成約インタビューM&A事例

宿泊業・グランピング業のM&A事例【長野県】

宿泊業界の未来を描く
ターゲット戦略とM&A活用で新たなステージへ

  • 譲渡企業

    宿泊業・グランピング事業 L社

    業種
    宿泊業・グランピング事業(対象事業のみ)
    地域
    長野県
    売上
    1億円(対象事業のみ)
    社長の年齢
    49歳
    譲渡理由
    事業の選択と集中(カーブアウト)
  • 譲受企業

    株式会社インエー

    代表取締役

    武重 謙様

    業種
    宿泊業
    地域
    神奈川県
    売上
    2億円
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    事業拡大

この度、宿泊業・グランピング事業L社様と株式会社インエー様とのM&Aが成立いたしました。
譲受企業代表に、M&Aを決意した背景や今後のビジョンについてインタビューいたしました。

【譲渡企業】宿泊業・グランピング事業 L社
本社:長野県
事業内容:注文住宅の建築や不動産賃貸および売買の仲介などを行っている。

【譲受企業】株式会社インエー(株式会社やま星)
本社:神奈川県
事業内容:北海道稚内市「ゲストハウスモシリパ」や長野県阿智村「星降りの宿 やま星」を運営している。

譲受企業
株式会社インエー
代表取締役 武重 謙様 インタビュー

まずは御社についてご紹介いただきたいと思います。

1.御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。

私と妻はもともとIT系の会社に勤務しており、退職後、約2年半をかけて二人で世界一周旅行を経験しました。全くの異業種からの挑戦でしたが、その旅行経験をもとに宿泊業を個人事業としてスタートしました。それが小規模ながら非常にうまくいき、事業が軌道に乗った段階で法人化しました。
北海道全体に共通していることですが、稚内も宿泊料金が高く、安価に泊まれる施設が少ないというのが現状です。当社は周辺の宿泊施設とは異なり、長期旅行をするバックパッカーをメインターゲットとした、手頃な価格で宿泊できるゲストハウスを運営しています。この点が当社の強みであり、大きなメリットだと思っています。

ーゲストハウスの強みを教えてください。

まず、インバウンドに非常に強いという点です。当施設の宿泊者の約98%は外国のお客様で占められています。私たちは海外での経験が長く、外国人旅行者が求めているものを経験値として理解しているため、それをもとに喜んでもらえるサービスを提供することができ、それが安定した経営につながっています。また、私はエンジニアとしての経験があるため、創業当初からITを活用し、効率化や合理化に取り組みました。その結果、コストを削減しつつ利益率を最大化できたことが大きな成功要因だと思います。

M&Aを検討されたきっかけ

2.M&Aを検討されたきっかけや背景を教えてください。

法人化した段階から、2軒目、3軒目と店舗を増やしていきたいという目標がありました。しかし、コロナの影響で多店舗展開のタイミングを逃してしまい、数年間は現状維持が続いていました。その後、売上や利益が順調に拡大している中で、2店舗目の計画を本格的に進め始めました。ただ、物件を探してみると、北海道では物件価格が高く、立地や価格の希望条件に完全に合致する物件を見つけるのに苦戦しました。そこで、M&Aという選択肢も検討し始めました。

宿泊業・グランピング事業 L社様との出会い

3.最終的にL社様を譲り受けされましたが、L社様の印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。

小規模な宿泊施設は、ターゲットを絞った集客が定石です。しかし、何かに特化した宿泊施設を運営するには至らず、一般的な宿泊施設を運営しているケースが多いのが実情です。また、多少の特色を持つ程度で、当社が魅力を感じるような尖ったコンセプトを持つ宿泊施設は少ないのが現状です。

これは、ホテル業界ではテストマーケティングが難しいという性質があるため、実践に踏み切りにくいという理由があると思います。
その点、今回のL社様の施設は「愛犬と一緒に泊まれる高級旅館」という明確な特色を打ち出しており、素晴らしいと感じました。開業から2年間でしっかりとテストマーケティングの成果を出されていた点も好印象で、譲り受けを決める大きな理由となりました。

今後への思い

4.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

多店舗展開を目標としています。宿泊事業のような小規模な事業では、従業員がキャリアアップしにくい状況にあるのが課題です。しかし、多店舗展開を実現すれば、昇給やポジションの増加が可能となり、従業員にとってのキャリアの選択肢が広がります。また、希望する勤務地や役職など働き方の選択肢も増え、それが従業員の満足度向上にもつながると考えています。会社として働きやすい環境を整えることは非常に重要であり、これからも多店舗展開を目指して進めていきたいと思います。

5.今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。

ゼロからの立ち上げとM&Aの両方を並行して検討していく方針です。現在、宿泊施設では承継問題が発生しているケースも多いと考えられるため、条件に合ったお相手が見つかるタイミングで進めていきたいと思っています。

M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

6.M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

ー譲渡企業様に向けて

宿泊事業を営む経営者の方でM&Aを検討している場合は、早めの行動が重要だと思います。設備の老朽化などで不動産価値が下がり、集客が難しくなると、そのタイミングで売却を考えても買い手が見つかりにくくなります。そうなる前の、事業が軌道に乗り、ある程度の売上がある段階でM&Aを進めれば、買い手の候補も増え、高値で売却しやすくなるでしょう。

ー譲受企業様に向けて

M&Aの最大のメリットは、事業のスピードアップが図れることです。ゼロから宿泊施設を立ち上げる場合、従業員の教育や施設のコンセプトの確立など、軌道に乗るまで半年から1年程度かかります。しかし、M&Aを活用すれば、それを数ヶ月で実現することが可能です。経営者にとっては非常に大きなメリットですので、M&Aを「時間をお金で買う戦略」と捉えて検討するのが良いと思います。

最後に、M&A総合研究所についてお聞かせください。

7.弊社のアドバイザーのサポートはいかがでしたでしょうか。

担当アドバイザーの松井様には、最初から最後まで大変お世話になりました。M&Aを双方に寄り添い、円滑に進めようとする強い思いが伝わり、非常に心強かったです。また、情報共有を的確に行っていただいたおかげで、必要な情報をスムーズに確認することができ、業務が非常にやりやすかったです。本当にありがとうございました。

担当者からのコメント

松井 拓也
本件は「OPENから1年」「ようやく軌道に乗り始めた」と、まさに「これからどう成長させていくのか」という将来性を見極める必要があるマッチングでした。 売主様の本業は全く異なる業種だったため、運営ノウハウを持つ譲受企業様に引き受けていただいたことは、最良の選択だったと感じております。 トップ面談の時から最後のクロージングに至るまで、事業計画書を見ながら何度もディスカッションを重ねたことは、今となっては良い思い出です。 M&Aには設立年数は関係なく、将来性に価値を見出すという非常に学びの多い経験をさせていただきました。今後さらに多くの宿泊者様を喜ばせ続ける、最高の宿泊施設になることを心より願っております。
( 提携本部 金融提携部 シニアマネージャー 松井 拓也)

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