご検討を進められる上で、ご希望や大事にされた条件を教えてください。
希望条件としては、先ほどお話した社長に将来代表を引き継ぐという前提で入っていただいたため、承諾いただける企業様というのが絶対条件でした。また、現社長は営業職の傾向が強く、裁量権を持てるような自由度の高い譲受企業様がベストだと考えておりました。他にも、個人で会社の負債を抱えていたため、それが相殺できる程度の金額の提示を重要視していました。
5.最終的に同業種のC社様への譲渡をご決断されましたが、C社様の印象や譲渡を決められた理由を教えてください。
譲受企業様の会長のお人柄に惹かれました。気品のあふれるお人柄であり、当社の意向も汲んでくれる柔軟な考え方の経営者様でした。また、企業としても非常に高い技術力をお持ちだったため、譲渡を決断いたしました。
ー業種も同じであったのも決め手になったのでしょうか。
そうですね。当社の事業内容と類似していることもありつつ、苦手なところを相互に補完しあえると感じました。技術者の集団と営業職の集団と社風が異なる点もありますが、それぞれの強みを活かし相乗効果が得られると考えています。また、会長様と当社の現社長との相性も良そうなので、安心しております。
今後への思い
6.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
私個人として事業への意欲が停滞していたところもありますので、現社長を中心に新たな体制で成長していってほしいと期待しております。
ー現在、個人としての心境はいかがですか。
3ヶ月という短期間で無事に成約できたことは大変ありがたいと思っています。これまで経営を維持するため、キャッシュのことばかり心配していましたので、肩の荷が下りたというのが正直なところです。M&Aにより補填してもらうことで、経営が安定して存続できるというのは非常に安心しているところです。
7.譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
ぜひ譲渡を検討されている方はM&Aをした方がいいと私は思います。M&Aはわからないことも多くありましたが、結果的に進めてよかったと実感しております。希望条件が合って、双方が良い方向に向かうのであれば、プラスしかありません。事業承継としてだけではなく、企業成長としてもM&Aをおすすめしたいと思っています。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由を教えてください。
8.弊社のアドバイザーのサポートはいかがでしたでしょうか。
事業というのは、やはり人対人。担当アドバイザーの石司様の人柄が非常に良く、誠実に対応してくれたことで安心して進められました。現社長も石司様に最初から一任すると意見が合致していました。
ー心に残ってるエピソードはありますか。
連絡の際、言い切りの形でしっかりと対応してくださいました。曖昧な返答をせず、白黒はっきりしながらも慎重に進めてくださったことで信頼関係も生まれたと思っています。コミュニケーションも頻繁に取りましたし、石司様であれば何があっても本音で話せると思いました。
担当者からのコメント
譲渡企業様には後任の社長候補がいらっしゃいました。 しかし、株式を買い取るとなると多額の現金が必要であり、会社の借入金の引継ぎも必要です。 そこで後任の社長を譲渡後に社長にするということを条件にスタートしました。 無事に条件に適う譲受企業様と成約に至り安心しております。 また両社は同業であり、営業力強化+技術力強化と両社の課題点を補填し合うシナジー効果も発揮できます。 今後の更なる発展を楽しみにしております。 全国には事業承継の壁に直面している企業がまだまだ存在しております。 M&Aとは単なる売却ではなく、会社の永続、発展に役立つものであるということを今後もお伝えし続けていきたいと思います。
(企業情報第九本部第二部 副部長 石司 飛雄馬)